2025年シーズン注目すべきブレイク候補の若手MLB選手9人

MLB

はじめに

MLBでは毎年、新たな才能が登場し続けています。

ベテランスターたちの活躍に加え、若手選手の台頭がチームの勢力図を大きく変えることもあります。

昨シーズンもポール・スキーンズやジャクソン・メリル、ジャクソン・チョーリオといった新人達が大ブレイクを果たし

リーグ全体に新たな風を吹き込みました。

そして2025年シーズンも、「次世代のスーパースター候補」と呼ばれる逸材たちがブレイクを控えています。

ドラフト全体1位、マイナーで圧倒的な打撃成績を残し昇格してきたヒットメーカー、マイナーNo.1ピッチャー

——今回は、今後のブレイクが期待される9名の若手選手を紹介します!

選手の選定基準

  • 2025年シーズン時点で25 歳以下の選手
  • 今シーズンでメジャー3年目までの選手、もしくはメジャー通算200試合以内

MLB Pipeline、Baseball America、Baseball Prospectusの3台媒体によるプロスペクトランキングにランクインしている(過去にしていた)かは考慮せず

前年から出場機会・成績が伸びそうだと判断した9選手を筆者の独断と偏見で選出しました。

なお、各選手の能力はA・B・Cでランク付けしていて

各項目がMLB上位であればA、平均前後でB、平均を大きく下回っていたらCとしています。

最後まで是非お付き合いください。

選手紹介で使用している指標はこちらの記事で解説しています。

MLBの野球用語の基本と野球観戦を楽しむための指標解説

注目の若手選手たち

ジャクソン・ホリデー(ボルティモア・オリオールズ / INF)

基本情報

  • 生年月日:2004年12月4日(21歳)
  • 出身国:アメリカ合衆国
  • ドラフト順位:2022年1巡目全体1位
  • ルーキー・オブ・ザ・イヤー資格:なし

注目ポイント

史上最高額の契約金819万ドルでオリオールズが獲得。

元MLB選手マット・ホリデーを父親にもち、その父親を上回る才能を持つと評される逸材です。

能力評価

  • コンタクト:A
  • パワー:B
  • 走力:A
  • 守備:B
  • 肩:B

2025年シーズン成績

試合打率HR盗塁.OPSrWAR
60.26263.7380.5

寸評

今季は主にセカンドのポジションについています。オフにウエイトに力を入れてパワーアップを図り

Hard-Hitの割合が増加しています。

ボール球に手を出す割合 Chase %はMLBでも上位の低さ。ゾーン内のボールをしっかりスイングができています。

四球%は5.5%と低めですが、アベレージもある程度残せており

スプリントスピードも上位に入る俊足で、オリオールズのリードオフマン役を果たしています。

昨年のトッププロスペクトは今季飛躍のシーズンとなりそうです。

ジャック・ライター(テキサス・レンジャーズ / SP)

基本情報

  • 生年月日:2000年4月21日(25歳)
  • 出身国:アメリカ合衆国
  • ドラフト順位:2021年1巡目全体2 位
  • ルーキー・オブ・ザ・イヤー資格:あり

注目ポイント

平均97.4マイルの4シームとスライダーが武器。シンカー、チェンジアップ、カーブと多彩に投げ分けます。

能力評価

  • 4シーム:A
  • スライダー:A
  • チェンジアップ:B
  • カーブ:B
  • コントロール:C

2025年シーズン成績

試合投球回防御率WHIP奪三振rWAR
841.04.171.24300.0


寸評

開幕ローテーション入りで今季は飛躍が期待される。マイナーでは高い奪三振%を誇っていましたが

今季はここまで17.4%と低迷。

Hard-Hit %は平均より低い数値ですが

メジャーレベルではコンタクトされてしまっています。

四球も多く制球にも課題がありますが

多彩な球種を絶妙なコンビネーションで投げ分けています。

今後は四球を減らし、奪三振を増やして支配力のある投球に期待したいところです。

なお、ライターは今季開幕までのメジャー通算投球回が50位50イニング未満のため

ルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人王)の資格ありです。

ジャクソン・ジョーブ(デトロイト・タイガース / SP)

基本情報

  • 生年月日:2002年7月30日(22歳)
  • 出身国:アメリカ合衆国
  • ドラフト順位:2021年1巡目全体3位
  • ルーキー・オブ・ザ・イヤー資格:あり

注目ポイント

最速101.8マイル、平均96.6マイルのホップする4シームと

2900回転超えのスライダーが武器のチームトップの有望株。

本来は高い奪三振能力と制球力を兼ね備える右投手。

能力評価

  • 4シーム:A
  • スライダーA
  • カーブ:A
  • チェンジアップ:B
  • コントロール:B

2025年シーズン成績

試合投球回防御率WHIP奪三振rWAR
944.14.061.421350.2

寸評

2025年の開幕ロスターに入りローテションを務めています。

今季はローテションピッチャーとして、先ずは100イニングクリアが目標。

今季のルーキー・オブ・ザ・イヤーの資格ありです。

ディラン・クルーズ(ワシントン・ナショナルズ / OF)

基本情報

  • 生年月日:2002年2月26日(23歳)
  • 出身国:アメリカ合衆国
  • ドラフト順位:2023年1巡目全体2位
  • ルーキー・オブ・ザ・イヤー資格:あり

注目ポイント

2023年のMLBドラフトでポール・スキーンズに次ぐ全体2位指名。

走攻守全てにハイレベルな5ツールプレイヤー候補。

俳優のようなルックスの良さも持ち合わせており、次世代のスーパースター候補の1人。

能力評価

  • コンタクト:B
  • パワー:B
  • 走力:A
  • 守備:A
  • 肩:B

2025年シーズン成績

試合打率HR盗塁OPSrWAR
45.196711.6200.3

寸評

ここまで低打率ながら、MLB上位のバットスピードとBarrel %を誇っており

打球の質から算出されるxwOBACONは.445をマークしています。

空振り率・三振率が高く四球率が低いため、ゾーン管理能力を磨きたいところ。

ジェイコブ・ウィルソン(アスレチックス / INF)

基本情報

  • 生年月日:2002年3月20日(23歳)
  • 出身国:アメリカ合衆国
  • ドラフト順位:2023年1巡目全体6位
  • ルーキー・オブ・ザ・イヤー資格:あり

注目ポイント

父のジャック・ウィルソンも元メジャーリーガー。

卓越したコンタクト能力で今季もここまでハイアベレージをマーク。

注目はオープンスタンスから小刻みなステップでタイミングをとる独特なバッティングフォームです。

そのユニークなスタンスからヒットを量産しています。

能力評価

  • コンタクト:A
  • パワー:C
  • 走力:B
  • 守備:B
  • 肩:A

2025年シーズン成績

試合打率HR盗塁OPSrWAR
51.35064.8881.9

寸評

ここまで打率.350をマークし、ア・リーグ2位、MLB3位のハイアベレージを残し

持ち前のコンタクト能力をいかんなく発揮。

空振り率と三振率の低さはMLBトップ。

ゾーン外のボール球のスイング率も高いですが

ゾーン外のコンタクト率も85.7%と高く、コンタクト能力の高さが際立っています。

このまま好成績を残すことができればア・リーグのルーキー・オブ・ザ・イヤー候補の筆頭でしょう。

ピート・クロウ=アームストロング(シカゴ・カブス / OF)

基本情報

  • 生年月日:2002年3月25日(23歳)
  • 出身国:アメリカ合衆国
  • ドラフト順位:2020年1巡目全体19位(メッツが指名)
  • ルーキー・オブ・ザ・イヤー資格:なし

注目ポイント

MLB東京シリーズでシカゴ・カブスのメンバーとして来日すると

「PCA」コールが巻き起こるほど、日本でも人気が急上昇。

MLB屈指のスプリントスピードはまさに韋駄天。

そのスピードを武器にした広い外野守備範囲と強肩が持ち味です。

能力評価

  • コンタクト:B
  • パワー:B
  • 走力:A
  • 守備:A
  • 肩:A

2025年シーズン成績

試合打率HR盗塁OPSrWAR
53.2861414.8923.1

寸評

元々スピードと守備に高い評価がありましたが

今季はここまでチームトップタイの14HRを記録。

高いBarrel %で長打も打てており、バッティングが多きく飛躍しました。

ここまでナ・リーグトップのrWAR3.1を記録しており

このままいけばオールスター選出とシルバースラッガーの可能性も高く

大ブレイクとなる予感が高まっています。

ジェームズ・ウッド(ワシントン・ナショナルズ / OF)

基本情報

  • 生年月日:2002年9月7日(22歳)
  • 出身国:アメリカ合衆国
  • ドラフト順位:2021年2巡目全体62位(パドレスが指名)
  • ルーキー・オブ・ザ・イヤー資格:なし

注目ポイント

2022年フアン・ソトのトレード対価の1人としてナショナルズ移籍。

6フィート7インチ(201cm)の長身から生み出されるパワーと

そのサイズに見合わぬスピードを併せ持つ大型外野手。

「左のジャッジ」との呼び声も高い。

能力評価

  • コンタクト:B
  • パワー:A
  • 走力:A
  • 守備:C
  • 強肩:B

2025年シーズン成績

試合打率HR盗塁OPSrWAR
53.284137.9202.2

寸評

昨年メジャーデビューを果たし、大器の片鱗を見せつけ、今シーズンは開幕から始動。

ここまで既に13HRを放っており、「30-30」を十分目指せるポテンシャルあり。

オールスター選出、シルバースラッガー受賞も大いに可能性ありです。

ジュニア・カミネロ(タンパベイ・レイズ / INF)

基本情報

  • 生年月日:2003年7月5日(21歳)
  • 出身国:ドミニカ共和国
  • ドラフト順位:国際フリーエージェント(2019年インディアンス※現ガーディアンズと契約)
  • ルーキー・オブ・ザ・イヤー資格:なし

注目ポイント

2021年にトレードでレイズに加入。

ドミニカ共和国出身の大型内野手で、MLBトップのバットスピードを誇り

ハードヒットを量産しています。

能力評価

  • コンタクト:B
  • パワー:A
  • 走力:B
  • 守備:C
  • 肩:B

2025年シーズン成績

試合打率HR盗塁OPSrWAR
43.24393.712-0.1

寸評

空振り率・三振率はMLB平均を下回る少なさを記録。

ゾーン内に来たボールはしっかりコンタクトできています。

一方でゾーン外のボールスイング率も高く、四球率も低くなっているため

ゾーン管理が課題。

今季はゴロ率が高めとなっていて

打球に角度がつくようになればシーズン25本〜30本のホームランを期待できるポテンシャルがあります。


ブレット・ベイティ(ニューヨーク・メッツ / INF)

基本情報

  • 生年月日:1999年11月13日(25歳)
  • 出身国:アメリカ合衆国
  • ドラフト順位:2019年1巡目全体12位
  • ルーキー・オブ・ザ・イヤー資格:なし

注目ポイント

メッツが長年温めてきた大型内野手で

パワーと三塁守備で安定感を誇り、攻守に高いポテンシャルを持った選手です。

能力評価

  • コンタクト:B
  • パワー:A
  • 走力:B
  • 守備:A
  • 肩:B

2025年シーズン成績

試合打率HR盗塁OPSrWAR
35.25062.7761.1

寸評

スプリングトレーニングで好成績を残し、マクニールの故障もあり

開幕ロスター入りを果たしましたが、開幕直後は良いパフォーマンスを発揮できず

トレード候補に挙げられる始末。

マクニールの復帰によりマイナー行きとなっていましたが

ウィンカーの故障者リスト入りで再昇格を果たすと

再昇格後は.280、HR5本、OPS.908、wRC +153をマークしています。

守備ではセカンドもこなし、DRS, OAAともにプラスと安定感を見せています。

かつてのプロスペクトがいよいよブレイクか。

まとめ

今回紹介した9名の若手選手たちは、MLBの未来を担う存在です。

それぞれが異なる魅力と可能性を持ち、2025年シーズンは彼らの成長を追いかけるのが楽しみです。

また単なる個人の活躍だけでなく、彼らがチーム全体の戦力の底上げにどれだけ貢献できるかという点です。

ジョーブ、クロウ=アームストロング、ベイティは、ここまでチームが好調で

優勝争いを引っ張っていく存在になるかもしれません。

まだシーズンは序盤です。他の選手達もチームをプレーオフや優勝争いに導く活躍をする可能性も十分にあります。

またシーズン後半には、さらなる注目若手選手の台頭があるかもしれません。

今後も若手選手の動向を追いかけていきたいと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

この記事が参考になれば幸いです。

皆さんも、ぜひコメント欄で「注目の若手選手」を教えてください。

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