MLB全球団紹介!タンパベイ・レイズ編

MLB

こんにちは、Chanです。

近年、多くの日本人メジャーリーガーの活躍によりMLBを観る方が増えていると思います。

当ブログでは、MLB初心者の方向けにMLBの全30チームを紹介しています。

MLBを見始めたけど、色々なチームのことを知りたい!と言う方。MLBに贔屓チームを作りたい方。是非記事を読んでいただきその一助になれば幸いです。

今回はアメリカン・リーグ東地区からタンパベイ・レイズをご紹介します!

タンパベイ・レイズとは

球団概要

  • 創設: 1998年(創設時はデビルレイズ)
  • 本拠地: フロリダ州セントピーターズバーグ
  • ホーム球場: トロピカーナ・フィールド ※ハリケーンの被害により2025年シーズンはジョージ・M・スタインブレーナー・フィールドを暫定的な本拠地とする。
  • 所属リーグ: アメリカン・リーグ(American League)
  • 地区: ア・リーグ東地区(AL EAST)
  • オーナー: スチュアート・スターンバーグ
  • チーム名の由来: フロリダ湾に生息するイトマキエイ(デビル・レイ)が由来。2008年に現在のレイズに改称。レイズはエイの意味とフロリダ者の愛称「サンシャイン・ステート」にちなんでいます。
  • リーグ優勝2回(2008年、2020年)
  • 地区優勝4回(2008年、2010年、2020年、2021年)
  • ワイルドカード5回(2011年、2013年、2019年、2022年、2023年)

参考: Wikipedia

球団の歴史

球団創設!デビルレイズ時代(1998年〜2007年)

1998年のMLBエキスパンションに伴ってアリゾナ・ダイヤモンドバックスとともに創設されました。

チーム創設期は実績のあるベテラン選手を多く獲得しましたが、チーム成績は向上せず。

1999年にはホセ・カンセコ、ビニー・カスティーヤ、フレッド・マグリフらのベテランが加入。

しかし、毎年90敗以上を喫し、1998年~2002年はすべて地区最下位に終わります。

2003年、名将ルー・ピネラが監督に就任し、若手育成に力を入れ始めます。

2004年には70勝91敗で球団初の70勝を記録し、最下位を脱出します。ルーキーのカール・クロフォードが台頭し、走塁面で活躍を見せます。

しかし、2005年には再び最下位となり、ピネラ監督は2005年限りで退任します。

2006年、新監督にジョー・マドンが就任。若手中心のチームへ転換し、スコット・カズミアー、B.J.アップトン、ジェームズ・シールズ、エヴァン・ロンゴリアらを育成します。

しかし、2006年と2007年も最下位に終わり、球団創設から2007年までの10年間のチーム成績は、645勝972敗、勝率.425、地区最下位9回と低迷が続きました。

転換期となるレイズへのチーム名改称(2008年〜現在)

2007年オフ、球団名を「タンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)」に変更。

これまでの「デビル(悪魔)」のイメージを払拭し、光(Ray of Light)を象徴するポジティブなチーム名に変更します。

すると若手中心のチーム作りが開花します。エヴァン・ロンゴリア、B.J.アップトン、ジェームズ・シールズ、スコット・カズミアーらが活躍。

MLBで最もハイレベルと言われるア・リーグ東地区においてボストン・レッドソックスと激しい地区優勝争いを繰り広げます。

9月下旬にはついにゲーム差なしまで迫られましたが、2度の直接対決で勝ち越しに成功し、首位の座を明け渡さず。

球団創設11年目でチーム初のプレーオフ出場を決めると、97勝65敗で球団史上初のア・リーグ東地区優勝を達成。

ポストシーズンではディビジョン・シリーズ(ALDS)でホワイトソックスを3勝1敗で破ると、チャンピオンシップ・シリーズ(ALCS)では同地区で優勝争いを展開していたレッドソックスと激突。

3勝1敗とリーグ優勝に大手をかけた第5戦。7回まで7点をリードしながら、その後8点を奪われ大逆転負けを喫します。

その後レッドソックスに連敗を喫し、逆王手をかけられ、シリーズは最終戦までもつれこみますが、3-1で勝利し、球団初のリーグ優勝を達成しました。

ワールドシリーズではフィリーズに1勝4敗で敗退するも、チームは大きな飛躍を遂げ、オフにはロンゴリアが新人王を獲得します。

2009年は84勝78敗でプレーオフを逃しましたが、2010年には96勝66敗で地区優勝。

2011年、シーズン終盤の大逆転劇でワイルドカード獲得しプレーオフ進出。2011年~2013年は3年連続で勝ち越し(2011・2013年プレーオフ進出)プレーオフ常連チームとなります。

2014年、ジョー・マドン監督が退任し、チームは再建期へ入ります。2015年にはケヴィン・キャッシュ監督が就任(2025年時点も指揮)。

2014年~2017年は4年連続プレーオフを逃し、エースのデビッド・プライス、ジェームズ・シールズらをトレードで放出放出し、新たな若手育成に舵を切ります。

2018年はチームの「オープナー戦略」(短いイニングで投手を小刻みに起用)を導入。

ブレイク・スネルが21勝5敗、防御率1.89を記録しサイ・ヤング賞を受賞。

90勝72敗を記録するも、ワイルドカード枠を逃します。

2019年は96勝66敗でワイルドカード獲得するとチームは再び上昇していきます。

2020年、新型コロナの影響で60試合制の短縮シーズンとなり、40勝20敗でア・リーグ東地区優勝。

ALCSでは前年にALDSで敗れたアストロズに雪辱を果たし、2008年以来のリーグ優勝を達成。

ワールドシリーズではドジャースと対戦するも2勝4敗で敗退。

その後も2021年~2023年はプレーオフに進出しています。

レイズはビッグマーケットのチームではないので、限られた資金の中で、年俸が高額になってきた選手をトレードで放出し、有望な若手選手を獲得、育成しています。

またFAでは大型補強を避け、コストパフォーマンス重視な編成と巧みなやり繰りでチームの強さを維持しています。

主な所属選手

  • ウェイド・ボッグス(3B)

デビルレイズ時代の1999年に史上初めて通算3000安打をホームランで達成。99年シーズン限りで引退。背番号「12」はレイズ史上初の永久欠番。

2005年にアメリカ野球殿堂入り。

  • エバン・ロンゴリア(3B)

レイズ在籍10年で、新人王、ゴールドグラブ賞、シルバースラッガーを賞受。球団史上初の1000打点とサイクル安打達成者。背番号「3」は将来、永久欠番になる可能性あり。

過去に所属した日本人選手

レイズには過去5人の日本人選手が所属していました。

  • 野茂英雄(2005年)
登板勝利敗戦イニング三振防御率
1958100.2597.24
  • 岩村明憲(2007〜2009年)
試合打席打率ホームラン打点盗塁
3441526.2811410429
  • 松井秀喜(2012年)
試合打席打率ホームラン打点盗塁
34103.147270
  • 筒香嘉智(2020〜2021年)
試合打席打率ホームラン打点盗塁
77272.1878290
  • 上沢直之(2024年)

メジャーでの公式戦登板なし

2024年シーズンの成績

チーム戦績

勝利敗戦勝率順位最終戦績
8082.494地区4位地区4位

打撃成績

試合数得点平均得点HR盗塁打率出塁率長打率OPS
1626043.73147178.230.302.366.699

投手成績

イニング数平均失点防御率HR失点自責点
1440.24.093.77196663604

野手成績

名前(ポジション)年齢試合打席HR盗塁打率OPSwRC+rWAR
ベン・ロートベット(C)2611232831.228.62187
0.9
ヤンディ・ディアス(1B)32145621140.281.7551201.6
ブランドン・ラウ(2B)29107425215.244.7831232.4
ホセ・カバイェロ(SS)27 139483944.227.63083
1.6
イサック・パレイデス(3B)25101427160.245.792132
2.4
ランディ・アロザレーナ(LF)291004091516.211.7121090.7
ホセ・シリ(CF)281304481814.187.620781.8
ジョシュ・ロー(RF)261063871025.241.693980.7
ハロルド・ラミレス(DH)294816915.268.58970
0.1
ジョニー・デルーサ(OF)25107362616.217.609770.6
リッチー・パラシオス(UT)2792316519.223.6641011.8
ジュニア・カミネェロ(3B)204317762.248.7241050.7

チームアベレージは全体27位、OPS、得点数は29位、HR28位と打力・得点力に課題を残すシーズンとなりました。

チームはとトレードデッドラインで売り手にまわったため、野手の主力だったイサック・パレイデスとランディ・アロザレーナをトレードで放出しています。

昨年デビューした20歳のジュニア・カミネロは24年のプロスペクトランキング全体4位の有望株です。

MLBでは43試合に出場し165打席のサンプルながらHard-hit% 45.7%、Barrel%11.8%と上位をマークする持ち前のパワーを発揮しています。

守備はサードの他に、マイナーではショートとセカンドも守っていて、ユーティリティー性もあり、なおかつ平均レベルの守備力も兼ね備えています。

今後レイズの野手の中心選手になっていくことは間違いなさそうです。

投手成績

名前(役割)年齢登板投球回敗戦奪三振WHIP防御率FIPrWAR
ザック・リッテル(SP)2829156.18101411.2473.633.882.8
ダージー・ブラッドリー(SP)2325138.08111541.2254.114.091.6
ライアン・ペピオ(SP)2626130.0881421.1543.603.952.1
ザック・エフリン(SP)3019110.057871.1644.093.680.9
アーロン・シバーレ(SP)291787.026841.3795.074.690.1
シェーン・バズ(SP)251479.143691.0593.064.072.1
名前(役割)年齢登板イニングセーブ奪三振防御率FIPWHIPrWAR
ピート・フェアバンクス(CL)304645.13323443.573.501.1690.8
ケビン・ケリー(RP)266870.2521632.673.270.9621.7
ギャレット・クレビンジャー(RP)306860.0756713.754.001.3180.8
ジェイソン・アダムス(RP)324747.0424502.493.360.8940.8
エドウィン・ウセタ(RP)263041.2205571.511.700.8161.9

投手陣は先発、リリーフともに全体10位でWHIPが7位、1試合あたりの平均四球率BB/9も全体10位以内と頑張っていました。

先発陣ではダージ・ブラットリーとシェーン・バズは共に23歳と若く、ネクストブレイク候補も数多くいます。

今シーズンはエドウィン・ウセタがブレイクし、30登板で41.2イニングを投げ奪三振は57と高い奪三振能力を誇り、防御率1.51、WHIP0.816をマークし、セットアッパーとしての地位を確立しました。

ウセタは4シームの平均球速は94.2マイルとMLB平均程度ですが被打率・被長打率共に1割台と低く、Whiff%は36.9%、K%45.1%と空振り・三振が取れます。

また18インチ動くチェンジアップも武器で、被打率は1割台、Whiff% 37.4%、K% 38.8%と打者を翻弄しています。

投手陣もトレードデッドラインで主力のザック・エフリンとジェイソン・アダムを放出しています。

2025シーズンに向けて

来季の予想ラインナップ

ポジション名前年齢打席
ファーストヤンディ・ディアス33
セカンドブランドン・ラウ30
サードジュニア・カミネェロ21
ライトジョシュ・ロー27
キャッチャーダニー・ジャンセン29
レフトクリストファー・モレル25
DHジョナサン・アランダ26
センタージョニー・デルーサ26
ショートテイラー・ウォールズ28

ベンチメンバー

ポジション名前年齢打席
キャッチャーベン・ロートベット27
ユーティリティホセ・カバイェロ28
ユーティリティリッチー・パラシオス27
外野エロイー・ヒメネス28

先発ローテーション

役割名前年齢
先発1シェーン・マクラナハン27
先発2タージ・ブラッドリー23
先発3ライアン・ペピオ27
先発4ザック・リッテル29
先発5シェーン・バズ25
先発6ドリュー・ラスマッセン29
役割名前年齢
クローザーピート・フェアバンクス31
セットアッパーエドウィン・ウセタ27
セットアッパーギャレット・クレビンジャー30
リリーフマヌエル・ロドリゲス28
リリーフメイソン・モンゴメリー24
リリーフアレックス・フェード29
リリーフマイク・バジル24

予想ラインナップ・ベンチメンバー・先発ローテーションの引用:FanGraphs

来季の攻撃陣

今季FAで加入したキム・ハソンは10月に受けた肩の手術のリハビリで、開幕には間に合いませんが、5月には戦線復帰の見込みです。

レイズはセンター・レフト・DHがやや火力不足ですが、今シーズンはエロイー・ヒメネス以外の補強は行っていませんので、昨年とほぼ替わらないメンバーで戦うことになります。

しかし全体的に若い選手が多く、プロスペクトも多く控えていますので、今シーズンもトレードで上手くやり繰りしながら戦っていくと見られます。

来季の投手陣

来季は23年にトミージョン手術を受け24年シーズンは全休となったマクナラハンが復帰し、エースピッチャーがローテーションに戻ります。

また今オフに契約延長をしたラスマッセンも先発6番手としてローテションに入りますので、投手力に厚みがでます。

リリーフ陣も今オフにブレイクしたウセタやマヌエル・ロドリゲスなど粒揃いですので、来季も投手陣は平均以上の活躍が期待できるでしょう。

プロスペクト

名前(ポジション)年齢プロスペクトランク順位
カーソン・ウィリアムズ(SS)219
ゼビアー・アイザック(1B)2151
ブレイデン・テイラー(INF)2267
トレ・モーガン(1B/OF)2294
セオ・ジレン(OF)1999
  • カーソン・ウィリアムズ

21年のドラフト1巡目。

スカウティンググレードではパワー60、アーム70、フィールド70とパワーと肩力・守備に突出した能力を持っています。

2024年はAAで115試合で433打席に立ち、20HR、打率.256、出塁率.352、長打率.469、OPS.821、wRC +142を記録。

強打のショートストップとして将来のスタープレイヤー候補の1人です。

K%は28.5%と高めでコンタクト能力に若干の課題がありますが、アプローチが改善されればMLBでも活躍が期待できそうです。

ランキング引用:MLB.com Prospect Rankings2025

成績引用:Baseball Reference, FanGraphs

まとめ

タンパベイ・レイズは1998年に創設されたMLBでも新しいチームの一つです。

過去には岩村明憲が在籍し2008年のレイズ史上初のリーグ優勝に貢献しています。

他にも松井秀喜や筒香嘉智など野手が多く所属していたことがあります。

レイズはビッグマーケットのチームではありませんが、年俸が高くなってきた選手や保有期間が短くなった主力選手をトレードで放出し、大きな対価を得て、育成を行いながら戦っています。

レイズの所属するア・リーグ東地区は魔境と言われるほどMLB屈指のハイレベル地区ですが、レイズは2020年代に4度のポストシーズン進出と健闘しています。

来季はエースのマクナラハンが復帰し、先発の柱を加えて2年ぶりのポストシーズン進出に挑みます。

派手さはありませんが、チーム編成の上手さで、一定以上の強いチームを作り上げているレイズに是非注目してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の記事が参考になれば、幸いです。

チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference

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