こんにちは、Chanです。
シーズン開幕から1ヶ月が経過しましたが、引き続きチーム紹介を行いますので、今年からMLBを見始めたという方も、そうでない方も是非MLBの各チームについて知っておいてください。
チーム紹介も残りわずかになってきました。
今回はナショナル・リーグ中地区最後のチーム、ミルウォーキー・ブルワーズをご紹介します。
是非最後までお付き合いください。
ミルウォーキー・ブルワーズとは

球団概要
- 創設: 1969年 (創設時はシアトル・パイロッツ)
- 本拠地: ウィスコンシン州ミルウォーキー
- ホーム球場: アメリカン・ファミリー・フィールド
- 所属リーグ: ナショナル・リーグ(National League)97年まではアメリカン・リーグに所属
- 地区: ナ・リーグ中地区( NL MIDDLE )
- 略称: MIL
- チーム名の由来: ブルワーズ(Brewers)は「ビール醸造者」を意味し、ミルウォーキーのビール産業の歴史にちなんで名付けられました。
- オーナー: マーク・アタナシオ
- 監督: パット・マーフィー
- ワールドシリーズ優勝 なし
- リーグ優勝 1回 (1982)
- 地区優勝 6回(1982, 2011, 2018, 2021, 2023, 2024)
- ワイルドカード獲得 3回(2008,2019, 2020)
球団の歴史
1969年にシアトル・パイロッツとして創設され、1970年にミルウォーキーへ移転し、現在のミルウォーキー・ブルワーズとなりました。当初はア・リーグに所属していましたが、1998年にナ・リーグへ移籍しました。
創設
1969年、シアトルを本拠地とするシアトル・パイロッツとしてア・リーグに新規参入。
1970年、財政難により、シーズン開幕直前にミルウォーキーへ移転し、球団名をミルウォーキー・ブルワーズと改称。
1972年、ワシントン・セネターズのテキサス移転に伴い、レンジャーズと入れ替わる形となってア・リーグ東地区へ移動。
ア・リーグ時代のブルワーズ
チーム創設から間もない1970年代は苦戦が続く苦しいチーム状態でしたが、ハービー・ユースタス監督時代から徐々にチームが安定し始めます。
1982年、ロビン・ヨーント、ポール・モリターらの活躍でフランチャイズ初のワールドシリーズ出場を果たします。
この年のチームは「ハーヴェイの壁(Harvey’s Wallbangers)」と呼ばれ、強力な打撃力を誇りました。
ナ・リーグ移籍から現在まで
1998年、MLBのリーグ再編により、ナ・リーグ中地区へ移籍。
新球場 ミラー・パーク(現アメリカン・ファミリー・フィールド)が2001年に開場。
2008年、26年ぶりのプレーオフ進出。
2011年、地区優勝し、ナ・リーグチャンピオンシップシリーズ(NLCS)に進出(カージナルスに敗退)。
2018年、NLCSでロサンゼルス・ドジャースと激闘を演じるも敗退。
この年、クリスチャン・イエリッチがMVPを獲得し、球団のスター選手となる。
近年では安定してプレーオフに進出する強豪チームとなり、堅実な投手陣と守備、機動力を併せ持つバランス型のチームです。
5種類のソーセージの着ぐるみが球場内を走るソーセージレースが球場の名物イベントです。
過去の主な所属選手
- ロビン・ヨーント(SS/OF)
ブルワーズ一筋20年のチームの伝説的フランチャイズプレーヤー。
ブルワーズ史上最多の通算 3,142安打。
1982年、1989年の2度MVP受賞。
1982年にはワールドシリーズ進出に貢献。
1999年殿堂入り。
背番号「19」は永久欠番となる。
- ポール・モリータ( 3B/DH)
通算 2,281安打をブルワーズで記録。
1987年には39試合連続安打。
1982年のワールドシリーズ進出に中心選手として貢献。
2004年に殿堂入り。
背番号「4」は永久欠番。
- セシル・クーパー(1B)
通算 201本塁打、944打点を記録。
5年連続打率3割超えを達成(1980年〜1984年)
1983年に126打点でア・リーグ打点王。
- ライアン・ブラウン(OF)
2007年ナ・リーグ新人王。
通算 352本塁打(ブルワーズ歴代最多本塁打)
2011年ナ・リーグMVP。
チームを2011年、2018年のポストシーズンに導く活躍。
- ベン・シーツ(RHP)
通算 86勝83敗、防御率3.72、1,206奪三振。
2004年には264奪三振と防御率2.70の好成績。
球団史上屈指のエース右腕。
過去に所属した日本人選手
ブルワーズには現在まで日本人選手が6人在籍していました。
- 野茂英雄(1999年)
- マック鈴木(2001年)
- 野村貴仁(2002年)
- 大家友和(2005-2006年)
- 斎藤隆(2011年)
- 青木宣親(2012-2013年)
ブルワーズの9FIFTYキャップです!
ブルワーズの以前のロゴのキャップ!2002年のオールスターゲームサイドパッチがあしらわれています。
2024年シーズンの成績

チーム戦績
勝利 | 敗戦 | 勝率 | 順位 | 最終戦績 |
93 | 69 | .574 | 地区1位 | ワイルドカード・シリーズ敗退 |
打撃成績
試合数 | 得点 | 平均得点 | HR | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
162 | 777 | 4.80 | 177 | 217 | .248 | .326 | .403 | .729 |
投手成績
イニング数 | 平均失点 | 防御率 | 四球 | 失点 | 自責点 |
1456.0 | 3.96 | 3.65 | 494 | 641 | 586 |
2024年は93勝を挙げてナ・リーグ中地区制覇。
チームの打撃成績を見ていくと、得点数・1試合あたりの平均得点数はMLB全体6位。HRや2ベースはMLB平均を若干下回っています。
しかし、四球数はMLB全体3位で、出塁率は全体4位、盗塁数は全体2位と出塁率の高さと盗塁で長打をカバーし、得点しています。
投手成績は1試合あたりの平均失点数は3.96と全体5位、チーム防御率も全体5位となっています。
主な選手の紹介

野手
※太字選手は新加入 成績は2024年シーズン
ポジション | 名前(年齢) | 打席 | 試合 | 打率 | HR | OPS | rWAR |
C | ウィリアム・コントレラス(27) | 右 | 155 | .281 | 23 | .831 | 4.9 |
1B | リス・ホスキンズ(32) | 右 | 131 | .214 | 26 | .722 | -0.2 |
2B | ブライス・トゥラング(25) | 左 | 155 | .254 | 7 | .665 | 4.7 |
SS | ジョーイ・オルティーズ(26) | 右 | 142 | .239 | 11 | .726 | 2.7 |
3B | ケーレブ・ダービン (25) | 右 | 90 ※マイナーリーグ | .275 | 10 | .839 | – |
LF | ジェイク・バウアーズ(29) | 左 | 116 | .199 | 12 | .662 | -0.4 |
CF | ジャクソン・チョーリオ(21) | 右 | 148 | .275 | 21 | .791 | 3.8 |
RF | サル・フレリック(25) | 左 | 145 | .259 | 2 | .655 | 2.1 |
DH | クリスチャン・イェリッチ(33) | 左 | 73 | .315 | 11 | .909 | 2.2 |
C | エリック・ハッス(30) | 左 | 30 | .273 | 5 | .819 | 0.4 |
UT | ビニー・キャプラー(28) | 右 | 3 | .111 | 0 | .333 | -0.1 |
OF | ダズ・キャメロン(28) | 右 | 66 | .200 | 5 | .587 | -0.5 |
UT | アイザック・コリンズ(27) | 両 | 11 | .118 | 0 | .328 | -0.3 |
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昨シーズンデビューし、20-20を達成するなど、チームの生え抜きスター選手となったジャクソン・チョーリオを攻撃の中心にMLBトップレベルのキャッチャー ウィリアム・コントレラス、昨シーズンは50盗塁をマークしキャリア初のゴールドグラブを受賞したブライス・トゥラングといった20代の野手にリス・ホスキンスやクリスチャン・イェリッチといった実績あるベテラン野手が融合し、非常にバランスのいい布陣となっています。
昨シーズンは69試合に出場しOPS.812をマークし、ネクストブレイク候補となった外野手 ギャレット・ミッチェルは腹斜筋を痛めて10日間の故障者リスト入りしています。
投手
※太字選手は新加入 成績は2024年シーズン
役割 | 名前(年齢) | 投 | 試合 | イニング | 奪三振 | 防御率 | rWAR |
SP1 | フレディ・ペラルタ(28) | 右 | 32 | 173.2 | 200 | 3.68 | 2.5 |
SP2 | トビアス・マイヤーズ(26) | 右 | 27 | 138.0 | 127 | 3.00 | 2.7 |
SP3 | チャド・パトリック(26) | 右 | 26 ※マイナーリーグ | 136.1 | 145 | 2.90 | – |
SP4 | クイン・プリスター(24) | 右 | 1 | 5.0 | 2 | 1.80 | 0.2 |
SP5 | ホセ・キンタナ(36) | 左 | 31 | 170.1 | 135 | 3.75 | 2.5 |
CL | トレバー・メギル(31) | 右 | 48 | 46.1 | 50 | 2.72 | 1.3 |
SU | ジャレッド・ケイニグ(31) | 左 | 55 | 62.0 | 63 | 2.47 | 1.5 |
SU | エブナー・ウリベ(24) | 右 | 14 | 14.1 | 14 | 6.91 | -0.4 |
RP | グラント・アンダーソン(27) | 右 | 23 | 26.2 | 29 | 8.10 | -1.1 |
RP | ニック・ミヤーズ(28) | 右 | 13 | 12.1 | 18 | 7.30 | -0.3 |
RP | クレイグ・ヨーホー(25) | 右 | 48 ※マイナーリーグ | 57.2 | 101 | 0.94 | – |
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ブルワーズ先発陣は怪我人が多く、肩の手術により24年シーズン全休となったブランドン・ウッドラフ、ハムストリングの負傷により15日間の故障者リスト入りとなったアーロン・シバーレ、広背筋の負傷により60日間の故障者リスト入りとなったDL・ホールなど本来ローテーションに入ってくるスターターを複数人欠く厳しい状況ながら、今季もフレディ・ペラルタがローテーションの1番手を担い、今季デビューのチャド・パトリックやメッツからFA加入したベテラン左腕 ホセ・キンタナ、4月にレッドソックスからトレードで獲得したクイン・プリスターなどの新戦力でローテーションを回していきます。
昨シーズンの前半、デビン・ウィリアムズ不在の中、見事に代役を務めたトレバー・メギルが今季もクローザーとして9回を投げます。
ブルペンには昨季A +からAAAの三階層で48試合に登板し、防御率0.94、奪三振率42.4%を記録したクレイグ・ヨーホーがデビュー。今のところ制球に苦労していますが、投球の大部分を占めるチェンジアップや大きく変化するスウィーパーを制球できればブルペン陣の中核を担う存在となりそうです。
プロスペクト
ブルワーズには4人のプロスペクトランキングトップ100入りした選手がいます。
名前(ポジション) | 年齢 | プロスペクトランク順位 |
ヤファーソン・ケロ(C) | 22 | 43 |
ヘスス・マデ(SS/3B) | 17 | 51 |
クーパー・プラット(SS) | 20 | 52 |
ジェイコブ・ミジロウスキー | 23 | 95 |
- ヤファーソン・ケロ
A master behind the dish.
— Milwaukee Brewers (@Brewers) November 14, 2023
Congrats to Jeferson Quero, Minor League Baseball’s Gold Glove catcher! pic.twitter.com/tCdZbxQKsG
19年国際FAで加入。
24年は開幕戦で肩を負傷。手術のため、残りシーズン全休となった。
23年はマイナーリーグのゴールドグラブを受賞するなど、フレーミング技術とポップタイム(キャッチャーが投球を捕球してから送球がセカンドベースに到達するまでの時間)の早さを兼ね備え、捕手能力の高さに優れています。
打撃ではAAで90試合に出場し、16HR、打率.262、OPS.779、wRC +105をマーク。
好守に優れたキャッチャーとしてウィリアム・コントレラスの後継者有力候補です。
ランキング引用:MLB.com Prospect Rankings2025
成績引用:Baseball Reference, FanGraphs
まとめ
ミルウォーキー・ブルワーズは1969年のMLBエクスパンションで創設されたチームの一つです。
ブルワーズはスモールマーケットのチームながら戦略的なチーム運営により近年ではプレーオフの常連となっています。
まだワールドシリーズ制覇はありませんが、そのポテンシャルはありますので、今季のブルワーズの動向にも注目してみてください。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
この記事が参考になれば幸いです。
チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference
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