MLB全30球団紹介!アスレチックス編

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こんにちは、Chanです。

近年、多くの日本人メジャーリーガーの活躍により、MLBを見る方も増えています。

「MLBに贔屓チームを持ちたい。」

「MLBは30チームもあるし、調べるのは大変。」そう思っている方も多いのではないでしょうか。

私は2001年から20年以上のMLBファン歴があります。

当ブログではMLBに興味を持ち始めた初心者の方から、すでにMLBファンの方にまでMLBの全30球団を紹介しています。

今回はアメリカン・リーグ西地区から、アスレチックスをご紹介します。

本記事ではアスレチックスの球団概要から歴史、過去の名選手や日本人選手、2024年シーズンの成績、注目のプロスペクトまで網羅的に解説します。

この記事を読んでMLBのチームにさらに興味を持っていただけると幸いです。

アスレチックスの球団概要

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  • 創設: 1901年 (フィラデルフィア・アスレチックスとして創設)
  • 本拠地: 2028年のネバダ州ラスベガスへの移転までは暫定的にカリフォルニア州サクラメントを本拠地とする
  • ホーム球場: サター・ヘルス・パーク ※28年までの暫定本拠地
  • 所属リーグ: アメリカン・リーグ(American League)
  • 地区: ア・リーグ西地区(AL WEST)
  • 略称: ATH, A’s
  • オーナー: ルイス・ウルフ、ジョン・J・フィッシャー
  • 監督: マーク・コッツェイ
  • ワールドシリーズ優勝9回
  • リーグ優勝15回
  • 地区優勝17回
  • ワイルドカード4回

参考: Wikipedia

アスレチックスの歴史

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アスレチックスはワールドシリーズ優勝9回を誇るア・リーグの名門チームの一つです。

1901年、アメリカン・リーグの創設とともにペンシルベニア州・フィラデルフィアで誕生。その後、1955年にカンザスシティに移転し、1968年にオークランドへ移りました。

2028年にはラスベガスへの移転が決定しており、2025年からは暫定的にサクラメントに移転します。

それに伴い、今季からチーム名に地名を冠さないアスレッチックスの名称となっています。

フィラデルフィア・アスレチックス時代(1901年 〜1954年)

1901年、ア・リーグ創設とともにフィラデルフィア・アスレチックスとして誕生。

名将コニー・マックが監督を務め、1905年に初のワールドシリーズ制覇を達成。

1910年代に黄金期が到来。 1910年、1911年、1913年にワールドシリーズを制覇。エディ・コリンズフランク・ベーカーチーフ・ベンダーなどのスター選手が活躍します。

1920年代になると主力選手を手放し、チームは低迷期に入ります。

その後、 ジミー・フォックスアル・シモンズレフティ・グローブらの活躍で、1929年と1930年にワールドシリーズ連覇を達成。

1930年代後半から成績が低迷し、観客動員も減少。財政難から1954年シーズンを最後に球団を売却し、カンザスシティへの移転が決定します。

カンザスシティ・アスレチックス時代(1955年 〜1967年)

1955年、チームはカンザスシティに移転。

低迷期が続き、移転後は一度も勝ち越しシーズンがなく、プレーオフ進出もありませんでした。

当時のオーナー、アーノルド・ジョンソンはヤンキースと親密な関係を持ち、多くの有望選手をヤンキースにトレードしたため、「ヤンキースのファームチーム」と揶揄されることもありました。

1960年にチャーリー・O・フィンリーが球団を買収。独自の経営スタイルを展開し、1968年にオークランドへチームを移転します。

オークランド・アスレチックス時代(1968年 〜2024年)

オークランドに移転後、若手有望選手が育ち、1970年代前半に黄金期を迎えます。

1972年 – 1974年 ワールドシリーズ3連覇を達成。

レジー・ジャクソンキャットフィッシュ・ハンターロリ・フィンガーズビダ・ブルーが活躍。

フィンリーオーナーのユニークな経営方針で注目されます。

1980年代後半、GMサンディ・アルダーソンの下で「セイバーメトリクス」を活用し、戦力を強化。

1989年にはトニー・ラルーサ監督の下、 ワールドシリーズ制覇を達成。

主力選手はリッキー・ヘンダーソンマーク・マグワイアホセ・カンセコデニス・エカーズリー

「バッシュ・ブラザーズ(マグワイア&カンセコ)」の活躍で、サンフランシスコ・ジャイアンツとの「ベイエリアシリーズ」を制します。

マネーボールの導入とプレーオフの壁

2000年代初頭、GMビリー・ビーンが「マネーボール(統計分析による戦力強化)」を導入し、低予算ながら常勝チームを作り上げます。マネーボールは書籍化され、ブラッド・ピット主演で映画化もされました。

チームは低予算での編成ながらもミゲル・テハダバリー・ジトティム・ハドソンマーク・マルダーらの活躍で、20連勝を達成。

2000年代はプレーオフ常連となるも、ワールドシリーズには進出に手が届かない状況が続きます。

2012年 -〜2014年、若手主体で地区優勝を果たしますが、やはりポストシーズンで敗退。

2018年 〜2020年、復活し、プレーオフ進出を果たすも、またもや短期決戦の壁に阻まれます。

主力選手を次々と放出し、大規模な再建モードに突入。

近年の観客動員の低迷や球場問題から、チームはオークランドを離れ、ラスベガスへの移転が決定します。

2024年シーズンをもって、1968年から本拠地としていたオークランドでのシーズンを終了しました。

過去に所属した名選手

  • レジー・ジャクソン(OF)

アスレチックス時代にスター選手としての地位を築き、特に1972~1974年のワールドシリーズ3連覇に大きく貢献。後にヤンキースで「ミスター・オクトーバー」として活躍しますが、キャリアの礎を築いたのはアスレチックス時代でした。

オールスター選出6回(アスレチックス所属時)

1973年:ア・リーグMVP受賞

  • リッキー・ヘンダーソン(OF)

史上最高のリードオフマンとされ、通算1406盗塁のMLB記録保持者であり、その大部分をアスレチックスで達成しています。

1982年:シーズン130盗塁(MLB記録)

1990年:ア・リーグMVP

オールスター選出6回(アスレチックス所属時)

  • ホセ・カンセコ(OF)

マーク・マグワイアと共に「バッシュ・ブラザーズ」として強打者コンビを形成。特に1988年にはMLB史上初の「40-40」を達成。パワーとスピードを兼ね備えた選手として一時代を築きました。

1986年:ルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞

1988年:ア・リーグMVP

オールスター選出5回(アスレチックス所属時)

  • マーク・マグワイア(1B)

「バッシュ・ブラザーズ」としてカンセコと並び称される長距離砲。

ルーキーイヤーの49本塁打は当時の新人記録。後にカージナルスでシーズン70本塁打を放つが、アスレチックス時代からホームランバッターとしての才能を発揮していました。

1987年:ルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞

オールスター選出9回(アスレチックス所属時)

過去に所属した日本人選手

アスレチックスには過去5人の日本人選手が所属していました。2024年のインターナショナルFAで桐朋高校の森井翔太郎選手がアスレチックスと契約を結んでいます。

  • 藪恵壹(2005年)
登板勝利敗戦イニング三振防御率
404058.0444.50
  • 岩村明憲(2010年)
試合打席打率ホームラン打点盗塁
1036.129040
  • 松井秀喜(2011年)
試合打席打率ホームラン打点盗塁
141585.25112721
  • 岡島秀樹(2013年)
試合勝利敗戦イニング三振防御率
5108.112.25
  • 藤浪晋太郎(2023年)
試合勝利敗戦イニング三振防御率
345849.1518.57
  • 森井翔太郎(2025年〜)

アスレチックスの2024年シーズンの成績

チーム戦績

勝利敗戦勝率順位最終戦績
6993.426地区4位地区4位

打撃成績

試合数得点平均得点HR盗塁打率出塁率長打率OPS
1626433.9719698.233.301.400.694

投手成績

イニング数平均失点防御率四球失点自責点
1436.24.724.46530764698

野手成績

名前(ポジション)年齢試合打席HR盗塁打率OPSwRC+rWAR
シーア・ランゲリアーズ(C)26137534294.224.739109
2.9
タイラー・ソーダストーム(1B)226121390.233.7431140.5
ザック・ゲローフ(2B)241385471725.211.632821.4
マックス・シューマン(SS)27133459714.220.61985
0.8
エイブラム・トロ(3B)279436464.240.64387
0.6
ミゲル・アンドゥハー(LF)297531943.285.6971030.4
JJ・ブレデイ(CF)26159642202.243.7621202.1
ローレンス・バトラー(RF)231254512218.262.8071303.0
ブレント・ルッカー(DH)291456143911.293.927164
5.6
カイル・マッキャン(C)265415750.236.6901020.2
セス・ブラウン(1B)31124400144.231.66291-0.6
ジェイコブ・ウィルソン(SS)222810300.250.62986-0.2

若手中心の布陣の中、ローレンス・バトラーがブレイク。

Hard-Hit%の割合も上位でセンター方向への打球割合が最も多く、まだまだ進化が期待できそうです。

続くブレント・ルッカーは24年素晴らしいシーズンを送り、39HR、wRC+164、フルタイムのDHとしてはかなり高いWAR5.6をマーク。

アスレチックスの大砲として本格的に覚醒しました。

各選手紹介の際に使用している指標はこちらの記事で解説しています。

投手成績

先発投手

名前(役割)年齢登板投球回敗戦奪三振WHIP防御率FIPrWAR
JP・スピアーズ(SP)2832180.211131371.2234.384.712.3
ミッチ・スペンス(SP)2735151.18101261.3814.584.211.6
ジョーイ・エステス(SP)2225127.279   
92
1.2305.014.940.7
ロス・ストリップリング(SP)342285.1211491.5356.013.89-1.1
ホーゲン・ハリス(SP)272172.144611.3552.864.231.9
ジョー・ボイル(SP)241347.236561.7206.424.68-0.5

100イニング以上投げたのがJP・スピアーズ、ミッチ・スペンス、ジョーイ・エステスの3人のみと、先発陣は苦しい1年となりました。

ブルペン投手

名前(役割)年齢登板イニングセーブ奪三振防御率FIPWHIPrWAR
メイソン・ミラー(CL)255565.022281042.492.180.8772.4
タイラー・マクファーランド(RP)357956.2240393.813.821.2350.6
タイラー・ファーガソン(RP)304851.1422623.683.281.0910.7
オースティン・アダムス(RP)335641.1120533.924.471.4760.5
スコット・アレクサンダー(RP)344538.2130312.563.891.1901.2

24年のアスレチックスのブルペンでブレイクしたのは、クローザーのメイソン・ミラーです。

ミラーは平均100マイル超えのフォーシームと鋭く曲がるスライダーを軸に空振りと三振の山を築きました。

2025年シーズンに向けて

予想ラインナップ

スタメン野手

ポジション名前年齢打席
ライトローレンス・バトラー24
DHブレント・ルッカー30
センターJJ・ブレデイ27
キャッチャーシーア・ランゲリアーズ27
ファーストタイラー・ソーダストーム23
セカンドザック・ゲローフ25
レフトセス・ブラウン32
サードジオ・アーシェラ33
ショートジェイコブ・ウィルソン22

ベンチメンバー

ポジション名前年齢打席
キャッチャージョニー・ペレダ28
内野ルイス・ウリアス27
外野ミゲル・アンドゥハ30
外野エストゥリー・ルイーズ26

昨シーズン、DH部門でシルバースラッガー賞を獲得したブレント・ルッカーと5年の契約延長を発表。

3月には昨シーズン、ブレイクしたローレンス・バトラーと7年の契約延長を結びました。

4番のランゲリアーズまでwRC+の予測が110を上回り、上位打線はリーグ平均以上の予想となっています。

オフにはジオ・アーシェラを1年契約で獲得。

9番にはチームトッププロスペクトのジェイコブ・ウィルソンが入り、1番から9番まで全員wRC+100越えと、切れ目のない打線の予想となっています。

先発ローテーション

役割名前年齢
先発1ルイス・セベリーノ31
先発2ジェフリー・スプリングス32
先発3JP・スピアーズ29
先発4オズバルド・ビドー29
先発5ミッチ・スペンス26

ブルペン投手

役割名前年齢
クローザーメイソン・ミラー26
セットアッパーホセ・ルクラーク31
セットアッパータイラー・ファーガソン31
リリーフミシェル・オタネス27
リリーフTJ・マクファーランド35
リリーフグラント・ホールマン24
リリーフノア・マドロック26

昨シーズン、メッツで復活を遂げたルイス・セベリーノを3年6,700万ドルで獲得。

レイズからはジェフリー・スプリングスをトレードで獲得し、先発陣の強化に成功。

ブルペンでは、同地区のライバル、レンジャーズからホセ・ルクラークをセットアッパーとして獲得し、守護神メイソン・ミラーに繋げる役割を担うことになります。

予想ラインナップ・ベンチメンバー・先発ローテーションの引用:FanGraphs

アスレチックスのトッププロスペクト

アスレチックスにはMLB Pipelineのプロスペクトランキング100位以内に入る選手が2人います。

名前(ポジション)年齢プロスペクトランク順位
ジェイコブ・ウィルソン(SS)2231
ニック・カーツ(1B)2138
  • ジェイコブ・ウィルソン

2023年のドラフト全体6位指名。

コンタクト能力に長けており、2024年はマイナーで53試合に出場し、打率.433、wRC+200を叩き出し、メジャーにコールアップ。

ハードヒットの割合が低く、パワー不足な面があり、四球も少ないながら、課題も多く抱えていますが、まだ22歳と発展途上。

課題を克服し、成長を遂げてチームの中心選手となることが期待されます。

  • ニック・カーツ

2024年ドラフト全体4位指名。

卓越したパワーを持ち、マイナーでは12試合、50打席ながら打率.368、4HR、OPS1.283をマークするパフォーマンスを見せました。

選球眼もよく、四球率は24.0%を記録。

ファーストの守備も良く、将来は高い守備力を持つジム・トーミのような選手になることが期待されています。

ランキング引用:MLB.com Prospect Rankings2025

成績引用:Baseball Reference, FanGraphs

まとめ

アスレチックスは1901年のア・リーグ創設と共に誕生した歴史のあるチームの一つです。

創設からフィラデルフィア→カンザスシティ→オークランドと移転を繰り返し、24年シーズン終了を以って56年間本拠地としていたオークランドを去りました。

ラスベガスへの移転は新球場完成後の2028年となるため、今季から2027年までの3シーズンをサクラメントで暫定的な本拠地とすることとなっています。

アスレチックスは再建期ですが、野手を中心に若い選手が台頭してきています。

シーズン開幕前にブレント・ルッカーやローレンス・バトラーとの契約延長を決め、ラスベガス移転後にプレーオフを目指せるチーム作りを進めています。

また今オフ、国際FAでNPBを経由せずに森井翔太郎がアスレチックスと契約を交わしました。

今後は高校から直接MLBを目指す高校生も増えていきそうですね。

ラスベガス移転時には森井は22歳になっていますので、順調に育てばその頃にメジャーデビューということもありそうです。

ぜひ、新生アスレチックスの中心となるような選手になることを期待したいですね。

ア・リーグ西地区は黄金期を築いていたアストロズの勢いにも陰りが見え始めており、混戦となることが予想されます。

アスレチックスも近くプレーオフ進出のチャンスが出てくると思いますので、今季のアスレチックスに是非注目してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の記事が参考になれば、幸いです。

チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference

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