MLB全30球団紹介!ヒューストン・アストロズ編

MLB

こんにちは、Chanです。

2025年のMLBシーズンが開幕して1ヶ月が経過しました。

ここまで30球団中29球団を紹介してきましたが、いよいよ最後のチームとなりました。

今回はアメリカン・リーグ西地区のヒューストン・アストロズをご紹介します。

アストロズは、2010年代後半から2020年代初頭にかけて黄金期を築き上げ、2017年以降は地区優勝7回

リーグ優勝4回、ワールドシリーズ優勝2回と輝かしい成績を残しました。

しかし、近年は主力選手の移籍や世代交代が進み、チームは新たな局面を迎えています。

本記事では、アストロズの球団概要や歴史、過去の主な所属選手

2024年シーズンの成績、主な選手の紹介などを通じて、チーム紹介をしていきます。

MLBをこれから観始める方も、既にファンの方も、ぜひ最後までお付き合いください

ヒューストン・アストロズとは

球団概要

  • 創設: 1962年 ※創設時はヒューストン・コルト45’s
  • 本拠地: テキサス州・ヒューストン
  • ホーム球場: ダイキン・パーク(旧ミニッツメイド・パーク)2020年開場。2025年にダイキンがネーミングライツを取得し開場。
  • 所属リーグ: アメリカン・リーグ(American League)2012年まではナショナル・リーグに所属
  • 地区: ア・リーグ西地区( AL WEST )
  • 略称: HOU
  • チーム名の由来: 1965年、チームは世界初のドーム球場「アストロ・ドーム」への移転に伴い、チーム名を「アストロズ(Astros)」に変更。ホームのヒューストンにNASAのジョンソン宇宙センターがあることから、宇宙飛行士を意味するアストロノーツ(Astronauts)が由来。
  • オーナー: ジム・クレイトン
  • 監督: ジョー・エスパーダ
  • ワールドシリーズ優勝 2回(2017, 2022
  • リーグ優勝 5回(2005, 2017, 2019, 2021, 2022)
  • 地区優勝 13回(1980, 1986, 1997, 1998, 1999, 2001, 2017, 2018, 2019, 2021, 2022, 2023, 2024)
  • ワイルドカード 4回(2004, 2005, 2015, 2020)

球団の歴史

ヒューストン・アストロズは1962年のエクスパンションで誕生した球団です。

当初はナ・リーグに所属していましたが2013年にア・リーグに移籍。波乱に満ちた歴史を持つチームです。

チーム創設と初期

1962年に「ヒューストン・コルト’45s(Colt ’45s)」として創設。

1965年、現在の「アストロズ(Astros)」に改名。

これは、NASAのジョンソン宇宙センターがヒューストンにあることから

ホームタウンが宇宙開発の象徴であることに由来しています。

同年、世界初の屋内ドーム球場「アストロドーム」が完成。

その近未来的な形から「未来の球場」と称され、MLBに置いて画期的な球場となりました。

チームは創設2年目以降6年連続で90敗以上を記録。

1969年に東西地区制が導入され、ナ・リーグ西地区に移動。

同年にはチーム史上初めて勝率5割に乗せました。

1980〜1990年代

1980年、カリフォルニア・エンゼルスからノーラン・ライアンが加入。

レッズからはジョー・モーガンが復帰し、2人の活躍もあり

同率首位で並んだドジャースをワンゲーム・プレイオフの末勝利し、初の地区優勝を達成。

ナ・リーグチャンピオンシップ・シリーズ(NLCS)ではフィリーズと激戦を繰り広げるも2勝3敗で敗退。

1986年、2度目の地区優勝を果たし、NLCSに進出。メッツと対戦し2勝2敗から第5戦・第6戦と延長の末に敗れ

またしてもリーグ優勝とはなりませんでした。

1990年代後半に入るとクレイグ・ビジオ、ジェフ・バグウェル、デレク・ベルの

「キラーB’s」(3人の頭文字がBで始まることから)を中心に、1997~1999年にかけて3年連続で地区優勝を達成。

初のリーグ優勝

2004年、引退宣言を撤回したロジャー・クレメンスとアンディ・ペティットがチームに加入。

クレメンスは42歳にしてサイヤング賞を受賞。

チームはワイルドカードからNLCSに進出するもカージナルスに敗退。

翌2005年はロイ・オズワルト、クレメンス、ペティットの強力先発陣の活躍もあり

2年連続でワイルドカード獲得。

NLCSでは2年連続でカージナルスと対戦し

4勝2敗で下し、球団創設44年目にして初のリーグ優勝に輝きました。

ワールドシリーズではホワイトソックスと対戦し、僅差の試合を繰り広げるも4連敗とスウィープされ敗退。

低迷とリーグ移動

2011〜2013年は3年連続100敗超えを記録。

同時期の2011年にチームはヒューストンの事業家を中心とする投資家グループに売却されました。

2013年、MLBのリーグ再編により長年所属したナ・リーグからア・リーグ西地区へ移動。

同年はシーズン111敗と球団史上最多敗戦数を記録。

この頃、後のアストロズ黄金期の中心メンバーとなるジョージ・スプリンガーや

カルロス・コレアがドラフトで指名され、ホセ・アルトゥーべもメジャーデビューを果たしています。

黄金期の到来

2015年はシーズン開幕前に積極的な補強を行うと

6月にはコレアがメジャーデビューし活躍を見せると、ランス・マッカラーズJr.もメジャーデビュー。

シーズンは終盤までレンジャーズと激しい首位争いを繰り広げたものの

アストロズは徐々に失速し、レンジャーズが地区優勝。

アストロズはワイルドカード2位でプレーオフに進出。

ワイルドカード・ゲームではヤンキースを破り、ALDSに進出。

ALDSではロイヤルズと対戦し、残りアウトあと6個から逆転負けを喫し、2勝3敗で敗退しました。

2015年のドラフトではアレックス・ブレグマンがドラフト全体2位で指名されています。

2017年、チームはアルトゥーべやコレアを中心に強力打線を形成し

シーズン101勝を挙げ、リーグ移籍後初の地区優勝を果たします。

プレーオフではレッドソックス、ヤンキースを下し、12年ぶりのリーグ優勝を果たし

MLB初の両リーグでのワールドシリーズ進出チームとなりました。

ワールドシリーズではドジャースと対戦。

3勝3敗で最終戦を迎えるとスプリンガーの4試合連続ホームランなどもあり

ドジャースを破って球団史上初のワールドシリーズ制覇を達成。

2018年は地区連覇を達成するも、ALCSではレッドソックスに敗れ2年連続のワールドシリーズは逃しますが

2019年はシーズン107勝を挙げ地区3連覇。

ジャスティン・バーランダー、ゲリット・コール、ザック・グレインキーを中心とする強力投手陣を形成しました。

チームはALCSに進出し、ヤンキースと対戦。

3勝2敗と王手をかけたホームでの試合では9回表にヤンキースに同点に追いつかれますが

9回裏の攻撃は2アウトからスプリンガーが四球で出塁すると

続くアルトゥーべがヤンキースのクローザー アロルディス・チャップマンのスライダーを完璧に捉え

サヨナラ2ランホームランで勝利し、2年ぶりのリーグ優勝を達成。

ワールドシリーズでは快進撃を見せ、下克上で勝ち上がってきたナショナルズと対戦。

このシリーズは外弁慶シリーズとなり、全7試合がビジターチームの勝利というMLB史上初の珍記録となりました。

第7戦では6回まで2-0とナショナルズをリードするも、7回に逆転を許し

2-6で敗れ2度目のワールドシリーズ制覇はならず。

サイン盗みスキャンダルの発覚

同年オフ、当時チームに在籍していたマイク・マイヤーズの証言を含む4人のチーム関係者の話から

アストロズが2017年のホームゲームでサイン盗みを行なっていたことが発覚

2017年はワールドシリーズを制覇していたこともあり、大騒動となります。

証言によるとセンターカメラの映像をベンチのモニターに映し

リアルタイムで捕手のサインを確認しサインの内容を解析。

ベンチからバットケースやゴミ箱を叩いてバッターに伝達していたというものでした。

MLBはGMのジェフ・ルノーと監督 AJ・ヒンチは1年間の活動停止及び出場停止処分を下します。

※処分後に2人は解任。

また500万ドルの罰金と2020・2021年のドラフト1巡目・2巡目の指名権剥奪の処分が下されました。

関与していた中心人物として当時現役で所属していたカルロス・ベルトランの名前も

証言として挙がっていたましが、選手への処罰やタイトル剥奪は行われなかったことが

多くの批判を招くことになりました。

スキャンダル後のチーム状況

2020年は新型コロナの影響により60試合の短縮シーズンとなり

29勝31敗で6年ぶりの負け越しシーズンとなりましたが、拡大ワイルドカードの枠に入り

史上初のレギュラーシーズン負け越しでのポストシーズン進出となりました。

ポストシーズンではALCSまで勝ち上がるもレイズに敗退。

翌21年はワールドシリーズに進出するも、ブレーブスに2勝4敗で敗れましたが

22年はワールドシリーズでフィリーズを4勝2敗で下し、5年ぶり2度目のワールドシリーズを達成しました。

23年はシーズン最終成績でレンジャーズと並び同率となりましたが直接対決の成績で上回り地区優勝。

ALCSではそのレンジャーズとの対戦となりましたが、3勝4敗で敗退。

24年は地区3連覇を達成するもワイルドカード・シリーズでタイガースに敗れ

2017年から7年連続で続いていたALCS進出記録が途切れました。

21年オフにコレアが、24年オフにはブレグマンがFAで退団し

黄金期を支えた主力メンバーたちがほぼ移籍していきました。

過去の主な所属選手

  • ノーラン・ライアン(RHP)

ライアンエクスプレスの異名を持つ豪速級投手でアストロズには8年間在籍。

アストロズ在籍時に5度の200奪三振以上を達成。

1981年にはノーヒッターを達成。(キャリア通算7回のノーヒッター)

  • クレイグ・ビジオ(2B/C/OF))

一筋20年のフランチャイズプレイヤー。

複数のポジションを高レベルでこなすユーティリティープレイヤー。

息子のギャビン・ビジオは現在ロイヤルズに所属する現役メジャーリーガー。

通算3060安打。

オールスター出場7回。

ゴールドグラブ4回。

2015年殿堂入り。

  • ジェフ・バグウェル(1B)

アストロズに15年間所属したスラッガー。

通算449HR、1,529打点。

オールスター出場4回。

2017年殿堂入り。

  •  ランス・バークマン(OF/1B)

強打と選球眼に優れたスイッチヒッター。

アストロズ時代5回のオールスター出場。

アストロズ時代の通算本塁打数228本。

  • ホセ・アルトゥーべ(2B/OF)

アストロズ黄金期を支えた1人。今季から外野にコンバート。

通算打率.307。

8度のオールスター出場。

2017年, 2022年ワールドシリーズ優勝

過去に所属した日本人選手

アストロズには過去3人の日本人選手が在籍しています。

  • 松井稼頭央(2008-2010年)
  • 青木宣親(2017年)
  • 菊池雄星(2024年)

アストロズの9FIFTYキャップです!

アストロズのオールブラックのキャップです!

2024年シーズンの成績

チーム戦績

勝利敗戦勝率順位最終戦績
8873.547地区1位ワイルドカード・シリーズ敗退

打撃成績

試合数得点平均得点HR盗塁打率出塁率長打率OPS
1627404.6019093.262.322.418.741

投手成績

イニング数平均失点防御率四球失点自責点
1432.04.033.74544649595

チームの打撃成績は得点、平均得点、HR数などはMLB平均を上回ており

盗塁・四球・三振は少なくでチーム打率はMLB2位の.262を記録しています。

投手成績は1試合あたりの平均失点数・失点数は全体7位で、奪三振3位、ERA +は107となっています。

主な選手の紹介

※画像は生成AIを使用していますので、実物とは異なります

野手

太字選手は新加入 成績は2024年シーズン

ポジション名前(年齢)打席試合打率HROPSrWAR
Cヤイナー・ディアス(26)148.29916.7663.3
1Bクリスチャン・ウォーカー(34)130.25126.8032.6
2Bホセ・アルトゥーべ(35)135.29520.7903.4
SSジェレミー・ペーニャ(27)157.26615.7014.1
3Bイサック・パレイデス (26)153.23819.7392.7
LFザック・デゼンゾ(25)19.2422.648-0.2
CFジェイク・メイヤーズ(28)148.21913.6461.7
RFキャム・スミス(22)32 ※マイナー成績.31371.004
DHビクター・キャラティーニ(31)139.23310.660-1.0
Cシーザー・サラザー(29)12.3200.7870.2
INFブレンダン・ロジャーズ(28)90.2170.524-0.7
UTマウリシオ・デュボン(30)137.2694.6571.1
OFキャス・マコーミック(30)94.2115.576-0.6

アレックス・ブレグマンやカイル・タッカーといった主力選手が移籍。

タッカーとのトレードでカブスのプロスペクト キャム・スミスが加入。

ここまで主にライトで29試合に出場し打率.221、HR3本、OPS.679をマークしています。

また同じくタッカーとのトレードで移籍してきた

イサック・パレイデスがブレグマンが去った後のサードの守備につき

ここまで打率.259、HR4本、OPS.779、rWAR1.6をマークし、攻撃陣の中心となっています。

ここ数年のアストロズの課題とされていたファーストにはFAでクリスチャン・ウォーカーが加入。

ここまで打率.218と精彩 欠いていますが、ここから調子が上向き

昨年と同じような活躍ができるとアストロズにとっては非常に大きいです。

現在、DHのヨルダン・アルバレスは右手の炎症により10日間の故障者リスト入りしています。

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投手

太字選手は新加入 成績は2024年シーズン

役割名前(年齢)試合イニング奪三振防御率rWAR
SP1フランバー・バルデス(31)28176.11692.914.4
SP2ハンター・ブラウン(26)31170.01793.492.6
SP3ランス・マッカラーズJr.(31)登板なし
SP4ロネル・ブランコ(31)30167.11662.804.4
SP5ライアン・ガスト(26)25  ※マイナー成績148.11413.70
CLジョシュ・ヘイダー(31)7171.01053.800.6
SUブライアン・アブレイユ(27)

7878.11033.101.6
SUブライアン・キング(28)2826.1322.390.6
RPケイレブ・オート(33)2224.2262.550.5
RPスティーブン・オカート(33)4435.1335.09-0.3
RPテイラー・スコット(32)1716.2165.40-0.3

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今季のアストロズの先発陣には2022年のワールドシリーズ第3戦以来

2年半ぶりにランス・マッカラーズJr.が帰ってきました。

マッカラーズは2017年にオールスター選出、2021年にはサイヤング投票7位となった

2012年のドラフト1巡目指名投手ですが

右肘の屈筋腱損傷と骨辣により右前腕の手術を行ったことから2023年と24年を全休していました。

5月4日の復帰登板は3.2回無失点だったものの

5月10のレッズ戦では0.1回で3四球7失点とアウトを一つしか取れず降板となりました。

復帰シーズンとはなりますがマッカラーズがローテーションに入ると

アストロズの先発陣としては非常に心強い存在となります。

エース、フランバー・バルデスは今季終了後FAとなり、オフにはFA市場の目玉投手の1人となるでしょう。

プロスペクト

アストロズのチームプロスペクト5人は以下の通りです。

名前(ポジション)年齢チームプロスペクトランク順位
ブライス・マシューズ(SS/3B)231
ジェイコブ・メルトン(OF)242
ウォーカー・ヤネック(C)223
ミゲル・ユローラ(RHP)224
アンダーソン・ブリトー(RHP)205
  • ブライス・マシューズ

23年ドラフト1巡目 全体28位指名。

今季はAAAで36試合に出場し打率.230、HR4本、OPS.746を記録。

三振率28.5%と高めだが、四球率17.7%と四球は選べています。

低打率ながら強い打球を飛ばす、パワーとスピードを兼ね備えたアスリートです。

ランキング引用:MLB.com Prospect Rankings2025

成績引用:Baseball Reference, FanGraphs

まとめ

ヒューストン・アストロズは1962年のリーグ拡張により誕生したチームです。

2013年にアメリカン・リーグに移動し、唯一の両リーグでのワールドシリーズ経験があります。

2017年から2023年まで7年連続でALCSに進出し、ワールドシリーズを2度制覇するなど黄金期を築きました。

しかしながら2017年シーズンにサイン盗みのスキャンダルがあったことが発覚し

アストロズのビジターの試合では当時の主力選手がブーイングを受けるなど、多くの批判を浴びました。

しかしその後もアストロズは安定的な強さを維持し、2024年も地区優勝を達成しています。

オフにブレグマンやタッカーがチームを去り、黄金期の主力メンバーが少なくなりましたが

今後のアストロズがどうなるかにも注目です。

あとがき

昨年末からニューヨーク・メッツのチーム紹介を皮切りに始めたMLB全30球団紹介が今回で終わりました。

色々と試行錯誤をした結果、記事の内容も所々変わることもありました。

当初はシーズン開幕までに全球団の紹介を終える予定でしたが、思いの外時間がかかり

シーズン開幕から1ヶ月半が過ぎてやっと最後の記事が完成しました。

拙い文章と内容になりましたが、皆様に少しでもMLBに興味を持っていただけたら幸いです。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference

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