MLB全30球団紹介!シアトル・マリナーズ編

MLB

こんにちは、Chanです。

当ブログでは、よりMLBを楽しむために全30チームを紹介しています。

シーズンは開幕しましたが、引き続きチーム紹介を行いますので、今年からMLBを見始めたという方も、そうでない方も是非MLBの各チームについて知っておいてください。

今回はアメリカン・リーグ西地区のシアトル・マリナーズをご紹介します。

是非最後までお付き合いください。

シアトル・マリナーズとは

球団概要

  • 創設: 1977年
  • 本拠地: ワシントン州・シアトル
  • ホーム球場: T-モバイル・パーク
  • 所属リーグ: アメリカン・リーグ(American League)
  • 地区: ア・リーグ西地区(AL WEST )
  • 略称: SEA
  • チーム名の由来: 創設時に一般公募によって選ばれました。シアトルは海に面した港町であり、海運や漁業が盛んな地域であることに由来しています。「Mariners」は英語で「船乗り」や「水夫」を意味し、シアトルの海洋文化を象徴する名前として選ばれました。
  • オーナー: ジョン・スタントン
  • 監督: ダン・ウィルソン
  • ワールドシリーズ優勝(なし)
  • リーグ優勝 (なし)
  • 地区優勝(3回)
  • 1995, 1997, 2001
  • ワイルドカード獲得(2回)
  • 2000, 2022

球団の歴史

シアトル・マリナーズは1977年に誕生した比較的若い球団で、MLB唯一のワールドシリーズ未経験チームとしても知られています。1990年代後半から2000年代前半にかけて全盛を迎え、2001年には116勝を挙げMLB最多タイ記録を樹立しています。過去にはイチローを始め、数多くの日本人選手が所属したチームでもあります。

創設と低迷期

シアトルには1970年にシアトル・パイロッツというMLBチームがありましたが、財政難によりわずか1年でミルウォーキーに移転(現ミルウォーキー・ブルワーズ)。この反省を踏まえ、1977年に新球団「シアトル・マリナーズ」が創設されました。

球団創設から1988年の11年間で勝率5割を超えたことは一度もなく、新興球団とはいえ低迷が長く続きました。

ケン・グリフィーJr.の登場と初の地区優勝

1987年のドラフトで指名されたケン・グリフィーJr.が1989年にメジャーデビュー。攻守に優れたスーパースターとなり、マリナーズのアイコン的存在となりました。

同時期にランディ・ジョンソン(1991年移籍加入)やエドガー・マルティネスといった名選手も台頭し、チームは徐々に力を付けていきます。

1995年、マリナーズは球団創設以来初のプレーオフ進出を果たします。

8月2日時点で首位のカリフォルニア・エンゼルスに13ゲーム差をつけられていましたが、驚異の追い上げで同率首位となったエンゼルスとの直接対決を制し、地区優勝達成。

迎えたALDS のヤンキース戦では2勝2敗で迎えた第5戦、延長11回裏にエドガー・マルティネスのツーベースでグリフィーがサヨナラのホームイン。球団史に残る名場面の一つとなりました。

この年の快進撃はリフューズ・トゥ・ルーズ(負けることを拒む)と称され、地元ファンを熱狂させました。

イチローの加入と116勝

1999年オフにケン・グリフィーJr.がレッズへ移籍するも、2000年はエドガー・マルティネスや大魔神こと佐々木主浩らの活躍でワイルドカードを獲得。そのオフ、ポスティング制度でMLB入りを目指していたイチローと契約。ブレッド・ブーンらもFAで加入します。

迎えた2001年、チームは驚異的な快進撃を見せます。6月には15連勝で2位エンゼルスと17ゲーム差をつけて独走態勢に入り、ア・リーグ最多・MLB最多タイ記録となる116勝を挙げ西地区優勝。

ALCSではインディアンスを3勝2敗で破り、ALCSに進出しますが、ヤンキースに1勝4敗と敗退しました。

2001年のイチローは皆さんご存知の通り、ア・リーグ ルーキーオブザイヤー・首位打者・盗塁王・MVPを受賞しています。

しかし、イチローのマリナーズでのプレーオフ出場はこの年が最後となり、チームは20年以上にわたってプレーオフ未進出の低迷状態となります。

現在のチーム事情

2022年、5ツールプレイヤー候補としてフリオ・ロドリゲスがメジャーデビュー。

オールスターにも選出され、132試合で打率.284、HR28本、OPS.853、rWAR6.2を記録し、鮮烈なデビューを果たしア・リーグ ルーキーオブザイヤーに輝きます。

そんなフリオ・ロドリゲスの活躍もあり、チームは2001年以来のプレーオフ進出を達成。

2023年もオールスター以降の飛躍により最後までナ・リーグ優勝争いに絡みました。24年は一時、2位チームと10ゲーム差以上話して地区首位に立っていましたが、後半の失速により地区優勝とプレーオフを逃しています。

しかし、近年のマリナーズはMLB屈指の先発陣を擁し、優勝争い・プレーオフ争いの常連となり再び強豪チームとしての地位を築きつつあります。

過去の主な所属選手

  • ランディ・ジョンソン(LHP)

1995年のプレーオフ進出に貢献。

通算303勝、殿堂入り(2015年)

  •  ケン・グリフィJr.(OF)

1997年ア・リーグMVP受賞

マリナーズ在籍時の通算本塁打数398本。

ゴールドグラブ賞を10回受賞(守備も超一流)。

マリナーズ黄金期の象徴的存在。

2016年に史上最高得票率(当時)で殿堂入り。

  •  イチロー(OF)

2001年にルーキーオブザイヤー&MVPを同時受賞(史上2人目)。

2004年に年間262安打のMLB記録を樹立。

マリナーズ通算2,542安打(MLB通算3,089安打)。

10年連続200本安打&ゴールドグラブ賞。

  •  エドガー・マルティネス(DH/3B)

2度の首位打者(1992年・1995年)。

通算打率.312、OPS.933。

DH専門の名選手として殿堂入り(2019年)。

最も優れたDH選手に贈られるエドガー・マルティネス賞に名を冠される。

1995年にフルタイムのDH選手としては最高のrWAR7.1を記録(2024年に大谷翔平が更新)。

  • フェリックス・ヘルナンデス(RHP)

MLBではマリナーズ一筋14年。

2010年にサイ・ヤング賞受賞。

2012年にマリナーズ史上初の完全試合達成。

通算169勝136敗、防御率3.42、2,524奪三振(球団記録)、投球回数2,729.2回(球団記録)

過去に所属した日本人選手

マリナーズには現在まで日本人選手が11人在籍していました。

  • マック鈴木(1996年、1998-1999年)
  • 佐々木主浩(2000-2003年)
  • イチロー(2001-2012年、2018-2019年)
  • 長谷川滋利(2002-2005年)
  • 木田優夫(2004-2005年)
  • 城島健司(2006-2009年)
  • 岩隈久志(2012-2017年)
  • 川崎宗則(2012年)
  • 青木宣親(2016年)
  • 菊池雄星(2019-2021年)
  • 平野佳寿(2020年)
  • 藤浪晋太郎(2025-)マイナー契約

2024年シーズンの成績

チーム戦績

勝利敗戦勝率順位最終戦績
8577.549地区2位地区2位

打撃成績

試合数得点平均得点HR盗塁打率出塁率長打率OPS
1626764.17185140.224.311.376.687

投手成績

イニング数平均失点防御率四球失点自責点
1433.03.753.49369607556

24年のマリナーズは前年度のワールドシリーズ王者 レンジャーズの不振やアストロズの序盤の躓きもあり、地区首位を快走し、6月18日時点で44勝31敗と2位アストロズに10ゲーム差をつけていました。

しかしここから負けが先行し始め、1ヶ月後の7月19日には52勝47敗で2位アストロズに同率で並ばれ、その後は鍔迫り合いの状態が続き、8月13日に1.5ゲーム差をつけられると、その後マリナーズが首位に返り咲くことはなく、プレーオフ進出もタイガースの快進撃により、逃しています。

マリナーズの本拠地、T-モバイル・パークのパークファクターは90で、MLB全球場の中で最も投手有利な球場です。得点パークファクターは81で最も低く、平均的な球場と比べて19%も得点が入らず、HRも89と平均より約10%ホームランが出づらいことになります。

これを前提にマリナーズのチーム打撃成績を見ていくと、得点や打率は下位ですが、球場補正の入ったOPS+で見ると103となります。

先発陣はMLB屈指のローテーションを誇ります。失点率・失点・被安打・防御率は全体でも上位で、球場補正をかけているERA+は106と平均を上回っています。

主な選手の紹介

野手

太字選手は新加入 成績は2024年シーズン

ポジション名前(年齢)打席試合打率HROPSrWAR
Cカル・ローリー(28)153.22034.7484.7
1Bルーク・レイリー(30)137.24322.7833.2
2Bライアン・ブリス(25)33.2222.6870.4
SSJP・クロフォード(30)105.2029.6252.7
3Bホルヘ・ポランコ (31)118.21316.6511.3
LFランディ・アロザレーナ(30)54.2315.7331.0
CFフリオ・ロドリゲス(24)143.27320.7344.3
RFビクター・ロブレス(27)77.3284.8603.1
DHロウディ・テレズ(30)131.24313.691-0.3
Cミッチ・ガバナー(34)114.17215.627-0.1
内野ドノバン・ソラーノ(37)96.2868.7601.0
UTマイルス・マストロブオーニ(29)50.1940.470-0.2
UTディラン・ムーア(32)135.20110.6872.2

オフには補強に積極的に動かなかったものの、開幕直前にカル・ローリーと6年1億500万ドルでの契約延長が発表されました。

ローリーはMLB屈指の強打のキャッチャーで2年連続30HR以上を達成しています。キャッチャーとしての能力もブロッキングは平均以下ですが、フレーミングはMLB上位で、盗塁阻止もプラスと高い能力を有しています。

その他の補強としてパドレスからドノバン・ソラーノを獲得。ソリッドな活躍を期待できるベテランをチームに加えています。

今季もフリオ・ロドリゲスを中心にローリー、レイリーが攻撃の中心を担い、オフに1年700万ドルで契約延長したホルヘ・ポランコもツインズ時代のパフォーマンスに戻りwRC+110程度記録できると心強いですね。

また昨季加入したビクター・ロブレスはマリナーズで復活を果たし2年975万ドルで契約延長しています。

投手

太字選手は新加入 成績は2024年シーズン

役割名前(年齢)試合イニング奪三振防御率rWAR
SP1ローガン・ギルバート(27)33208.22203.232.8
SP2ルイス・カスティーヨ(32)30175.11753.641.8
SP3ルイス・F・カスティーヨ(30)登板なし
SP4ブライス・ミラー(26)31180.11712.943.4
SP5ブライアン・ウー(25)22121.11012.892.3
CLアンドレス・ムニョス(26)6059.1772.122.0
SUトレント・ソーントン(31)

7172.1773.610.3
SUグレゴリー・サントス(25)87.164.91-0.1
RPコリン・スナイダー(29)4241.2471.940.9
RPテイラー・ソセイドー(31)5338.2383.490.4
SPゲイブ・スパイヤー(30)2923.2335.70-0.5

マリナーズのローテーションはローガン・ギルバート、ルイス・カスティーヨ、ジョージ・カービーはMLB先発投手のトップ15に入り、ブライス・ミラーもチームによってはローテーション1番手、ブライアン・ウーも3・4番手には入れるような強力な先発陣を擁しています。

開幕前にジョージ・カービーが肩の炎症により15日間のIL入りをしましたが、4月下旬ごろには復帰の目処がたっているとの情報があります。

先発には24歳のエマーソン・ハンコックも控えており、ネクストブレイク候補候補の1人です。

リリーフは60試合に登板したムニョスが不動のクローザーとなっていて、ムニョスにつなげるセットアッパーにソーントン、昨季は故障により8試合の登板にとどまったグレゴリー・サントスが7回あたりを任されることになりそうです。

プロスペクト

マリナーズにはプロスペクトランキング100位以内に入る選手が7人とMLBでも屈指のプロスペクトを抱えています。

名前(ポジション)年齢プロスペクトランク順位
コルト・エマーソン(SS/3B)1919
ラザロ・モンテス(OF)2040
コール・ヤング(SS/2B)2147
ハリー・フォード(C)2262
フェルニン・セレステン(SS)1971
ジョニー・ファーメロ(OF)2093
マイケル・アローヨ(2B/SS)2095
  • コルト・エマーソン

23年1巡目、全体22位指名の高卒野手。

特にヒットツールの評価が高く、総合的に見ても平均を上回るポテンシャルを有しています。

24年はルーキリーグ、A、A +で70試合に出場し、wOBA.376、wRC +119を記録。

今季はA +スタートで3試合13打席で打率.400と快調な滑り出しを見せています。今後はパワーに磨きを変えることが課題ですが、まだ20歳と伸び代は十分です。

  • コール・ヤング

22年ドラフト1巡目、全体21位指名。

24年はAAで124試合に出場し打率.271、HR9本、23盗塁でwRC +119をマーク。

四球率12.1%・三振率17.5%と非常に優秀です。マリナーズの空白のセカンド・サードのうち、セカンドを担える人材となれるか注目です。

ランキング引用:MLB.com Prospect Rankings2025

成績引用:Baseball Reference, FanGraphs

まとめ

シアトル・マリナーズは1977年にエクスパンションチームとして創設。

2001年にはMLB最多タイ・ア・リーグ最多の116勝を挙げる輝かしい記録を持っていますが、まだワールドシリーズ進出がない唯一のチームとなっています。

近年は自前のドラフト指名選手が成長し、MLB屈指のローテーションを形成。チームは地区優勝・プレーオフ争いをできる位置まで来ていますので、野手の補強でワールドシリーズ制覇も狙えそうですが、今オフは大物FA選手の補強には動きませんでした。

しかし今期こそは地区優勝・プレーオフを決めていところ、夏のトレードデッドラインで動きがあるかもしれませんので、動向に注目してみましょう。

最後までお付き合いいただきありがとうございます。

この記事が参考になれば幸いです。

チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference

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