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こんにちは、Chanです。
近年、多くの日本人メジャーリーガーの活躍により、MLBを見る方も増えています。
「MLBに贔屓チームを持ちたい。」
「MLBは30チームもあるし、調べるのは大変。」そう思っている方も多いのではないでしょうか。
私は2001年から20年以上のMLBファン歴があります。
当ブログではMLBに興味を持ち始めた初心者の方から、すでにMLBファンの方にまでMLBの全30球団を紹介しています。
今回はナショナル・リーグ中地区から、ピッツバーグ・パイレーツをご紹介します。
本記事ではパイレーツの球団概要から歴史、過去の名選手や日本人選手、2024年シーズンの成績、注目のプロスペクトまで網羅的に解説します。
この記事を読んでMLBのチームにさらに興味を持っていただけると幸いです。
ピッツバーグ・パイレーツとは

パイレーツの球団概要
- 創設: 1882年(ピッツバーグ・アレゲニーズとして創設)
- 本拠地: ペンシルベニア州ピッツバーグ
- ホーム球場: PNCパーク
- 所属リーグ: ナショナル(National League)
- 地区: ナ・リーグ中地区(NL MIDDLE )
- オーナー: ロバート・ナッティング
- 監督: デレク・シェルトン
- チーム名の由来: 他チームの有力選手の引き抜きを行ったことを「盗人行為」と揶揄され、当時のオーナーが開き直って「パイレーツ(海賊・略奪者)」と名乗ったことが由来という説があります。
- ワールドシリーズ優勝5回(1909年、1925年、1960年、1971年、1979年)
- リーグ優勝9回(1901年、1902年、1903年、1909年、1925年、1927年、1960年、1971年、1979年)
- 地区優勝9回(1970年、1971年、1972年、1974年、1975年、1979年、1990年、1991年、1992年)
- ワイルドカード3回(2013年、2014年、2015年)
参考: Wikipedia
パイレーツの歴史

創設と黄金期(1882年〜1929年)
1882年、ピッツバーグ・アレゲニーズとして創設、アメリカン・アソシエーションに加盟。
1887年、ナショナル・リーグに移籍。
1891年、「ピッツバーグ・パイレーツ」に改称。
1901年に初のリーグ優勝を達成すると、1903年までリーグ3連覇。1909年にはデトロイト・タイガースを破り、初のワールドシリーズ制覇を達成します。
1925年には2度目のワールドシリーズ制覇を達成し、1927年にもリーグ優勝を達成するなど、1920年代まで黄金期を築きます。
低迷期と復活(1930年〜1979年)
1930年代に入るとチームは長い低迷期に入ります。
しかし1950年代後半になると、名二塁手ビル・マゼロスキー、スター外野手ロベルト・クレメンテらが台頭します。
すると1960年、マゼロスキーの活躍もあり、1927年のワールドシリーズで敗れたヤンキースを下し、3度目のワールドシリーズ制覇を達成します。
さらに1971年には4度目のワールドシリーズ制覇を達成。ロベルト・クレメンテがワールドシリーズMVPを受賞する活躍を見せます。
しかし、翌年の1972年ロベルト・クレメンテが飛行機事故により急逝。クレメンテの背番号「21」が永久欠番となります。
1979年には5度目のワールドシリーズ制覇を達成。現時点では最後のワールドシリーズ制覇となり、リーグ優勝もこれ以降遠ざかっています。
1980年代から現在
1980年代はポストシーズン進出はありませんでしたが、バリー・ボンズらが台頭すると、1990年から1992年にかけて地区3連覇を達成。
しかし1992年の地区優勝を最後に、翌1993年から2012年にかけて20年連続で勝率5割以下と長くチームは低迷します。
2013年に21年ぶりのポストシーズン進出を果たすと、2015年まで3年連続でポストシーズン に進出します。
チームはそれ以降、10年間ポストシーズン進出はありませんが、投手を中心に若手選手が台頭してきており、チームの再建を図っています。
過去に所属した主な名選手
- ビル・マゼロスキー(2B)
ゴールドグラブ賞8回の守備の名手。1960年のワールドシリーズ最終戦でサヨナラホームランを放つ活躍を見せ、ワールドシリーズ優勝に貢献。2001年にベテランズ委員会の選考によりアメリカ野球殿堂入り。
- ロベルト・クレメンテ(OF)
ヒスパニック系メジャーリーガーの先駆者で史上最高の外野手の一人。1972年に事故で他界。1973年にアメリカ野球殿堂入り。慈善活動を積極的に行っていたこともあり、慈善活動を行ったメジャーリーガーへの功労賞は「ロベルト・クレメンテ賞」と称されています。
- バリー・ボンズ(OF)
MLB歴代最多本塁打記録保持者(通算762本)。1990年代前半にパイレーツのスター選手として活躍。
- アンドリュー・マカッチェン(OF)
2010年代のスタープレイヤー。2013年にはシーズンMVP受賞。2023年にパイレーツに復帰し話題となった。
過去に所属した日本人選手
パイレーツには過去4人の日本人選手が所属していました。
- 桑田真澄(2007年)
登板 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 三振 | 防御率 |
19 | 0 | 1 | 21.0 | 12 | 9.43 |
- 岩村明憲(2010年)
試合 | 打席 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 |
54 | 193 | .182 | 2 | 9 | 3 |
- 高橋尚成(2012年)
登板 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 三振 | 防御率 |
9 | 0 | 0 | 8.1 | 11 | 8.64 |
- 筒香嘉智(2021〜2022年)
試合 | 打席 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 |
93 | 337 | .212 | 10 | 44 | 0 |
パイレーツの2024年シーズンの成績

チーム戦績
勝利 | 敗戦 | 勝率 | 順位 | 最終戦績 |
76 | 86 | .469 | 地区5位 | 地区5位 |
勝率5割を割り、地区最下位となりました。
打撃成績
試合数 | 得点 | 平均得点 | HR | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
162 | 665 | 4.10 | 160 | 106 | .234 | .301 | .371 | .672 |
得点数24位、チームHR数25位、チームOPS27位といずれも下位で、得点力不足に悩まされました。
投手成績
イニング数 | 平均失点 | 防御率 | 四球 | 失点 | 自責点 |
1438.2 | 4.56 | 4.15 | 515 | 739 | 664 |
チーム防御率や失点数はリーグ平均以下ですが、最下位チームとしてはさほど悪くない成績でした。
野手成績
名前(ポジション) | 年齢 | 試合 | 打席 | HR | 盗塁 | 打率 | OPS | wRC+ | rWAR |
ヤズマニ・グランダル(C) | 35 | 72 | 243 | 9 | 1 | .228 | .704 | 95 | 0.6 |
ローディ・テレズ(1B) | 29 | 131 | 421 | 13 | 1 | .243 | .691 | 90 | -0.4 |
ニック・ゴンザレス(2B) | 25 | 94 | 387 | 7 | 5 | .270 | .709 | 94 | 0.9 |
オニール・クルーズ(SS) | 25 | 146 | 599 | 21 | 22 | .259 | .773 | 110 | 2.5 |
キーブライアン・ヘイズ(3B) | 27 | 96 | 396 | 4 | 11 | .233 | .573 | 59 | 0.8 |
ブライアン・レイノルズ(LF) | 29 | 156 | 692 | 24 | 10 | .275 | .791 | 118 | 3.6 |
マイケル・A・テイラー(CF) | 33 | 113 | 300 | 5 | 12 | .193 | .543 | 50 | 0.9 |
ブライアン・デラクルーズ(RF) | 27 | 44 | 168 | 3 | 2 | .200 | .514 | 37 | -1.2 |
アンドリュー・マカッチェン(DH) | 37 | 120 | 515 | 20 | 3 | .232 | .739 | 105 | 0.8 |
ジョーイ・バート(C) | 27 | 80 | 282 | 13 | 0 | .265 | .799 | 121 | 2.2 |
ジャレッド・トリオーロ(IF) | 26 | 125 | 446 | 9 | 8 | .216 | .611 | 72 | 1.3 |
コナー・ジョー(UT) | 31 | 123 | 416 | 9 | 2 | .228 | .688 | 93 | 0.6 |
チームの主力、ブライアン・レイノルズで昨シーズン、156試合に出場し、打率.279、ホームラン24本、10盗塁、OPS.791、rWAR3.6を記録。
2023年は開幕直後の試合でホーム突入の際、相手捕手と交錯し左足首の腓骨を骨折し、ほぼシーズン全休となったオニール・クルーズがショートとして復帰。146試合に出場し、打率259、ホームラン21本、22盗塁、OPS.773、rWAR2.5を記録しました。
また2023年にチームに復帰したアンドリュー・マカッチェンは3年ぶりにホームラン20本を記録。Hard-Hit%は下降するも、Barrel%が12.0%と前年から5.2%上昇し、キャリアで最も高い数値となりました。
またボール球スイング率であるchase%は17.2%と依然トップクラスで、ボール球の見極めも出来ています。このまま40歳を目指して現役を続けてもらいたいものです。
選手紹介で使用している各指標についてはこちらの記事で解説しています。
投手成績
先発投手
名前(役割) | 年齢 | 登板 | 投球回 | 勝 | 敗戦 | 奪三振 | WHIP | 防御率 | FIP | rWAR |
ミッチ・ケラー(SP) | 28 | 31 | 178.0 | 11 | 12 | 166 | 1.303 | 4.25 | 4.08 | 2.0 |
ベイリー・フォルター(SP) | 23 | 28 | 142.1 | 8 | 9 | 97 | 1.286 | 4.43 | 4.30 | 1.7 |
ポール・スキーンズ(SP) | 22 | 23 | 133.0 | 11 | 3 | 170 | 0.947 | 1.96 | 2.44 | 5.9 |
ジャレッド・ジョーンズ(SP) | 22 | 22 | 121.2 | 6 | 8 | 132 | 1.192 | 4.14 | 4.00 | 1.8 |
マーティン・ペレズ(SP) | 33 | 16 | 83.0 | 2 | 5 | 63 | 1.651 | 5.20 | 4.95 | -0.1 |
ルイス・オーティズ(SP) | 25 | 37 | 135.2 | 7 | 6 | 107 | 1.113 | 3.32 | 4.25 | 3.0 |
2024年シーズン、ルーキーながらパイレーツのエースとなったのは2023年のドラフト全体1位指名のポール・スキーンズです。
かつてアマチュア最高投手と呼ばれたスティーブン・ストラスバーグ以来の逸材と言われ、2024年はその名に恥じない圧巻のパフォーマンスを見せ、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞、サイ・ヤング投票3位となり、オールスターにも選出されました。
スキーンズは投球全体の39%を占める平均98.8マイルの4シームと、28%を占める平均94.0マイルのシンカーを軸にカーブ11%、スウィーパー10%、スライダー6%、チェンジアップ5%のコンビネーションで奪三振率が33.1%、GB率52.3 %と、三振とゴロを量産しました。
来シーズンはサイ・ヤング賞候補の筆頭となることが予想されます。
もう1人、先発投手をご紹介します。2024年にデビューしたジャレッド・ジョーンズも平均97.3マイルの4シームと88.8マイルのスライダーを軸にカーブ、チェンジアップで投球を組み立てる23歳の若手有望株の1人です。
スキーンズとジョーンズは今後パイレーツの先発2本柱として、チーム再建の中心選手となる存在です。
ブルペン投手
名前(役割) | 年齢 | 登板 | イニング | 勝 | 敗 | セーブ | 奪三振 | 防御率 | FIP | WHIP | rWAR |
デイビッド・ベドナー(CL) | 29 | 62 | 57.2 | 3 | 8 | 23 | 58 | 5.77 | 4.80 | 1.422 | -0.9 |
アロディス・チャップマン(RP) | 36 | 68 | 61.2 | 5 | 5 | 14 | 98 | 3.79 | 3.04 | 1.346 | 0.4 |
カイル・ニコラス(RP) | 25 | 51 | 54.2 | 2 | 2 | 0 | 55 | 3.95 | 4.03 | 1.500 | 0.2 |
コリン・ホルダーマン(RP) | 28 | 55 | 51.1 | 3 | 6 | 0 | 56 | 3.16 | 4.26 | 1.305 | 0.7 |
カーメン・マジンスキー(RP) | 25 | 40 | 50.2 | 5 | 5 | 0 | 46 | 3.38 | 3.36 | 1.184 | 0.8 |
クローザーのベドナーは66試合に登板し防御率5.77、WHIP1.47と大きくパフォーマンスを落としました。
不振の要因は4シームの指標が大きく悪化。4シームの被wOBAは.377と高く、奪三振率が前年の29.1 %から18.4 %と大幅に悪化してしまいました。
2025年シーズンはバウンスバックに期待がかかります。
2025年シーズンに向けて

予想ラインナップ
スタメン
ポジション | 名前 | 年齢 | 打席 |
レフト | トミー・ファム | 37 | 右 |
ライト | ブライアン・レイノルズ | 30 | 両 |
センター | オニール・クルーズ | 26 | 左 |
DH | アンドリュー・マカッチェン | 38 | 右 |
キャッチャー | ジョーイ・バート | 28 | 右 |
ファースト | デリック・ホール | 29 | 左 |
セカンド | ニック・ゴンザレス | 25 | 右 |
サード | キーブライアン・ヘイズ | 28 | 右 |
ショート | アイザイア・カイナーファレファ | 29 | 右 |
ベンチメンバー
ポジション | 名前 | 年齢 | 打席 |
キャッチャー | エンディ・ロドリゲス | 24 | 両 |
内野 | ジャレッド・トリオーロ | 27 | 右 |
ユーティリティ | アダム・フレイジャー | 33 | 左 |
外野 | ジョシュア・パラシオス | 29 | 左 |
来シーズンはクルーズがフルタイムでセンターを守ることとなり、打撃成績の向上に期待がかかります。
FanGraghsの開幕スタメン予想によると、今シーズンから加入のファムが1番レフトで起用となっていますが、少し心許ない気がします。
本来であればレフトにはスゥインスキーが入り、2023年のようなパフォーマンスができれば、外野陣は平均以上のレベルとなります。
さらに来シーズンで38歳となるマカッチェンが今シーズンと同程度のパフォーマンスを発揮できると、上位打線は平均以上を見込めそうです。
先発ローテーション
役割 | 名前 | 年齢 | 投 |
先発1 | ポール・スキーンズ | 22 | 右 |
先発2 | ミッチ・ケラー | 28 | 右 |
先発3 | ジャレッド・ジョーンズ | 23 | 右 |
先発4 | アンドリュー・ヒーニー | 33 | 左 |
先発5 | ベイリー・フォルター | 27 | 左 |
ブルペン投手
役割 | 名前 | 年齢 | 投 |
クローザー | デイビッド・べドナー | 30 | 右 |
セットアッパー | デニス・サンタナ | 28 | 右 |
セットアッパー | コリン・ホルダーマン | 29 | 右 |
リリーフ | カーメン・マジンスキー | 26 | 右 |
リリーフ | ケイレブ・ファーガソン | 28 | 左 |
リリーフ | カイル・ニコラス | 26 | 右 |
リリーフ | ティム・メイザ | 33 | 左 |
先発ローテーションはスキーンズを軸に、ケラー、ジョーンズ、レンジャーズから加入のアンドリュー・ヒーニーが基本のローテーションとなります。
昨シーズン28試合に登板し、142イニングを投げたフォルターが先発5番手にいるので、ローテションは悪くない布陣と言えます。
予想ラインナップ・ベンチメンバー・先発ローテーションの引用:FanGraphs
パイレーツのプロスペクト

パイレーツにはMLB Pipelineのプロスペクトランキングトップ100に入る選手が4人います。
名前(ポジション) | 年齢 | プロスペクトランク順位 |
ババ・チャンドラー(RHP) | 22 | 15 |
コナー・グリフィン(2B/SS) | 18 | 43 |
トーマス・ハリントン(RHP) | 23 | 80 |
タマー・ジョンソン(2B/SS) | 20 | 83 |
- ババ・チャンドラー
NEW 2025 PIRATES TOP 10 PROSPECTS 🚨
— Baseball America (@BaseballAmerica) November 14, 2024
Bubba Chandler has the stuff to set his sights on the top of the big league rotation alongside Paul Skenes.
See Pittsburgh's top prospects, new scouting reports & more:https://t.co/0xrIBMFCyS pic.twitter.com/hNvwH4glRB
2021年のドラフト全体72位指名。
高校時代は投打の二刀流のみならず、アメフト、バスケもプレイしている抜群の運動能力を備える逸材です。
2023年から投手に専念し、2024年はAAとAAAで26試合に登板、119.2イニングで148奪三振。奪三振率は30.9 %と高い奪三振能力を誇ります。
また課題の制球力も改善してきていて、2024年の与四球率は8.6 %となっています。
最大の武器は平均96.8マイルを記録した4シームで、スカウティンググレードでは70評価。
近い将来、スキーンズ、ジョーンズ、チャンドラーの剛腕三本柱が見られそうです。
ランキング引用:MLB.com Prospect Rankings2025
成績引用:Baseball Reference, FanGraphs
まとめ
ピッツバーグ・パイレーツは1882年に創設されたMLBでも長い歴史を持つチームの一つです。
2024年終了時点でリーグチャンピオンシップから最も遠ざかっているチームとなっていて、ポストシーズン進出も2015年以来、10年遠ざかっています。
ポール・スキーンズというリーグ屈指の好投手が誕生し、マイナーにもプロスペクトが控えていますので、打線が強化されれば十分コンテンダーとなるポテンシャルを持っています。
スキーンズを中心に若い先発投手王国がつくられつつあるパイレーツに注目してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の記事が参考になれば幸いです。
チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference

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