こんにちは、Chanです。
当ブログでは、MLB初心者の方向けにMLBの全30チームを紹介しています。
大盛況に終わったMLB東京シリーズが終わり、いよいよ本土での開幕が近づいてきました。
今回はアメリカン・リーグ中地区のミネソタ・ツインズをご紹介します。
ツインズは1901年のア・リーグの創設とともにワシントン・セネターズとして誕生した長い歴史を持つ球団の一つです。
本記事では、ツインズの球団概要や歴史、過去の主なレジェンド選手や日本人所属選手、2024年シーズンの成績、主な選手の紹介、トッププロスペクトを紹介します。
MLBを見始めたばかりの方も、長年のファンの方も、ぜひ最後までお付き合いください。
ミネソタ・ツインズとは

球団概要
- 創設: 1901年(ワシントン・セネターズとして創設)
- 本拠地: ミネソタ州ミネアポリス
- ホーム球場: ターゲット・フィールド
- 所属リーグ: アメリカン・リーグ(American League)
- 地区: ア・リーグ中地区(AL MIDDLE)
- 略称: MIN
- チーム名の由来: ミネソタ州の2大都市、ミネアポリス(Minneapolis)とセントポール(St. Paul)が双子都市「ツイン・シティーズ(Twin Cities)」と呼ばれることから
- オーナー: ジム・ポーラッド
- ロッコ・バルデッリ
- ワールドシリーズ優勝: 3回(1924年, 1987年, 1991年)
- リーグ優勝: 6回(1924年, 1925年, 1933年, 1965年, 1987年, 1991年)
- 地区優勝: 13回(1969年, 1970年, 1987年, 1991年, 2002年, 2003年, 2004年, 2006年, 2009年, 2010年, 2019年, 2020年, 2023年)
- ワイルドカード進出: 2回(2017年, 2022年)
ミネソタ・ツインズの歴史

ミネソタ・ツインズは、アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリスを本拠地とするMLBの球団で、アメリカン・リーグ中地区に所属しています。その歴史はワシントンD.C.を本拠地とした「ワシントン・セネターズ」時代まで遡ります。
球団創設とワシントン・セネターズ時代(1901年 〜 1960年)
ミネソタ・ツインズの前身であるワシントン・セネターズ(Washington Senators)は、1901年にアメリカンリーグの創設とともに誕生しました。
しかし、球団は長い間成績が低迷し、「ワシントンでは野球はダメだ(”First in war, first in peace, and last in the American League.”)」という自虐的なフレーズが広まるほどでした。
しかし、1924年にはウォルター・ジョンソンの活躍により、ワールドシリーズ初優勝を果たします。翌、1925年と1933年にもワールドシリーズに進出しますが、シリーズでは敗退します。
1950年代に入ると球団の低迷が続き、観客動員数の減少も相まって、オーナーのカルビン・グリフィスは移転を決意しました。
ミネソタ・ツインズ誕生と黄金期
1961年、ワシントン・セネターズはミネソタ州ミネアポリスに移転し、チーム名を「ミネソタ・ツインズ」に改称。
「ツインズ(Twins)」という名前は、ミネソタ州の双子都市であるミネアポリスとセントポール(ツインシティーズ)にちなんでいます。
1965年にはツインズとして初のア・リーグ優勝を果たし、ワールドシリーズ進出(ドジャースに敗退)。
1967年・1969年と地区優勝争いに絡みましたが、ワールドシリーズ進出はならず。
この時代はトニー・オリバ、ハーモン・キルブリュー、ロッド・カルーといった名選手が活躍。
1987年 ケント・ハーベック、カービー・パケット、フランク・ビオラらの活躍により、ワールドシリーズでセントルイス・カージナルスを破り、「ミネソタ・ツインズ」として初のワールドシリーズ優勝を達成。
1991年のブレーブスとのワールドシリーズは、歴史に残る名勝負となり、特に第6戦のカービー・パケットのサヨナラ本塁打や、第7戦のジャック・モリスによる10回無失点完投はファンの間で語り継がれています。
2000年代から現在
1990年代後半は低迷したものの、2000年代に入ると若手中心のチーム作りが成功し、再びプレーオフ常連チームとなりました。
2002年〜2010年の8シーズンで3連覇を含む6回の地区優勝を達成します。
2010年には現在のホーム球場「ターゲット・フィールド」が完成。
2019年には「ボンバーズ(Bomba Squad)」と呼ばれる強力打線を武器に、シーズン最多チーム本塁打記録(307本)を樹立し、地区優勝を達成。
この間、ツインズはプレーオフ18連敗とプレーオフで勝ち進めない状況が続きましたが、2023年のワイルドカードシリーズではトロント・ブルージェイズに2連勝し、ALDSに進出しました。
ツインズの主な名選手
- ハーモン・キルブリュー(3B/LF)
セネターズ、ツインズで活躍した屈指のホームランバッター。
通算573本塁打(ツインズ在籍時は559本)
1969年ア・リーグMVP
オールスター選出11回
1984年殿堂入り
- ロッド・カルー(1B/2B)
ツインズ在籍時に7度の首位打者を記録した稀代のヒットメーカー。
1967年ルーキー・オブ・ザ・イヤー
1977年ア・リーグMVP
オールスター選出18回(ツインズ在籍時に12回)
1991年殿堂入り
- カービー・パケット(CF)
ツインズ一筋12年のフランチャイズプレイヤー。1987年と1991年のワールドシリーズ優勝に貢献。特に1991年ワールドシリーズ第6戦での延長11回決勝ホームランは球団ハイライトの一つ。
オールスター選出10回
- ケント・ハーベック(1B)
ツインズ一筋14年のフランチャイズプレイヤー。1987年・1991年のワールドシリーズ制覇に貢献。
オールスター選出1回
- バート・ブライレブン(RHP)
ツインズ時代に149勝を挙げた球団屈指の右腕投手。オランダ生まれアメリカ育ち。WBCではオランダ代表のコーチを歴任。
オールスター選出2回
2011年殿堂入り
- ジョー・マウアー(C/1B)
ツインズ一筋15年。地元ミネソタ州セントポール出身で、絶大な人気を誇るフランチャイズプレイヤー。
2009年ア・リーグMVP
ゴールドグラブ賞3回
オールスター選出6回
過去に所属した日本人選手
ツインズには過去3人の日本人選手が所属していました。
- マイケル中村(2003年)
- 西岡剛(2011〜2012年)
- 前田健太(2020〜2023年)
ツインズの2024年シーズンの成績

チーム戦績
| 勝利 | 敗戦 | 勝率 | 順位 | 最終戦績 |
| 82 | 80 | .506 | 地区4位 | 地区4位 |
混戦となったア・リーグ中地区で、ツインズも最後までプレーオフ争いを繰り広げましたが、タイガースの快進撃により惜しくもワイルドカード獲得には届かず、シーズンを終えました。
打撃成績
| 試合数 | 得点 | 平均得点 | HR | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
| 162 | 742 | 4.58 | 183 | 65 | .246 | .315 | .411 | .726 |
チームの打撃成績はMLB平均か、若干上回っています。四球数が平均より若干少なく、盗塁数は最下位でした。
投手成績
| イニング数 | 平均失点 | 防御率 | 四球 | 失点 | 自責点 |
| 1440.1 | 4.54 | 4.26 | 433 | 735 | 682 |
投手成績は先発陣の防御率は全体22位で、9イニングあたりに打たれたホームランの数 HR/9が全体25位となっていて、失点に直接絡むホームランを多く打たれてしまったことが、その要因の一つと言えます。
9イニングあたりの与四球数と9イニングあたりの奪三振数はMLB全体で2位と与える四球は少なく、奪三振は多く、先発陣の能力の高さが伺えます。
ツインズの主な選手の紹介と2024年シーズンの成績

野手
※太字選手は新加入 成績は2024年シーズン
| ポジション | 名前(年齢) | 打席 | 試合 | 打率 | HR | OPS | rWAR |
| C | ライアン・ジェファーズ(27) | 右 | 122 | .226 | 21 | .732 | 2.1 |
| 1B | タイ・フランス(30) | 右 | 140 | .234 | 13 | .670 | -0.6 |
| 2B | ウィル・カストロ(27) | 両 | 158 | .247 | 12 | .717 | 1.6 |
| SS | カルロス・コレア(30) | 右 | 86 | .310 | 14 | .905 | 3.7 |
| 3B | ブルックス・リー(24) | 両 | 50 | .221 | 3 | .585 | -0.2 |
| LF | トレバー・ラーニック(28) | 左 | 103 | .253 | 5 | .677 | 1.3 |
| CF | バイロン・バクストン(31) | 右 | 102 | .279 | 18 | .859 | 3.6 |
| RF | マット・ウォールナー(27) | 左 | 75 | .259 | 13 | .894 | 2.2 |
| DH | ホセ・ミランダ(26) | 右 | 121 | .284 | 9 | .763 | 1.7 |
| 3B | ロイス・ルイス(25) | 右 | 82 | .233 | 16 | .747 | 0.7 |
| C | クリスチャン・バスケス(34) | 右 | 93 | .221 | 7 | .575 | -0.2 |
| INF | エドワード・ジュリエン(25) | 左 | 94 | .199 | 8 | .616 | -0.2 |
| OF | ハリソン・ベイダー(30) | 右 | 143 | .236 | 12 | .657 | 0.9 |
強打のキャッチャー ライアン・ジェファーズ、ショートにカルロス・コレア、センターにバイロン・バクストンとセンターラインが強力です。
コレアは故障が多く、2024年シーズンはツインズ在籍3年間で最小となる86試合の出場数にとどまりましたが、rWAR3.7を記録し、攻守に存在感を示しました。
バクストンも102試合の出場ながらOPS.859、rWAR3.6を記録しています。この2人が健康的なシーズンを送り140試合ほど試合に出られると、ツインズの攻撃陣はさらに安定しそうです。
サードのロイス・ルイスも故障が多い選手ですが、高いポテンシャルを秘めています。今シーズンもスプリングトレーニングの試合中にハムストリングスを負傷し、開幕を故障者リスト入りして迎えることになりますが、レギュラーシーズンでは100試合以上は出場したいところです。
ライトのマット・ウォールナーは高いHard-Hit率とBarrel率を誇るパワーポテンシャルのある外野手で、24年は75試合の出場ながらwRC +155を記録しています。今季は100試合以上に出場し、ツインズ打線を牽引できるか注目です。
オフにはレッズからタイ・フランス。センターには名手ハリソン・ベイダーの2人を獲得しています。
投手
※太字選手は新加入 成績は2024年シーズン
| 役割 | 名前(年齢) | 投 | 試合 | イニング | 奪三振 | 防御率 | rWAR |
| SP1 | パブロ・ロペス(29) | 右 | 32 | 185.1 | 198 | 4.08 | 2.5 |
| SP2 | ジョー・ライアン(28) | 右 | 23 | 135.0 | 147 | 3.60 | 2.3 |
| SP3 | ベイリー・オーバー(29) | 右 | 31 | 178.2 | 191 | 3.98 | 2.9 |
| SP4 | シメオン・ウッズ・リチャードソン(24) | 右 | 28 | 133.2 | 117 | 3.30 | 2.0 |
| SP5 | クリス・パダック(29) | 右 | 17 | 88.1 | 79 | 4.99 | 0.4 |
| CL | ジョアン・デュラン(27) | 右 | 58 | 54.1 | 66 | 3.64 | 0.2 |
| SU | グリフィン・ジャックス(30) | 右 | 72 | 71.0 | 95 | 2.03 | 2.8 |
| SU | コール・サンズ(27) | 右 | 62 | 71.1 | 85 | 3.28 | 1.3 |
| RP | ブロック・スチュワート(33) | 右 | 16 | 15.2 | 20 | 5.17 | -0.1 |
| RP | ダニー・クローム(35) | 左 | 33 | 29.2 | 32 | 2.12 | 1.0 |
| RP | ホルヘ・アルカンタラ(29) | 右 | 54 | 58.1 | 58 | 3.24 | 1.4 |
ツインズの安定した先発ローテーション
ツインズ投手陣は三振を多く奪える投手が多く、四球が少ない投手が多いのが特徴です。
エースのパブロ・ロペスはルイス・アラエズとのトレードによりマーリンズから加入。2024年シーズンは前年より若干成績を落としましたが、3年連続で180イニング以上をクリア。4シーム、チェンジアップ、カーブ、ススウィーパー、シンカーと5つの球種を巧みに投げ分け、緩急と投球術で打者を翻弄します。
デビュー4年目となった206cmの長身右腕 ベイリー・オーバーはキャリア最多となる178.2イニングを投げ191奪三振、防御率3.98をマーク。奪三振率、与四球率ともにリーグ平均より良く、安定した投球を見せます。
昨シーズン、28試合に登板したリチャードソンは4シームの平均球速が93.1とリーグ平均以下ながら、ポップする球質でプラス評価。スライダー、カーブの組み立てで打者を翻弄し、プチブレイクを果たしました。
今季もローテーションの一角としてさらなる成長が期待されます。
守護神ジョアン・デュラン
最後にご紹介する投手はクローザーのジョアン・デュランです。
デュランは平均100マイルを超える4シームが41%、 平均97マイルのスプリットとシンカーのハイブリッド球種スプリンカーが31%、ナックルカーブが28%という投球割合ですが、いちばん空振りをとる球種はカーブで、スプリンカーでゴロアウトを量産します。
2024年は防御率3.67でしたが、打たれた打球の質から算出する期待防御率(xERA)は2.76を記録していますので、成績以上に投球内容は良かったことが見てとれます。
ツインズのトッププロスペクト
ツインズにはMLB Pipelineのプロスペクトランキング100位以内に入る選手が3人います。
| 名前(ポジション) | 年齢 | プロスペクトランク順位 |
| ウォーカー・ジェンキンス(OF) | 20 | 3 |
| エマヌエル・ロドリゲス(OF) | 22 | 37 |
| ルーク・キーシェル(2B/OF/1B) | 22 | 60 |
- ウォーカー・ジェンキンス
The Twins get a slugging outfielder with the fifth overall pick.
— The Athletic MLB (@TheAthleticMLB) July 9, 2023
Walker Jenkins will wear a Minnesota uniform.
He projects as a middle-of-the-lineup kind of guy who can add some pop and hit for average. pic.twitter.com/zkj0QwVpZQ
2023年のドラフト全体5位指名。
2024年シーズンは主にAで過ごし、A+とAAの6試合を含めて82試合に出場し、打率.282、OPS.833、wRC+139をマーク。盗塁は17個で四球も多く、5ツールプレイヤーの素質ありです。
スイングが名捕手ジョー・マウアーを彷彿とさせます。
ランキング引用:MLB.com Prospect Rankings2025
成績引用:Baseball Reference, FanGraphs
まとめ
ミネソタ・ツインズは1901年にワシントン・セネターズとして創設。1961年に現在のミネソタへ移転し、ミネソタ・ツインズに改称しました。
ツインズは近年、プレーオフ争いを繰り広げ、若手選手を育成しながら安定した強さを保っています。
ア・リーグ中地区はロイヤルズ、タイガースが力をつけてきており、一気に混戦となりました。
先発陣は粒揃いですので、野手陣に怪我人が少なく、投打が噛み合えば、地区優勝も見えてくるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回の記事が参考になれば、幸いです。
チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference
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