こんにちは、Chanです。
近年、MLBを観る人が増えてきています。
どこか贔屓チームを作ろうと考えている方もいると思いますので、MLB初心者の方向けにMLBの全30チームをご紹介していきます。
第一弾はニューヨーク・メッツです!
ニューヨーク・メッツとは
球団概要
- 創設: 1962年
- 本拠地: ニューヨーク州ニューヨーク市クイーンズ区
- ホーム球場: シティ・フィールド(Citi Field)
- 所属リーグ: ナショナルリーグ(National League)
- 地区: ナショナルリーグ東地区(NL East)
- オーナー:スティーブ・コーエン
- チームカラー: 青とオレンジ
- ワールドシリーズ優勝2回(1969年、1986年)
- リーグ優勝5回(1969年、1973年、1986年、2000年、2015年)
- 地区優勝6回(1969年、1973年、1986年、1988年、2006年、2015年)
参考: Wikipedia
球団の歴史
メッツは、1962年にナショナルリーグのエキスパンションチームとして創設されました。
1900年代前半、ニューヨークにはニューヨーク・ジャイアンツ(現 サンフランシスコ・ジャイアンツ)、ブルックリン・ドジャース(現 ロサンジェルス・ドジャース)、ニューヨーク・ヤンキースの3チームが本拠地を構えていました。
1958年、ニューヨーク・ジャイアンツとブルックリン・ドジャースは経済的理由と、西海岸の新市場開拓のため、西海岸へ移転していきました。
2チームの移転により、ニューヨークに本拠地を置くチームはヤンキースのみとなり、ニューヨークからナショナル・リーグのチームが消滅してしまいす。
これによりニューヨークに新たなナ・リーグのチームを設立すべく、1962年にニューヨーク・メッツが設立されました。
メッツのチームカラーはジャイアンツのオレンジとドジャースの青を取り入れており、かつてニューヨークをホームとしていた2チームの遺志を受け継いでいるという意味合いがあります。
ミラクル・メッツの由来
メッツは球団創設の1962年に40勝120敗を喫し、2024年にシカゴ・ホワイトソックスが121敗を記録するまで、62年間にわたってMLBの最多敗戦記録となっていました。
創設から7年間は毎年シーズン負け越しを喫するなど、低迷が続きます。
1969年、メッツはシーズン成績を100勝62敗とし、初の地区優勝を果たす大躍進を遂げました。
東西2地区に別れて、この年から新設されたNLCSではアトランタ・ブレーブスをスイープで破り、初のリーグ優勝を達成します。
迎えたワールド・シリーズではボルティモア・オリオールズと対戦。
下馬評ではオリオールズ圧倒的有利とされていましたが、メッツは4勝1敗でオリオールズを下し、チーム創設8年目で初のワールドシリーズ制覇を達成しました。
新興球団が創設からわずか8年でワールドシリーズを制覇したこと、創設から前年まで7年連続でシーズン負け越していたチームの突然の躍進から、ミラクルメッツと称されるようになりました。
大富豪のオーナー、スティーブ・コーエン
コーエン氏は1956年、ニューヨーク州に生まれ、幼少期からメッツファンとして育ちました。
ペンシルベニア大学で経済学の学士号を取得、金融業界でのキャリアをスタートさせ、現在は自身が創業したヘッジファンド運用会社ポイント72アセット・マネジメントの共同最高投資責任者として職務しています。
コーエン氏は2020年にメッツの株式の約97%を取得し、メッツのオーナーに就任しました。
その際に「5年以内にワールドシリーズ制覇することを目指す」と公言。ファンからも大いに期待を寄せられています。
コーエン氏の純資産額額は2024年現在で213億ドルで、MLB全30チームのオーナーでトップとなっています。
参考:Forbes
その潤沢な資金力から今オフではFAの目玉であるフアン・ソトを15年7億6500万ドルで獲得し、本当に必要な選手は大きな金額を提示することも厭わない姿勢を見せています。
コーエン氏はXのアカウントでファンとやりとりすることもしばしば見られ、ファンがコーエン氏に獲得してほしい選手を要望するツイートをしているのも見ものです。
2024年シーズンの成績
チーム戦績
勝利 | 敗戦 | 勝率 | 順位 | 最終戦績 |
89 | 73 | .549 | 3 | NLCS進出 |
打撃成績
試合数 | 得点 | 平均得点 | HR | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
162 | 768 | 4.74 | 207 | 106 | .246 | .319 | .415 | .734 |
投手成績
イニング数 | 平均失点 | 防御率 | HR | 失点 | 自責点 |
1442.1 | 4.30 | 3.96 | 165 | 697 | 634 |
野手成績
名前 | 年齢 | HR | 盗塁 | 打率 | OPS | wRC+ | rWAR |
フランシスコ・リンドーア(SS) | 30 | 33 | 29 | .273 | .844 | 137 | 6.9 |
マーク・ビエントス(3B) | 24 | 27 | 0 | .266 | .838 | 133 | 3.1 |
ブランドン・ニモ(LF) | 31 | 23 | 15 | .267 | .726 | 109 | 2.2 |
ホセ・イグレシアス(IF) | 34 | 4 | 6 | .337 | .829 | 137 | 3.1 |
ピート・アロンゾ(1B) | 29 | 34 | 3 | .276 | .788 | 122 | 2.6 |
フランシスコ・アルバレス(C) | 22 | 11 | 1 | .291 | .710 | 102 | 0.8 |
ハリソン・ベイダー(CF) | 30 | 12 | 17 | .236 | .657 | 88 | 0.9 |
ジェフ・マクニール(2B) | 32 | 12 | 5 | .238 | .692 | 97 | 1.6 |
タイロン・テイラー(OF) | 30 | 7 | 11 | .248 | .700 | 98 | 2.0 |
J.D. マルティネス(DH) | 36 | 16 | 0 | .235 | .726 | 108 | 0.5 |
スターリング・マルテ(RF) | 35 | 7 | 16 | .269 | .715 | 104 | 0.7 |
野手の中心選手はキャプテンのフランシスコ・リンドーア。今シーズンはfWAR7.8、rWAR6.9を記録する活躍でMVP投票2位。
シーズン終盤に怪我で何試合か欠場することがありましたが、ポストシーズン進出がかかるブレーブスとのダブルヘッダー第1試合で9回に逆転2ラン、NLCS進出がかかったフィリーズとの試合では6回裏に逆転満塁ホームランを放つなど、まさにミラクルメッツを体現するような活躍でチームを牽引しました。
リンドーアとともにメッツの快進撃を支えたのが、メジャー3年目のマーク・ビエントスです。
2024年シーズンは速球(フォーシーム、シンカー、カッター)対する打率が前年の.202から.329へ上昇。
長打率は.345から.620と向上しました。これにより、速球への対応力が向上したことが示されています。
HardHit%,Barrel%も上昇しており、粗削りながらかまだ24歳と若いので、来年以降のパフォーマンスにも期待したいところです。
もう1人、メッツの快進撃を支えたのは、34歳の苦労人、ホセ・イグレシアスです。
2023年シーズンはマーリンズやパドレスに所属し、シーズンをマイナーで過ごし、コールアップされることなくシーズンを終了。長く無契約状態となっていました。
今シーズンはメッツとマイナー契約を交わし、5月にコールアップされてからは、打率.337、wRC+137、rWAR3.1を記録。
イグレシアスはプレーだけでなく、愛称のキャンデリータの名前で歌手デビュー。デビュー曲「OMG」の文字を型取ったボードを掲げるホームランセレブレーションでチームを盛り上げました!
投手成績
名前 | 年齢 | 登板 | 投球回 | 奪三振 | WHIP | 防御率 | FIP | rWAR |
ショーン・マネイア(SP) | 32 | 32 | 181.2 | 184 | 1.184 | 3.75 | 3.84 | 3.0 |
ルイス・セベリーノ(SP) | 30 | 31 | 182.0 | 161 | 1.242 | 3.91 | 4.21 | 1.6 |
ホセ・キンタナ(SP) | 35 | 31 | 170.1 | 135 | 1.250 | 3.75 | 4.56 | 2.5 |
デイビッド・ピーターソン(SP) | 28 | 21 | 121.0 | 101 | 1.289 | 2.90 | 3.67 | 2.9 |
タイラー・メギル(SP) | 28 | 16 | 78.0 | 91 | 1.038 | 4.04 | 3.55 | 0.5 |
リード・ギャレット(RP) | 31 | 53 | 57.1 | 83 | 1.395 | 3.77 | 3.31 | 0.8 |
アダム・オッタビーノ(RP) | 38 | 60 | 56.0 | 70 | 1.286 | 4.34 | 3.67 | 0 |
ダニー・ヤング(RP) | 30 | 42 | 37.2 | 48 | 1.248 | 4.54 | 3.64 | -0.2 |
エドウィン・ディアス(RP) | 30 | 54 | 53.2 | 84 | 1.043 | 3.52 | 3.02 | 0.5 |
先発陣は千賀滉大が肩の負傷でシーズンを出遅れる中、ショーン・マネイア、ルイス・セベリーノを中心に、28歳のディビット・ピーターソン、35歳のベテラン左腕、ホセ・キンタナがソリッドな活躍を見せました。
マネイアはクリス・セールのフォームを参考にしたフォーム変更に成功。
2023年シーズンではわすが16球しか投げていなかったシンカーを投球全体の約45%を占める1339球投じて、被打率.201、被長打率.333をマーク。
フォーシームは11.3%の339球を投じて被打率.167、被長打率.295と速球系が改善されました。
マネイアは年間を通してローテーションを守り、181.2イニングを投げて防御率3.75、rWAR3.0を記録しました。
マネイアと共にローテーションの中心を担ったのは、ヤンキースから移籍してきた、ルイス・セベリーノです。
近年は怪我の影響もありかつての様な投球は見られていませんでしたが、今シーズンはチームトップの182イニングを投げ、防御率3.91、rWAR1.6を記録しました。
セベリーノはかつての様なイニング数を上回る三振を奪う支配的な投球スタイルでは無くなりましたが、ゴロアウト率が増加し、被 Barrel%、被Hardhit%が大幅に改善、復活を遂げました。
メッツの守護神、エドウィン・ディアスは2023年のWBCで負傷し、昨シーズン全休となっていましたが、復活。
投球はフォーシームとスライダーの2球種のみです。2022年はスライダーの空振率が55%。54.1%のK%とまさに魔球でしたが、今シーズンは空振率が39.4%、K%が36.6%と下降しましたが、それでも支配的な投球は健在でした。
防御率3.51はクローザーとしては高めですが、xERAは2.49と乖離があるので、今シーズンは少し下ぶれしていたと見られます。
2025シーズンに向けて
2024年シーズンは単年契約の選手を揃えて来年以降のブリッジイヤーとの位置付けとしてスタート。
開幕から5連敗を喫するなど、スタートからつまづき、6月2日時点で24勝35敗、負け越し11としていました。
しかし、6月3日以降は62勝41敗、この間の勝利を0.601で見事にポストシーズン進出を決めました。
ワイルドカードシリーズでは中地区王者ブルワーズを破り、NLDSでは同地区のライバルで優勝チームのフィリーズを撃破。
NLCSではドジャースに2勝4敗で敗れたものの、快進撃はまさにミラクルメッツでした。
2020年にメッツのオーナーに就任したスティーブ・コーエンは5年以内のワールドシリーズ制覇を目標を掲げていましたので、来年はその発言から5年、勝負の年となります。
先発とサードの強化が鍵
来季の予想ラインナップ
ポジション | 名前 | 年齢 |
ショート | フランシスコ・リンドーア | 31 |
ライト | フアン・ソト | 26 |
ファースト | マーク・ビエントス | 25 |
レフト | ブランドン・ニモ | 31 |
DH | スターリング・マルテ | 36 |
セカンド | ジェフ・マクニール | 32 |
キャッチャー | フランシスコ・アルバレス | 23 |
サード | ブレット・ベイティ | 25 |
センター | ホセ・シリ | 29 |
ベンチメンバー
ポジション | 名前 | 年齢 |
キャッチャー | ルイス・トレンス | 28 |
ユーティリティー | ルイスアンヘル・アクーニャ | 22 |
外野・ファースト | ジャレッド・ヤング | 29 |
外野 | タイロン・テイラー | 30 |
先発ローテーション
役割 | 名前 | 年齢 |
先発1 | ショーン・マネイア | 32 |
先発2 | 千賀滉大 | 31 |
先発3 | フランキー・モンタス | 31 |
先発4 | デイビッド・ピーターソン | 29 |
先発5 | クレイ・ホームズ | 31 |
予想ラインナップ・ベンチメンバー・先発ローテーションの引用:FanGraphs
来季のサード
メッツのラインナップですが、ファーストのピート・アロンソの去就次第でファーストにはビエントスがまわり、サードはかつてのプロスペクト、ベイティやマウリシオがつくと見られます。
ベイティの2024年シーズンは開幕をメジャーで迎えましたが、実績を残せずシーズン途中からはマイナーリーグで過ごしていました。
トリプルAでは62試合で打率.252、16ホームラン、OPS.854を記録し、セプテンバー・コールアップがあるかと思われた矢先の8月下旬に左手人差し指の骨折により、そのままシーズンを終えました。
ベイティはメジャーレベルのフォーシームへの対応が課題となっており、2024年シーズンはフォーシームに対するHardHit%が25%で長打が1本も打てませんでした。
メッツのベイティの保有年数は5年残っていますので、レギュラー定着のために課題のフォーシームへの対応を克服してほしいところです。
また2024年シーズンは全休となったマウリシオは打球スピードの速さからパワーが魅力の24歳です。本来の守備位置はショートですがサードとして起用される見込みです。
またサードにはアストロズからFAとなったアレックス・ブレグマンに興味を示しているとの報道もあり、サードのポジションがどうなるかにも注目です。
来季の先発陣
先発ローテーションはマネイアが再契約となり、ローテーションの形は出来上がりましたが、昨年怪我でレギュラーシーズンの先発が1試合にとどまった千賀、バウンスバックに期待のモンタス、そして来シーズンより先発転向となるホームズ。
そして先発6番手にタイラー・メギル、グリフィン・キャニング、そして怪我から復帰が見込まれるポール・ブラックバーンが控えています。
先発投手は粒揃いではありますが、未知数な部分が多く、ワールドシリーズ制覇を狙うのであれば、オールスタークラスの先発が1枚ほしいところ。
メッツのチーム編成本部長のデビッド・スターンズは先発投手の長期契約には慎重な姿勢を見せており、残るFA投手の目玉であるコービン・バーンズの獲得には動かず、佐々木朗希の獲得に全力を尽くすとしており、先日面談を行っています。
昨年は山本由伸の獲得はなりませんでしたが、佐々木朗希獲得なるか注目です。
プロスペクト
名前(ポジション) | 年齢 | チーム内プロスペクトランキング |
ブランドン・スプロート(P) | 24 | 1 |
ジェット・ウィリアムズ(SS/CF) | 21 | 2 |
ドリュー・ギルバート | 24 | 3 |
ライアン・クリフォード(OF/1B) | 21 | 4 |
引用:MLB.com Prospect Rankings2024
来季はブランドン・スプロートとジェット・ウィリアムズのコールアップが期待されます。
特にジェット・ウィリアムズは小柄ながら出塁能力の高さと走塁能力が魅力の21歳。今期は手術の影響から出場試合数は少ないものの、トリプルAの6試合で打率.364、出塁率.533、長打率.545、OPS1.079、wOBA.484をマーク。
守備では本職のショート以外にもセカンドやセンターをこなすユーティリティーな面もあり、健康な状態でのメジャーデビューが期待されます。
まとめ
ニューヨーク・メッツはFAの最大の目玉、フアン・ソトを獲得。
来季はコーエン氏がオーナー就任時に語ったワールドシリーズ制覇に期待がかかります。
シーズン開幕までは佐々木朗希の動向やトレードでの選手補強があるかに注目です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の記事が参考になれば幸いです。
チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference
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