こんにちは、Chanです。
当ブログでは、よりMLBを楽しむために全30チームを紹介しています。
今回はアメリカン・リーグ中地区のデトロイト・タイガースをご紹介します。
タイガースは1901年のア・リーグ創設とともに誕生し、長い歴史を持つMLBのチームの一つです。
本記事では、タイガースの球団概要や歴史、過去の主なレジェンド選手や日本人所属選手、2024年シーズンの成績、主な選手、プロスペクトなどを紹介します。
MLBを見始めたばかりの方も、長年のファンの方も、ぜひ最後までお付き合いください。
デトロイト・タイガースとは

球団概要
- 創設: 1901年
- 本拠地: ミシガン州・デトロイト
- ホーム球場: コメリカ・パーク
- 所属リーグ: アメリカン・リーグ(American League)
- 地区: ア・リーグ中地区(AL MIDDLE )
- 略称: DET
- チーム名の由来: 南北戦争時に活躍したデトロイト・ライト・ガード(Detroit Light Guard)というミシガン州の民兵部隊が存在し、勇敢な戦いぶりからタイガースというニックネームで呼ばれていました。その後、1890年代にデトロイトのプロ野球チーム(当時はマイナーリーグ所属)が結成される際、このタイガースという名前をチーム名として採用。MLB参入時にそのまま継承されたという説が有力です。
- オーナー: クリス・イリッチ
- 監督: A.J. ヒンチ
- ワールドシリーズ優勝: 4回(1935年, 1945年, 1968年, 1984年)
- リーグ優勝: 11回(1907年, 1908年, 1909年, 1934年, 1935年, 1940年, 1945年, 1968年, 1984年, 2006年, 2012年)
- 地区優勝: 7回(1972年, 1984年, 1987年, 2011年, 2012年, 2013年, 2014年)
- ワイルドカード獲得: 2回(2006年, 2024年)
タイガースの歴史

デトロイト・タイガースは、1901年のアメリカン・リーグ創設時に誕生した伝統あるチームで、ワールドシリーズ優勝4回を誇ります。
球団創設期
タイガースの歴史は、1894年に設立されたデトロイトのマイナーリーグチームが母体となっています。1901年にアメリカン・リーグがメジャーリーグとして認められた際、タイガースも正式にMLBのチームとして参入しました。
デトロイト・タイガースの初の試合は1901年4月25日に行われ、9回裏に7点を挙げて大逆転勝利するという劇的なスタートを切りました。1905年にはスーパースター、タイ・カッブが入団し、球団史上初の黄金時代が始まります。
タイ・カッブは史上最高の打者の一人とされる選手で、1907年から1915年まで9年連続でア・リーグの首位打者に輝きました。タイガースは1907〜1909年と3年連続でワールドシリーズに進出しましたが、すべて敗退し、優勝には手が届きませんでした。
カッブは生涯打率.366を記録し、引退後に殿堂入りしましたが、激しい気性の持ち主で、チーム内には軋轢も生じていました。
悲願の初優勝と第二次大戦後のワールドシリーズ制覇
1920年代は低迷期を迎えましたが、1934年にはハンク・グリーンバーグやチャーリー・ゲーリンジャーらの活躍でワールドシリーズ進出を果たしましたが、セントルイス・カージナルスに敗れました。
翌1935年、タイガースは再びワールドシリーズに進出し、シカゴ・カブスを4勝2敗で下して球団初のワールドシリーズ制覇を達成します。
1940年にもワールドシリーズに進出(シンシナティ・レッズに敗退)しましたが、第二次世界大戦の影響でチーム状況は下降します。しかし、戦争終結後の1945年、ハル・ニューハウザーなどの活躍で再びシカゴ・カブスとの対戦となったワールドシリーズに勝利し、2度目のシリーズ制覇を達成します。
1960年代から1980年代 2度のワールドシリーズ制覇
1960年代になると、アル・ケーライン、ウィリー・ホートン、デニー・マクレインらが台頭。1968年にはデニー・マクレインがシーズン31勝(MLB最後の30勝投手)を挙げる活躍を見せ、タイガースはセントルイス・カージナルスとのワールドシリーズを制し、3度目の優勝を果たしました。
1980年代には、スパーキー・アンダーソン監督のもと、アラン・トランメル、ルー・ウィテカー、カーク・ギブソン、ジャック・モリスらが活躍しました。
1984年、タイガースはシーズンを104勝58敗で終え、圧倒的な強さを誇りました。ワールドシリーズではサンディエゴ・パドレスを破り、4度目のワールドシリーズ制覇を達成。
低迷期から2000年代の復活
1980年代後半から低迷が始まり、1996年には43勝119敗という球団史上最悪の成績を記録しました。しかし、2000年代に入ると再建が進み、2006年にはジム・リーランド監督のもと、ジャスティン・バーランダーやマグリオ・オルドニェスらの活躍でワールドシリーズに進出(セントルイス・カージナルスに敗北)。
2010年代に入ると、タイガースは再び強豪チームとなり、ミゲル・カブレラ、バーランダー、マックス・シャーザーといったスター選手が活躍。2012年にはワールドシリーズに進出しましたが、サンフランシスコ・ジャイアンツに敗れました。
ミゲル・カブレラは2012年に打率・HR・打点の三冠王を達成し、チームの象徴的存在となりました。
2010年代後半からは再び再建期に入りましたが、近年は有望な若手選手が台頭してきており。スペンサー・トーケルソン、ライリー・グリーン、ケイシー・マイズを始め、プロスペクトが数多く所属しチームは力をつけてきており、24年は後半の快進撃で10年ぶりのプレーオフ進出を果たしています。
過去の主な名選手

- タイ・ カッブ(OF)
史上最高の打者の一人で、闘志剥き出しの激しいプレースタイルで知られています。通算 4,189安打(当時のMLB最多記録、現在歴代2位)通算打率 .366(MLB歴代1位)、1936年殿堂入り
- 首位打者:12回(すべてタイガース在籍時)
- ホームラン王:1回(タイガース在籍時)
- 打点王:4回(すべてタイガース在籍時)
- 盗塁王:6回(すべてタイガース在籍時)
- シーズンMVP:1回(タイガース在籍時)
- ハンク・グリーンバーグ(1B)
1930〜40年代を代表するスラッガーで、ユダヤ系アメリカ人のスポーツアイコンとしても有名。第二次世界大戦に従軍したため全盛期の数年間を失ったが、復帰後もMVP級の活躍を見せました。1959年殿堂入り。
ホームラン王:4回(すべてタイガース在籍時)
打点王:4回(すべてタイガース在籍時)
シーズンMVP:2回(すべてタイガース在籍時)
オールスター選出:4回(すべてタイガース在籍時)
- アル・ケーライン(RF)
タイガース一筋22年のフランチャイズプレイヤー。愛称はミスタータイガー。堅実な打撃と鉄壁の守備でタイガースの顔として活躍し、1968年のワールドシリーズでは打率.379を記録し、チームを優勝に導きました。1980年殿堂入り。
- 首位打者:1回(MLB史上最年少記録)
- ゴールドグラブ賞:10回
- オールスター選出:15回
- ジャスティン・バーランダー(RHP)
2000年代後半から2010年代前半にかけてのタイガースのエース。2011年には24勝5敗、防御率2.40を記録し、MVPとサイ・ヤング賞をダブル受賞する快挙を達成。球団史上最高の投手の一人。
- 最多勝利:4回(タイガース在籍時に2回)
- 最優秀防御率:2回(タイガース在籍時に1回)
- 最多奪三振:5回(タイガース在籍時に3回)
- サイ・ヤング賞:3回(タイガース在籍時に1回)
- シーズンMVP:1回(タイガース在籍時)
- ルーキー・オブ・ザ・イヤー(タイガース在籍時)
- オールスター出場:9回(タイガース在籍時に6回)
- ミゲル・カブレラ(3B/1B/DH)
「ミギー」の愛称で親しまれた、MLB史上最も偉大な右打者の一人。2012年にはア・リーグ三冠王を達成し、1967年のカール・ヤストレムスキー以来45年ぶりの快挙を成し遂げました。
2013年もMVPを受賞し、2010年代前半のデトロイト・タイガースを牽引。
2023年に現役引退し、タイガースのレジェンドとして球団特別アドバイザーに就任。将来の殿堂入りが確実視されています。
- 首位打者:4回(すべてタイガース在籍時)
- ホームラン王:2回(すべてタイガース在籍時)
- 打点王:2回(すべてタイガース在籍時)
- シーズンMVP: 2回(すべてタイガース在籍時)
- シルバースラッガー賞:7回(タイガース在籍時にサード部門で3回、ファースト部門で3回)
- ハンク・アーロン賞:2回(すべてタイガース在籍時)
- オールスター出場12回(タイガース在籍時に8回)
過去にタイガースに所属した日本人選手
タイガースには過去、日本人選手が3人在籍していました。
木田優夫(1999〜2000年)
試合 | 防御率 | 投球回 | 勝 | 敗 | 奪三振 |
51 | 6.42 | 67.1 | 1 | 0 | 50 |
野茂英雄(2000年)
試合 | 防御率 | 投球回 | 勝 | 敗 | 奪三振 | ||
32 | 4.74 | 190.0 | 8 | 12 | 181 |
前田健太(2024〜)
試合 | 防御率 | 投球回 | 勝 | 敗 | 奪三振 | ||
36 | 6.21 | 120.1 | 3 | 7 | 104 |
タイガースの2024年シーズンの成績

チーム戦績
勝利 | 敗戦 | 勝率 | 順位 | 最終戦績 |
86 | 76 | .531 | 地区3位 | ALDS敗退 |
タイガースは7月30日時点で負け越し5。トレードデッドラインでは売り手に回り、ジャック・フラハティをドジャースへ放出していました。
しかし、8月に入りチームは快進撃を続け、34勝18敗、勝率.653をマークし、チーム10年ぶりとなるポストシーズン進出を果たしました。
打撃成績
試合数 | 得点 | 平均得点 | HR | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
162 | 682 | 4.21 | 162 | 76 | .234 | .300 | .385 | .685 |
チーム打撃成績はリーグ平均を下回り、下位となる項目が多かったものの、若手有望株が多く、これからさらに成長していくチームです。
投手成績
イニング数 | 平均失点 | 防御率 | 四球 | 失点 | 自責点 |
1447.0 | 3.96 | 3.61 | 416 | 642 | 581 |
先発はフラハティが放出され、スクーバルほぼ1人で年間通してローテーションを守りました。しかしブルペン陣はかなり優秀で、ブルペンデーを多用しフル回転。WHIP、BB/9、H/9はMLBトップの成績を記録しました。
タイガースの主な選手の紹介と2024年シーズンの成績

野手成績
※太字選手は新加入 成績は2024年シーズン
ポジション | 名前(年齢) | 打席 | 試合 | 打率 | HR | OPS | rWAR |
C | ジェイク・ロジャース(29) | 右 | 102 | .197 | 10 | .607 | 1.0 |
1B | コルト・キース(23) | 左 | 140 | .260 | 13 | .689 | 1.1 |
2B | グレイバー・トーレス(28) | 右 | 154 | .257 | 15 | .709 | 1.8 |
SS | トレイ・スウィーニー(24) | 左 | 36 | .218 | 4 | .642 | 0.7 |
3B | ザック・マッキンストリー(29) | 左 | 118 | .215 | 4 | .614 | 0.8 |
LF | ライリー・グリーン(24) | 左 | 137 | .262 | 24 | .827 | 5.4 |
CF | マニュエル・マーゴット(30) | 右 | 129 | .238 | 4 | .626 | -0.9 |
RF | ケリー・カーペンター(27) | 左 | 87 | .284 | 18 | .932 | 2.2 |
DH | スペンサー・トーケルソン(25) | 右 | 92 | .219 | 10 | .669 | 0.3 |
C | ディロン・ディングラー(26) | 右 | 27 | .167 | 1 | .505 | -0.2 |
UT | ハビアー・バエズ(32) | 右 | 80 | .184 | 6 | .516 | -1.1 |
UT | アンディ・イバネェス(32) | 右 | 99 | .241 | 5 | .650 | 1.4 |
DH | ライアン・クライドラー(27) | 右 | 35 | .119 | 1 | .369 | -0.5 |
ヤンキースからグレイバー・トーレスが加入し、セカンドのコルト・キースがファーストへ。トーケルソンは今季、フルタイムのDHとなります。
ショートには昨季、フラハティのトレード対価として加入したトレイ・スウィーニーが入ります。
外野陣を見ていくとレフトには昨年137試合に出場し、24HR、OPS.827、wRC+135を記録し、本格ブレイクを果たした4年目のライリー・グリーンが打線の中心となります。
同じく4年目の19年ドラフト組のケリー・カーペンターがライトに入り、グリーンとともに打線を牽引します。
昨年外野で活躍したパーカー・メドウズは上腕の炎症により60日間の故障者リスト入り、ウェンシール・ペレスは下背部の炎症により10日の故障者リスト入り、マット・バーリングは肩の張りで10日間の故障者リスト入りでそれぞれ開幕を迎えています。
投手
※太字選手は新加入 成績は2024年シーズン
役割 | 名前(年齢) | 投 | 試合 | イニング | 奪三振 | 防御率 | rWAR |
SP1 | タリク・スクーバル(28) | 左 | 31 | 192.0 | 228 | 2.39 | 6.4 |
SP2 | ジャック・フラハティ(29) | 右 | 28 | 162.0 | 194 | 3.17 | 3.1 |
SP3 | リース・オルソン(25) | 右 | 25 | 112.1 | 101 | 3.53 | 1.3 |
SP4 | ケイシー・メイズ(27) | 右 | 22 | 102.1 | 78 | 4.49 | 0.2 |
SP5 | ジャクソン・ジョーブ(22) | 右 | 2 | 4.0 | 2 | 0.00 | 0.1 |
CL | ビュー・ブリスキー(27) | 右 | 46 | 67.2 | 69 | 3.59 | 0.7 |
SU | タイラー・ホールトン(28) | 左 | 66 | 94.1 | 77 | 2.19 | 3.1 |
SU | トミー・ケインリー(35) | 右 | 50 | 42.2 | 46 | 2.11 | 0.8 |
RP | ウィル・ベスト(29) | 右 | 69 | 70.1 | 63 | 2.92 | 1.5 |
RP | ブレナン・ハニフィー(26) | 右 | 21 | 29.1 | 23 | 1.84 | 0.9 |
RP | ジョン・ブレビア(34) | 右 | 5 | 6.2 | 9 | 2.70 | 0.1 |
RP | 前田健太(37) | 右 | 29 | 112.1 | 96 | 6.09 | -1.8 |
投手陣は昨シーズンの投手三冠でサイ・ヤング賞のタリク・スクーバルを柱に、半年でチームに復帰したジャック・フラハティ、3番手には25歳の3年目、リース・オルソンが入ります。
オルソンはスライダー、4シーム、チェンジアップを軸にカーブも投げて投球を組み立てます。特にスライダーが武器で、チェンジアップを磨けばさらに高いパフォーマンスが期待できそうです。
4番手にはケイシー・メイズ、5番手には昨年デビューし、タイガースNo.1プロスペクトのジャクソン・ジョーブがローテーションに入ります。
ブルペンには先発、中継とフル稼働したビュー・ブリスキー、テイラー・ホールトンがタイガースのブルペンをで支えます。
ヤンキースからはベテランのトミー・ケインリーを加え、37歳を迎える前田健太もブルペンで待機します。
タイガースのトッププロスペクト
タイガースにはMLB Pipelineのプロスペクトランキング100位以内に入る選手が6人と、多くのプロスペクトを抱えています。
名前(ポジション) | 年齢 | プロスペクトランク順位 |
ジャクソン・ジョーブ(RHP) | 22 | 5 |
マックス・クラーク(OF) | 20 | 6 |
ケビン・マゴニーグル(SS/2B) | 20 | 28 |
ブライス・レイナー(SS) | 19 | 52 |
テイロン・リランゾ (C/1B) | 21 | 81 |
ジョーズ・ブリシーノ(1B/C) | 20 | 94 |
- ジャクソン・ジョーブ
Jackson Jobe has officially made the Detroit Tigers Opening Day roster. pic.twitter.com/ysIIiFJCFK
— Milb Central (@milb_central) March 22, 2025
2021年ドラフト全体3位指名。
平均97マイルの伸びのある4シームとカッター、チェンジアップ、3000回転近いスウィーパーを投げ分けるピッチャーのトッププロスペクト。今季はローテーション5番手に入り、100イニング程度投げることを期待されます。
- マックス・クラーク
With the third pick in the 2023 #MLBDraft, the @Tigers select OF Max Clark from Franklin Community H.S. (IN). pic.twitter.com/SD4xveMmCL
— MLB (@MLB) July 9, 2023
2023年ドラフト全体3位指名。
走塁・肩の評価が高く、ヒットの評価も平均以上。パワーをつければコービン・キャロルのようになれるポテンシャルあり。
ランキング引用:MLB.com Prospect Rankings2025
成績引用:Baseball Reference, FanGraphs
まとめ
デトロイト・タイガースは1901年のア・リーグ発足時に創設したア・リーグでは歴史のある球団の一つです。
昨シーズンはチーム10年ぶりのプレーオフ進出を果たし、3年目4年目の選手がブレイクし、さらに多くのプロスペクトを有している若いチームです。プロスペクトが順調に育てば2010年代のように再び中地区の覇権を握る可能性もあります。
現在は前田健太投手が所属し、チーム最年長がブルペンの精神的柱となり、支えます。
これからが楽しみなタイガースにも是非注目してみてください。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
この記事が参考になれば幸いです。
チーム・選手成績参考:FanGraphs, Baseball Reference
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