ドジャースがワールドシリーズ制覇!2024年シーズンのワールドシリーズを解説【MLB】

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現地時間10月30日、ヤンキースタジアムで行われたワールドシリーズ第5戦、ドジャースが7-6でヤンキースを下し、2020年以来4年ぶり8度目のワールドシリーズ制覇でワールドシリーズは幕を閉じました。

1981年以来43年ぶり12回目の対戦となった東西の名門でビッグマーケットチーム同士のワールドシリーズはドジャースが4勝1敗で勝利。

この記事では2024年のワールドシリーズの結果と各ゲームの振り返りをし、ワールドシリーズを総括します。

ワールドシリーズの結果

  • ゲーム1: ドジャース6-3ヤンキース(フリーマンのサヨナラ満塁ホームラン)
  • ゲーム2: ドジャース4-2ヤンキース(山本由伸 6回1失点の好投)
  • ゲーム3: ヤンキース2-4ドジャース(ビューラーの好投)
  • ゲーム4: ヤンキース11-4ドジャース(ヤンキース打線爆発)
  • ゲーム5: ヤンキース6-7ドジャース(5点差を逆転しての勝利)

シリーズ4勝1敗でドジャースが4年ぶり8度目のワールドシリーズ優勝。

ワールドシリーズMVPは打率.300、ホームラン4本、12打点のフレディー・フリーマンが受賞

単年でのワールドシリーズ12打点は1960年のボビー・リチャードソンに並ぶタイ記録。

ゲームごとの振り返り

ゲーム1 フリーマンのサヨナラ満塁ホームラン

ドジャース先発フラハティ、ヤンキース先発コールで始まったオープニングゲーム。

両投手ともに相手打線に得点を許さず、迎えた5回裏。1アウトからキケ・ヘルナンデスが3ベースを放つと、続くウィル・スミスの犠牲フライでドジャースが1点を先制。

6回表のヤンキースの攻撃はスタントンに逆転の2ランホームランが飛び出し、ヤンキースが2-1と逆転に成功する。

このスタントンのホームランの打球は116.6マイル(187.6キロ)とスタットキャスト導入後、ワールドシリーズでの最速記録となった。

ドジャースはフラハティに代えてバンダを投入。

フラハティは5.1イニングを投げて被安打5、2失点と好投を見せた。

コールは6回を被安打4、1失点の好投を見せた。

8回裏、ドジャースは2ベースと送球エラーの大谷を3塁に置いて、ベッツが犠牲フライを打ってドジャースが2-2の同点に追いつく。

10回の表のヤンキースの攻撃はワンアウトランナー1塁・3塁からボルピーの打球を前進守備のショート、エドマンがキャッチ。しかしボールが手につかずセカンドへのフォースアウトのみで3塁ランナー返ってヤンキースが3-2と勝ち越しに成功する。

10回の裏、2アウト満塁でバッターはフリーマン。初球を打つと打球は高々と上がり、ドジャースファンが待つライトスタンドへ飛び込む逆転サヨナラ満塁ホームランとなり、ドジャースがゲーム1に勝利した。

ワールドシリーズのサヨナラホームランは1993年のジョー・カーター以来の記録。

2アウトからのサヨナラホームランは1988年のワールドシリーズ、ゲーム1のカーク・ギブソン以来

ワールドシリーズでのサヨナラ満塁ホームランは史上初の記録。

ゲーム2 山本由伸6回1失点の好投

ドジャースは2回裏、エドマンのソロホームランで先制。

ヤンキースは3回表、2アウトからソトのホームランで同点に追いつく。

3回の裏のドジャースの攻撃は2アウトからテオスカー・ヘルナンデスが勝ち越し2ランで3-1と勝ち越しに成功。

続くフリーマンの連続ホームランでドジャースは4-1とリードを広げた。

ドジャース先発の山本はソトに浴びたソロホームラン以降、ヤンキース打線に出塁を許さず。6.1イニング、86球を投げて、被安打1、1失点、4奪三振とワールドシリーズの大舞台で素晴らしいパフォーマンスを見せた。

試合は9回表、ヤンキースはトライネンを攻めソトがヒットで出塁、続くジャッジの打席でトライネンがワイルドピッチ。ジャッジ三振に倒れてバッターはスタントン。スタントンの打球はサードベースにあたってボールは跳ね、この間にランナー返ってヤンキース1点を返して2-4。

続くチザムJr.がヒット、リゾがデッドボールで1アウト満塁となる。

しかし、ヤンキースはボルピーが三振で2アウト。ドジャースはピッチャーをベシアに交代、トレビーノを抑えて試合終了。ドジャースがホームで2連勝を飾った。

この試合で大谷が盗塁で左肩を負傷。検査結果は左肩の亜脱臼。

ゲーム3 ビューラー5回無失点の好投

ドジャースは2戦目で左肩を負傷した大谷の状態が心配されたが、スタメンで出場。1回表、大谷はストレートのフォアボールで出塁。1アウトからフリーマンが3試合連続となる先制の2ランホームランを放つ。

ワールドシリーズのゲーム1からゲーム3の連続ホームランは2002年のバリー・ボンズ以来。

フリーマンはブレーブス時代の2021年ワールドシリーズのゲーム5、ゲーム6から継続して5試合連続ホームランとなった。

ワールドシリーズでの5試合連続ホームランは当時アストロズに所属していたジョージ・スプリンガーが2017年、2019年に達成して以来の記録である。

試合は3回表、ベッツのタイムリーで1点を追加してドジャースが3-0とリードを広げる。

4回の裏のヤンキースの攻撃は1アウトからスタントンが2ベースで出塁。続くチザムJr.が放った鋭い打球はライトのベッツがダイビングキャッチして2アウト。バッター、ボルピーがレフトへのヒットを放つと、2塁ランナーのスタントンは3塁を蹴ってホームへ突入。レフト、テオスカー・ヘルナンデスからの送球でホームタッチアウトとなりヤンキースは無得点。

このテオスカー・ヘルナンデスの送球は93.9マイル(約151キロ)を記録し、自身のキャリア3番目に速い送球となった

ドジャース先発のビューラーは5回、76球を投げて被安打2、5奪三振、無失点の好投。

レギュラーシーズンでは1勝6敗、防御率5.38、WHIP1.553と苦しんだが、今ポストシーズン では地区シリーズでのパドレス戦では味方の守備の乱れもあり、5回6失点と苦しんだが、NLCSのメッツ戦でも4回無失点と好投しており、内容にも改善が見られていた。

なお、ビューラーはこの日の成績を加えてワールドシリーズでの通算防御率を0.50とした。

ワールドシリーズで通算15イニング以上を投げた先発投手として、マディソン・バムガーナーの0.29、ジャック・ビリンガムの0.48に次ぐ3番目に低い防御率となった。

試合は6回表にキケ・ヘルナンデスのタイムリーでドジャースが4-0とリードを広げた。

試合は9回まで進みドジャースのマウンドにはコペック。2アウト、ランナー1塁でヴァードゥーゴがライトスタンドへ飛び込む2ランホームランを放つもヤンキースの反撃もここまで。ドジャースが4-2でヤンキースを破り、3連勝。シリーズ制覇へ王手をかけた。

ゲーム4 ヤンキース打線爆発

ドジャースは初回、1アウトからベッツが2ベースを放ってランナー2塁。ここでフリーマンがライトへ今シリーズ4試合連続、2021年のワールドシリーズから6試合連続のホームランを放ちドジャースが2点を先制する。

2回裏のヤンキースはヴァードゥーゴのファーストゴロの間にヤンキースが1点を返す。

ドジャースはこのゲーム、ブルベンデーを選択しており2番手はハドソン。満塁からボルピーに逆転満塁ホームランが飛び出し、ヤンキースが5-2と逆転に成功した。

5回表のドジャースがスミスのホームランで1点を返して3-5。1アウト3塁となり、フリーマンはセカンドゴロでダブルプレーと見られたが、ドジャースがチャレンジ。リプレイ検証の結果、フリーマンの1塁到達が一瞬早く、判定覆り3塁ランナーの生還が認められ、ドジャースが4-5と1点差に詰め寄る。

6回裏、ヤンキースはウェルズのソロホームランで1点を追加。さらに8回裏、ランナー2塁・3塁からヴァードゥーゴはセカンドへのゴロ。ラックスはホームに送球するもセーフとなり、ヤンキースが1点を追加。

続くトーレスは3ランホームラン。さらにソトが2ベースで出塁し、でジャッジにタイムリーが飛び出し11-4とヤンキースがさらにリードを広げた。

試合はそのままヤンキースが勝利し、ヤンキースが待望のシリーズ1勝目を飾った。

この試合の1回裏、先頭のトーレスが放った打球はライトファールゾーンのフェンス側へ、これをベッツがキャッチするが、フェンス側のヤンキースファンがベッツのグラブを無理やりこじ開け、ボールを奪い取る行為が行われた。この行為を行なった2人のヤンキースファンは退場処分となり、翌日の試合も入場禁止となっている。(後にメジャー全球場で無期限の追放処分となる)

試合後のインタビューでベッツは観客に守備を妨害された件について聞かれ「俺たちは試合に負けた。俺は大丈夫だし、彼も無事だった。全て問題ないよ。明日に向けて準備するだけだ」と語った。

ゲーム5 5点差を逆転しての勝利!

序盤はヤンキース優位 ジャッジ目覚める

1回の裏のヤンキースは1アウト1塁でバッターはジャッジ。初球を右中間スタンドへ先制の2ランホームラン。

この試合まで15打数2安打と絶不調の眠れる大砲に待望の一発が飛び出した。続くチザムJr.にもホームランが飛び出し3-0とヤンキースがリードを奪う。

2回裏の3塁にボルピーを置いて、ヴァードゥーゴの打球を前身守備のセカンド、ラックスが捕れずにライトへのタイムリーとなりヤンキースが4-0とリードを広げた。

ドジャースはフラハティを諦めバンダに交代。フラハティは1.1イニングで2本のホームランを浴びて4失点と乱調だった。

3回裏のヤンキースの攻撃はスタントンにポストシーズン7本目のホームランが飛び出し、5-0とヤンキースがさらにリードを広げた。

ドジャースの反撃 5点差をひっくり返す逆転劇!

ドジャースはここまでヤンキース先発のコールの前に得点ができず、迎えた5回表、先頭のキケ・ヘルナンデスがヒットで出塁。続くエドマンのあたりをセンターのジャッジが落球。

さらにスミスはショートへのゴロ。これをショートのボルピーはサードに送球するがチザムJr.が捕球できず、ノーアウト満塁となる。この場面でラックス、大谷が連続三振。

続くベッツはファーストへの緩いゴロ、このあたりにコールがファーストベースカバーに入らずに1塁セーフとなりドジャースが1点を返す。続くフリーマンはセンターへの2点タイムリーで3-5。さらにテオスカー・ヘルナンデスがセンターへの2点タイムリーを放ってドジャースがこの回に一挙5得点。ヤンキースは守備の乱れもあり5点リードを守りきれずに同点に追いつかれた。

6回の裏、ヤンキースの攻撃はスタントンがセンターへ犠牲フライを放ち6-5と勝ち越しに成功。

8回の表、ドジャースはケインリーを攻め、ノーアウト満塁。ここでラックスがセンターへ犠牲フライを放ち6-6の同点に追いつく。続く大谷は打撃妨害で出塁するとベッツがセンターへ犠牲フライ。ドジャースが7-6と逆転に成功。

8回の裏のヤンキースは1アウトからジャッジが2ベース、チザムのフォアボールで1塁・2塁とする。しかし後続が続かずに無得点。

9回裏、ドジャースのマウンドにはビューラーが上がり、ボルピーをサードゴロ、ウェルズ、ヴァードゥーゴを連続三振に打ち取って試合終了。ドジャースに歓喜の瞬間が訪れた。

ワールドシリーズの試合で5回以降で5点差以上付けられている状態から逆転勝ちしたのはこの試合で5例目。

優勝が決まった試合での5点差以上からの逆転勝利は史上初となり、劇的な逆転劇での優勝決定となった。

ワールドシリーズの総括

ドジャース投手陣

ドジャースは懸念されていた先発投手陣でしたが、ゲーム1のフラハティが5.1イニングを2失点。ゲーム2の山本が6.1イニングを1失点。ゲーム3のビューラーが5イニングを無失点と好投。

ブルペン陣も疲れの見えたコペック、トライネンが失点を許す場面があったが、大崩れすることはなく、ロースターに復帰したベシアが4試合に登板して2.2イニングを被安打1、無失点と見事なリリーフ。

レギュラーシーズン終盤からブルペン陣の活躍が目出ち、ポストシーズンではブルペンデイでの負け試合でも勝ち継投の温存に成功。ロバーツ監督の投手の代え時も良く、ブルペン運用が上手く行っていた印象です。

ドジャース野手陣

打撃陣はシーズン終盤に足首を負傷し、NLDS・NLCSでは長打のなかったフリーマンに4試合連続のホームランと1本の3ベース。打点12、長打率1.000、OPS1.364と、まさにシリーズMVPの大活躍。

またNLDSのMVP、エドマンは打率.294、ホームラン1本、OPS.988と引き続き好調。またNLDSの序盤ではあたりの止まっていたテオスカー・ヘルナンデスは打率.350、ホームラン1本、4打点、OPS.931と攻撃陣を牽引。

ドジャースは通年、打撃陣が好調、ポストシーズンでもその打撃力は健在。各シリーズで絶好調な選手が打線を牽引していて、勝負所での集中打や長打が出たのが印象的でした。

ヤンキース投手陣

ヤンキース投手陣はエースのコールが2試合登板し、12.2イニング、防御率0.71、自責点1、10奪三振、WHIP0.947と見事な投球を見せましたが、ロドン、シュミット、ルイス・ヒルは試合を作ることが出来ず。

ブルペン陣はホームズが全5試合に登板し被安打1、無失点、WHIP0.692。ウィーバーが4試合で被安打1、無失点、WHIP0.400、ライターJr.も4試合で被安打1、無失点、WHIP1.000、ティム・ヒルが3試合で被安打1、無失点、WHIP0.75とALCSから引き続き大車輪の活躍を見せました。

ヤンキース打撃陣

一方のヤンキースはジャッジがゲーム4から復調が見られましたが、ゲーム4開始前までに打率.140、OPS.580、7三振と絶不調。

ワールドシリーズ全試合でトップバッターを務めたトーレスも打率.143、OPS.583。ALCSでは好調だったリゾも.125、OPS.489と精彩を欠いた。

ヤンキースはゲーム4の最終打席からジャッジの復調が見られ、ここから巻き返しと行きたいところから、ゲーム5の5回表に守備の綻びから大量失点を許してしまい、一時は勝ち越すも逆転負けを喫するという痛恨の展開となりました。

最後に

今シーズンのドジャースはオフシーズンの戦力補強で話題の中心となり、韓国での開幕戦の勝利から始まり、ワールドシリーズ制覇で幕を閉じたので、2024年シーズンはドジャースの年だったと言っても過言ではないのでしょうか。

2024年シーズンはワールドシリーズ終了でオフシーズンに入り、各アワードの発表やFA市場が活発になっていきますので今後も注目です。

最後までご覧いただきありがとうございました。

皆さんの今シーズンの感想をコメント欄でお待ちしていますのでよろしくお願いします。

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