MLB30球団紹介!コロラド・ロッキーズ編

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こんにちは、Chanです。

近年、多くの日本人メジャーリーガーの活躍により、MLBを見る方も増えています。

「MLBに贔屓チームを持ちたい。」

「MLBは30チームもあるし、調べるのは大変。」そう思っている方も多いのではないでしょうか。

私は2001年から20年以上のMLBファン歴があります。

当ブログではMLBに興味を持ち始めた初心者の方から、すでにMLBファンの方にまでMLBの全30球団を紹介しています。

今回はナショナル・リーグ西地区から、コロラド・ロッキーズをご紹介します。

本記事ではロッキーズの球団概要から歴史、過去の名選手や日本人選手、2024年シーズンの成績、注目のプロスペクトまで網羅的に解説します。

この記事を読んでMLBのチームにさらに興味を持っていただけると幸いです。

コロラド・ロッキーズとは

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  • 創設: 1993年
  • 本拠地: コロラド州デンバー
  • ホーム球場: クアーズ・フィールド
  • 所属リーグ: ナショナル・リーグ(National League)
  • 地区: ナ・リーグ西地区(NL WEST)
  • チーム名の由来: ロッキー山脈から
  • オーナー: マンフォート・ブラザーズ
  • 監督: バド・ブラック
  • ワールドシリーズ優勝0回
  • リーグ優勝1回(2007年)
  • 地区優勝0回
  • ワイルドカード5回(1995年、2007年、2009年、2017年、2018年)

参考: Wikipedia

ロッキーズの歴史

image for team history
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チーム創設

コロラド・ロッキーズは、1993年にMLBのエクスパンションチームとして誕生しました。デンバー市を本拠地とする初のMLB球団であり、フロリダ・マーリンズ(現:マイアミ・マーリンズ)と共にリーグに参入。

初年度の監督はドン・ベイラーで、ホームスタジアムは当初マイル・ハイ・スタジアムを使用していました。

初年度の成績は67勝95敗と振るいませんでしたが、シーズン観客動員数は400万人を超え、新球団としての人気の高さを示しました。

初のポストシーズン進出(1995年)

1995年、ロッキーズは新たに完成したクアーズ・フィールドを本拠地とし、ワイルドカードで球団初のポストシーズン進出を果たしました。

この年はダンテ・ビシェット、アンドレス・ガララーガ、ラリー・ウォーカー、ビニー・カスティーヤら強打者が揃った「ブレーク・ストリート・ボンバーズ(Blake Street Bombers)」の活躍が光り、強力打線で知られるチームとなりました。

しかし、ナ・リーグ・ディビジョンシリーズ(NLDS)ではアトランタ・ブレーブスに敗退します。

低迷期と再建(1996年〜2007年)

1995年以降、ロッキーズは打線は強く、投手力が課題という状況が続きました。クアーズ・フィールドの高地環境により、打球が飛びやすく、防御率が高くなりがちで、安定した投手陣を確立するのが困難でした。

1997年、ラリー・ウォーカーがナ・リーグMVPを受賞。

1999年、トッド・ヘルトンがデビューし、球団史上最高の打者へと成長します。

2000年代前半のチームは低迷し、再建期に突入します。

「ロックトーバー」 奇跡の2007年シーズン

2007年、ロッキーズは9月2日から10月1日までの間、21勝6敗という驚異的な勢いでポストシーズン進出を決めました。この快進撃は「ロックトーバー(Rocktober)」と呼ばれ、球団史に残る出来事となりました。

ポストシーズンでは、NLDSでフィラデルフィア・フィリーズを3連勝でスイープ

NLCSでは、アリゾナ・ダイヤモンドバックスを4連勝でスイープし、ポストシーズン 7連勝で球団史上初のナ・リーグ優勝を果たします。

しかし、ワールドシリーズではボストン・レッドソックスに0勝4敗で敗退。それでも、この年のロッキーズはファンにとって忘れられないシーズンとなりました。

2010年代〜現在のチーム状況

2010年代前半はトロイ・トゥロウィツキー、カルロス・ゴンザレスらの活躍がありましたが、プレーオフ進出はならず。

2017年・2018年にはノーラン・アレナド、チャーリー・ブラックモンらの活躍でワイルドカードから2年連続ポストシーズン進出を果たします。

2021年、球団の顔だったノーラン・アレナドをセントルイス・カージナルスにトレードし、ファンの間で大きな議論を呼びました。

2022年には主力のトレバー・ストーリーも放出し、チームは完全な再建期に入りました。

ヒッターズパーク(打者有利な球場)クアーズフィールド

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ロッキーズの本拠地、クアーズ・フィールドは標高1,600mに位置していて、気圧の関係から打球が飛びやすいと言われています。

異なる環境下でプレーする選手同士を比較するために使用される「パークファクター」と言う指標があります。

パークファクターは100を平均値として、数値が高くなるほど打者有利低くなるほど投手有利に作用していることになります。

2022〜2024年の3年間のクアーズ・フィールドのパークファクターは112全30球場で一番高い数値を記録しています

クアーズ・フィールドは一番ホームランが出やすい球場ではない?

パークファクターの各項目は、得点が125出塁率110ヒット116シングル115はいずれもトップで、最も数値が高いのがスリーベースの198と、スリーベースは平均的な球場と比べて1.98倍も出やすいことがわかります。

スリーベースのパークファクターが2番目に高いカウフマン・スタジアムとチェイス・フィールドの値が168ですので、傑出度がよく分かるかと思います。

ただ、ホームランパークファクターは109全球場中8番目となっており、ホームランの出やすさは標高が原因ではないとの報告もあります。

いずれにせよ、打者有利で投手不利な球場なのはお分かりいただけたかと思います。

これらを踏まえて打撃成績や投手成績を見るのもMLBの面白さの一つです。

wRC+はパークファクターが考慮されているので、ロッキーズの打者はOPSが700台後半でもwRC+が100に満たない選手が多くなっています。

各指標についてはこちらの記事で解説しています。

過去に所属した名選手

  • トッド・ヘルトン(1B)

ロッキーズ一筋16年のフランチャイズ・プレイヤー。

主な獲得タイトルと表彰: 首位打者1回、打点王1回、シルバースラッガー賞4回、ゴールドグラブ賞3回、ハンク・アーロン賞1回、オールスター選出5回。

背番号「17」はロッキーズの選手として初の永久欠番。

2024年にアメリカ野球殿堂入り。

  • ラリー・ウォーカー(OF)

1997年にカナダ出身者として史上初のMVP受賞。史上最高のカナディアンと呼ばれる。

主な獲得タイトルと表彰: 首位打者3回、ホームラン王1回、シーズンMVP1回、シルバースラッガー賞3回、ゴールドグラブ賞7回、オールスター選出5回。

背番号「33」はロッキーズの永久欠番。

2009年にカナダ野球殿堂入り。

2020年にアメリカ野球殿堂入り。

  • トロイ・トゥロイツキー(SS)

攻守に秀でた大型ショートストップです。ロッキーズに10年間在籍。

主な表彰: オールスター選出5回、ゴールドグラブ2回、シルバースラッガー賞2回。

  • ノーラン・アレナド(3B)

攻守に優れたサードで、ロッキーズの現時点での最後のプレーオフ進出時の主力メンバーの1人。

主な表彰: オールスター選出5回、シルバースラッガー賞4回、ホームラン王3回、打点王2回。ゴールドグラブ賞8回

過去に所属した日本人選手

ロッキーズには過去3人の日本人選手が所属していました。松井稼頭央は奇跡の2007年シーズンの主力メンバーとしてチームのワールドシリーズ進出に貢献しました。

  • 吉井理人(2000年)
登板勝利敗戦イニング三振防御率
29615167.1885.86
  • マック鈴木(2001年)
試合勝利敗戦イニング三振防御率
3026.1515.63
  • 松井稼頭央(2006〜2007年)
試合打席打率ホームラン打点盗塁
136579.30065640

ロッキーズの2024年シーズンの成績

チーム戦績

勝利敗戦勝率順位最終戦績
61101.377地区5位地区5位

シーズン101敗を喫し、地区最下位となっています。

打撃成績

試合数得点平均得点HR盗塁打率出塁率長打率OPS
1626824.2117985.242.304.400.704

得点数、平均得点はリーグ平均を下回り、得点力不足を露呈しています。

投手成績

イニング数平均失点防御率四球失点自責点
1426.25.735.47563929867

リーグワーストの失点数、チーム防御率を記録。投手陣は崩壊していました。

野手成績

名前(ポジション)年齢試合打席HR盗塁打率OPSwRC+rWAR
ジェイコブ・スターリングス(C)348228190263.810114
1.8
マイケル・ トーリア(1B)251164582510.218.767982.2
ブレンダン・ロジャーズ(2B)27135539131.267.721881.1
エズキエル・トーバー(SS)22157695266.269.76395
3.8
ライアン・マクマーン(3B)29153645204.242.72289
2.5
ブレントン・ドイル(CF)261496032330.260.764974.0
ノーラン・ジョーンズ(LF)267929735.227.64170-0.7
ジェイク・ケイブ(RF)3112334675.251.68675-0.7
チャーリー・ブラックモン(DH)37124499126.256.74194
0.6
イリアス・ディアズ(C)338432750.270.693801.2
エレウリス・モンテロ(1B)256724740.205.57148-1.7
ハンター・グッドマン(UT)2470224131.190.64561-0.8

中心選手はセンターのブレントン・ドイル、まだ22歳ながら内野の中心選手となったエズキエル・トーバー、25歳のファースト、マイケル・トーリア、サードのライアン・マクマーンです。

球場の特性を活かすためか、積極的にスイングする選手が多く,全体的に三振率が高い選手が多いのが特徴です。

なお、2024 年シーズンをもってロッキーズ一筋14年のフランチャイズプレイヤー、チャーリー・ブラックモンが現役を引退しています。

成績を見るともう1、2年現役でプレーできそうですが、野球選手としての生活に終止符を打ちました。

投手成績

先発投手

名前(役割)年齢登板投球回敗戦奪三振WHIP防御率FIPrWAR
オースティン・ガンバー(SP)3030165.05121161.3094.754.832.1
ライアン・フェルトナー(SP)2730162.13101381.3374.494.161.1
カル・クアントリル(SP)2929148.1811   
110
1.5174.985.321.6
カイル・フリーランド(SP)3121113.158851.4125.244.900.0
ダコタ・ハドソン(SP)291889.0212491.6746.175.53-0.9
タイ・ブラーク(SP)332071.138361.6966.946.26-0.8

先発はガンバーとフェルトナーが規定投球回を投げていますが、プレーオフを見据えると先発でオールスタークラスが1人、イニングイーターがもう1人欲しいところです。

アレナドのトレード対価で獲得したクアントリルは今オフでノンテンダーFAとなり、マーリンズに移籍しています。

ブルペン投手

名前(役割)年齢登板イニングセーブ奪三振防御率FIPWHIPrWAR
タイラー・キンリー(CL)336764.06112726.194.791.469-0.3
ビクター・ボドニック(RP)246473.2549654.284.181.4800.8
ジャスティン・ローレンス(RP)295659.2442456.495.631.777-1.7
ジャレン・ビークス(RP)304549.1649384.744.361.3580.2
ニック・ミアーズ(RP)274145.1140575.562.611.500-0.1

2025年シーズンに向けて

予想ラインナップ

スタメン

ポジション名前年齢打席
センターブレントン・ドイル26
サードライアン・マクマーン30
ショートエズキエル・トーバー23
DHクリス・ブライアント33
セカンドトリオ・エストラーダ29
ファーストマイケル・トーリア26
レフトノーラン・ジョーンズ26
ライトジョーダン・バック23
キャッチャージェイコブ・スターリングス35

ベンチメンバー

ポジション名前年齢打席
ユーティリティハンター・グッドマン25
内野カイル・ファーマー34
外野ショーン・ブシャード28
外野サム・ヒルヤード31

FanGraphsの予想スタメンはドイル、マクマーン、トーバーと続く上位打線はなかなかのものです。

問題は4番のクリス・ブライアントです。2022年に7年1億8,200万ドルでロッキーズと大型契約を結びましたが、ロッキーズとの契約初期3年間は怪我に悩まされ、出場はわずか159試合。

rWARは-1.3と期待に応えることができていません。

今シーズンは体への負担を減らすためにDHでの出場が増えそうですが、出場試合数を増やし、汚名返上となるか、残りの契約期間はまだ4年残されています。

また2023年シーズン、ルーキー・オブ・ザ・イヤー投票4位となったノーラン・ジョーンズは昨シーズンは腰の怪我に悩まされ、成績を落としましたが、健康な状態で2023年のようなパフォーマンスが発揮できると、打線に厚みが出そうです。

先発ローテーション

役割名前年齢
先発1ヘルマン・マルケス30
先発2ライアン・フェルトナー28
先発3カイル・フリーランド31
先発4アントニオ・センザテラ30
先発5ブラッドリー・ブラロック24

ブルペン

役割名前年齢
クローザータイラー・キンリー34
セットアッパーセス・ハーバーソン25
セットアッパールイス・ペラルタ24
リリーフビクター・ボドニック25
リリーフスコット・アレクサンダー35
リリーフジェイク・バード29
リリーフジミー・ハーゲット31

2025年シーズンはヘルマン・マルケスやアントニオ・センザテラが故障から復帰します。

カイル・フリーランドが2022年シーズン程度(31先発、174.2イニング)投げられると、ゲームメイクができる試合が増やせそうです。

予想ラインナップ・ベンチメンバー・先発ローテーションの引用:FanGraphs

ロッキーズのトッププロスペクト

ロッキーズにはMLB Pipelineのプロスペクトランキング100位以内に入る選手が2人います。

名前(ポジション)年齢プロスペクトランク順位
チェイス・ドーランダー(RHP)2325
チャーリー・コンドン(OF/3B)2129
  • チェイス・ドーランダー

2023年のドラフト全体9位指名。

2024年はA+とAAで23先発、118イニングを投げ169奪三振。奪三振率33.9%を記録。防御率も2.59と素晴らしい投球を披露しました。

平均96マイルの4シームとスライダーを軸に、カーブ、チェンジアアップを織り交ぜ打者を翻弄します。

将来はロッキーズ待望のエースピッチャーとなりそうです。

  • チャーリー・コンドン

2024年ドラフト全体3位指名。

2024年はジョージア大で60試合、304打席でホームラン37本、84得点、打率.433、長打率1.009と圧倒的な成績を残すも、A+では25試合、109打席で打率.180、wOBA.248、三振率31.0%とアプローチに苦しみました。

今シーズンはアプローチを改善し、持ち味のパワーを見せられるか、成長が期待されます。

ランキング引用:MLB.com Prospect Rankings2025

成績引用:Baseball Reference, FanGraphs

まとめ

コロラド・ロッキーズはMLBエクスパンションで1993年に創設された新しいチームの一つです。

創設初年度の1993年は400万人を超える観客動員数を記録し、2001年までは観客動員数が300万人を超えるトップクラスの人気球団でした。

1995年に開設されたクアーズ・フィールドは打者有利のヒッターズパークで、過去ロッキーズの打者が主要タイトルを多く獲得しています。

現在、ロサンゼルス・ドジャースを筆頭にサンディエゴ・パドレス、アリゾナ・ダイヤモンドバックス、サンフランシスコ・ジャイアンツと今オフもFAの有力選手を獲得しているチームが数多く、ハイレベルとなっているナ・リーグ西地区において、ロッキーズは他チームと戦力差が開いている状況と言えます。

野手はそれなりに粒揃いですが、現状の投手力で打ち勝つためには、さらに強力な打線を作り上げる必要があります。

今シーズンも引き続き、再建シーズンとなりそうですが、トレードデッドラインで選手を放出し、プロスペクトを獲得しチームの立て直しを図りたいところです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の記事が参考になれば幸いです。

チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference

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