2024年MLBチャンピオンシップシリーズまとめ

MLB

2024年のチャンピオンシップシリーズはア・リーグがヤンキース、ナ・リーグはドジャースがそれぞれ勝利してワールドシリーズ進出を決めました。

今回の記事ではそれぞれのチャンピオンシップシリーズを振り返り、総括していきますので最後まで読んでいただければ幸いです。

ア・リーグチャンピオンシップシリーズ(ALCS)

結果

  • ゲーム1: ヤンキース5-2ガーディアンズ 
  • ゲーム2: ヤンキース6-3ガーディアンズ
  • ゲーム3: ガーディアンズ7-5ヤンキース
  • ゲーム4: ガーディアンズ6-8ヤンキース
  • ゲーム5: ガーディアンズ2-5ヤンキース

ヤンキース4勝1敗 15年ぶり41回目のリーグ優勝でワールドシリーズ進出決定

MVPは4ホームラン、7打点、OPS1.222のスタントンが受賞。

ピックアップゲーム

ゲーム2

先制したのはヤンキース。トーレスの2ベース、ソトのシングルで1・3塁のチャンスを作ると、ジャッジが高々と打ち上げた打球をショート、ロキオが落球して1点先取。

2回裏、ヤンキースはバドゥーゴのタイムリー2ベースで1点を追加。なおも1アウト、2塁・3塁の場面で、ガーディアンズはソトを敬遠しジャッジとの勝負を選択。するとジャッジはセンターへの犠牲フライを放ち、3-0とリードを広げた。

試合後、ガーディアンズのボート監督はソトを敬遠し満塁でのジャッジとの勝負を選択した件について質問され「彼らは球場のあちこに打ちまくっていたので、試合を止める必要があった」と語った。

ソトはこの試合前まで打率.353、OPS1.043と絶好調。一方のジャッジはこの試合前までに15打数2安打、打率.133、OPS.564と不振が続いていたこともあり、この選択肢を選んだようだ。

試合に話しを戻す。反撃に出たいガーディアンズは5回表、ヤンキース先発のコールを攻め、ノーアウト満塁とすると、ジョシュ・ネイラーの犠牲フライとブレナンの併殺崩れの間に2点を返して2-3と詰め寄る。

6回裏のヤンキースはリゾのタイムリー2ベースで再びガーディアンズを突き放すと、7回裏、1アウト1塁からジャッジに今ポストシーズン第1号の2ランホームランが飛び出し、6-2とリードを広げた。

9回表、ガーディアンズはホセ・ラミレスのソロホームランで1点を返すも、反撃はここまで。ヤンキースが6-3で勝利し、ホームのヤンキースタジアムで2連勝を飾った。

ゲーム3

舞台をガーディアンズの本拠地、プログレッシブ・フィールドへと移して行われた第3戦。

2回表、ヤンキースは1アウト、2塁・3塁からトレビーノのタイムリーで1点を先制する。

3回裏、ガーディアンズはマンザードの2ランホームランで2-1と逆転に成功。

6回裏にはアンドレス・ヒメネスのタイムリーでガーディアンズが3-1とリードを広げる。

8回表、ヤンキースの攻撃。ガーディアンズ、ガッディスが簡単に2アウトをとるが、3番のソトにストレートのフォアボールを出し、バッターはジャッジ。ここで、ガーディアンズはガッディスから守護神クラッセに交代。

クラッセはカウント2ストライク、1ボールとジャッジを追い込み、投じた4球目。ジャッジは99マイル(159.6キロ)のカッターをとらえ、ライトスタンドへの起死回生の2ランホームラン。3-3の同点とすると、続くスタントンはクラッセの投じた7球目のスライダーをセンターへホームラン。 

ジャッジ、スタントンの連続ホームランで4-3とヤンキースが逆転に成功する。

クラッセはレギュラーシーズン、74試合に登板し、74.1イニングで防御率0.61とサイヤング賞候補に名前が挙がる程の驚異的なパフォーマンスを見せていた。クラッセがレギュラーシーズンに打たれたホームランは2本。しかし、今ポストシーズンはこの試合を含め、6イニングで被安打8、6失点、被本塁打3と精彩を欠いた。そしてこれがポストシーズンである。

試合は9回表にヤンキースがトーレスの犠牲フライで5-3とリードを広げる。9回裏のガーディアンズの攻撃は先頭のホセ・ラミレスがリゾのエラーで出塁するが、続くジョシュ・ネイラーがダブルプレイに倒れて2アウトランナーなし。しかし、粘るガーディアンズはリーン・トーマスが2ベースを放つと、代打、ノエル。2球目のチェンジアップをとらえ、値千金の同点2ランを放ち土壇場で5-5と試合を振り出しに戻す。

試合は延長戦に入り、10回表、ヤンキースは2人のランナーを出すも得点を奪えず。

10回裏、ガーディアンズは先頭のボー・ネイラーがヒットで出塁するとロキオが送って1アウト2塁。クワン倒れて2アウト3塁でバッターはフライ。ヤンキース、ホルムスが投じた4球目のシンカーをとらえてサヨナラ2ラン。

終盤から激しく動いたゲーム3はガーディアンズのサヨナラ勝ちで、1勝2敗とした。

ゲーム4

1回表、ヤンキースはソトの2ランホームランで2点を先制。その裏ガーディアンズもホセ・ラミレスの犠牲フライで1点を返す。

2回表、ヤンキースはウェルズのソロホームランで1点を追加。しかし、3回裏、ガーディアンズはジョシュ・ネイラーのタイムリーで2-3と1点差に迫る。続くリーン・トーマスがフォアボールで出塁し、2アウトながら1塁・2塁のチャンス。バッター、シュネーマンは8球粘りをみせたが9球目のスライダーにバットが空を切った。

6回表、ガーディアンズはこの回から今ポストシーズン8試合目のケイド・スミスをマウンドに送る。しかし、先頭のソトを歩かせ、ジャッジにもヒットを打たれると、続くチザムJr.が送りバントを決め、1アウト2塁・3塁でバッターはスタントン。

スタントンは1ボール2ストライクと追い込まれた4球目、アウトハイの4シームをとらえ打球は左中間スタンドへ飛び込む3ランホームラン。ヤンキースが6-2とリードを広げる。

反撃したいガーディアンズは7回裏、先頭のロキオがフォアボールで出塁するとクワンのヒットで1・3塁。1アウトとなって、ホセ・ラミレスの一塁線を破るタイムリー2ベースで3-6。続くジョシュ・ネイラーも初球をライトへ2ベース。5-6と1点差に迫った。

次のバッター、リーン・トーマスはフォアボールを選び、1アウト1・2塁のチャンスでバッターは前日の試合で同点2ランを放ったノエル。3球目のスイーパーを打つと打球はレフトへ。連日のホームランかと思われたが、レフトフェンス前で打球は失速。観衆からの歓声は溜め息に変わった。続くアンドレス・ヒメネスは三振に倒れこの回は終了。

しかし、8回裏、2アウトランナー3塁でバッターは前日のヒーロー、フライ。初球を打つと打球はボテボテのゴロ。これをピッチャーのライターJr.が弾いたため1塁はクロスプレーとなり、ライターJr.のトスをファースト、リゾが捕球できず、6-6の同点となる。

続くホセ・ラミレスは敬遠。勝ち越しのチャンスにバッターはジョシュ・ネイラー。しかし空振り三振で3アウト。ガーディアンズ、勝ち越し点は奪えなかった。

9回表、ガーディアンズはマウンドにクラッセを送るもリゾ、ボルピに連打を許す。ウェルズから三振を奪うも1アウトランナー2塁・3塁とし、バドゥーゴの当たりはショートへの緩いゴロ。この打球をショート、ロキオがファンブルし3塁ランナー帰ってヤンキースが勝ち越す。続くグレイバー・トーレスにもタイムリーが飛び出し、ヤンキースは8-6とリードを広げた。クラッセ、エラー絡みとは言え、昨日に続いての失点となってしまった。

9回裏、ガーディアンズは2人のランナーを出すも2アウトからロキオがセカンドゴロに倒れて試合終了。ヤンキースが8-6で勝利し、シリーズ3勝1敗でリーグ優勝へ王手をかけた。

なお、9回表に登板したヤンキースのケインリーは投じた18球全てがチェンジアップで、3試合、48球連続でチェンジアップを投げ続けた。

ゲーム5

王手をかけられたガーディアンズは2回裏、ジョシュ・ネイラーがサードへの内野安打で出塁すると、ボー・ネイラーがタイムリー2ベース。兄が出塁し弟が返すというネイラー兄弟の活躍でガーディアンズが1点を先制。

5回裏、ガーディアンズはアンドレス・ヒメネスの2ベースからクワンのタイムリーで1点を追加。続くフライがシングル、ホセ・ラミレスは敬遠され2アウト満塁とするが、リーン・トーマスがファーストゴロに倒れ1点止まり。

すると6回表、トーレス、ソトの連打で1塁・2塁とすると、ここで3番ジャッジはショートゴロダブルプレイ。ヤンキースのチャンスがついえたかに思われたが、続く打者は好調のスタントン。フルカウントからの6球目、真ん中に入ってきたスライダーをミートすると打球は左中間スタンドへ飛び込む、今ポストシーズン5本目のホームラン。ヤンキースが2-2の同点に追いついた。

その裏のガーディアンズの攻撃。先頭のジョシュ・ネイラー四球。ボー・ネイラーがヒットで1アウト、1塁・2塁のチャンス。しかし続くアンドレス・ヒメネスがセカンドゴロダブルプレイ。ガーディアンズ勝ち越しならず。

その後、両ブルペン陣が踏ん張りランナーを出しながらも相手に得点を許さず、試合は延長戦に突入。

10回表のヤンキースの攻撃はウェルズが四球で出塁、続くバドゥーゴの打球をセカンド、アンドレス・ヒメネスが捕球しショートのロキオにトス、これをロキオが弾きフィルダースチョイスとなり、1アウトランナー1塁・2塁。

バッターはソト。ソトはガッディスが投じた7球目のフォーシームをセンターバックスクリーン横へホームラン。ヤンキース5-2と勝ち越しに成功。

10回裏、ガーディアンズは1アウトからマンザードがヒットで出塁。しかし、後続のホセ・ラミレスはセンターライナー。続くリーン・トーマスはライトへ打ち上げる。このボールを勝ち越しホームランのソトがキャッチして試合終了。ヤンキースが5-2で勝利し、チャンピオンシップシリーズ4勝1敗で2009年以来15年ぶり41回目のリーグ優勝。ワールドシリーズ進出を決めた。

ALCSの総括

結果は4勝1敗でしたが、接戦が多く、終盤に試合が動く展開が多かったため、見応え十分のシリーズでした。

このシリーズでは8回以降に同点もしくは勝ち越しとなるホームランが5本飛び出し、これは単年のポストシーズン としては最多となりました。

↑の記事でALCSの展望をしていますのであわせてどうぞ。

ヤンキースは主砲のジャッジに2本のホームランが出ましたが、打率.167、OPS.761と本調子とは言えませんでした。しかし、全体的に攻撃陣は当たっており、MVPのスタントンは打率こそ.222ですが、ホームラン4本、長打率.889、OPS1.222。ソトは打率.368、ホームラン3本、OPS.1373とジャッジの前後を打つ2人が素晴らしいパフォーマンス。リゾ、トーレス、ボルピも打率3割を超え、OPS.800以上とシリーズ通して攻撃陣が活発でした。

投手陣は先発ではロドンが2試合で10イニングを投げ、3失点、15奪三振で防御率2.53。

ブルペン陣では5試合全てに登板したヒルが4.2イニングを投げて防御率1.93。ケインリーは3試合に登板、4イニングを投げて防御率0.00。またシリーズ中に故障者の代替でコールアップされたライターJr.も2試合に登板し防御率3.86とブルペン陣の一員としてチームのワールドシリーズ進出に貢献しました。

ガーディアンズはフライが打率.333、ホームラン1本、OPS.968。マンザードが打率.385、ホームラン1本、OPS1.077。ボー・ネイラーが打率.364、OPS.909、ロキオ、打率.294、OPS.871が攻撃陣を牽引。一方でホセ・ラミレスが打率.211、OPS.807。クワンが打率.238、OPS.598。地区シリーズではチームを救う活躍をしたリーン・トーマスは打率.118、OPS.551と精彩を欠く形となってしまった。

またショートのロキオに3つのエラーが出て、ほぼ失点に絡む形となってしまいました。

一方の投手陣は地区シリーズからブルペン陣がフル稼働状態。シーズン中に好成績を収めたガッディスが4試合、3.1イニングで6失点、防御率8.10。そしてクラッセは3試合に登板し2.1イニングで被安打7、2本のホームランを浴び、4失点、防御率15.43、WHIP3.429と苦しいシリーズとなりました。

ナ・リーグチャンピオンシップシリーズ(NLCS)

結果

  • ゲーム1: ドジャース9-0メッツ 
  • ゲーム2: ドジャース3-7メッツ
  • ゲーム3: メッツ0-8ドジャース
  • ゲーム4: メッツ2-10ドジャース
  • ゲーム5: メッツ12-6ドジャース
  • ゲーム6: ドジャース10-5メッツ

ドジャース4勝2敗 4年ぶり25回目のリーグ優勝でワールドシリーズ進出決定

MVPは打率.407、11安打、11打点、OPS1.023のトミー・エドマンが受賞。

ピックアップゲーム

ゲーム2

1回表、メッツはリンドーアに先頭打者ホームランが飛び出し、1点を先制。ドジャースはこの試合、ブルペンデーを選択しており、2回からナックが登板。しかし、ヒットとフォアボールでランナー1・2塁とされると、1アウトからタイロン・テイラーにタイムリー2ベースを打たれ0-2とされる。2アウト2・3塁となり、ここでドジャース、デーブ・ロバーツ監督はリンドーア敬遠を選択。

フルベースとなり、迎えるはヴィエントス。フルカウントとなり9球目。真ん中への4シームを打つと打球は右中間スタンドを超えグランドスラムとなった。今ポストシーズン、この試合前までに.375、OPS1.037と絶好調のヴィエントスはNLCSでも健在だった。なお、このホームランはスタットキャストのデータによるとメッツの本拠地、シティ・フィールドではホームランにはならない打球であった。

一方のドジャースはメッツ先発のマナエアを攻略出来ず打ちあぐねていたが、5回裏にマンシーのソロホームランで1点を返すと、6回裏に疲れが見えたかマナエアがベッツ、テオスカー・ヘルナンデスに連続フォアボールで出塁を許す。するとフリーマンの打球がセカンド、イグレシアスのフィルダースチョイスとなり、1点を返す。ここでメッツはピッチャーを交代し、2番手のフィル・メイトンを登板させる。

ドジャースは1アウトからエドマンが2点タイムリーを放つ。続くマンシーがフォアボールで出塁するが、キケ・ヘルナンデスはダブルプレイで3点差のまま攻撃が終了した。

9回表、メッツはスターリング・マルテのタイムリーで1点を追加。9回裏は8回2アウトから登板しているディアスが先頭のパヘズにヒット、大谷を四球で出塁させるが、ベッツ、フリーマン、テオスカー・ヘルナンデスを3者連続三振に打ち取り4アウトセーブを達成し、7-3で勝利。シリーズを1勝1敗のタイに戻した。

ゲーム4

初回、ドジャースは大谷の先頭打者ホームランが飛び出すが、その裏のメッツはヴィエントスのホームランですぐさま同点に追いつく。

3回表のドジャースは大谷がフォアボール、ベッツがヒットで出塁すると2アウトとなるが、エドマンにタイムリー2ベース、キケ・ヘルナンデスにもタイムリーが飛び出し、3-1と勝ち越しに成功。

3回裏のメッツは1アウト満塁からニモがダブルプレイでチャンスが潰えたかに思えたが、ニモのファーストアウトがチャレンジにより覆り2-3と1点差に迫った。

ドジャースはその後も効果的に追加点を重ねる。一方のメッツはランナーこそ出すものの、ドジャースの後続のブルペン陣から得点出来ず、2-10で敗戦。ドジャースは12安打、10得点と四球も絡んで効率良く得点。3勝 1敗でリーグ優勝に大手をかけた。一方のメッツは10安打で2得点と拙攻が目立った。

ゲーム5

リーグ制覇に大手をかけたドジャースは、初回に大谷のヒット、ベッツの2ベースでノーアウト2塁・3塁のチャンスをつくる。ここで迎えたテオスカー・ヘルナンデスはショート正面にへのゴロでランナーを返せず、続くフリーマンはファーストライナー、更にエドマンも三振に倒れ、ドジャースはチャンスをつくるも生かしきれず。

するとその裏のメッツはドジャース先発、フラハティからランナー1・2塁とチャンスをつくると、迎えたアロンゾが真ん中低めのスライダーをセンターへの3ランホームラン。メッツが3点を先制する。

2回表のドジャースは先頭のキケ・ヘルナンデスが四球で出塁。2アウトとなり、パヘズのヒットでランナーのキケ・ヘルナンデスが3塁まで進塁し、2アウトながら1塁・3塁のチャンスでバッターは大谷。ピーターソンは1球目のシンカーをワイルドピッチ。3塁ランナーの返って1-3とドジャースが1点を返す。大谷は結局フォアボールで出塁するが、ベッツが倒れてドジャースは追加点ならず。

その後、メッツは調子の上がらないフラハティから連続四球を選び、マルテが2点タイムリー2ベース。2アウトとなるが、アルバレスのタイムリー、リンドーアのタイムリー3ベース、そしてニモのタイムリーと長打を含む3連打で8-1と大量リードを奪う。

フラハティはシリーズ第1戦の7回無失点の好投から一転、3回被安打8、4四球、8失点と大乱調だった。

ドジャースはパヘズに2本のホームランとベッツのホームランが飛び出し6-10とするが、メッツは更に追加点をあげ、12-6で勝利した。

ゲーム6

舞台を再びドジャースタジアムに移したゲーム6。ドジャースはブルペンデイを選択。一番手のコペックは先頭打者のリンドーアにストレートのフォアボールを与える。その後、ワイルドピッチとニモの内野ゴロの間にリンドーアはサードまで進塁。2アウトとなり打者はアロンゾ。追い込まれてからの5球目、インハイへの100.2マイルのフォーシームを打つとセカンドへの小飛球。ワンバウンドでセカンドのクリス・テイラーがベアハンドキャッチしファーストに送球するも送球は逸れて記録は内野安打に。この間にリンドーアがホームインしメッツが1点を先制。

その裏のドジャースの攻撃。ゲーム2で打ちあぐねたマナエアから、大谷とテオスカー・ヘルナンデスのヒットで1塁・3塁と先制点のチャンスをつくると、バッターはエドマン。6球目のバックドアのスイーパーを打って2点タイムリー2ベース。ドジャースが2-1と逆転に成功する。このカードはここまで先制したチームが勝利していたが、ここで初めて逆転打が飛び出した。

3回裏のドジャースは先頭のテオスカー・ヘルナンデスがヒットで出塁。続くエドマンがこの日4打点目となる2ランホームランを放って4-1。更にマンシーがフォアボールで出塁したところで、メッツはマナエアからメイトンに交代。その後2アウトとなるも、ウィル・スミスが2ランホームラン。ドジャースが6-1とリードを更に広げた。

離されたくないメッツは4回表。アルバレスがヒットで出塁。その後ツーアウトとなったところで、ドジャースはバンダからブレイシアに交代。バッターはヴィエントス。2球目の低めのスライダーを打って2ランホームラン。メッツが2点を返して3-6とした。

これ以上点をやりたくないメッツは4回から守護神ディアスを投入。2イニングを無失点に抑えた。

ドジャースは6回裏、ディアスを継投したスタネックからウィル・スミスが四球。クリス・テイラーがバントすると内野安打となり、1塁・2塁。ここで大谷がセンターへのタイムリーを放って7-3とし、メッツを突き放す。

7回表、メッツはアルバレスの犠牲フライで1点を返して4-7。しかし続くリンドーアは三振に倒れる。

8回裏のドジャースの攻撃は7回から登板した千賀からクリス・テイラーがヒット。大谷がフォアボールでノーアウト、ランナー1塁・2塁とチャンスをつくり、バッターはベッツ。フルカウントからの6球目を2点タイムリー2ベースで8-4。続くテオスカー・ヘルナンデスは犠牲フライ、更にキケ・ヘルナンデスのタイムリーで10-4とメッツを大きく突き放すことに成功。

9回表のメッツは2アウトからマクニールのタイムリーで1点を返すも、続くアルバレスがセカンドゴロに倒れて試合終了。ドジャースが10-5で勝利し、4年ぶり25回目のリーグ優勝でワールドシリーズ進出を決めた。

NLCSの総括

どの試合も勝った方のチームが大差をつけて勝利する展開となりました。

ドジャースはこのシリーズで8得点以上あげた試合が4試合ありましたが、この記録は1960年にヤンキース、1993年にブルージェイズがそれぞれワールドシリーズで達成しており、ドジャースは2チームの記録にタイ記録で並びました。

またこのシリーズでドジャースが稼いだ四球の数は42個で2011年のカージナルスがワールドシリーズで記録した41を上回りトップとなりました。

攻撃陣を見ていくと、シリーズMVPのエドマンが打率.407、11打点、OPS1.022、大谷が打率.364、2ホームラン、6打点、9四球、OPS1.185、ベッツが打率.346、2ホームラン、9打点、OPS1.182、そしてマンシーは打率.333で2ホームラン、11四球、出塁率.630、OPS1.363を記録していました。

なお、マンシーの11四球は単一のポストシーズンのシリーズ記録としては、2002年ワールドシリーズのバリー・ボンズの13四球に次ぐ2位タイとなっています。

投手陣を見ていくとドジャースは先発投手陣が懸念されていましたが、ゲーム1のフラハティ、そして山本、ビューラーとゲームメイクをして、好調なブルペン陣に継投することでメッツ打線を抑えることに成功。

またハニーウェルが敗れたゲーム2とゲーム5で長いイニングを投げたことでブルペン陣の温存に貢献しました。ロバーツ監督の投手起用は地区シリーズからプラスに作用しているように思えます。

なお、ドジャース投手陣はパドレスとの地区シリーズ、ゲーム3の3回からNLCSのゲーム1まで33イニング連続無失点を記録し、1966年のオリオールズがワールドシリーズで達成したメジャー史上最長記録と並んでタイ記録となるなど、ドジャースブルペン陣の調子の良さが伺えます。

一方のメッツは勝利した試合とゲーム6は好調の打線が大量得点を上げていましたが、敗れた試合はドジャースのブルペン陣に封じ込められていました。

攻撃陣を見ていくとアロンゾがOPS.838、リンドーアがOPS.893、スターリング・マルテがOPS.839、そしてポストシーズンでメッツ打線を牽引したと言っても過言ではないヴィエントスは打率.222ながらも3ホームラン、7打点、OPS.806と存在感を発揮していました。

ブルペン陣はゲーム2のマナエアが好投を見せたものの、先発陣がゲームをつくれず、僅差のまま中盤・終盤に持ち込むという地区シリーズまでの戦いができませんでした。

またメッツブルペン陣は42個のフォアボールを許し、ドジャース強力打線に大量得点を与えるキッカケをつくってしまいました。

メッツの2024年シーズンは来シーズン以降のブリッジイヤーと位置付けられていました。

シーズン開幕から5連敗を喫し、5月には負け越し数が10を超えていました。しかし、6月から一転、チームは上り調子となっていき、レギュラーシーズン161試合目でのワイルドカードを獲得。

そしてブルワーズとのワイルドカードシリーズのゲーム3では9回、0-2と敗色濃厚な展開からアロンゾの3ランで逆転勝利。

続くフィリーズとの地区シリーズ、ゲーム4の6回、0-1と劣勢状態からリンドーアのグランドスラムで逆転勝利し、チャンピオンシリーズまでの勝ち上がり方は、まさに「ミラクルメッツ」の名に相応しいものでした。

最後に

ワールドシリーズはドジャース対ヤンキースに決定

ワールドシリーズはドジャース対ヤンキースという東西の名門チーム同士のカードとなりました。両チームがワールドシリーズで対戦するのは意外にも43年ぶりですが、通算12回の対戦はメジャー最多です。

次の記事ではワールドシリーズの展望をして行きますので、是非またご覧いただけると幸いです。

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