初心者向けの部位別自重トレ4種〜三角筋・上腕二頭筋・広背筋編〜

筋トレ

前回に引き続き、自宅で簡単にできる初心者向けの筋力トレーニングをご紹介します。

今回は上半身の3つの筋肉群にフォーカスし、効果的な自重トレーニング方法を詳しく解説していきます。

今回ターゲットにする3つの筋肉

今回ご紹介する種目の主なターゲットは三角筋・上腕二頭筋・広背筋です。

それぞれの筋肉の役割などについて解説していきます。

三角筋

三角筋は肩関節を覆う大きな筋肉で、前部・中部・後部の3つの部位に分かれています。

鎖骨の外側から肩の頂点、そして肩甲骨まで広がる筋肉群です。

三角筋の主な働き

  • 肩関節の内旋・外旋・水平伸展
  • 腕を前方に持ち上げる動作
  • 横の物に手を伸ばす動作
  • 頭上に物を持ち上げる動作

三角筋を鍛えるメリット

見た目の変化

肩幅が広くなることで、細身の方でもがっしりとした印象に

機能性の向上

肩関節の安定性が高まり、腕のトレーニング時の怪我予防に効果的

日常動作の改善

重い物を持ち上げる際の動作が楽になる

上腕二頭筋

上腕二頭筋は、いわゆる「力こぶ」を作る上腕前面の筋肉です。

長頭と短頭の2つの部位から構成され、肩関節と肘関節の2つの関節をまたいで付着しています。

上腕二頭筋の主な働き

  • 肘関節の屈曲(腕を曲げる動作)
  • 前腕の回外(手のひらを上向きにする動作)
  • 肩関節の屈曲補助

上腕二頭筋を鍛えるメリット

バランスの良い上腕

上腕三頭筋と合わせて鍛えることで、カッコよくバランスの取れた上腕に

機能的な強さ

物を持ち上げる、引っ張る動作性が向上します

見た目の印象

Tシャツ姿での腕の存在感がアップ

合わせて読みたい  上腕三頭筋のトレーニング方法

広背筋

広背筋は背中から腰にかけての大部分を占める、人体で最も面積の大きい筋肉の一つです。

上腕骨から肩甲骨の下側、背骨、そして骨盤まで広範囲にわたって付着しています。

動作に関しては腕を体に引きつけたり、物を引っ張る際に強い力を発揮します。

広背筋の主な働き

  • 腕を体に引きつける動作(内転)
  • 物を引っ張る際に作用する
  • 肩甲骨の安定性維持

広背筋を鍛えるメリット

姿勢改善

肩甲骨周りの安定性向上により、肩こりの緩和・予防に効果的

逆三角形のシルエット

背中が広くなることで、がっしりとした印象に

機能性向上

引く動作全般のパフォーマンスが向上します

各部位への効果的なトレーニング

では三角筋・上腕二頭筋・広背筋を鍛えるための種目をご紹介していきます。

プランシェリーン(三角筋前部・上腕二頭筋)

ランシェリーンは、三角筋前部と上腕二頭筋を鍛える種目です。

将来的にプランシェ(腕だけで体全体を支える超人技)を目指す方の基礎トレーニングとしても最適です。

基本フォーム

スタートポジション

  • 肩を落とし、肘の内側が前を向くように手をつく
  • 背中を丸めて左右の肩甲骨を寄せるように意識

肩の前進

肘を伸ばしたまま肩を両手より前に突き出す

静止して体勢を保持

腰を反らさないよう注意しながら、状態をキープ

プランシェリーンのポイント

  • 背中を丸める(胸を含む)姿勢を特に意識する
  • 30秒間のキープを目標とする
  • 負荷が強すぎる場合は膝をついて実施
  • 呼吸を止めずに自然な呼吸を心がける

レベル別のトレーニング例

初心者

膝つきプランシェリーン

10秒キープを目標に行う

中級者

膝つきプランシェリーン

30秒キープを目標に行う

上級者

つま先立ちプランシェリーン

30秒キープを目標に行う

パイクプッシュアップ(三角筋前部・中部)

パイクプッシュアップは、三角筋の前部と中部を同時に鍛える優秀な種目です。

将来的にハンドスタンドプッシュアップを目指す方の基礎トレーニングとしても有効です。

基本フォーム

スタートポジション

腕立て伏せの姿勢からお尻を高く上げる(逆V字型)

降ろす動作(ネガティブ動作)

腕を曲げながら、頭が両手より前に来るように体を降ろす

押し上げる動作(ポジティブ動作)

肩の力を使って体を押し上げ、同じ軌道でスタートポジションへ戻る

パイクプッシュアップのポイント

  • 身体を下ろす際は、頭から地面に向かうイメージで行う
  • 肩に適切な刺激が入るよう、角度を意識する
  • 最初は膝つきバージョンから始める
  • ベンチなどに足を置いて、負荷を増やすこともできる

レベル別のトレーニング例

初心者

膝つきパイクプッシュアップ

5〜8回 × 3セットを目標に行う

中級者

通常のパイクプッシュアップ

8〜12回 × 3セットを目標に行う

上級者

足上げパイクプッシュアップ

8〜12回 × 3セットを目標に行う。

Tレイズ(広背筋)

Tレイズは広背筋を中心に、菱形筋や中部僧帽筋も同時に鍛える効果的な種目です。

姿勢改善にも非常に有効なトレーニングです。

基本フォーム

スタートポジション

うつ伏せになり、両手を真横に広げてT字の状態を作る

上昇動作

手を広げた状態のまま、限界まで体を反らせるように起こす

体勢保持

最高点で1〜2秒間静止する

下降動作

ゆっくりと体を降し、スタートポジションに戻る

Tレイズのポイント

  • 上体を起こす際に肩甲骨を寄せ、胸を開く意識を持つ
  • 背中全体に刺激が入る感覚を意識する
  • 動作はゆっくりとコントロールして行う
  • 首に力を入れすぎないよう注意

レベル別のトレーニング例

初心者

10〜12回 × 2セット

中級者

15〜20回 × 3セット

上級者

20〜25回 × 3セット(静止時間延長)

合わせて読みたい Tレイズに慣れてきたら懸垂にチャレンジしましょう

インバーテッドロウ/斜め懸垂(上腕二頭筋・広背筋)

インバーテッドロウは、上腕二頭筋と広背筋を同時に鍛えることができる代表的な自重トレーニングです。

基本フォーム

スタートポジション

自宅で行う場合はテーブル、公園で行う場合は鉄棒を掴み、下に潜り込むような姿勢をとる

握り幅を広くするほど広背筋への刺激が強くなる

体を引き上げる動作(ポジティブ動作)

胸をテーブルや鉄棒に近づけるように体を引き上げる

体を降ろす動作(ネガティブ動作)

ゆっくりと体を降しながら、スタートポジションに戻る

インバーテッドロウのポイント

  • 足の位置で負荷を調整可能(足を遠ざけるほど負荷が増加します)
  • 体幹を一直線に保ち、反動を使わずに行う
  • 肘を外に広げすぎないよう注意

レベル別のトレーニング例

初心者

5〜8回 × 2セット

中級者

10〜12回 × 3セット

上級者

12〜15回 × 4セット

共通の注意点

ウォーミングアップを忘れずに

軽い有酸素運動と動的ストレッチを5〜10分程度行う

正しいフォームで行う

回数よりもフォームの正確性を重視

負荷の調整

自身の上達に合わせて徐々に負荷や回数を増やしていく

休息

同じ筋肉群は24-48時間の休息を取りましょう

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効果を最大化するコツ

呼吸を意識する

力を入れる時に息を吐き、緩める時に息を吸う

マインドマッスルコネクションを意識する

鍛えている筋肉を意識してトレーニングをする

記録をつける

進歩を可視化することでモチベーションを維持できる

栄養管理

適切なタンパク質摂取で筋合成と筋肉の回復を促進させる

トレーニングメニュー例(初心者は週2・中級者週3回・上級者は週3〜4回)

今回紹介した4種目を組み合わせたレベル別のトレーニングメニューをご紹介します。

セット間休憩 60〜90秒

レベル別プランシェリーンパイクプッシュアップインバーテッドロウTレイズ
初心者膝つき15秒×3膝つき5回×35回×210回×2
中級者膝つき25秒×3膝つき8回×310回×315回×3
上級者つま先立ち20秒×3通常10回×315回×320回×3

よくある動作エラーと修正方法

各種目のよくある動作エラーと修正方法をご紹介します。

プランシェリーンの動作エラー例

❎ 肘が曲がり、肩の前方移動が不十分
→ 肩の位置が手より前に出ていないと、三角筋前部への負荷が抜けやすくなります。

✅ 修正方法

  • 肘はしっかり伸ばす意識を持つ
  • 背中を丸めて、肩を手の前に出すように意識する
  • 鏡やスマホで撮影してフォームをチェックする

パイクプッシュアップのエラー例

❎ 頭が真下に落ちている(肩への刺激が減少する)
→ 垂直に落とすのではなく、頭を「前方」に向かって下げるのが正しい動き。

✅ 修正方法

  • 頭を「地面の少し前」に向けて下ろす
  • 肘が横に開きすぎないようにする(やや後方45度が理想)
  • 鏡やスマホで動作の軌道を確認し、肩に効いている感覚を意識

Tレイズのエラー例

❎ 肘を曲げたり、手が下がってT字が崩れる
→ 広背筋や僧帽筋に効きづらくなり、首に余計な負担がかかります。

✅ 修正方法

  • 手を肩の高さで真横に伸ばす(肘は伸ばす)
  • 肩甲骨を寄せる動きを強く意識し、動作はゆっくり丁寧に
  • 無理に上体を反らさず、収縮を重視する

インバーテッドロウのエラー例

❎ 胸ではなく顎を引き上げてしまう(反動を使う)
→ 上腕二頭筋と広背筋への刺激が逃げ、効果が激減します。

✅ 修正方法

  • 「胸を引き上げる」意識で動作を行う
  • 反動を使わず、ゆっくりと引いて下ろす
  • 初心者はテーブルの高さや足の位置で負荷を調整する

まとめ

今回ご紹介した3つの自重トレーニングは、三角筋と上腕二頭筋、広背筋を効果的に鍛える優れた種目です。

器具を使わずに自宅でもできるため、忙しい現代人にとっても行いやすいのではないでしょうか。

重要なのは継続性です。

正しいフォームで3ヶ月継続できたなら、確実に筋力と筋持久力の向上を実感していただけるはずです。

次回は腹筋を鍛える効果的な自重トレーニングをご紹介予定です。

理想的な体づくりに向けて、一緒に頑張りましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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