MLB全30球団紹介!カンザスシティ・ロイヤルズ編

MLB

こんにちは、Chanです。

近年、多くの日本人メジャーリーガーの活躍によりMLBを観る方が増えていると思います。

MLB初心者の方向けにMLBの全30チームを紹介しています。

第3弾はアメリカン・リーグ中地区からカンザスシティ・ロイヤルズをご紹介します!

カンザスシティ・ロイヤルズとは

球団概要

  • 創設: 1969年
  • 本拠地: ミズーリ州カンザスシティ
  • ホーム球場: カウフマンスタジアム
  • 所属リーグ: アメリカン・リーグ(American League)
  • 地区: アメリカンリーグ中地区(AL MIDDLE)
  • オーナー:ジョン・シャーマン
  • チーム名の由来: カンザスシティで行われる「アメリカン・ロイヤル」という大規模な農業・畜産ショーより
  • ワールドシリーズ優勝3回(1985年、2015年)
  • リーグ優勝4回(1980年、1985年、2014年、2015年)
  • 地区優勝7回(1976年、1977年、1978年、1980年、1984年、1985年、2015年)

参考: Wikipedia

球団の歴史

1967年、カンザスシティ・アスレチックス(現 アスレチックス)がオークランドに移転。ミザリー州にチーム創設の声が高まり、エキスパンションによって1969年、カンザスシティ・ロイヤルズが誕生しました。

初代オーナーに就任した事業家のユーイング・カウフマンの名を冠したカウフマン・スタジアム(1993年まではロイヤルズ・スタジアム)をホームグラウンドとし、外野に設置されている巨大な噴水は球場名物です。

1976年から1978年にかけて3年連続でア・リーグ西地区(当時は各リーグ2地区制)を制覇し強豪チームへと成長していきました。

1985年に初のワールドシリーズ制覇を達成。その後、2014年のポストシーズン進出まで長い低迷期を経て2015年に2度目のワールドシリーズ制覇を達成しました。

再建期脱出、コンテンダーへ

ワールド・シリーズを制覇した2015年以降、翌年2016年は勝率5割だったものの、暫くは低迷が続き再建期に入りました。

2018年・2019年・2023年にはシーズン100敗を喫するなど、低迷が続いていました。

2023年オフにセス・ルーゴ、マイケル・ワカを獲得。すると2人が2024年シーズンの先発ローテーションとして活躍。

また2023年オフにボビー・ウィットJr.と11年2億8877万ドルの長期契約を結ぶと、2024年シーズンは.332、ホームラン32本、31盗塁、OPS.977、wRC+168、rWAR9.4を記録し、MVP投票2位を獲得するなどチームを牽引。

2023年のシーズン106敗から大躍進を遂げ、86勝76敗でア・リーグ中地区2位となり、ポストシーズン進出を果たしました。

2024年シーズンの成績

チーム戦績

勝利敗戦勝率順位最終戦績
8676.5313ALDC 敗退

打撃成績

試合数得点平均得点HR盗塁打率出塁率長打率OPS
1627354.53170134.248.306.403.709

投手成績

イニング数平均失点防御率HR失点自責点
1428.04.313.98146644596

野手成績

名前年齢HR盗塁打率OPSwRC+rWAR
ボビー・ウィットJr.(SS)243231.332.977168
9.4
サルバドール・ペレス(C)34270.271.7861152.5
マイケル・マッシー(2B)26141.259.7431021.6
ビニー・パスカンティーノ(1B)26191.262.761108
1.1
カイル・イズベル(CF)27811.229.65481
1.8
マイケル・ガルシア(3B)24737.231.613691.2
MJ・メレンデス(LF)25174.206.67485-0.9
ハンター・レンフロー(RF)32151.229.689920
ネルソン・ベラスケス(DH)3282.200.64076-0.5
フレディ・ファーミン(C)2962.271.685911.1

得点数735点は全体13位でMLB平均の711点を上回っていますが、wOBA.307はポストシーズン進出チームで3番目に低く、wRC+は96で全体20位となっており、得点力はポストシーズン進出チームの中では低めです。

チームの攻撃を牽引するのは2024シーズンのア・リーグMVP2位となったボビー・ウィットJr.が中心。ベテランキャッチャーのサルバドール・ペレスが27ホームラン、OPS.786、wRC+115、rWAR2.5を記録しています。

ロイヤルズの内野陣はキャッチャーのペレスを除くと20代中盤の若い選手が主力となっています。

一方、外野手とDHは火力不足でセンターのイズベルを除いてレギュラーでWAR+を稼げる選手がいません。

レフトのMJ・メレンデスはデビューから3年目でワーストrWAR-0.9を記録するなど不本意なシーズンに。

打席に占める四球の割合であるBB%は7.8%は前年の10.3%から悪化、各投球に対する指標も軒並み悪化しているのが気になるところですが、まだ26歳になったばかりと、若く、打球速度は上位にいますので、来季の奮起に期待したいところです。

投手成績

名前年齢登板投球回奪三振WHIP防御率FIPrWAR
セス・ルーゴ(SP)3433206.21811.0893.003.255.3
コール・レイガンズ(SP)2632186.12231.1433.142.994.9
ブレディー・シンガー(SP)2732179.21701.2753.713.933.1
マイケル・ワカ(SP)3229166.21451.1943.353.653.5
アレク・マーシュ(SP)2626129.01231.2564.534.340.9
アンヘル・ゼルパ(RP)246053.2491.4533.863.970.6
クリス・ストラトン(RP)295758.1441.4745.554.62-0.7
ジョン・シュレイバー(RP)305951.2461.3163.663.030.5
クリス・ブービックRP)272730.1391.0222.671.950.8
ジェームズ・マッカーサー(RP)275756.2491.4474.924.17-0.5
ルーカス・アーセグ(RP)292325.0310.8402.881.170.8

ロイヤルズの先発陣はかなり強力です。

23年のオフに獲得したセス・ルーゴは先発に転向し、206.2イニングを投げ、防御率3.00、FIP3.15、rWAR5.3を記録し、ア・リーグサイ・ヤング投票2位の活躍。

同じく23年オフに加入したマイケル・ワカも166.2イニングを投げて、防御率3.35、FIP3.65、rWAR3.5をマーク。

さらに23年にテキサス・レンジャーズからトレードで加入したコール・レイガンズも186.1イニングで防御率3.14、FIP2.99、rWAR4.9を記録し、サイ・ヤング投票4位となりました。

また今オフにシンシナティ・レッズにトレードとなったブレディー・シンガーもrWAR3.1を記録し、先発ローテーション4人がrWAR3超をマークし、強力なローテーションを形成しました。

一方のブルペン陣は少し心許無く、リリーフの防御率はMLB全体で20位、WHIP23位、また9イニングあたりの奪三振率、K/9は28位となっています。

そんな苦しいブルペン陣の中でも、トレードデッドラインでオークランド・アスレチックスから獲得したルーカス・アーセグは23登板で25.1イニングを投げ、31奪三振、WHIP0.84、防御率2.88、FIP1.17を記録。 

対戦打席に占める奪三振の割合であるK%32.0%に対して対戦打席に占める与四球の割合は3.1%で、差分となるK-BB%は28.9%と支配力のあるクローザーとしてチームのポストシーズン進出に貢献しました。

2025シーズンに向けて

攻撃陣を強化したいロイヤルズですが、今オフは先発のブレディー・シンガーを放出し、かねてよりトレードの噂があったジョナサン・インディアを獲得。

インディアは本来セカンドですが、来季はDHメインの起用になると予想されています。

もう一枚、外野のソリッドな選手が欲しいところですが、現時点ではトレードなどの動きはなく、MJ・メレンデスにブレイクに期待と言ったところでしょうか。

来季の予想ラインナップ

ポジション名前年齢打席
DHジョナサン・インディア28
ショートボビー・ウィットJr.24
ファーストビニー・パスカンティーノ27
キャッチャーサルバドール・ペレス34
セカンドマイケル・マッシー26
ライトハンター・レンフロー32
レフトMJ・メレンデス26
サードマイケル・ガルシア24
センターカイル・イズベル27

ベンチメンバー

ポジション名前年齢打席
キャッチャーフレディー・ファーミン29
内野
ニック・ロフティン26
外野ダイロン・ブランコ31
外野ネルソン・ベラスケス26

先発ローテーション

役割名前年齢
先発1コール・レイガンズ29
先発2セス・ルーゴ35
先発3マイケル・ワカ33
先発4クリス・ブービック27
先発5アレク・マーシュ26
役割名前年齢
クローザールーカス・アーセグ29
セットアッパーハンター・ハービー30
セットアッパージョー・シュレイバー30
リリーフアンヘル・ゼルパ25
リリーフダニエル・リンチ28
リリーフクリス・ストラトン34

予想ラインナップ・ベンチメンバー・先発ローテーションの引用:FanGraphs

来季の攻撃陣

FanGraphsの予想では出塁能力の高いインディアがトップバッターに入り、ウィット、パスカンティーノ、ペレスと続く上位打線となります。

ここにメレンデスがブレイクすると面白い打線に打線になりそうです。

来季の先発陣

11月にワカと3年契約を結び、再契約となりました。

そのほか、シンガーがトレードで抜け、来季はブービックが先発転向となり、ローテーションに加わります。

ブルペン陣はゼルパ、リンチ、ストラトンが中盤を投げ、シュレイバー、ヒーニー、そしてアーセグへの継投パターンとなる見込みです。

8回のセットアッパーを任されるヒーニー今シーズン精彩を欠き、Hard-hit% 48.1%はMLBワーストレベルでした。

4シームのバリューはプラスでしたが、スライダーとスプリッターのバリューが悪く、痛打されてしまうケースが多く見られました。

来シーズンは2023年並のパフォーマンスが発揮できるか期待がかかります。

プロスペクト

名前(ポジション)年齢プロスペクトランク順位
ジャク・カグリオン(3B/1B)2117
ブレイク・ミッチェル(C/1B)2051
Ben Kudrna (RHP)21– (チーム内3位)
ブレイク・ウォルターズ(RHP)20– (チーム内4位)

大学時代はネクスト大谷翔平と呼ばれるツーウェイ・プレイヤーで、ロイヤルズから2024年のドラフトで1巡目に指名されました。

打者としての能力が高く評価されており、プロでは主にファーストとサードメインで起用される見込みです。

今秋のアリゾナ・フォール・リーグでは100打席で5ホームラン、打率.231、出塁率.300、長打率.449、OPS.749としており、来季順調にステップアップし、コールアップに期待がかかります。

ランキング引用:MLB.com Prospect Rankings2024

成績引用:Baseball Reference

まとめ

ロイヤルズは1969年に設立され、2回のワールド・シリーズ制覇後は長く低迷が続きましたが、現在は3回目のピークをまさに迎えようとするチームです。

今季は2015年以来のポストシーズン進出となり、ワイルドカードではオリオールズを下して地区シリーズまで進出しました。

内野にはリーグを代表するスーパースター、ボビー・ウィットJr.を中心に若い選手が多くレギュラーにいます。

先発はリーグ屈指の強力なローテーションを形成しており、今季はルーゴがサイ・ヤング投票2位、レイガンズが4位とサイ・ヤング5位以内に2人の投手が入るシーズンとなりました。

また傘下のトップ・プロスペクトには大学時代から二刀流で話題となっていたカグリオンがおり、次のロイヤルズのスター候補となるでしょう。

来季もロイヤルズの同行に注目です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の記事が参考になれば幸いです。

チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference

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