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こんにちは、Chanです。
当ブログでは、よりMLBを楽しむために全30チームを紹介しています。
今回はナショナル・リーグ東地区のフィラデルフィア・フィリーズをご紹介します。
フィリーズは1883年に創設された長い歴史を持つ球団の一つです。
1980年と2008年の2度のワールドシリーズ優勝があり、2020年代に入ってからは地区優勝がナ・リーグ東地区の強豪としてライバルチームと凌ぎを削っています。
本記事では、フィリーズの球団概要や歴史、過去の主な所属選手、2024年シーズンの成績、主な選手とチーム傘下のトッププロスペクトなどを紹介をしています。
MLBを見始めたばかりの方も、長年のファンの方も、ぜひ最後までお付き合いください。
フィラデルフィア・フィリーズとは

球団概要
- 創設: 1883年 (創設時はフィラデルフィア・クエーカーズ)
- 本拠地: ペンシルベニア州・フィラデルフィア
- ホーム球場: シチズンズ・バンク・パーク
- 所属リーグ: ナショナル・リーグ(National League)
- 地区: ナ・リーグ東地区(NL EAST )
- 略称: PHI
- チーム名の由来: フィラデルフィア市民の愛称、「フィリー」から。
- オーナー: フィリーズ・リミテッド・パートナーシップ
- 監督: ロブ・トムソン
- ワールドシリーズ優勝 2回 (1980年、2008年)
- リーグ優勝 8回 (1915年、1950年、1980年、1983年、1993年、2008年、2009年、2022年)
- 地区優勝 12回(1976年、1977年、1978年、1980年、1983年、1993年、2007年、2008年、2009年、2010年、2011年、2024年)
- ワイルドカード獲得 2回(2022年、2023年)
フィリーズの歴史

フィラデルフィア・フィリーズは1883年に創設されたMLB最古の同一都市・同一名称の球団です。
フィラデルフィアはスポーツ熱が高く、熱狂的ファンが多いことでも知られています。
チーム創設と長い低迷期
フィリーズは「フィラデルフィア・クエーカーズ」としてナショナル・リーグに加盟。
1889年に現在のチーム名、フィリーズに改称します。
チームは20世紀に入ると、1915年にリーグ優勝を達成。
その後は長い低迷が続き、1950年に2度目のリーグ優勝を果たすも、ワールドシリーズでヤンキースに敗退します。
1970〜80年代の黄金期
1976年からチームはプレーオフの常連となります。
1980年にはダラス・グリーン監督のもと、マイク・シュミットやスティーブ・カールトンなどのスター選手の活躍によりリーグ優勝を果たすと、ワールドシリーズでは球団創設12年目で初のシリーズ進出となったカンザスシティ・ロイヤルズと対戦。
4勝2敗でロイヤルズを破り、初のワールドシリーズ制覇を達成します。
その後、83年、93年にもワールドシリーズに進出しますが、いずれも敗退します。
2000年代後半の第二次黄金期
チームは2007年から2011年にかけて5年連続の地区優勝を達成します。
2008年にはライアン・ハワード、チェイス・アトリー、ジミー・ロリンズ、コール・ハメルズらを擁してリーグ優勝達成。
ワールドシリーズでは球団創設11年目にして初のワールドシリーズに進出したタンパベイ・レイズと対戦。
4勝1敗でレイズを下し、2度目のワールドシリーズ制覇を達成します。
翌2009年にも2年連続でワールドシリーズに進出するも、ニューヨーク・ヤンキースに敗退します。
2020年代のチーム状況
2012年以降、プレーオフから遠ざかっていたフィリーズですが、2019年にメッツからFAとなったザック・ウィーラー、ナショナルズからFAとなったブライス・ハーパーを獲得すると、2022年にはニック・カスティヤノス、カイル・シュワーバー、トレイ・ターナーら現在のチームの主力となる選手を次々と獲得。
同年、ワイルドカードからプレーオフに進出すると、ワイルドカード・シリーズでカージナルスを破り、NLDSで同地区のライバルであり地区優勝したブレーブスを下します。
初のワイルドカードチーム同士のNLCSとなったパドレスとのシリーズを制し、ワールドシリーズ進出を果たします。
23年にもワイルドカード、24年は地区優勝とチームは好成績をおさめています。
近年、FAで獲得した選手に加えてアーロン・ノラ、アレク・ボーム、ブライソン・ストットなどのドラフト組の成長により地区優勝、リーグ優勝争い筆頭となり、ブレーブス、メッツと激しい争いを繰り広げています。

フィリーズの過去の主な名選手
- マイク・シュミット(3B)
フィリーズ一筋のフランチャイズプレーヤーで史上最高の三塁手の1人と称される。
フィリーズの1980年ワールドシリーズ初優勝に大きく貢献。通算548本塁打は三塁手として歴代最多。1995年、殿堂入り。
- ホームラン王:8回(MLB歴代2位、ナ・リーグ歴代最多)
- 打点王:4回(MLB歴代4位タイ)
- シーズンMVP:3回
- ゴールドグラブ賞:10回
- シルバースラッガー賞:6回
- ワールドシリーズMVP:1回
- オールスター選出:12回
- スティーブ・カールトン(LHP)
フィリーズ史上屈指の左腕投手。通算329勝のうち、フィリーズ在籍時に241勝。1994年殿堂入り。
- 最多勝利:4回(すべてファイリーズ在籍時)
- 最優秀防御率:1回(フィリーズ在籍時)
- 最多奪三振:5回(すべてフィリーズ在籍時)
- サイ・ヤング賞:4回(すべてフィリーズ在籍時)
- ゴールドグラブ賞:1回(フィリーズ在籍時)
- オールスター選出:10回(フィリーズ在籍時に7回)
- ロビン・ロバーツ(RHP)
フィリーズ史上屈指の右腕投手。通算286勝のうちフィリーズ在籍時に234勝。1976年殿堂入り。
- 最多勝利:4回(すべてフィリーズ在籍時)
- 最多奪三振:2回(すべてフィリーズ在籍時)
- オールスター選出7回(すべてフィリーズ在籍時)
- チェイス・アトリー(2B)
2000年代のMLBを代表する二塁手の1人、2008年のワールドシリーズ優勝メンバー。
- シルバースラッガー賞:4回(すべてフィリーズ在籍時)
- オールスター選出:6回(すべてフィリーズ在籍時)
- ジミー・ロリンズ(SS)
2008年ワールドシリーズ優勝の立役者の1人。
- 盗塁王:1回(フィリーズ在籍時)
- シーズンMVP:1回(フィリーズ在籍時)
- ゴールドグラブ賞:4回(すべてフィリーズ在籍時)
- オールスター選出:3回(すべてフィリーズ在籍時)
- ライアン・ハワード(1B)
フィリーズ一筋12年。チーム史上屈指のパワーヒッター。2008年のワールドシリーズ優勝の中心選手の1人。
- ホームラン王:2回
- 打点王:2回
- シーズンMVP:1回
- ルーキー・オブ・ザ・イヤー
シルバースラッガー賞:1回 - ハンク・アーロン賞:1回
- オールスター選出:3回
過去に所属した日本人選手
フィリーズには過去、3人の日本人選手が在籍していました。
井口資仁(2007-2008年)
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | OPS |
49 | .303 | 3 | 12 | 6 | .799 |
田口壮(2008年)
試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | OPS |
88 | .220 | 0 | 9 | 3 | .580 |
青柳晃洋(2025年 メジャー出場なし)
2024年シーズンのフィリーズのチーム成績

チーム戦績
勝利 | 敗戦 | 勝率 | 順位 | 最終戦績 |
95 | 67 | .586 | 地区1位 | ALDS敗退 |
2024年シーズンのフィリーズは開幕から投打が噛み合い、ナ・リーグ東地区首位を快走し、ドジャースに次ぐ勝率.586で東地区を制しました。
打撃成績
試合数 | 得点 | 平均得点 | HR | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
162 | 784 | 4.84 | 198 | 148 | .257 | .325 | .425 | .750 |
チームの打撃成績は全般的にMLB上位クラスで、ほとんどが全体5以内でした。
投手成績
イニング数 | 平均失点 | 防御率 | 四球 | 失点 | 自責点 |
1442.2 | 4.14 | 3.85 | 444 | 671 | 617 |
投手成績も先発ローテーションが非常に優秀で、ほぼ上位クラスの成績を残しています。
フィリーズの主な選手の紹介と2024年シーズン成績

野手
※太字選手は新加入 成績は2024年シーズン
ポジション | 名前(年齢) | 打席 | 試合 | 打率 | HR | OPS | rWAR |
C | J・T・リアルミュート(34) | 右 | 99 | .266 | 14 | .751 | 3.0 |
1B | ブライス・ハーパー(31) | 左 | 145 | .285 | 30 | .898 | 4.8 |
2B | ブライソン・ストット(27) | 左 | 148 | .245 | 11 | .671 | 2.5 |
SS | トレイ・ターナー(31) | 右 | 121 | .295 | 21 | .807 | 3.0 |
3B | アレク・ボーム (28) | 右 | 143 | .280 | 15 | .779 | 3.0 |
LF | マックス・ケプラー(32) | 左 | 105 | .253 | 8 | .682 | 1.0 |
CF | ブランドン・マーシュ(27) | 左 | 135 | .249 | 16 | .747 | 3.1 |
RF | ニック・カスティヤノス(33) | 右 | 162 | .254 | 23 | .742 | 0.8 |
DH | カイル・シュワーバー(32) | 左 | 150 | .248 | 38 | .851 | 3.5 |
C | ラファエル・マーシェン(26) | 両 | 17 | .294 | 3 | .894 | 0.7 |
内野 | エドマンド・ソーサ(29) | 右 | 90 | .257 | 7 | .734 | 2.3 |
UT | コディ・クレメンス(28) | 左 | 43 | .219 | 5 | .706 | 0.3 |
OF | ジョナ・ロハス(24) | 右 | 120 | .243 | 3 | .601 | 0.7 |
上位打線の破壊力はMLBでも屈指。
出塁率も三振率も長打率も高いロマン砲のシュワーバーが今季も1番に入り、ターナー、ハーパー、ボーム、カスティヤノスと続くラインナップが基本です。
オフにツインズからマックス・ケプラーを1年1,000万ドルで獲得。ケプラーはレフトの守備につき、ラインナップでは4番か5番に入ることもあります。
下位打線もMLBのNo.1キャッチャーで名前の挙がるリアルミュートから、ストット、マーシュと続き、下位打線も切れ目なく、非常に強力です。
主力選手たちの年齢が上がってきていますが、まだ30代前半の選手が多いため、急激な衰えはないと見られ、あと1、2年は強力打線を維持できるのではないでしょうか。
他の選手や選手の詳細が知りたいという方はこちら! MLBの人気誌、Sluggerが編集を手がけた2025年の選手名鑑
投手
※太字選手は新加入 成績は2024年シーズン
役割 | 名前(年齢) | 投 | 試合 | イニング | 奪三振 | 防御率 | rWAR |
SP1 | ザック・ウィーラー(34) | 右 | 32 | 200.0 | 224 | 2.57 | 6.1 |
SP2 | タイワン・ウォーカー(32) | 右 | 19 | 83.2 | 58 | 7.10 | -1.6 |
SP3 | ヘスス・ルザード(27) | 左 | 12 | 66.2 | 58 | 5.00 | 0.8 |
SP4 | アーロン・ノラ(31) | 右 | 33 | 199.1 | 197 | 3.57 | 3.7 |
SP5 | クリストファー・サンチェス(28) | 左 | 31 | 181.2 | 153 | 3.32 | 3.4 |
CL | ホセ・アルバラード(29) | 左 | 66 | 61.2 | 63 | 4.09 | 0.3 |
SU | マット・ストラム(33) | 左 | 66 | 62.2 | 79 | 1.87 | 2.5 |
SU | オリオン・カーケリング(24) | 右 | 64 | 63.0 | 74 | 2.29 | 1.6 |
RP | ジョーダン・ロマノ(32) | 右 | 15 | 13.2 | 13 | 6.59 | -0.3 |
RP | ホセ・ルイーズ(30) | 右 | 52 | 51.0 | 52 | 3.71 | 0.5 |
RP | カルロス・ヘルナンデス(28) | 右 | 27 | 30.0 | 27 | 3.30 | 0.2 |
MLB屈指の先発ローテーション
フィリーズはMLBでも屈指の先発ローテーションを誇ります。
フィリーズ移籍後、2度のサイ・ヤング投票2位となり、絶対的エースとなったザック・ウィーラーを筆頭に、24年シーズン前にフィリーズと再契約をしたアーロン・ノラ。
昨年ブレイクしたクリストファー・サンチェスの活躍により、レンジャー・スアレスと続く先発4枚目までが非常に強力なローテーションとなりました。
オフには有望株2人とのトレードでマーリンズからヘスス・ルザードを獲得。
ルザードは怪我が多くシーズンをフル稼働できたのは23年のみですが、健康にシーズンを送れれば支配的な投球が期待できます。
もう1人の先発左腕、レンジャー・スアレスはスプリングトレーニング中に背中の張りを訴え、開幕を故障者リスト入りして迎えています。
復帰まで3週間程度とされていますので、4月下旬か5月上旬の復帰が見込まれます。
フィリーズのブルペン陣
今季のクローザーはホセ・アルバラードがつとめます。
アルバラードは調子にムラがあり安定感に欠けますが、ハマった時は手がつけられない投球をします。
セットアッパーにはフィリーズ3年目のベテラン、ストラムと昨年リリーフでブレイクしたカーケリングが7回、8回のセットアッパーを任されます。
その他の主なブルペン投手は、昨年は肘の手術後の不振に悩まさせれ本来の投球ができず、ブルージェイズをノンテンダーとなったジョーダン・ロマノと1年850万ドルで契約しています。
他の投手や選手の詳細が知りたいという方は、三栄書房の2025年選手名鑑をどうぞ
フィリーズのチームトッププロスペクト

フィリーズにはMLB Pipelineのプロスペクトランキング100位以内に入る選手が4人います。
名前(ポジション) | 年齢 | プロスペクトランク順位 |
アンドリュー・ペインター(RHP) | 22 | 7 |
エイデン・ミラー(SS) | 20 | 26 |
ジャスティン・クロフォード(OF) | 21 | 61 |
エドゥアルド・タイト(C) | 22 | 62 |
- アンドリュー・ペインター
Phillies top prospect (MLB No. 7) Andrew Painter is set to make his season debut for the Single-A @Threshers on Friday — his first start in an affiliated game since Sept. 16, 2022.
— MLB Pipeline (@MLBPipeline) April 6, 2025
More details: https://t.co/11c14EDxZC pic.twitter.com/M8Cbyah2Dl
21年1巡目、全体13位指名。
トミー・ジョン手術により23年・24年を全休。22年はAからAAで22先発、103.2イニングを投げ155奪三振、防御率1.56をマーク。
奪三振率38.7%と支配的な投球を見せながら、与四球率6.2%と制球も申し分ありません。
特に速球の評価が高く、トミー・ジョン手術後の球速も戻ってきているようです。将来のエース候補として十分なポテンシャルを秘めています。
ランキング引用:MLB.com Prospect Rankings2025
成績引用:Baseball Reference, FanGraphs
まとめ
フィラデルフィア・フィリーズは1883年に創設された、同一都市・同一名称のチームとしてはMLB最古のチームです。
2019年ごろからFAで獲得してきた選手達の活躍とドラフト組や若手の成長でチームはリーグ優勝コンテンダーとなっています。
ナ・リーグ東地区はフィリーズ、ブレーブス、ニュメッツの三つ巴の様相を呈していて、激戦地区となっています。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
この記事が参考になれば幸いです。
チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference
フィリーズの9FIFTYキャップです
ニューエラ 59FIFTYキャップです

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