こんにちは、Chanです。
当ブログでは、MLB初心者の方向けにMLBの全30チームを紹介しています。
いよいよアメリカ本土での開幕まであと一週間を切りました。
今回はナショナル・リーグ東地区のアトランタ・ブレーブスをご紹介します。
是非最後までお付き合いください。
アトランタ・ブレーブスとは

球団概要
- 創設: 1871年 (ボストン・レッドストッキングスが起源)
- 本拠地: ジョージア州・ガンバーランド
- ホーム球場: トゥルーイスト・パーク
- 所属リーグ: ナショナル・リーグ(National League)
- 地区: ナ・リーグ東地区(EL EAST)
- 略称: ATL
- チーム名の由来: 1912年にオーナーのジェームズ・ガフニーがネイティブ・アメリカンに由来する「Braves(勇勇者)」を採用したことが始まりであり、その後の移転を経ても継続して使われています。
- オーナー: アトランタ・ブレーブス・ホールディングス
- ワールドシリーズ優勝: 4回 (1914年、1957年、1995年、2021年)
- リーグ優勝: 18回 (1877年、1878年、1883年、1891年、1892年、1893年、1897年、1898年、1914年、1948年、1957年、1958年、1991年、1992年、1995年、1996年、1999年、2021年)
- 地区優勝: 22回 (1969年、1982年、1991年~1993年、1995年~2005年、2013年、2018年~2023年)
- ワイルドカード: 3回 (2010年、2012年、2024年)
球団の歴史
アトランタ・ブレーブス(Atlanta Braves)は、MLBのナショナル・リーグ東地区に所属する球団で、MLBで最も長い歴史を持つ球団の一つです。その歴史は19世紀まで遡ります。
球団創設とボストン時代
球団の起源は、1871年 ナショナル・アソシエーションに参加したボストン・レッドストッキングスまで遡ります。
1876年、ナショナル・リーグの創設チームボストン・レッドキャップスとして参加。ナ・リーグ発足時から現存しているチームはブレーブスとカブスのみです。
1883年、ボストン・ビーンズイーターズに改称し、19世紀後半にはリーグを代表する強豪チームに。
1912年、ボストン・ブレーブスに改称。1914年には「ミラクル・ブレーブス」としてリーグ最下位から奇跡的な優勝を果たし、ワールドシリーズ制覇。
1936年~1940年、ボストン・ビーズに改称しましたが、1941年に再びボストン・ブレーブスに戻ります。
1952年、観客動員の低迷により、本拠地移転を決定。
ミルウォーキー時代
1953年、本拠地をウィスコンシン州ミルウォーキーに移し、ミルウォーキー・ブレーブスに改称。
1957年、ハンク・アーロンやエディ・マシューズの活躍でワールドシリーズを制覇。
翌1958年、2年連続でワールドシリーズ進出するも、ヤンキースに敗れます。
1965年、球団経営の問題から、アトランタへの移転が決定。
アトランタ・ブレーブスの誕生から現在
1966年、本拠地をジョージア州アトランタに移し、現在のチーム名、アトランタ・ブレーブスに改称。
1974年にはハンク・アーロンがベーブ・ルースの通算本塁打記録(714本)を更新し、通算755本塁打を記録。
1990年代~2000年代初頭にかけてチームは「黄金時代」を迎えるます。1991年~2005年の間、15年連続で地区優勝(1994年はストライキのため中止)。
1995年にはグレッグ・マダックス、トム・グラビン、ジョン・スモルツの強力投手陣を擁し、ワールドシリーズでクリーブランド・インディアンスを破って優勝。
チームは2017年にアトランタから同ジョージア州のガンバーランドのサントラスト・パーク(2020年からトゥルーイスト・パーク)に本拠地を移転。
前記事で紹介したロサンゼルス・エンゼルス同様、冠している都市名を拠点としていないチームとなりました。
ブレーブスは地区優勝を繰り返すもワールドシリーズ制覇になかなか届きませんでしたが、2021年にヒューストン・アストロズを破り、26年ぶりのワールドシリーズ制覇を達成しています。
過去の主な所属選手
- ハンク・アーロン(OF)
MLB歴代トップの通算本塁打755本。1957年のワールドシリーズ制覇に貢献。同年のシーズンMVPも受賞。
ブレーブス歴代最多の2,202打点と3,600安打を記録。
1999年にMLBが「ハンク・アーロン賞」を創設。
- グレッグ・マダックス(RHP)
サイ・ヤング賞4回(1993年~1995年、1998年)。
最優秀防御率の4回。
投手史上最多年連続ゴールドグラブ賞受賞。MLB史上最も制球力に優れた投手の一人(通算BB/9 1.80)
- チッパー・ジョーンズ(3B/1B)
ブレーブス一筋19年のフランチャイズプレイヤー。
1995年のワールドシリーズ制覇に貢献し1999年にシーズンMVP受賞。
通算468本塁打・1,623打点を記録(ブレーブス歴代2位)
通算打率.303、出塁率.401、OPS.930はスイッチヒッターとして史上最高レベルの打撃成績。
2018年に殿堂入り。
- トム・グラビン(RHP)
サイ・ヤング賞2回(1991年、1998年)
1995年のワールドシリーズMVP(第6戦で8回無失点)
ブレーブス歴代2位の通算244勝。
オールスター選出10回。マダックスとともに強力投手陣を形成。
- ジョン・スモルツ(RHP)
1996年、サイ・ヤング賞受賞。
先発とリリーフ両方で大活躍し、通算210勝154セーブを記録。通算3,000奪三振は歴代17位。
ポストシーズンに強くポストシーズン通算15勝。
過去に所属した日本人選手
ブレーブスに過去在籍した日本人選手は2人です。
- 川上憲伸(2009-2010年)
- 斎藤隆(2010年)
2024年シーズンの成績

チーム戦績
勝利 | 敗戦 | 勝率 | 順位 | 最終戦績 |
89 | 73 | .549 | 地区2位 | ワイルドカード・シリーズ敗退 |
打撃成績
試合数 | 得点 | 平均得点 | HR | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
162 | 704 | 4.35 | 213 | 69 | .243 | .309 | .415 | .724 |
投手成績
イニング数 | 平均失点 | 防御率 | 四球 | 失点 | 自責点 |
1433.1 | 3.75 | 3.49 | 449 | 607 | 559 |
2024年は投打ともに主力選手を怪我で長期離脱で欠く苦しいシーズンとなりました。
打撃成績は得点・打率・OPSでリーグ平均を若干上回っており、HR数は全体で4位でした。
野手陣はロナルド・アクーニャJr.が左膝前十字靭帯断裂で5月下旬でシーズン終了となり、オースティン・ライリーは右手首の骨折で8月18日にシーズン終了。オジー・アルビーズも左手首骨折で約8週間離脱。ショーン・マーフィーはシーズン開幕戦で腹斜筋の負傷により約1ヶ月離脱しています。
先発陣の成績は防御率が全体3位。K/9とHR/9はMLBトップでした。
先発陣ではエースのスペンサー・ストライダーが4月6日に右肘尺側即副靭帯損傷が判明し、4月13日にインターナル・ブレース手術を受けてシーズン終了となりました。
ブルペン陣は防御率3位・WHIP6位で、BB/9、K/9はMLB2位の好成績を残しています。
主な選手の紹介

野手
※太字選手は新加入 成績は2024年シーズン
ポジション | 名前(年齢) | 打席 | 試合 | 打率 | HR | OPS | rWAR |
C | ドレイク・ボルドウィン(24) | 左 | 124 | .276 | 16 | .793 | – |
1B | マット・オルソン(31) | 左 | 162 | .247 | 29 | .790 | 3.8 |
2B | オジー・アルビーズ(28) | 両 | 99 | .251 | 10 | .707 | 1.6 |
SS | オーランド・アルシア(30) | 右 | 157 | .218 | 17 | .625 | 0.5 |
3B | オースティン・ライリー(28) | 右 | 110 | .256 | 19 | .783 | 2.9 |
LF | ジュリクソン・プロファー(32) | 両 | 158 | .280 | 24 | .839 | 3.6 |
CF | マイケル・ハリスII(24) | 左 | 110 | .264 | 16 | .722 | 3.2 |
RF | ジェレッド・ケレニック(25) | 左 | 131 | .231 | 15 | .679 | 0.4 |
DH | マーセル・オズーナ(34) | 右 | 162 | .302 | 39 | .925 | 4.3 |
OF | ロナルド・アクーニャJr.(27) | 右 | 49 | .250 | 4 | .716 | 0.0 |
C | ショーン・マーフィー(30) | 右 | 72 | .193 | 10 | .636 | 1.3 |
INF | ニック・アレン(26) | 右 | 41 | .175 | 1 | .463 | 0.2 |
OF | ブライアン・デラクルーズ(28) | 右 | 149 | .233 | 21 | .654 | -1.4 |
UT | エリー・ホワイト(30) | 右 | 35 | .282 | 1 | .769 | 0.3 |
24年は怪我人続出した野手陣ですが、今季もショーン・マーフィーがスプリングトレーニング中に投球を受け、左肋骨を骨折。
復帰は順調に行って4月中旬になる見込みです。
今季キャッチャーで開幕ロスター入りしたのはブレーブスのNo.1プロスペクトのドレイク・ボルドウィンです。
上記のボルドウィンの成績はAAとAAAを合わせた成績ですが、AAAでは72試合でOPS.891をマークする攻撃型のキャッチャーです。
マーフィーの復帰まで期待のルーキーがどこまで穴を埋められるか注目です。
昨年、左膝の手術を受けたロナルド・アクーニャJr.は現在バッティング練習とランニングなどでリハビリを行っており、5月中旬ごろまでの復帰が予定されています。
アクーニャの復帰はチームにとっても待望されますが、2021年にも右膝前十字靭帯断裂の既往歴があり、まだ、年来的には若いとは言え、以前のようなパフォーマンスが戻るのか若干の不安は残ります。
しかし怪我人が戻り万全の状態であればMLBトップクラスの攻撃力を誇るブレーブスの打線ですので、マーフィー、アクーニャが復帰し健康にシーズンを送れることを期待します。
投手
※太字選手は新加入 成績は2024年シーズン
役割 | 名前(年齢) | 投 | 試合 | イニング | 奪三振 | 防御率 | rWAR |
SP1 | クリス・セール(36) | 左 | 29 | 177.2 | 225 | 2.38 | 6.2 |
SP2 | レイナルド・ロペス(31) | 右 | 26 | 135.2 | 148 | 1.99 | 5.1 |
SP3 | スペンサー・シュワレンバック(24) | 右 | 21 | 123.2 | 127 | 3.35 | 2.7 |
SP4 | グラント・ホームズ(29) | 右 | 26 | 68.1 | 70 | 3.56 | 1.1 |
SP5 | AJ スミス=ショウバー(22) | 右 | 1 | 4.1 | 4 | 0.00 | 0.3 |
CL | ライセル・イグレシアス(35) | 右 | 66 | 69.1 | 68 | 1.95 | 2.9 |
SU | ピアース・ジョンソン(33) | 右 | 58 | 56.1 | 67 | 3.67 | 0.7 |
SU | アーロン・バマー(31) | 左 | 56 | 55.1 | 69 | 3.58 | 0.6 |
RP | ディラン・リー(30) | 左 | 52 | 59.2 | 76 | 2.11 | 1.3 |
RP | ヘクター・ネリス(35) | 右 | 62 | 59.1 | 64 | 4.10 | -0.2 |
SP | スペンサー・ストライダー(26) | 右 | 2 | 9.0 | 12 | 7.00 | -0.1 |
昨シーズン、ブレーブスに加入し防御率・勝利数・奪三振でリーグトップの投手三冠を達成し見事バウンスバック。キャリア初のサイ・ヤング賞を受賞しています。
また2番手のレイナルド・ロペスはホワイトソックス時代の2019年以来の先発再転向でブレイク。
135.2イニングと長いイニングは投げられませんでしたが、148奪三振で防御率1.96をマークしました。
投球割合は4シーム55.2%、スライダー29.4%、カーブ11.6%、チェンジアップ3.8%となっていて、4シームが大幅なプラス評価で、スライダーで多くの空振りを奪っています。
5月にメジャーデビューを果たし、ローテーションを守ったシュワレンバックは21登板で123.2イニングを投げ、防御率3.35を記録。
シュワレンバックは4シーム、スライダー、カッター、カーブ、スプリット、シンカーと多彩な球種を絶妙な割合で組み立て、どの球種もプラス評価。
打者にボール球を振らせた割合であるchase%はMLB上位4%に入り、四球率も4.6%とトップクラスの制球力を見せました。
今季も安定した投球を見せてくれるでしょう。
昨年4月にインターナル・ブレーズ手術を受けたスペンサー・ストライダーはスプリングトレーニングの試合で既に調整登板をしていますが、チームはストライダーを開幕ローテーションには加えず、4月末以降の復帰となる見込みです。
ストライダーがローテーションに加わるとブレーブスのローテーションはかなり強力ですね。
先発5番手候補はチームNo.3プロスペクトのAJ・スミス=ショウバーが入りそうです。
スミス=ショウバーは高めのアームアングルから平均95マイルを超える4シームを主体にチェンジアップとカーブ、スライダーのコンビネーションで投球を組み立てます。
四球率11%と制球に不安はありますが、シーズン通して100イニング、防御率4点台前半は期待できそうです。
スプリングトレーニングでは5試合4先発で防御率3.94をマークしています。
ブルペン陣にはベテラン右腕のヘクター・ネリスが新加入。アーロン・バマーとピアース・ジョンソンの左右のセットアッパーから守護神、ライセル・イグレシアスに繋ぎます。
イグレシアスは24年シーズン、66試合に登板して防御率1.95をマーク。
奪三振率は若干落ちましたが、与四球率とボール球を振らせたchase%はMLBトップクラス。
投球割合は4シームとチェンジアップがそれぞれ約31%、スライダー21%、シンカー18%となっていて全ての球種がプラス評価。全ての球種で被打率が1割台となっています。
イグレシアスは今季35歳になり、シーズン終了後にFAとなりますが、今季も良いパフォーマンスを継続できればまだ複数年契約の提示がありそうです。
プロスペクト
ブレーブスにはプロスペクトランキング100位以内に入る選手が2人います。
名前(ポジション) | 年齢 | プロスペクトランク順位 |
ドレイク・ボルドウィン(C) | 24 | 62 |
キャム・キャミニティ( HP) | 19 | 88 |
- ドレイク・ボルドウィン
Drake Baldwin has officially made the Atlanta Braves Opening Day roster. pic.twitter.com/6I0o2ky85M
— Milb Central (@milb_central) March 21, 2025
2022年ドラフト3巡目指名の強打のキャッチャー。24年はAAAで72試合に出場し、打率.298、HR12本、OPS.891、wRC+135をマーク。四球率15.6%、三振率16.2%とゾーン管理も優秀と攻撃面では申し分なしです。
ランキング引用:MLB.com Prospect Rankings2025
成績引用:Baseball Reference, FanGraphs
まとめ
アトランタ・ブレーブスは1871年にボストン・レッドストキングスとして創設。
MLB最古の歴史をもつチームの一つです。
チームはMLB屈指の強力打線を誇り、23年に40-70を達成したロナルド・アクーニャJr.が今季、左膝の手術から復帰予定。投手陣もスペンサー・ストライダーが肘の手術から復帰予定。
ナ・リーグ東地区王者に返り咲くのでしょうか。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
この記事が参考になれば、幸いです。
チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference

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