1ヶ月間筋トレをしないと筋肉量はどのくらい減少するのか?実際のデータで検証してみた

筋トレ

はじめに

「もし筋トレを1ヶ月間休んだら、筋肉はどれくらい落ちるのだろう?」筋トレをしている人なら一度は気になったことがあるのではないでしょうか。

私は、体調不良により意図せず約1ヶ月間筋トレを休止することになりました。

私の実体験データを基に筋肉量がどのように変化するかを検証してみました

。普段は週3〜4回の自重トレーニングを行なっていた状態から、4月〜5月にかけてほぼ完全に筋トレを休止した期間のデータを、自宅の体組成計で毎日測定した結果をご紹介します。

この記事を読んで分かる事

  • 筋トレを1ヶ月休んだら、筋肉はどれだけ減るのか?体組成計データをもとに、実際に起こった私の体の変化を可視化
  • 筋トレ休止時に筋肉を最低限維持するための対策法
  • 減った筋肉は回復する?適切な筋トレ再開方法とマッスルメモリーの活用

測定条件と普段の筋トレ習慣

測定環境

  • 測定機器: 体組成計 「Anker Eufy Smart Scale C1(体重・体組成計)
  • 対象期間: 2025年4月〜5月※測定自体は1月から実施
  • 測定頻度: 毎日同じ時間帯
  • 測定項目: 筋肉量、筋肉率、体脂肪量、水分量、基礎代謝量、除脂肪体重、骨量

今回の各データの測定・記録に使用したのは「Anker Eufy Smart Scale C1(ユーフィ)」というスマート体組成計です。

体重や体脂肪率、BMI、筋肉量などの12項目が測定可能で、Bluetoothでのアプリとの連携で測定したデータをスマホで確認・保存ができ、日々の体の変化を「見える化」できます。

このC1は価格も手頃でコンパクトなので、ダイエットや筋トレを日常的に行なっている方におすすめです。

さらに測定項目が多い、Smart Scale P2 ProやSmart Scale P3 と言った上位品もありますが、私はC1で十分かなと思います。

普段の筋トレ習慣

通常時は週3〜4回の頻度で自重トレーニングを実施していました。

大まかな種目はプッシュアップ、ディップス、懸垂、アブローラーを使用した腹筋、スクワット、ブルガリアンスクワット、ランジ、片足デッドリフトなどで、1回のトレーニング時間は約1時間程度です。

食生活

主に高タンパクな食事を心がけています。1日の摂取カロリーは1900〜2300Kcal程度。

体調不良の日は2、3日まともに食事が摂れない時もありましたが、基本的に普段通りの食生活を続けました。

筋トレ休止期間

4月から5月にかけて度重なる体調不良により、筋トレを行なったのはわずか1回のみ。※その1回も通常の3割程度の負荷と時間で行いました。

事実上、約1ヶ月間の筋トレ休止状態となりました。

データの分析結果

筋肉量の変化(絶対値)

最も気になったのは筋肉量の変化です。データを見ると、筋肉量は明確な減少傾向を示しました。

筋肉量の測定結果

2月のピーク以降減少傾向に

  • 2月: ピーク値を記録
  • 4月: 51.10kg
  • 5月: 約50.60kg(推定値)
  • ベースライン: 52.90kg

2月のピークから5月末にかけて、約2.3kg 筋肉量が減少しています。減少率は約4.3%に相当します。

特に4月から5月にかけての1ヶ月間で約0.5kgの減少が見られ、筋トレ休止の影響が現れていると言えます。

筋肉率の変化(相対値)

筋肉率については異なる傾向が見られました。

筋肉率の測定結果

筋肉率は上昇傾向にある

  • 4月: 81.2%
  • 5月: 83.0%
  • ベースライン: 79.8%

筋肉量(絶対値)が減少している一方で、筋肉率(相対値)は上昇しています。

体重の測定結果

食事にも左右されるが減少傾向

これは全体的な体重減少の中で、筋肉の減少よりも脂肪の減少が大きかったことがわかります。

体脂肪量の変化

体脂肪量の変化も重要な指標です。

体脂肪量の測定結果

体重とほぼ連動し、減少傾向へ

  • 3月: ピーク値
  • 4月: 9.09
  • 5月: 7.99
  • ベースライン: 10.40

体脂肪量は3月をピークに継続的に減少し、5月に7.99%まで減少しています。筋肉率上昇の要因といえるでしょう。

基礎代謝量の変化

基礎代謝量は筋肉量と密接な関係があります。

基礎代謝量の測定結果

筋肉量とほぼ連動して低下傾向へ

  • 3月: ピーク値
  • 4月: 1330.0
  • 5月: 1312.0
  • ベースライン: 1367.0

筋肉量の減少に伴い、基礎代謝量も低下の傾向を示しました。

ベースラインから約55の減少となり、1日あたりの消費カロリーが約4%減少したことを意味します。

除脂肪体重の変化

除脂肪体重(脂肪を除いた体重)も減少しました。

徐脂肪体重の測定結果

体重の減少とほぼ連動

  • 2月: ピーク値
  • 4月: 53.81kg
  • 5月: 53.36kg
  • ベースライン: 55.71kg

2月のピークから約2.35kgの減少が見られ、筋肉量減少によるものと考えられます。

水分量の変化

体内水分量は比較的安定していました。

水分量の測定結果

3月から上昇傾向

  • 4月: 58.7%
  • 5月: 60.0%
  • ベースライン: 57.7%

水分量は上昇傾向を示し、適切な水分バランスが維持されていることがわかりました。

体重に占める体内水分量の割合の目安は成人男性が約55〜65%、成人女性が約45%〜60%です。

考察

筋肉減少のメカニズム

今回の検証結果は、筋肉の「使わなければ失割れる」を実証しました。

筋トレ休止によって以下のプロセスで筋肉量が減少します。

  1. タンパク質合成の低下: 筋トレ刺激がなくなることで、筋タンパク質の合成速度が低下する。
  2. 筋タンパク質分解の継続: 日常的な筋タンパク質分解は継続するため、合成<分解の状態になる。
  3. 筋繊維の萎縮: 結果として筋繊維が細くなり、筋肉量が減少する。

減少速度について

一般的に、筋トレを休止した場合の筋肉量減少の速度は

  • 最初の2週間: 比較的緩やか。
  • 3〜4週間後: 明確な減少が起こる。
  • 8週間以降: より顕著な減少が起こる。

今回の実験データでは、1ヶ月間で約4.3%の筋肉量減少が見られました。

所謂、「筋肉が落ち始めるのは筋トレを止めて約3週間を経過してから」という理論にほぼ当てはまります。

個人差の要因

筋肉減少の程度には個人差があり、様々な要因が影響します。

  • 年齢: 年配者ほど減少速度が速い。
  • 筋トレ歴: 長期間トレーニングしている人は減少速度が緩やか。
  • 栄養状態: タンパク質摂取量などが影響する。
  • 日常活動レベル: 完全な安静と軽い活動では差が出る。

筋トレ休止時の対策

筋肉を維持するための最小限の運動

完全に休止するのではなく、可能な範囲で軽い運動を行うと筋肉の減少を抑えられます。

  • 週1回程度の軽い自重トレーニング
  • 日常的な階段の利用
  • 散歩やストレッチ

これらを行うだけでも筋肉減少を大幅に抑制できることが明らかになっています。

食事・栄養面

筋トレを休んでいる期間も、筋肉維持のための栄養摂取は重要です。

  • 十分なタンパク質摂取: 体重1kgあたり1.2〜1.6g程度。
  • ビタミンD: 筋肉機能維持に必要。
  • 適切なカロリー摂取: 極端な食事制限は筋肉量減少を加速させます。

筋トレ再開時の注意点

段階的なプロセスで筋トレを再開していく

長期間休止した後の筋トレ再開は段階的に行うことが重要です。

  1. 最初の1〜2週間: 以前の強度の50〜60%程度
  2. 3〜4週間目: 70〜80%程度
  3. 5〜6週間目: 以前と同じ強度・負荷に戻す

マッスルメモリー効果

幸い、一度つけた筋肉は「マッスルメモリー」により比較的早く回復します。筋核の数は維持されるため、適切なトレーニングを再開すれば、以下の通り筋肉は戻ってきます。

  • 2〜4週間: 筋力の回復が始まる
  • 6〜8週間: 筋肉量がほぼ元のレベルに回復
  • 12週間: 完全な回復が期待できる

今回の実験で得られた事

ポジティブな発見

  1. 筋肉率の改善: 絶対的な筋肉量は減少したものの、体脂肪の減少により筋肉率は向上した
  2. 基礎代謝の維持: 大幅な低下は見られず、比較的安定していた
  3. 水分バランスの改善: 体調管理により水分量が最適化された

注意点

  1. 筋肉量の確実な減少: 1ヶ月で約4.3%と減少の割合は多かった
  2. 基礎代謝の低下: わずかながら代謝効率の低下が観察された
  3. 個人差の存在: 同じ条件でも人により結果は異なる可能性あり(食事や私生活にもよる)

まとめ

今回の1ヶ月間筋トレ休止実験により、わかったこと。

筋肉量への影響は確実に存在し、約4.3%の減少が観察されました。

一方で、筋肉率については体脂肪減少により改善が見られ、全体的な体組成バランスは必ずしも悪化していないことがわかりました。

基礎代謝量の低下も見られましたが、劇的な変化ではなく、段階的なプロセスにより適切な筋トレの再開ができれば回復可能な範囲と考えられます。

週1回でも軽い筋トレを行うことで、筋肉減少を大幅に抑制できることが多くの研究で示されています。可能な限り完全な筋トレの休止は避け、最小限の維持運動を継続することが筋肉の減少を最小限に抑えるためには有効です。

ただ一番重要なのは焦らず、段階的にトレーニングを再開すること。体調不良の際には無理をせず、しっかりと回復した上で、自分のペースでトレーニングを再開していきましょう。

一時的に筋トレを止めたからと言ってで全てが無駄になるわけではありません。

段階的な筋トレ再開とマッスルメモリー効果を信じてトレーニングを継続することが重要です。

体組成計による測定結果は参考程度にはなりますが、測定条件や誤差を理解していただいた上で、今回の実体験データが、怪我や体調不良により筋トレの休止を考えている方や、やむを得ず筋トレを休んでしまった方の参考になれば幸いです。

継続は力なり! 適度な休息と再開もまた、長期的に筋トレを継続させるための大事な要素です。

引き続き筋トレを頑張っていきましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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