こんにちは、Chanです。
近年、多くの日本人メジャーリーガーの活躍によりMLBを観る方が増えていると思います。
MLB初心者の方向けにMLBの全30チームを紹介しています。
MLBを見始めたけど、色々なチームのことを知りたいと言う方!MLBに贔屓チームを作りたい方!是非記事を読んでいただきその一助になれば幸いです。
今回はナショナル・リーグ西地区からアリゾナ・ダイヤモンドバックスをご紹介します!
アリゾナ・ダイヤモンドバックスとは
球団概要
- 創設: 1998年
- 本拠地: アリゾナ州フェニックス
- ホーム球場: チェイス・フィールド
- 所属リーグ: ナショナル・リーグ(National League)
- 地区: ナ・リーグ西地区(NL WEST)
- オーナー: ケン・ケンドリクス
- チーム名の由来: アリゾナ州に生息するダイヤモンドガラガラヘビより
- ワールドシリーズ優勝1回(2001年)
- リーグ優勝2回(2001年、2023年)
- 地区優勝5回(1999年、2001年、2002年、2007年、2011年)
- ワイルドカード2回(2017年、2023年)
参考: Wikipedia
球団の歴史
エキスパンションにより、1998年に創設された新しいチームです。
2001年にはランディ・ジョンソン、カート・シリングの両碗の活躍により、初のリーグ優勝を達成。
ワールドシリーズではシリーズ3連覇中のニューヨーク・ヤンキースと対戦。
第7戦までもつれ込んだシリーズは9回裏、ダイヤモンドバックス1点ビハインドからヤンキースの守護神、マリアーノ・リベラを攻め同点。さらにサヨナラヒットで球団創設4年目にしてMLB最速のワールドシリーズ制覇を達成しました。
2023年はリーグ戦では首位ドジャースに16ゲーム差をつけられ地区2位となりますが、ワイルドカードで出場した地区シリーズでは首位ドジャースをスウィープしリーグチャンピオンシップに進出。
チャンピオンシップシリーズでは2勝4敗とフィリーズに王手をかけられますが、敵地シチズンバンク・パークで2連勝し2001年以来となるワールドシリーズ進出を果たします。
ワールドシリーズではレンジャーズに1勝4敗で敗れワールドシリーズ制覇を逃しています。
主な在籍選手
- ランディ・ジョンソン
208cmの長身から100マイルを超える豪速球とサイドスローに近いスリー・クウォーターから投げ込まれる高速スライダーで歴代2位の4875奪三振を記録。
サイ・ヤング賞5回、最多奪三振9回。
ダイヤモンドバックス所属時の2001年にワールドシリーズMVPを受賞。
愛称はビッグ・ユニット。2015年にアメリカ野球殿堂入り。背番号51は永久欠番。
- ルイス・ゴンザレス
500二塁打、300本塁打の達成者。オールスター出場5回。2001年には打率.325、ホームラン57本、142打点、OPS1.117、rWAR7.9を記録。
ワールドシリーズではマリアーノ・リベラから逆転サヨナラヒットを放ち、球団史上初のワールドシリーズ制覇に貢献。背番号20は永久欠番。
過去に所属した日本人選手
ダイヤモンドバックスには過去2人の日本人選手が所属していました。
斎藤隆氏はメジャーでのキャリア最終年をダイヤモンドバックスで過ごしました。
- 斎藤隆(2012年)
登板 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 三振 | 防御率 |
16 | 0 | 0 | 12.0 | 788 | 6.75 |
- 平野佳寿(2018-2019年)
登板 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 三振 | 防御率 |
137 | 9 | 8 | 119.1 | 120 | 3.47 |
2024年シーズンの成績
チーム戦績
勝利 | 敗戦 | 勝率 | 順位 | 最終戦績 |
89 | 73 | .549 | 3 |
打撃成績
試合数 | 得点 | 平均得点 | HR | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
162 | 886 | 5.47 | 211 | 119 | .263 | .337 | .440 | .777 |
投手成績
イニング数 | 平均失点 | 防御率 | HR | 失点 | 自責点 |
1443.1 | 4.86 | 4.62 | 181 | 788 | 741 |
野手成績
名前 | 年齢 | HR | 盗塁 | 打率 | OPS | wRC+ | rWAR |
ケテル・マルテ(2B) | 30 | 36 | 7 | .292 | .932 | 151 | 6.8 |
コービン・キャロル(CF) | 23 | 22 | 35 | .231 | .750 | 107 | 3.4 |
エウヘニオ・スアレス(3B) | 32 | 30 | 2 | .256 | .788 | 115 | 3.1 |
ジェイク・マッカーシー(RF) | 26 | 8 | 25 | .285 | .749 | 110 | 1.7 |
ジョク・ピーダーソン(DH) | 32 | 23 | 7 | .275 | .909 | 151 | 2.9 |
クリスチャン・ウォーカー(1B) | 33 | 26 | 2 | .251 | .803 | 119 | 2.6 |
ケビン・ニューマン(INF) | 30 | 3 | 8 | .278 | .686 | 89 | 2.2 |
ルルデス・グリエルJr.(3B) | 30 | 18 | 7 | .279 | .757 | 108 | 2.0 |
ガブリエル・モレノ(C) | 24 | 5 | 3 | .266 | .734 | 107 | 2.6 |
ヘラルド・ペルドモ(SS) | 24 | 5 | 3 | .266 | .734 | 107 | 2.6 |
ランダル・グリチック(DH) | 32 | 12 | 0 | .291 | .875 | 139 | 2.2 |
24年シーズンのチーム得点数886はMLBトップ。1試合平均得点は5.47でMLBトップです。
チーム打率.263、出塁率.337もMLBトップ。OPS.777はドジャースに次いでMLB2位を記録する強力打線でした。
シーズン中盤から終盤にかけて強力打線を擁し、地区首位のドジャースを猛追していました。
攻撃陣の中心は2023年にナ・リーグのルーキーオブザイヤーを受賞したコービン・キャロルと2024年のナ・リーグMVP投票3位となったケテル・マルテです。
25歳以下の若手では扇の要であるキャッチャーのガブリエル・モレノと、花形のショート、ヘラルド・ペルドモが躍動しています。
モレノは空振り、三振が少なく、四球を選べて打撃アプローチの良く、キャッチャーとしての能力も高い選手です。ペルドモも空振りや三振が少ないアプローチに長けたバッターで、ショートとしても平均以上水準があります。
投手成績
名前 | 年齢 | 登板 | 投球回 | 奪三振 | WHIP | 防御率 | FIP | rWAR |
ザック・ギャレン(SP) | 28 | 28 | 148.0 | 156 | 1.264 | 3.65 | 3.38 | 2.7 |
ブランドン・ファート(SP) | 25 | 32 | 181.2 | 185 | 1.239 | 4.71 | 3.61 | 0.5 |
ライン・ネルソン(SP) | 26 | 28 | 150.2 | 126 | 1.254 | 4.24 | 3.74 | 1.7 |
ジョーダン・モンゴメリー(SP) | 31 | 25 | 117.0 | 83 | 1.650 | 6.23 | 4.48 | -1.4 |
スレイド・セコーニ(SP) | 25 | 20 | 77.0 | 64 | 1.442 | 6.66 | 5.02 | -1.1 |
メリル・ケリー(SP) | 35 | 20 | 77.0 | 63 | 1.167 | 4.03 | 4.25 | 1.0 |
エドゥアルド・ロドリゲス(SP) | 31 | 10 | 50 | 38 | 1.500 | 5.04 | 4.57 | 0.2 |
ジャスティン・マルティネス(RP) | 22 | 64 | 72.2 | 91 | 1.307 | 2.48 | 2.59 | 22 |
ケビン・ギンケル(RP) | 30 | 72 | 70.0 | 77 | 1.200 | 3.21 | 2.85 | 0.8 |
ライアン・トンプソン(RP) | 32 | 67 | 66.1 | 52 | 1.191 | 3.26 | 3.30 | 1.0 |
ジョー・マンティプリー(RP) | 33 | 75 | 59.2 | 53 | 1.173 | 3.92 | 2.51 | 0.6 |
ブライス・ジャービス(RP) | 26 | 44 | 59.1 | 38 | 1.433 | 3.19 | 5.12 | 0.8 |
ポール・シーウォルド(RP) | 34 | 42 | 39.2 | 43 | 1.134 | 4.31 | 3.95 | 0.2 |
一方の投手陣は先発防御率がMLB全体で27位、リリーフ防御率が全体25位。
1試合あたりの平均被安打であるH/9はともに全体27と、とにかく投手陣がヒットを多く許していまい、チームの失点数は全体26位と投手陣は苦しんだ1年となりました。
エースはサイヤング投票5位以内2回のザック・ギャレンです。
投球は4シームが約46%、ナックルカーブが約28%で、この2つの球種を軸にチェンジアップを14%、10%未満の割合でスライダー、カッターで組み立てます。
ギャレンの最大の武器はナックルカーブで、24年シーズンは被打率.148、被長打率.230、被wOBA.207と「打たれない球」でした。空振り率も39.2%、K%も38.8と三振も取れる球です。
ギャレンは右ハムストリングスの怪我で1ヶ月程故障者リストに入っており、1年間フル稼働とはなりませんでした。
また23-24オフシーズンにFAで加入したエドゥアルド・ロドリゲスも故障に苦しみ、僅か10登板にとどまりました。
昨年のFAの目玉投手の1人であったジョーダン・モンゴメリーは契約がなかなか決まらず、ダイヤモンドバックスと契約したのは開幕間近の3月24日でした。
モンゴメリーは調整不足からか思うような投球ができず、一時はリリーフに回るなど、不完全なシーズンとなってしまいました。
先発ではライン・ネルソン、メリル・ケリー、クローザーのシーウォルドも故障者リスト入りがあり、怪我人の多いシーズンになってしまいました。
2025シーズンに向けて
来季の予想ラインナップ
ポジション | 名前 | 年齢 | 打席 |
ライト | コービン・キャロル | 24 | 左 |
セカンド | ケテル・マルテ | 31 | 両 |
ファースト | ジョシュ・ネイラー | 27 | 左 |
レフト | ルルデス・グリエルJr. | 31 | 右 |
センター | ジェイク・マッカーシー | 27 | 左 |
サード | エウへニオ・スアレス | 33 | 右 |
DH | ぺイビン・スミス | 29 | 左 |
キャッチャー | ガブリエル・モレノ | 25 | 右 |
ショート | へラルド・ペルドモ | 25 | 両 |
ベンチメンバー
ポジション | 名前 | 年齢 | 打席 |
キャッチャー | ホセ・ヘレーラ | 27 | 両 |
内野 | グレーズ・アレクサンダー | 25 | 右 |
ユーティリティ | ティム・タワ | 25 | 右 |
外野 | アレク・トーマス | 24 | 左 |
先発ローテーション
役割 | 名前 | 年齢 | 投 |
先発1 | コービー・バーンズ | 30 | 右 |
先発2 | ザック・ギャレン | 29 | 右 |
先発3 | メリル・ケリー | 36 | 右 |
先発4 | エドゥアルド・ロドリゲス | 31 | 左 |
先発5 | ブランドン・ファート | 26 | 右 |
先発6 | ジョーダン・モンゴメリー | 32 | 左 |
役割 | 名前 | 年齢 | 投 |
クローザー | ジャスティン・マルティネス | 23 | 右 |
セットアッパー | AJ・パック | 29 | 左 |
セットアッパー | ケビン・ギンケル | 30 | 右 |
リリーフ | ライアン・トンプソン | 32 | 右 |
リリーフ | ジョー・マッティンプリー | 33 | 左 |
リリーフ | セス・マルティネス | 30 | 右 |
リリーフ | ブライス・ジャービス | 27 | 右 |
予想ラインナップ・ベンチメンバー・先発ローテーションの引用:FanGraphs
来季の攻撃陣
FAでファーストのクリスチャン・ウォーカーが抜けましたが、ガーディアンズからトレードでジョシュ・ネイラーを獲得しています。
DHはジョク・ピーダーソンが抜け、グリエルJr.とペイビン・スミス、ジョシュ・ネイラーが入る予想となっています。
少しDH の火力が落ちそうですが、1番から9番まで得点の期待できるラインナップには変わりなさそうです。
来季の投手陣
投手陣にはFA右腕最大の目玉、コービン・バーンズが加入。
24年シーズンは怪我人が続出したローテーションでしたが、耐久性があり、長いイニングを計算できるバーンズの加入は先発ローテーションの大きなレベルアップとなります。
ここにギャレン、そしてエドゥワルド・ロドリゲスやモンゴメリーが23年のようなパフォーマンスを発揮出来ると一気に強力なローテーションとなります。
クローザーはシーウォルドが抜け、来季は23歳の剛腕ジャスティン・マルティネスが務めます。
マルティネスは4シームとシンカーの平均急速が100マイルを超える剛腕ですが、最も武器となるのはともに平均89.8マイルをマークしているスプリッターとスライダーです。
特にスプリッターは投球全体の約22%を投じて被打率.098、被長打率.122、被wOBA.149を記録。
空振り率54%、K%は脅威の65.9%とまさに魔球です。
四球の割合が若干多めですが、それでも支配力のあるMLB有数の剛腕クローザーとなりそうです。
プロスペクト
名前(ポジション) | 年齢 | プロスペクトランク順位 |
ジョーダン・ローラー(SS) | 22 | 11 |
- ジョーダン・ローラー
21年のドラフト1巡目、全体6位指名。
24年シーズンはトリプルAで12試合、58打席のみの出場となったが、打率.367、OPS.1.030、wOBA.445を記録。
最も評価が高いのは走塁でスカウティンググレードは70と高評価です。 (スカウティンググレードの最高値は80)
2023年シーズンは36盗塁を決め、盗塁成功率は.878と高い成功率をマークしています。
時点で評価の高い守備も平均以上の評価で24年はマイナーでサードを経験しています。
今季はMLBでショートの他、セカンドとサードのオプションもありそうです。
守備評価
ランキング引用:MLB.com Prospect Rankings2024
成績引用:Baseball Reference, FanGraphs
まとめ
アリゾナ・ダイヤモンドバックスは1998年にMLBのエキスパンションで創設された新しいチームです。
日本人選手は過去に2人在籍していました。
チームは創設4年目にしてワールドシリーズ制覇の快挙を成し遂げ、23年にはそれ以来の念願のワールドシリーズ進出を果たしています。
コービン・キャロル、ガブリエル・モレノ、ヘラルド・ペルドモと25歳以下の若く才能あふれる野手も揃っていて、今後のダイヤモンドバックスを牽引していくでしょう。
先発にはバーンズをローテーションに加え、2番手以降もギャレン、エドゥアルド・ロドリゲス、モンゴメリーと本来の働きができれば強力なローテーションとなり、同地区のライバル、ドジャースの対抗馬になります。
ダイヤモンドバックスの監督はかつてヤクルトスワローズでプレーしたことがあるロブロ監督で、ヤクルトでのプレー経験もあり、23年・24年のスプリングトレーニングでは元チームメイトの古田敦也氏を臨時コーチとして招聘しています。
ちなみに2019年に横浜DeNAベイスターズと業務提携を締結しており、日本球界とも多くの繋がりのあるチームです。
ナ・リーグ西地区は日本人選手が数多く所属するドジャースやパドレスに注目が集まりがちですが、ダイヤモンドバックスにも注目してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の記事が参考になれば、幸いです。
チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference
にほんブログ村
コメント