こんにちは!Chanです。
現地時間1月15日に2025年のインターナショナルFAが解禁となり、各チーム、将来のスター候補との契約が一斉に始まりました。
現在、ポスティングシステムを利用しメジャーリーグを目指し、争奪戦が繰り広げられている佐々木朗希もインターナショナルFA選手の1人です。
この記事ではインターナショナルFAの仕組みを解説するとともに、過去インターナショナルFAで契約し、現在活躍している選手もご紹介しますので、興味のある方は最後まで読んでいただけると幸いです。
インターナショナル FAとは
2025年1月現在、MLBアマチュア・ドラフトの指名対象となる条件はアメリカ、カナダ、プエルトリコに居住、且つ高校、短大、コミュニティ・カレッジ、大学、独立リーグに在籍する選手です。
ちなみに国籍は問いませんので、日本国籍を有している選手でも、上記の国か地域に居住していて、現地の高校や大学に在籍していればMLBのアマチュアドラフトの対象選手となります。
インターナショナルFAの対象となるのは、それ以外の国に在住する16歳以上のプロチームと契約していない選手となります。
インターナショナルFAの市場は1月15日〜12月15日がオープン期間となっていてますので、現地1月15日の市場解禁日に一斉に各チームが選手たちと契約していきます。
なぜ解禁日に一斉に契約が可能なのかと思われた方もいると思いますが、事前にMLBの各チームは市場に出てくるような有望な各国の各選手たちと口頭で契約の約束を取付けているためです。
インターナショナルFA選手を獲得するための予算
MLBの各チームがインターナショナルFA選手を獲得するための予算をインターナショナル・ボーナスプールと呼びます。
各チームに割り当てられるボーナスプールは球団の成績や市場規模に基づいて異なります。順位の低いチームや市場規模の小さいチームには、より多くの予算が割り当てられることが一般的です。
2025年の各チームのボーナスプールの金額
2025年の各チームのボーナスプールの金額は以下の通りです。
ボーナスプール | チーム |
$7,555,500 | アスレチックス、ブルワーズ、マリナーズ、マーリンズ、レイズ、レッズ、タイガース、ツインズ |
$6,908,600 | ダイヤモンドバックス、カージナルス、オリオールズ、パイレーツ、ロッキーズ、ロイヤルズ |
$6,261,600 | エンジェルス、ブルージェイズ、ブレーブス、カブス、メッツ、ナショナルズ、パドレス、フィリーズ、レンジャーズ、レッドソックス、ホワイトソックス、ヤンキース |
$5,646,200 | アストロズ、カージナルス |
$5,146,200 | ドジャース、ジャイアンツ |
ソース:MLB TRADE RUMORS
FA市場において前所属チームからクオリファイング・オファー(QO)を提示され、それを拒否した選手と契約したチームは契約額に応じてボーナスプールの額が下げられてしまいます。
ボーナスプールの割り当て額が一番低いドジャースとジャイアンツは2023年のFA市場において、前チームが提示したQOを拒否した大谷翔平、マット・チャップマン、ブレイク・スネルとそれぞれ契約し、尚且つ2023年の贅沢税を超過していたため、ボーナスプールの予算が100万ドル減額されています。
各チーム、上記の表のボーナスプールの金額の中からやりくりして選手を獲得しますが、ボーナスプールの金額内がであれば何人でも選手も獲得することができます。
また、1万ドル以下で契約した選手はボーナスプールの額から計上されないことになっています。
ボーナスプールはトレード可能
各チーム、割り当てられたボーナスプールの額の一部を他チームとトレードすることができます。
トレード可能なボーナスプールの額は割り当てられた金額の60%が上限です。
これにより、ボーナスプールの額が少ないチームも、トレードによって資金を増やし、より多くの選手に投資することができるようになります。
佐々木朗希はなぜインターナショナルFA選手扱い?
皆様ご存知の通り、佐々木は千葉ロッテ・マリーンズでプレーしていたプロ野球選手ですので、アマチュア選手ではありません。
しかし、MLBドラフト対象以外の国でプレーするプロ選手の中でも25歳未満かプロ経験6年未満の選手であればインターナショナルFA選手の扱いとなります。
日本のメディアでよく耳にする「25歳ルール」と言うものです。佐々木は2025年1月時点で23歳、ロッテの所属期間は2020年から24年の5年間ですので、25歳未満orプロ経験6年未満の両方に該当します。
お気づきの方もいると思いますが、25歳以上でもプロ経験6年未満であればインターナショナルFA選手扱いとなるため、ボーナスプールの金額内での契約となります。
ちなみに2023年オフにポスティング制度を利用してドジャースと契約した山本由伸は当時25歳、オリックスでのキャリアは7年間でしたので、メジャー契約となりました。
インターナショナル FAでの獲得選手の契約金はボーナスプールからの支払いとなり、尚且つマイナー契約しか結ぶことができないルールとなっています。
佐々木獲得の最終候補に挙がっている、ドジャーズ、パドレス、ブルージェイズの中ではボーナスプールが一番多いブルージェイズの626万1600ドル(約9億7570万円)ですが、各チーム、トレードでボーナスプールの金額を増やして、佐々木との契約資金をさらに捻出する可能性もあります。
大半がまだ10代で未知数な部分が多い他のインターナショナルFA 選手と比べて、佐々木は既にプロリーグでの実績があり、MLB.comの発表した2025年のインターナショナルプロスペクトランキング1位と評価が高いため、佐々木との契約額はボーナスプール内ではかなり高額になると予想されます。
佐々木はチーム選びの方針として投手の育成環境などを重視していると言われていますが、どのチームがどれくらいの金額で佐々木と契約するのか、最終的にはマネーゲームになるかもしれません。
過去のインターナショナルFAで契約した選手
現在MLBでプレーする選手の約30%がインターナショナルFAで契約した選手と言われています。
その中で過去にインターナショナルFAで契約したスター選手たちをご紹介します。
- 大谷翔平(ロサンジェルス・ドジャース)
打席 | 安打 | ホームラン | rWAR |
3602 | 878 | 225 | 43.8 |
- フアン・ソト(ニューヨーク・メッツ)
打席 | 安打 | ホームラン | rWAR |
4088 | 934 | 201 | 36.4 |
- ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)
打席 | 安打 | ホームラン | rWAR |
3254 | 815 | 165 | 25.8 |
- ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)
打席 | 安打 | ホームラン | rWAR |
3540 | 905 | 160 | 21.5 |
- エリー・デラクルーズ(シンシナティ・レッズ)
打席 | 安打 | ホームラン | rWAR |
1123 | 251 | 38 | 6.0 |
錚々たる顔ぶれですね。早い選手は10代のうちにメジャーデビューし、ソトのように活躍する選手もいます。
インターナショナルFA選手の中には将来のスター候補たちがいることがわかりますね。
2025年インターナショナルプロスペクト
2025年のインターナショナルトッププロスペクトランキング1位は佐々木朗希ですが、ここでは2位と3位の選手をご紹介します。
- ジョシュア・ゴンザレス(ショート)
サンフランシスコ・ジャイアンツと299万7500ドルで契約した運動能力の高いスイッチヒッターのショートです。
スイングスピードが早く、ヒットとパワーの評価が最も高い60と、世代ではトップクラスの評価を受けています。
- エリアン・ペーニャ(ショート)
トッププロスペクトランキング3位。ドミニカ出身の17歳、エリアン・ペーニャはメッツと500万ドルで契約合意しました。
特筆すべきはバットスピードで、スカウティング評価ではヒットツールに65が与えられていますが、過去に65以上が与えられたのはワンダー・フランコとブラディミール・ゲレーロJr.に続いて3人目です。
ランキングの参考:MLB.com
森井翔太郎はアスレチックスと契約
高校球界からMLBを目指していた桐明高校の森井翔太郎は現地15日にアスレチックスと150万ドルで契約合意しました。
この金額は日本人アマチュア選手の最高額となります。
森井選手は投げては最速153キロ、打っては高校通算45本塁打と、投打に高いポテンシャルを秘めている選手です。
高校球界からNPBを経由せず直接米国球界にチャレンジした数少ない選手の1人となりましたが、今回の森井選手のように今後NPBを飛び越えて、メジャー挑戦を目指す高校生にとって大きな刺激になりそうですね。
森井選手は今春のマイナーリーグのスプリングトレーニングに参加予定です。
順調にステップアップしていってメジャー昇格する日を楽しみにしています。
まとめ
- インターナショナルFAの対象選手はアメリカ・カナダ・プエルトリコ以外に在住する16歳以上のプロチームと契約していない選手
- 市場は1月15日から12月15日まで開かれている
- 各チームにインターナショナルボーナスプールと呼ばれる予算が割り当てられ、その金額内で選手と契約する
- NPBのようなプロ野球経験者でも25歳未満かプロ経験年数6年未満の選手はインターナショナルFA選手扱いになる
今回はインターナショナルFAについて解説してみました。
これまでも多くの選手がこの制度で契約し、MLBでもスター選手になっている選手が数多くいますので、今年契約になった選手の中からも将来のMLBの顔となるようなスターが誕生するかもしれません。
また動向が注目される佐々木朗希の契約交渉期限は現地23日ですので、あと1週間程度で契約するチームが決まることになりますので、引き続き動向から目が離せませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が参考になったと言う方は是非、コメントをお待ちしています。
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