こんにちは、Chanです。
シーズン開幕から1ヶ月が経過しましたが、引き続きチーム紹介を行いますので、今年からMLBを見始めたという方も、そうでない方も是非MLBの各チームについて知っておいてください。
チーム紹介も残り2チームとなりました。
今回はナショナル・リーグ西地区からサンディエゴ・パドレスをご紹介します。
是非最後までお付き合いください。
サンディエゴ・パドレスとは

球団概要
- 創設: 1969年
- 本拠地: カリフォルニア州サンディエゴ
- ホーム球場: ペトコ・パーク
- 所属リーグ: ナショナル・リーグ(National League)
- 地区: ナ・リーグ西地区( NL WEST )
- 略称: SD
- チーム名の由来:「 Padre」はスペイン語で神父の意味。18世紀にスペインから渡ってきて、サンディエゴに伝道所を設立したフランシスコ会の神父たちに由来。
- オーナー: ラリー・ピーター・サイドラー
- 監督: マイク・シルト
- ワールドシリーズ優勝 0回
- リーグ優勝 2回 (1984, 1998)
- 地区優勝 5回(1984, 1996, 1998, 2005, 2006
- ワイルドカード 3回(2020, 2022, 2024)
球団の歴史
1969年のエクスパンションにて創設されたチームの一つです。
サンディエゴはアメリカ西海岸最大の海軍および海兵隊基地を擁する軍事都市で、パドレスは軍との深い結びつきを持つ球団です。毎年4月には現役および退役軍人に感謝と敬意を捧げるイベント「ミリタリー・オープニングデー」が開催され、迷彩の限定ユニフォームを着用し、軍への敬意を表しています。このユニフォームは2008年から毎週日曜日のホームゲームで着用されています。
チーム創設と初期の苦難
1969年の創設から6年連続で地区最下位となるなど、低迷が続きました。
1974年にはワシントンD.C.へのチーム移転が計画されましたが、マクドナルド創業者のレイ・クロックが球団を買収し、サンディエゴに残留することとなりました 。
するとチームは徐々に浮上し始め、1978年には、球団史上初の勝率5割以上をマーク。
初優勝とスター選手の台頭
1984年、パドレスはチーム創設16年目にして初の地区優勝とリーグ優勝を果たし、ワールドシリーズに進出しました。
ワールドシリーズではデトロイト・タイガースに敗れましたが、同時期、トニー・グウィンが8度の首位打者を獲得するなど、チームの顔として活躍しました。
1998年には2度目のリーグ優勝を達成しましたが、ワールドシリーズではニューヨーク・ヤンキースに敗退 。
21世紀に入ってからのチーム状況
2004年にペトコ・パークが開場。2005年と2006年には地区優勝を果たしましたが、その後はプレーオフ進出が遠のき、低迷期が続きました。
この間、トニー・グウィンやトレバー・ホフマンといったチームのレジェンドプレーヤー達が引退し、新たなスター選手の育成が課題となりました 。
2020年、パドレスは14年ぶりにプレーオフ進出を果たし、2022年にはナショナル・リーグ・チャンピオンシップシリーズ(NLCS)まで進出しました。
2023年には大型補強を行い、ワールドシリーズ制覇を目指しましたが、期待に応えることはできませんでした。
2024年には同地区のライバルで首位を快走していたドジャースを猛追し、プレーオフに進出。ディビジョン・シリーズ(NLDS)ではドジャースと対戦。2勝1敗と大手をかけますが、2連敗を喫し敗退しています。
過去の主な所属選手
- トニー・グウィン(OF)
“Mr.Padre”と呼ばれるキャリア19年パドレス一筋のフランチャイズプレーヤー。
弟のクリス・グウィンと息子のトニー・グウィンJr.もメジャーリーガーという家系。
通算打率.338。
首位打者8回(ナ・リーグ歴代2位)。
シルバースラッガー賞7回。
オールスター選出15回。
2007年殿堂入り。
- トレバー・ホフマン(RHP)
通算601セーブ(歴代2位、パドレス時代552セーブをマーク)
オールスター選出7回。
ナ・リーグ初の500セーブ達成者となり、2018年に殿堂入り。
- デーブ・ウィンフィールド(OF/DH)
パドレス在籍時にオールスター出場4回。
パドレス在籍8シーズンで154本塁打。
2001年に資格初年度で殿堂入り。
- ジェイク・ピービー(RHP)
パドレスのエースとして8年間在籍。
2007年に19勝6敗、防御率2.54、240奪三振で投手三冠。サイ・ヤング賞受賞。
- エイドリアン・ゴンザレス(1B)
パドレス在籍時に161本塁打、501打点。
オールスター出場3回。
攻守の一塁手として活躍。
過去に所属した日本人選手
パドレスには現在まで日本人選手が5人在籍しています。
- 大塚晶則(2004-2005年)
- 井口資仁(2008年)
- 牧田和久(2018年)
- ダルビッシュ有(2021年-)
- 松井裕樹(2024年-)
パドレスの9FIFTYキャップです!近年ではヤンキースやドジャースのキャップに次いで日本でも被っている人をよく見るようになりました。
パドレスの47 Brandのキャップです!
2024年シーズンの成績

チーム戦績
勝利 | 敗戦 | 勝率 | 順位 | 最終戦績 |
93 | 69 | .574 | 地区2位 | NLDS敗退 |
打撃成績
試合数 | 得点 | 平均得点 | HR | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
162 | 760 | 4.69 | 190 | 120 | .263 | .324 | .420 | .745 |
投手成績
イニング数 | 平均失点 | 防御率 | 四球 | 失点 | 自責点 |
1439.1 | 4.13 | 3.86 | 462 | 669 | 617 |
2024年は93勝を挙げてプレーオフに進出。
チームの打撃成績を見ていくと、安打数はMLB全体トップで得点数・1試合あたりの平均得点数は全体8位。
四球数は23位、三振数1077はMLB全体で最も少なく、早いカウントから積極的に打ってくる打者が多いことがわかります。
投手成績は1試合あたりの平均失点数・失点数は全体10位で、与四球は全体9番目の少なさで、奪三振6位と上位。ERA +は106となっています。
主な選手の紹介

野手
※太字選手は新加入 成績は2024年シーズン
ポジション | 名前(年齢) | 打席 | 試合 | 打率 | HR | OPS | rWAR |
C | エリアス・ディアス(34) | 右 | 96 | .265 | 6 | .695 | 1.3 |
1B | ルイス・アラエズ(28) | 左 | 150 | .314 | 4 | .739 | 1.0 |
2B | ジェイク・クロネンワース(31) | 左 | 155 | .241 | 17 | .714 | 1.9 |
SS | ザンダー・ボガーツ(32) | 右 | 111 | .264 | 11 | .688 | 1.2 |
3B | マニー・マチャド (33) | 右 | 152 | .275 | 29 | .797 | 3.1 |
LF | ジェイソン・ヘイワード(36) | 左 | 87 | .211 | 10 | .700 | 1.2 |
CF | ジャクソン・メリル(22) | 左 | 156 | .292 | 24 | .826 | 4.4 |
RF | フェルナンド・タティスJr.(26) | 右 | 102 | .276 | 21 | .833 | 2.6 |
DH | ギャビン・シーツ(29) | 左 | 139 | .233 | 10 | .660 | -1.0 |
C | マーティン・マルドナード(39) | 右 | 48 | .119 | 4 | .403 | -1.3 |
UT | タイラー・ウェイド(30) | 左 | 90 | .217 | 0 | .524 | -0.7 |
INF | ホセ・イグレシアス(35) | 右 | 85 | .337 | 4 | .830 | 3.1 |
OF | オスカー・ゴンザレス(27) | 右 | 出場なし |
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21歳のルーキー ジャクソン・メリルがいきなりのブレイク。打率.292、HR24本、OPS.826、rWAR4.1をマークし、オールスター選出、シルバースラッガー賞、ナ・リーグ新人王投票2位となり、早速チームの顔の1人となりました。
また、ジュリクソン・プロファーがキャリアハイの成績を収めると、タティスJr.も102試合の出場ながらrWAR2.1をマークし、強力な外野陣を形成しました。
野手は主力でプロファーとカイル・ヒガシオカが抜け、レフトにはここまでベテラン ジェイソン・ヘイワードがメインで守備に就いており、キャッチャーにはベテランのエリアス・ディアス、マーティン・マルドナードが主に入っています。
4月中旬ごろから怪我人が続出したパドレスですが、5月6日の試合からメリルが復帰。右肋骨の骨折で故障者リスト入りしていたクロネンワースも5月9日の試合から復帰し、主力メンバーが戻ってきており打線が活発になることが期待されます。
投手
※太字選手は新加入 成績は2024年シーズン
役割 | 名前(年齢) | 投 | 試合 | イニング | 奪三振 | 防御率 | rWAR |
SP1 | ニック・ピベッタ(33) | 右 | 27 | 145.2 | 172 | 4.14 | 1.7 |
SP2 | マイケル・キング(30) | 右 | 31 | 173.2 | 201 | 2.95 | 4.1 |
SP3 | ディラン・シース(29) | 右 | 33 | 189.1 | 224 | 3.47 | 4.1 |
SP4 | ランディ・バスケス(26) | 右 | 20 | 98.0 | 62 | 4.87 | 0.5 |
SP5 | スティーブン・コーリク(28) | 右 | 42 | 46.2 | 39 | 5.21 | -0.2 |
CL | ロバート・スアレス(34) | 右 | 65 | 65.0 | 59 | 2.77 | 2.0 |
SU | ジェイソン・アダム(33) | 右 | 27 | 26.2 | 31 | 1.01 | 1.4 |
SU | ジェイミア・エストラーダ(26) | 右 | 62 | 61.0 | 94 | 2.95 | 1.3 |
RP | エイドリアン・モレホン(26) | 左 | 60 | 63.2 | 71 | 2.83 | 1.3 |
RP | アレク・ジェイコブ(26) | 右 | 7 | 14.2 | 19 | 2.45 | 0.3 |
RP | 松井裕樹(29) | 左 | 64 | 62.2 | 69 | 3.73 | 0.8 |
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昨シーズンのプレーオフ中に右肘内側側副靭帯の損傷が判明し、トミー・ジョン手術を受けたジョー・マスグローブは60日の故障者リスト入りしており、今季は全休。マット・ウォルドロンも腹斜筋の肉離れにより60日間の故障者リスト入り、ダルビッシュ有もシーズン開幕前に右肘の炎症により15日間の故障者入りと、昨シーズンのローテーション3枚を欠いています。
ダルビッシュはキャッチボールやブルペン投球を再開しており、早ければ5月下旬の復帰の可能性も示唆されていますが、38歳のベテランですので復帰を急がない方針のようです。
ここまでの先発陣は新加入のニック・ピベッタを中心にマイケル・キング、ディラン・シース、ランディ・バスケスの活躍とブルペン陣の踏ん張りにより防御率は先発が全体6位。ブルペンが全体6以と奮闘しています。
プロスペクト
パドレスには2人のプロスペクトランキングトップ100入りした選手がいます。
名前(ポジション) | 年齢 | プロスペクトランク順位 |
レオ・デブリース(SS) | 18 | 15 |
イーサン・サラス(C) | 18 | 28 |
- レオ・デブリース
"He was the energy. He was a huge spark plug for our dugout."
— MLB Pipeline (@MLBPipeline) March 13, 2025
Teenager Leo De Vries (MLB No. 18) is ready to bring his infectious personality and emerging talents into Spring Breakout for the #Padres: https://t.co/Zs5wq6iV8A pic.twitter.com/EQrnabUkzk
24年の国際アマチュアFAランキング1位。
24年はA でwRC +116をマークすると、今季はA +でここまで25試合に出場し、打率.305・HR4本・wOBA.435、OPS.944と素晴しいパフォーマンス。四球率13.4%と選球眼も良く、三振率も昨シーズンの23.3%からここまで16.1%まで低下しゾーン管理もできています。
まだ18歳と伸び代十分で、将来のスター候補の1人となる逸材です。
ランキング引用:MLB.com Prospect Rankings2025
成績引用:Baseball Reference, FanGraphs
まとめ
サンディエゴ・パドレスは1969年のリーグ拡張により誕生したチームです。
チームはまだワールドシリーズ制覇の経験はありませんが、2020年代に入るとプレーオフ争いの常連となり、強豪ひしめくナ・リーグ西地区で安定的な強さを見せるドジャースの現在の最大のライバルとなっています。
オーナーの交代によりチームはペイロール削減の方針をとっており、以前のような積極的なFA補強は行わない見込みですが、今季もここまで高い勝率を維持しMLB全体でもトップクラスの強さを見せています。
大谷翔平や山本由伸、佐々木朗希が所属するドジャースに注目が集まりがちですが、パドレスにも注目して見てください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が参考になれば幸いです。
チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference
2025年のMLB選手名鑑はこちらから
MLBの人気誌、Sluggerが編集を手がけた選手名鑑はこちら

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