MLB各アワード発表とFA情報

MLB

皆さん、こんにちは!chanです。

先週はMLBの各アワードの発表がありました。今回は各アワードの中から新人王・サイ・ヤング賞・MVPについて書まとめてみました。

また今週に入りFA選手の移籍情報も出てきましたので、そちらにも触れて行きます。

新人王 Rookie of the year

新人王、Rookie of the year(ROY)は全米記者協会に所属する各都市の記者2名の投票によって選出されます。

新人王投票は各記者によって、1位票から3位票が投票されます。1位票が5ポイント、2位票が3ポイント、3位票が1ポイントで、獲得ポイントの高い順で賞が決まります。

ナ・リーグ 新人王

選手名1位票2位票3位票獲得ポイント数
ポール・スキーンズ237136
ジャクソン・メリル723104
ジャクソン・チョーリオ2626
今永昇太44

パイレーツのポール・スキーンズが2024年のナ・リーグ 新人王に輝きました。

スキーンズ 2024シーズン成績

登板数投球回奪三振奪三振%与四球%防御率FIPfWARrWAR
23133.017033.1%6.2%1.962.444.35.9

スキーンズは2023年のドラフト会議でパイレーツから全体1位で指名され、2024年シーズン、5月から先発投手として試合に出場。

規定投球回こそ未達ですが、圧巻のパフォーマンスを披露。来年以降はサイヤング賞が期待されます。

カブスの今永投手は新人王投票で3位票を4票獲得し4位となっています。

ア・リーグ 新人王

選手名1位票2位票3位票獲得ポイント数
ルイス・ヒル15101106
コルトン・カウザー13113101
オースティン・ウェルズ3817
メイソン・ミラー12516

ヤンキースのルイス・ヒルが2024年のア・リーグ新人王に輝きました。

ルイス・ヒル 2024年成績

登板数投球回奪三振奪三振%与四球%防御率FIPfWARrWAR
29151.217126.8%12.1%3.504.142.23.1

ア・リーグ新人王投票は接戦となり、オリオールズのカウザーと5ポイント差での1位となりました。

ヒルはエース、ゲリット・コールが怪我で不在の中、前半戦のヤンキース先発陣を牽引していたのが印象的です。

ちなみにヒルのメジャーデビューは2021年でしたが新人王を受賞しています。ここで新人王候補の資格要件を見て行きましょう。

新人王候補の資格要件

MLBの新人王候補となるためには、以下のいずれかの基準を満たす必要があります。

  • 130打席
  • 50イニング投球
  • ロースター枠が拡大する9月1日以前にアクティブロースターで45日間登録される(故障者リスト等を除く)

ヒルは2021年に29.1イニングを投げていますが、2022年5月にトミー・ジョン手術を受け2023年シーズンは全休となりました。

つまり新人王候補の資格要件を満たしていませんでしたので、今シーズンも新人王の資格が残っていました。

新人王投票2位以内に入るとサービスタイムが1年加算される

新人王投票の結果で1位と2位となった選手にはメジャー登録されていた日数に関係なくサービスタイムが1年加算されます。

サービスタイムについてはMLBのFA制度の仕組みと2024-2025年のFA選手ランキング内で説明していますので、読んでみてください。

これはトッププロスペクトを長期間保有する目的で各球団が選手のメジャーデビューを遅らせて、サービスタイムの操作をする行為を抑制するために2022年から規定されました。

サイヤング賞

サイ・ヤング賞も新人王と同様に全米記者協会に所属する各都市の記者2名の投票によって決められます。

記者は1位票から5位票を投票。1位票が7ポイント、2位票が4ポイント、3位票が3ポイントで、4位票2ポイント、5位票1ポイントで、獲得ポイントの高い順で賞が決まります。

ナ・リーグ サイ・ヤング賞

選手名1位票2位票3位票4位票5位票獲得ポイント数
クリス・セール264198
ザック・ウィーラー4251130
ポール・スキーンズ1133453
ディラン・シース681145
今永昇太78138

ブレーブスのクリス・セールが2024年のナ・リーグ、サイ・ヤング賞を受賞しました。

クリス・セール 2024年成績

登板数投球回奪三振奪三振%与四球%防御率FIPfWARrWAR
29177.222532.1%5.6%2.382.096.46.2

今シーズン、ブレーブスに移籍したセールは輝きを取り戻し、圧巻のパフォーマンスを続けました。

最終的に177.2イニングを投げ、225奪三振、防御率2.38、18勝はいずれもナ・リーグトップで、投手三冠でのサイ・ヤング賞受賞となりました。

セールは過去にサイ・ヤング投票で5回、5位以内に入っていましたが、35歳184日で念願の初受賞となりました。

なお、カブスの今永投手にも3位票から5位票が入り、38ポイント獲得でサイ・ヤング投票5位となっています。

ア・リーグ サイ・ヤング賞

選手名1位票2位票3位票4位票5位票獲得ポイント数
タリク・スクーバル30210
セス・ルーゴ1493493
エマヌエル・クラセ972566
コール・レイガンズ366648
コービー・バーンズ349547

タイガースのスクーバルが2024年のア・リーグ サイ・ヤング賞を受賞しました。

タリク・スクーバル 2024年成績

登板数投球回奪三振奪三振%与四球%防御率FIPfWARrWAR
31192.022830.3%4.6%2.392.495.96.3

スクーバルは192イニングを投げ、228奪三振、防御率2.39、18勝を記録して、ア・リーグの投手三冠を獲得。

年間通じて圧巻のパフォーマンスを見せ、満票でのサイ・ヤング賞獲得です。

またガーディアンズのエマヌエル・クラセがサイ・ヤング投票3位でフィニッシュしています。

リリーフ投手がサイ・ヤング投票3位以内に入るのは2008年のフランシスコ・ロドリゲス以来、16年ぶりの快挙です。

エマヌエル・クラセ 2024年成績

登板数投球回奪三振奪三振%与四球%防御率FIPfWARrWAR
7474.16624.4%3.7%0.612.222.24.5

クラセは74試合に登板。74.1イニングを投げて防御率は驚異の0.61を記録。またrWAR4.5を記録し、リリーフ投手としては驚異的な数字をマークしました。

防御率0.61は自責点が公式統計となった1913年以降、50イニング以上を投げた投手としては3番目に低い記録となりました。

クラセは2024年のア・リーグの最優秀救援投手賞も受賞しています。

MVP

MVPも新人王、サイ・ヤング賞と同様に全米記者協会に所属する各都市の記者2名の投票によって決められます。

各記者は1位票から10位票を投票します。1位に14ポイント、2位に9ポイント、3位に8ポイント、4位に7ポイント、5位に6ポイント、6位に5ポイント、7位に4ポイント、8位に3ポイント、9位に2ポイント、10位に1ポイントが与えられ、トータル獲得ポイントで賞が決まります。

ア・リーグMVP

選手名1位票2位票3位票4位票5位票6位票7位票8位票9位票10位票獲得ポイント数
アーロン・ジャッジ30420
ボビー・ウィットJr.30270
フアン・ソト2172229

ヤンキースのアーロン・ジャッジが2024年、ア・リーグMVP受賞です。

アーロン・ジャッジ 2024年成績

試合数打数安打HR打率得点打点盗塁出塁率長打率OPSwRC +fWARrWAR
15855918058.32212214410.458.7011.15921811.210.8

ジャッジが1位票を30票獲得し、満票でのMVPに輝きました。

今シーズンのジャッジはア・リーグホームラン記録を62本に更新した2022年シーズンを更に上回る打撃成績を残しました。

ほとんどの打撃成績でメジャートップを叩き出しwRC+218、fWAR11.2、rWAR10.8を記録。

WPAはア・リーグトップの6.1を記録しています。

ナ・リーグMVP

選手名1位票2位票3位票4位票5位票6位票7位票8位票9位票10位票獲得ポイント数
大谷翔平30420
フランシスコ・リンドーア237263
ケテル・マルテ513921229

ドジャースの大谷翔平が2024年、ナ・リーグMVP受賞です。

 大谷翔平 2024年成績

試合数打数安打HR打率得点打点盗塁出塁率長打率OPSwRC +fWARrWAR
15963619754.31013413059.390.6461.0361819.19.2

昨年のア・リーグMVP受賞に引き続き、2024年シーズンはナ・リーグMVPを満票で受賞しました。

2021年、2023年、2024年シーズンと3回目のMVPとを受賞。現役選手でMVPを3回以上受賞しているのはマイク・トラウトと大谷だけです。

今シーズンは右肘の手術明けのため、フルタイムのDHとなりましたが、前人未到の50-50や、フルタイムのDHとしては最高となるfWAR9.1・rWAR9.2を記録。

WPAは両リーグトップの7.3を記録。2024年も歴史的なシーズンを過ごし、フルタイムのDHとして初のMVP受賞となりました。

FA情報

今週に入りFA市場にも動きが出てきました。

菊池雄星 エンゼルスへ

今シーズン途中、トレードデッドラインでアストロズへトレードとなり、シーズン終了後にFAとなっていた菊池雄星がエンゼルスと3年6300万ドル(約97億円)で契約合意したと発表がありました。

菊池はメディカルチェックを受け、現地時間27日にエンゼルス公式Xアカウントより正式に契約発表がありました。

菊池はマリナーズに所属していた2021年以来のア・リーグ西地区のチームへの移籍となります。

エンゼルスは今オフに、ブレーブスからホルヘ・ソレア、トラビス・ダーノウ。カブスからカイル・ヘンドリクス。ダイヤモンドバックスからFAとなっていたケビン・ニューマンを獲得するなど、積極的に補強に動いています。

さらにリリーフと外野の補強が進むと来シーズンのエンゼルスは面白い存在となりそうです。

ブレイク・スネル ドジャースへ

ジャイアンツとの2年目の契約をオプトアウトし、FAとなっていた今オフの目玉選手の1人、ブレイク・スネルがドジャースと5年1億8200万ドル(277億8000万円)で契約合意したと報道されました。

この金額には契約金5200万ドルも含まれていて、初年度は契約金+給料1300万ドル。2年目から5年目までは1300万ドルの支払いとなり、6000万ドルは後払いとなります。

契約期間内にトレードとなった場合は500万ドルがスネルに支払われる見込みです。

スネルは2023年にサイ・ヤング賞を重賞。オフにパドレスからFAとなりましたが、ジャイアンツとの2年6200万ドル(約93億円)、オプトアウト付きで契約合意したのがスプリングトレーニング直前の3月となりました。

スネルは調整不足と内転筋の怪我から最初の6登板は本来のピッチングからは程遠い内容でしたが、6月以降は本来の輝きを取り戻し、ノーヒッターも達成。

2021年に移籍したパドレス、今シーズン在籍したジャイアンツ、そしてドジャースとナ・リーグ西地区3チーム目となります。

まだドジャースから公式に契約合意の発表はありませんが、メディカルチェックをパスした後に公式アナウンスがされる見込みです。

スネルがドジャースに正式加入となると、山本由伸、タイラー・グラスナウ、大谷翔平、トニー・ゴンソリン、ダスティン・メイとメジャー屈指の先発ローテーションが形成されることになります。

故障明けの投手が多いことから6人制のローテーションが組まれることが予想され、ここにクレイトン・カーショウが再契約となると先発投手陣にさらに厚みが出ます。

ドジャースは補強ポイントである左の先発投手を獲得。また、今オフにポスティング制度を利用しメジャー挑戦を表明した佐々木朗希の獲得にも動くとみられます。

さらに今オフのFA選手最大の目玉、フアン・ソトとも交渉を行い金額を提示したと報じられており、昨年に引き続きドジャースがFA市場の主役となる可能性があります。

今後は12月にMLB30球団のGMや選手の代理人たちが集まるウインター・ミーティングが開催され、FA選手の動向が続々と明らかになってくると見られます。

引き続きFA市場の動向に注目し、オフシーズンもMLBを楽しんでください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

各アワードの投票結果 MLB.com参照 

各選手の成績 Baseball-Reference, FanGraphs

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