こんにちは、Chanです。
近年、多くの日本人メジャーリーガーの活躍によりMLBを観る方が増えていると思います。
当ブログでは、MLB初心者の方向けにMLBの全30チームを紹介しています。
MLBを見始めたけど、色々なチームのことを知りたい!と言う方。MLBに贔屓チームを作りたい方。是非記事を読んでいただきその一助になれば幸いです。
今回はナショナル・リーグ中地区からピッズバーグ・パイレーツをご紹介します!
ピッズバーグ・パイレーツとは

球団概要
- 創設: 1882年(創設時はピッズバーグ・アレゲニーズ)
- 本拠地: ペンシルベニア州ピッズバーグ
- ホーム球場: PNCパーク
- 所属リーグ: ナショナル(National League)
- 地区: ナ・リーグ中地区(NL MIDDLE )
- オーナー: ロバート・ナッティング
- チーム名の由来: 他チームの有力選手の引き抜きを行ったことを「盗人行為」と揶揄され、当時のオーナーが開き直って「パイレーツ(海賊・略奪者)」と名乗ったことから。
- ワールドシリーズ優勝5回(1909年、1925年、1960年、1971年、1979年)
- リーグ優勝9回(1901年、1902年、1903年、1909年、1925年、1927年、1960年、1971年、1979年)
- 地区優勝9回(1970年、1971年、1972年、1974年、1975年、1979年、1990年、1991年、1992年)
- ワイルドカード3回(2013年、2014年、2015年)
参考: Wikipedia
球団の歴史
球団創設と黄金期(1882年〜1929年)
1882年、ピッズバーグ・アレゲニーズとして創設、アメリカン・アソシエーションに加盟。
1887年、ナショナル・リーグに移籍。
1891年、「ピッズバーグ・パイレーツ」に改称。
1901年に初のリーグ優勝を達成すると1903年までリーグ3連覇。1909年にはデトロイト・タイガースを破り初のワールドシリーズ制覇を達成します。
1925年には2度目のワールドシリーズ制覇を達成し、1927年にもリーグ優勝を達成するなど、1920年代まで黄金期を築きます。
低迷期と復活(1930年〜1979年)
1930年代に入るとチームは長い低迷期に入ります。
しかし1950年代後半になると、名二塁手ビル・マゼロスキー、スター外野手ロベルト・クレメンテらが台頭します。
すると1960年にはマゼロスキーの活躍もあり、1927年のワールドシリーズでは敗れたヤンキースを下し、3度目のワールドシリーズ制覇を達成します。
さらに1971年には4度目のワールドシリーズ制覇を達成。ロベルト・クレメンテがワールドシリーズMVPを受賞する活躍を見せます。
しかし、翌年の1972年ロベルト・クレメンテが飛行機事故により急逝。背番号「21」が永久欠番となります。
1979年には5度目のワールドシリーズ制覇を達成。現時点では最後のワールドシリーズ制覇となり、リーグ優勝もこれ以降遠ざかっています。
1980年〜現在
1980年代にはポストシーズン進出はありませんでしたが、バリー・ボンズらが台頭すると1990年から1992年にかけて地区3連覇を達成。
しかし92年の地区優勝を最後に翌93年から2012年にかけて20年連続の勝率5割以下と長くチームは低迷します。
2013年に21年ぶりのポストシーズン進出を果たすと3年連続でポストシーズン に進出します。
チームはそれ以降10年間ポストシーズン進出はありませんが、投手を中心に若手選手が台頭してきており、チームの再建を図っています。
主な所属選手
- ビル・マゼロスキー(2B)
ゴールドグラブ賞8回の守備の名手。ワールドシリーズでサヨナラホームランを放つ。2001年にベテランズ委員会の選考によりアメリカ野球殿堂入り。
- ロベルト・クレメンテ(OF)
史上最高の外野手の一人。1972年に事故で他界後。1973年にアメリカ野球殿堂入り。人道的活動でも知られる。
- バリー・ボンズ(OF)
MLB歴代最多本塁打記録保持者(通算762本)。1990年代前半にパイレーツのスター選手として活躍。
- アンドリュー・マカッチェン(OF)
2010年代のスタープレイヤー。2013年にはMVP受賞。23年にパイレーツに復帰し話題となった。
過去に所属した日本人選手
パイレーツには過去4人の日本人選手が所属していました。
- 桑田真澄(2007年)
登板 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 三振 | 防御率 |
19 | 0 | 1 | 21.0 | 12 | 9.43 |
- 岩村明憲(2010年)
試合 | 打席 | 打率 | ホームラン | 打点 | 盗塁 |
54 | 193 | .182 | 2 | 9 | 3 |
- 高橋尚成(2012年)
登板 | 勝利 | 敗戦 | イニング | 三振 | 防御率 |
9 | 0 | 0 | 8.1 | 11 | 8.64 |
- 筒香嘉智(2021〜2022年)
試合 | 打席 | 打率 | ホームラン | 打点 | 盗塁 |
93 | 337 | .212 | 10 | 44 | 0 |
2024年シーズンの成績

チーム戦績
勝利 | 敗戦 | 勝率 | 順位 | 最終戦績 |
76 | 86 | .469 | 地区5位 | 地区5位 |
打撃成績
試合数 | 得点 | 平均得点 | HR | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
162 | 665 | 4.10 | 160 | 106 | .234 | .301 | .371 | .672 |
投手成績
イニング数 | 平均失点 | 防御率 | 四球 | 失点 | 自責点 |
1438.2 | 4.56 | 4.15 | 515 | 739 | 664 |
野手成績
名前(ポジション) | 年齢 | 試合 | 打席 | HR | 盗塁 | 打率 | OPS | wRC+ | rWAR |
ヤズマニ・グランダル(C) | 35 | 72 | 243 | 9 | 1 | .228 | .704 | 95 | 0.6 |
ローディ・テレズ(1B) | 29 | 131 | 421 | 13 | 1 | .243 | .691 | 90 | -0.4 |
ニック・ゴンザレス(2B) | 25 | 94 | 387 | 7 | 5 | .270 | .709 | 94 | 0.9 |
オニール・クルーズ(SS) | 25 | 146 | 599 | 21 | 22 | .259 | .773 | 110 | 2.5 |
キーブライアン・ヘイズ(3B) | 27 | 96 | 396 | 4 | 11 | .233 | .573 | 59 | 0.8 |
ブライアン・レイノルズ(LF) | 29 | 156 | 692 | 24 | 10 | .275 | .791 | 118 | 3.6 |
マイケル・A・テイラー(CF) | 33 | 113 | 300 | 5 | 12 | .193 | .543 | 50 | 0.9 |
ブライアン・デラクルーズ(RF) | 27 | 44 | 168 | 3 | 2 | .200 | .514 | 37 | -1.2 |
アンドリュー・マカッチェン(DH) | 37 | 120 | 515 | 20 | 3 | .232 | .739 | 105 | 0.8 |
ジョーイ・バート(C) | 27 | 80 | 282 | 13 | 0 | .265 | .799 | 121 | 2.2 |
ジャレッド・トリオーロ(IF) | 26 | 125 | 446 | 9 | 8 | .216 | .611 | 1.3 | |
コナー・ジョー(UT) | 31 | 123 | 416 | 9 | 2 | .228 | .688 | 0.6 |
得点数24位、チームHR数25位、チームOPS27位となっています。
チームの主力はブライアン・レイノルズで昨年は156試合に出場し、打率.279、HR24本、10盗塁、OPS.791、rWAR3.6を記録。
そして23年は開幕直後の試合でホーム突入の際、相手捕手と交錯し左足首の腓骨を骨折し、ほぼ全休となったオニール・クルーズがショートとして復帰し、146試合に出場し打率259、HR21本、22盗塁、OPS.773 、rWAR2.5を記録しました。
また23年に復帰したベテラン、アンドリュー・マカッチェンは3年ぶりに20HRを記録。HardHit%は下降するも、Barrel%が12.0%と前年から5.2%上昇しキャリアで最も高い数値となりました。
またボール球スイング率であるchase%は17.2%と依然トップクラスで、ボール球の見極めも出来ているので40歳を目指してプレーしてほしいものです。
投手成績
名前(役割) | 年齢 | 登板 | 投球回 | 勝 | 敗戦 | 奪三振 | WHIP | 防御率 | FIP | rWAR |
ミッチ・ケラー(SP) | 28 | 31 | 178.0 | 11 | 12 | 166 | 1.303 | 4.25 | 4.08 | 2.0 |
ベイリー・フォルター(SP) | 23 | 28 | 142.1 | 8 | 9 | 97 | 1.286 | 4.43 | 4.30 | 1.7 |
ポール・スキーンズ(SP) | 22 | 23 | 133.0 | 11 | 3 | 170 | 0.947 | 1.96 | 2.44 | 5.9 |
ジャレッド・ジョーンズ(SP) | 22 | 22 | 121.2 | 6 | 8 | 132 | 1.192 | 4.14 | 4.00 | 1.8 |
マーティン・ペレズ(SP) | 33 | 16 | 83.0 | 2 | 5 | 63 | 1.651 | 5.20 | 4.95 | -0.1 |
ルイス・オーティズ(SP) | 25 | 37 | 135.2 | 7 | 6 | 107 | 1.113 | 3.32 | 4.25 | 3.0 |
名前(役割) | 年齢 | 登板 | イニング | 勝 | 敗 | セーブ | 奪三振 | 防御率 | FIP | WHIP | rWAR |
デイビッド・ベドナー(CL) | 29 | 62 | 57.2 | 3 | 8 | 23 | 58 | 5.77 | 4.80 | 1.422 | -0.9 |
アロディス・チャップマン(RP) | 36 | 68 | 61.2 | 5 | 5 | 14 | 98 | 3.79 | 3.04 | 1.346 | 0.4 |
カイル・ニコラス(RP) | 25 | 51 | 54.2 | 2 | 2 | 0 | 55 | 3.95 | 4.03 | 1.500 | 0.2 |
コリン・ホルダーマン(RP) | 28 | 55 | 51.1 | 3 | 6 | 0 | 56 | 3.16 | 4.26 | 1.305 | 0.7 |
カーメン・マジンスキー(RP) | 25 | 40 | 50.2 | 5 | 5 | 0 | 46 | 3.38 | 3.36 | 1.184 | 0.8 |
先発投手の防御率は15位と全体でも中位につけており、三振と被安打以外も軒並み中間あたりです。
24年シーズン、ルーキーながらパイレーツのエースとなったのは23年のドラフト全体1位指名のポール・スキーンズです。
かつてアマチュア最高投手と呼ばれたスティーブン・ストラスバーグ以来の逸材と言われ24年はその名に恥じない圧巻のパフォーマンスを見せ、新人王、サイ・ヤング投票3位となり、オールスターにも選出されました。
スキーンズは投球全体の39%を占める平均98.8マイルの4シームと28%を占める平均94.0マイルのシンカーを軸にカーブ11%、スウィーパー10%、スライダー6%、チェンジアップ5%のコンビネーションでK %が33.1%、GB%52.3 %と三振とゴロの山を築きました。
来季はサイ・ヤング賞候補の筆頭の1人となる逸材です。
もう1人、24年にデビューしたジャレッド・ジョーンズも平均97.3マイルの4シームと88.8マイルのスライダーを軸にカーブ、チェンジアップで組み立てる23歳の若手有望株の1人です。
対してブルペン陣はK/9とHR/9以外が軒並み下位と課題があります。
特にクローザーのベドナーは66試合に登板し防御率5.77、WHIP1.47と成績を大きく落としました。
4シームの指標が大きく悪化し、被wOBAが.377と高く、K%が前年の29.1 %から18.4 %と大幅に悪化してしまいました。
2025シーズンに向けて

来季の予想ラインナップ
ポジション | 名前 | 年齢 | 打席 |
レフト | トミー・ファム | 37 | 右 |
ライト | ブライアン・レイノルズ | 30 | 両 |
センター | オニール・クルーズ | 26 | 左 |
DH | アンドリュー・マカッチェン | 38 | 右 |
キャッチャー | ジョーイ・バート | 28 | 右 |
ファースト | デリック・ホール | 29 | 左 |
セカンド | ニック・ゴンザレス | 25 | 右 |
サード | キーブライアン・ヘイズ | 28 | 右 |
ショート | アイザイア・カイナーファレファ | 29 | 右 |
ベンチメンバー
ポジション | 名前 | 年齢 | 打席 |
キャッチャー | エンディ・ロドリゲス | 24 | 両 |
内野 | ジャレッド・トリオーロ | 27 | 右 |
ユーティリティ | アダム・フレイジャー | 33 | 左 |
外野 | ジョシュア・パラシオス | 29 | 左 |
先発ローテーション
役割 | 名前 | 年齢 | 投 |
先発1 | ポール・スキーンズ | 22 | 右 |
先発2 | ミッチ・ケラー | 28 | 右 |
先発3 | ジャレッド・ジョーンズ | 23 | 右 |
先発4 | アンドリュー・ヒーニー | 33 | 左 |
先発5 | ベイリー・フォルター | 27 | 左 |
役割 | 名前 | 年齢 | 投 |
クローザー | デイビッド・べドナー | 30 | 右 |
セットアッパー | デニス・サンタナ | 28 | 右 |
セットアッパー | コリン・ホルダーマン | 29 | 右 |
リリーフ | カーメン・マジンスキー | 26 | 右 |
リリーフ | ケイレブ・ファーガソン | 28 | 左 |
リリーフ | カイル・ニコラス | 26 | 右 |
リリーフ | ティム・メイザ | 33 | 左 |
予想ラインナップ・ベンチメンバー・先発ローテーションの引用:FanGraphs
来季の攻撃陣
来季はクルーズがフルタイムでセンターを守ることとなり、打撃成績の向上に期待がかかります。
FanGraghsの開幕スタメン予想だと、今季から加入のファムがレフトで1番で起用となっていますが、少し心許ない気がします。
本来であればレフトにはスゥインスキーが入り、23年のような活躍ができれば外野陣は平均以上のレベルとなります。
さらに今季で38歳となるマカッチェンが今季と同程度のパフォーマンスを発揮できると上位打線は平均以上を見込めそうです。
セカンドのニック・ゴンザレスがブレイクするとあとの課題はファーストとサードになるでしょうか。
来季の投手陣
先発陣はスキーンズが軸となり、ケラー、ジョーンズと続き、レンジャーズから加入のアンドリュー・ヒーニーが4番手となります。
昨季28試合に登板し142イニングを投げたフォルターが5番手にいるので、ローテションはなかなかの布陣です。
プロスペクト
名前(ポジション) | 年齢 | プロスペクトランク順位 |
ババ・チャンドラー(RHP) | 22 | 15 |
コナー・グリフィン(2B/SS) | 18 | 43 |
トーマス・ハリントン(RHP) | 23 | 80 |
タマー・ジョンソン(2B/SS) | 20 | 83 |
- ババ・チャンドラー
21年のドラフト全体72位指名。
高校時代は投打の二刀流のみならず、アメフト、バスケもプレイしていて抜群の運動能力を備える逸材。
23年から投手に専念し、24年はAAとAAAで26試合に登板、119.2イニングで148奪三振。K%は30.9 %と高い奪三振能力を誇ります。
また課題の制球力も改善してきていて、24年のBB%は8.6 %となっています。
最大の武器は平均96.8マイルを記録したフォーシームで、スカウティンググレードでは70評価。
近い将来、スキーンズ、ジョーンズ、チャンドラーの剛腕三本柱が結成されることが期待されています。
NEW 2025 PIRATES TOP 10 PROSPECTS 🚨
— Baseball America (@BaseballAmerica) November 14, 2024
Bubba Chandler has the stuff to set his sights on the top of the big league rotation alongside Paul Skenes.
See Pittsburgh's top prospects, new scouting reports & more:https://t.co/0xrIBMFCyS pic.twitter.com/hNvwH4glRB
ランキング引用:MLB.com Prospect Rankings2025
成績引用:Baseball Reference, FanGraphs
まとめ
ピッズバーグ・パイレーツは1882年に創設されたMLBでも長い歴史を持つチームの一つです。
24年終了時点でリーグチャンピオンシップから最も遠ざかったチームとなっていて、ポストシーズン進出も2015年以来10年遠ざかっています。
長い再建機でポール・スキーンズというリーグ屈指の好投手が誕生し、マイナーにもプロスペクトが控えていますので、打線がもう少し強化されれば十分コンテンダーとなるポテンシャルを持っています。
スキーンズを中心に若い先発投手王国がつくられつつあるパイレーツに注目してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の記事が参考になれば、幸いです。
チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference

にほんブログ村
コメント