自重トレーニングを始めて一つの壁になるのが、懸垂(pull-up)です。ちなみに懸垂の英語表現でpull-upとchin-upがありますが、両者には明確な違いがあります。pull-upは順手での懸垂で主に広背筋と僧帽筋上部に、chin-upは逆手での懸垂で主に上腕二頭筋がメインに鍛えられます。
懸垂が出来ると起こる変化
懸垂(pull-up)は広背筋、大円筋、僧帽筋、上腕二頭筋が鍛えられます。特に広背筋、大円筋、僧帽筋が鍛えるれるので背中が広く、厚みが出るので見た目の変化が顕著になります。
本日は順手での懸垂(pull-up)が出来ない人が出来るようになる為の方法をご紹介しますので、最後まで是非お読みいただければ幸いです!
懸垂が出来ない理由
体重が重い
懸垂はバーにぶら下がった状態がスタートポジションになりますので、当然の事ながら全体重が負荷としてかかります。よって、体重が重い人は体を引き上げる為に相当な筋力が必要になる為、体重が軽い人に比べて当然不利になります。
筋力が足りない
懸垂にはいくつかの行程があります。まず、ぶら下がった状態のスタートポジション。バーにぶら下がるのに広背筋を使いますが、実はぶら下がった状態をキープするために腹筋も使われます。
スタートポジションから体を引き上げて行き、顔がバーと同じレベルになるまでが第二行程です。この第二行程ではまず体を引き上げるために腕の力(上腕二頭筋)が使われます。
最後に顎がバーを超える位置まで引き上げるのが最終行程です。ここで背中の筋肉(広背筋・大円筋)が使われます。
よって懸垂を行う為には、ある程度の筋力が必要となります。
懸垂が出来るようになる為のトレーニング
1.斜め懸垂(インバーテッドロウ)
懸垂が出来るようになる為に広背筋や僧帽筋、上腕二頭筋が鍛えられる種目として斜め懸垂(インバーテッドロウ)があります。足を地面につけて行うので、通常の懸垂より難易度は低めです。自宅で行うにはディップススタンドがあればできます。ない場合は公園の鉄棒を使って行いましょう。
斜め懸垂の手順
- 鉄棒やディップスタンドなどのバーを肩幅程度の広さで握ります。バーが胸の位置に来るように設定します。そのまま肘を伸ばし、足を地面につけたまま体が一直線になるようにします。ここがスタートポジションです。
- スタートポジションから肩甲骨を寄せる意識で、肘を曲げながら体を引き上げます。
- 胸がバーにつくまで体を引き上げます。肩甲骨を寄せて背中の筋肉を収縮させます。
- 肩甲骨を開きながら、ゆっくりと肘を伸ばしてスタートポジションに戻ります。
斜め懸垂のポイント
- 体が一直線になるよう意識しましょう。腰やお尻が落ちないよう注意してください。
- 体を引き上げる時は肩甲骨を寄せる意識をしましょう。胸がバーに当たるまで体を引き上げたら背中の筋肉を収縮させることを意識してください。
1セット8回から12回を3、4セット行えるように設定します。慣れてきたら手幅を肩幅より広めにとると、より広背筋に効かせることができます。
2.ネガティブ懸垂
ネガティブ懸垂は懸垂の体を降下させる動作にフォーカスした種目です。懸垂が数回できる人はより強化する為のトレーニングとしても有効です。
ネガティブ懸垂の手順
- ぶら下がれる安定したバーに肩幅程度の広さで握り、台などを使って顎がバーを超える位置にセットします。
- 肘を曲げながら、5秒程度かけて体をゆっくりと降ろして行きます。
- 肘が完全に伸びきるまで体を降ろしたら、地面に足をついてリセットする。
- 1〜3を繰り返す。
斜め懸垂のポイント
- 体を下ろす時はゆっくりと背中に負荷がかかっていることを意識する。
- 動作中は肩を竦めないように、肩甲骨を下げた状態を意識する。
1セット5〜7回を3セット程度行えるようにしましょう。
懸垂のコツ
最後に懸垂を行う上でのコツについてお話しします。フォームからちょっとしたテクニックまでご紹介します、
正しいフォームで行う
どの種目でもそうですが、正しいフォームで行うことが重要です。
懸垂の手順
- 肩幅程度の広さでバーを握り、肘が完全に伸ばしてぶら下がる。
- 肘を曲げながら、肩甲骨を引き寄せるイメージで体を引き上げる。
- 顎がバーを超えるか顎をバーにつけるまで引き上げる。
- 肩甲骨を引き寄せ、背中の筋肉を収縮させる。
- 肘を伸ばし、ゆっくりと体を降ろす。
- 肘が伸びきった状態まで体を降ろす。
- 1〜6を繰り返す。
懸垂のポイントとフォームの注意点
- バーを握ってぶら下がった時にある程度の握力が必要ですが、バーは強く握らない。イメージとしては軽く握る程度の力で握る。
- 腹筋に力を入れて体幹を安定させ、遠心力で体が振れるのを防ぐ。この時、後ろで足を組むと安定します。
- バーにぶら下がった状態から体を引き上げていく際は小指側を意識する。
- バーに胸を近づけるように体を引き上げる。
- 顔がバーの位置まで来たら、親指側を意識して顎がバーを超えるまで引き上げる。
以上のポイントと注意点を意識して懸垂を行なってみてください。斜め懸垂とネガティブ懸垂も行うと懸垂が強化されて回数が伸びてきますので、是非併せて行なってみてください。
まとめ
- 懸垂が出来ない理由は体重が重い事と、体を引き上げる為の筋肉量・筋力が足りない。
- 懸垂を行うのに必要な筋肉を鍛える為のトレーニングとして斜め懸垂とネガティブ懸垂を行う。2つの種目は懸垂の強化にも有効である。
- 懸垂は正しいフォームで行う。
筆者は筋トレを始めてから1年程経過してから懸垂に取り組み始めましたが、最初は1回も上がりませんでした。斜め懸垂をメニューに取り入れてから広背筋が鍛えられ、懸垂も少しずつ回数が伸びて行き、ネガティブ懸垂も取り入れたことで更に強化されました。
そして懸垂を始めた事で、肩幅が広くなり、体の厚みも増した事で筋トレのモチベーションも更に上がりました。筋トレ初心者の方や懸垂を行なっていない方は是非、チャレンジしてみてください。
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