あなたは懸垂ができないと悩んでいませんか?
自重トレーニングを始めて一つの壁になるのが、懸垂です。懸垂は背中の筋肉を鍛えるための有効な種目ですが、負荷の高さから難易度が高くなっています。
私は自重トレーニングを2021年から継続して続けています。
私も初心者の頃は懸垂が1回もできませんでしたが、今では連続して20回はできるようになりました。
この記事では懸垂ができない人が懸垂を10回できるようになるための方法を解説します。
懸垂(プルアップ)とは?基本知識を解説

懸垂(プルアップ)はバーにぶら下がった状態から、顎がバーを超えるまで体を引き上げる自重トレーニングです。
筋力トレーニングの中でも特に効果的で、背中を中心の多くの筋肉を同時に鍛えることが出来ます。
プルアップとチンアップの違い
懸垂の英語表現でpull-upとchin-upがありますが、両者には明確な違いがあります。
- pull-upは順手での懸垂で主に広背筋と僧帽筋上部をメイン鍛える
- chin-upは逆手での懸垂で主に上腕二頭筋をメインに鍛える
本記事では、プルアップ(順手での懸垂)を中心に解説します。
懸垂ができると起こる変化
懸垂(pull-up)は広背筋、大円筋、僧帽筋、上腕二頭筋が鍛えられます。特に広背筋、大円筋、僧帽筋が鍛えるれるので背中が広く、厚みが出るので見た目の変化が顕著になります。
本日は順手での懸垂(pull-up)が出来ない人が出来るようになる為の方法をご紹介しますので、最後まで是非お読みいただければ幸いです!
懸垂ができない理由〜筋力不足だけじゃない?見落としがちなポイント

体重が重い
懸垂はバーにぶら下がった状態がスタートポジションになりますので、当然の事ながら全体重が負荷としてかかります。
体重が重いほど大きな負荷がかかります。例えば、体重70kgの人と50kgの人では、必要な筋力が大きく異なるのは当然です。
必要な筋力が足りない
懸垂はいくつかの段階があり、それぞれの段階で異なる筋肉が必要となります。
ぶら下がりの維持
ぶら下がった状態のスタートポジション。
バーにぶら下がるために広背筋を使いますが、ぶら下がった状態をキープするために腹筋や体幹筋群も使われます。
- 広背筋でのぶら下がりのグリップ維持
- 腹筋・体幹筋群での姿勢安定
体の引き上げ
スタートポジションから体を引き上げて行き、顔がバーと同じレベルになるまでが第二段階です。
この段階では体を引き上げるための腕の力(上腕二頭筋)と肩甲骨を安定させるために前鋸筋が必要になります。
- 上腕二頭筋による腕の屈曲
- 前鋸筋による肩甲骨の安定
体の最終引き上げ
最後に顎がバーを超える位置まで体を引き上げるのが最終段階です。ここで背中の筋肉(広背筋・大円筋)や僧帽筋が使われます。
懸垂を行う為には、上半身の様々な筋力が必要となります。
- 広背筋・大円筋による背中の収縮
- 僧帽筋による肩甲骨の内転
懸垂で鍛えられる筋肉と効果

主要な鍛えられる筋肉
- 広背筋:背中の幅を作る最も重要な筋肉
- 大円筋 : 広背筋をサポートし、背中の厚みを作る
- 僧帽筋 : 姿勢改善と肩こり解消に効果的
- 上腕二頭筋 : 力こぶの発達と力強さが向上
- 前腕筋群 : 握力と前腕の太さが向上
懸垂で上半身の筋肉をバランス良く鍛えることが出来る
懸垂によるメリット
- 見た目の変化: 逆三角形の体型を作る
- 姿勢改善: デスクワークによる猫背の改善
- 機能的な力 : 日常生活での引く動作が楽になる
- 代謝向上 : 大きな筋群を鍛えることで基礎代謝が上がる
懸垂ができるようになるための段階的なトレーニング方法

斜め懸垂(インバーテッドロウ)を取り入れる
難易度: ★☆☆☆☆
対象: 懸垂が1回もできない人
懸垂が出来るようになる為に広背筋や僧帽筋、上腕二頭筋が鍛えられる種目として斜め懸垂(インバーテッドロウ)があります。足を地面につけて行うので、通常の懸垂より難易度は低めです。
自宅ではディップススタンド、公園では鉄棒を使用して実施します。
斜め懸垂のやり方
- 鉄棒やディップスタンドなどのバーを肩幅程度の広さで握ります。
- バーが胸の位置に来るように設定します。そのまま肘を伸ばし、足を地面につけたまま体が一直線になるようにします。ここがスタートポジションです。
- スタートポジションから肩甲骨を寄せる意識で、胸をバーに近づけるように体を引き上げます。
- 胸がバーにつくまで体を引き上げます。肩甲骨を寄せて背中の筋肉を収縮させます。
- 肩甲骨を開きながら、ゆっくりとスタートポジションに戻ります。
斜め懸垂のポイント
- 体が一直線になるよう意識する。腰やお尻が落ちないよう注意。
- 体を引き上げる時は肩甲骨を寄せる意識で行う。胸がバーに当たるまで体を引き上げたら背中の筋肉を収縮させることを意識する。
- 足の位置を前に出すほど難易度が上がる。
- 手幅を広げると広背筋により効果的。
セット数と休憩時間
- 8〜12回 × 3セット
- 休憩: セット間60〜90秒
ネガティブ懸垂で背中を鍛える
難易度: ★★☆☆☆
対象: 斜め懸垂が安定してきた人
ネガティブ懸垂は懸垂の体を降下させるネガティブ動作にフォーカスした種目です。懸垂が出来る人も懸垂をより強化する為のトレーニングとしても有効です。
ネガティブ懸垂のやり方
- ぶら下がれる安定したバーを肩幅程度の広さで握り、台などを使って顎がバーを超える位置からスタートします。
- 5秒程度かけて体をゆっくりと降ろして行きます。
- 肘が完全に伸びきるまで体を降ろしたら、地面に足をついてリセットします。
- 再度スタート位置に戻り、繰り返します。
セット数と休憩時間
- 回数: 5〜8回 × 3セット
- 降下時間: 5〜8秒
- 休憩: セット間90〜120秒
斜め懸垂のポイント
- 体を下ろす時はゆっくりと背中に負荷がかかっていることを意識する。
- 動作中は肩を竦めないように、肩甲骨を下げた状態を意識する。
アシステッド懸垂
難易度: ★★★☆☆
対象: ネガティブ懸垂が安定してできる人
アシステッド懸垂の手順
- ゴムバンドを使用: チンニングスタンドや鉄棒にゴムバンドを結び、ゴムバンドを足元にかけて補助する
- パートナーの補助: 足を持ってもらい、軽く押し上げてもらう
- 傾斜台の使用: 足を台に乗せて負荷を軽減する
セット数の設定
- 回数: 3〜8回 × 3セット
補助を段階的に減らしていきます。
懸垂(補助なし)
- 難易度: ★★★★☆
- 対象: アシステッド懸垂が安定してできる人
段階的な目標設定
- 第1目標: 1回完遂
- 第2目標: 5回連続
- 第3目標: 10回連続
- 上級目標: 15回以上
斜め懸垂とネガティブ懸垂も行うと懸垂が強化される
懸垂の正しいフォームとコツ

最後に懸垂を行う上でのコツについてお話しします。フォームからちょっとしたテクニックまでご紹介します。
懸垂のやり方
- グリップ: 肩幅程度の幅で順手で握る
- スタートポジション: 肘を完全に伸ばしてぶら下がる
- 引き上げ: 肩甲骨を寄せながら体を引き上げる
- トップ: 顎がバーを超えるまで引き上げる
- 降下: 動作をコントロールしながらゆっくり降ろす
懸垂のポイントとフォームの注意点
グリップのコツ
- 力を入れすぎない: バーは軽く握る程度で十分
- 両手の小指側を意識: スタートポジションからの引き上げ動作時
- 両手の親指側を意識: 引き上げ動作で顔がバーに近づいてきたら
体幹の安定
- 腹筋に力を入れる: 体の揺れを防ぐ目的
- 足を後ろで組む: より安定した姿勢を作る目的
- 呼吸を意識: 引き上げ時に息を吐く
肩甲骨の使い方
スタートポジション: 肩甲骨を下げて安定させる
引き上げ動作時: 肩甲骨を内側に寄せる
トップポジション: 肩甲骨を最大限収縮させる
肩甲骨の動作を特に意識して行うと効果的
まとめ
懸垂は筋力トレーニングの王道種目の一つです。初心者にとっては難しい種目ですが、適切に段階的なトレーニングを行うことで必ず習得できます。
成功のポイント
- 自分のレベルに合ったトレーニングから開始
- 正しいフォームを最優先
- 継続的な練習と適切な休息
- 段階的な負荷の増加
懸垂ができるようになると、見た目の変化だけでなく、機能面でも大きく向上します。
段階的なトレーニングを行い、理想的な上半身を手に入れましょう。
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