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連日FA選手の去就が話題となっているメジャーリーグのオフシーズンですが、FAやトレード以外にもオフシーズンに戦力獲得の機会があるのをご存知でしょうか?
それは「ルール5ドラフト」です。
ルール5ドラフトはNPBの現役ドラフトの参考にもなった制度です。
「名前は聞いたことあるけど、よく知らない」
「アマチュアドラフトとはどう違うの?」
「 現役ドラフトとの違いは?」
本記事では、
- ルール5ドラフトとは何か
- アマチュアドラフト(ルール4ドラフト)との違い
- NPB現役ドラフトとの比較
- ルール5ドラフト出身の成功選手
以上をまとめて解説します。
この記事を読めば、より視点を広げてMLBのオフシーズン楽しむことができるようになります。
ルール5ドラフトとは?制度の概要

ルール5ドラフトとは、入団から一定の期間が経過した選手のうち、メジャーのロスター40人枠に登録されていないマイナー選手を他球団が獲得できる制度です。
MLB規約の第5条に明記されていることから、ルール5ドラフトという名称になりました。
ルール5ドラフトの目的
MLBルール5ドラフトには、戦力均衡と若手育成という2つの目的があり、 メジャーでの出場機会に恵まれないマイナーリーガーの移籍を活性化させるために導入されました。
指名の順番
そのシーズンで勝率が低かった球団から順に対象となる選手を指名します。
後述しますが、ルール5ドラフトに参加するにはロスターの40人枠を空ける必要があり、必ず全チームが参加する制度ではありません。
ルール5ドラフトの実施時期
ルール5ドラフトは毎年12月、メジャー全球団の関係者が集まり、リーグ運営や選手の去就について話し合うウインターミーティングの最終日に開催されます。
2025年は現地時間12月10日にフロリダ州オーランドで開催されます。
MLBドラフト(アマチュアドラフト/ルール4ドラフト)との違い

ドラフトと聞くと高校生や大学生などのアマチュア選手を指名していくアマチュアドラフトを思い浮かべると思います。
アマチュアドラフトとルール5ドラフトの違いについて見てみましょう。
アマチュアドラフト/ルール4ドラフトとは?
アマチュアドラフトとはアメリカ、カナダ、プエルトリコのいずれかに居住、かつそれぞれの国の高校、大学、独立リーグに在籍する選手を各球団が指名する、いわゆるドラフト会議のことです。
ルール5ドラフトがMLB規約の第5条に規定されているのに対して、アマチュアドラフトはMLB規約の第4条に規定されていることからルール4ドラフトとも呼ばれています。
アマチュアドラフト(MLBドラフト)についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
【2025年版】MLBドラフト完全ガイド 制度・仕組み・注目選手まで徹底解説
アマチュアドラフトが高校、大学などアマチュア選手を指名するのに対し、ルール5ドラフトは現役のプロ選手の中からマイナー契約の選手を指名するドラフト制度です。
指名対象となる選手
指名対象となるのは各球団のロスター40人枠に登録されていないマイナー契約選手であることが前提です。
指名対象となるためにはプロ入り後、一定期間シーズンを経過している必要があり、シーズン経過期間はプロ契約時の年齢によって変わります。
条件
ロスター40人枠に登録されていないこと
| 契約時の年齢 | プロ入りしてから経過した年数 |
| 18歳以下 | 5シーズン経過 |
| 19歳以上 | 4シーズン経過 |
各球団は、ルール5ドラフトで指名されたくない選手を期限までに40人枠に登録することで他球団から指名される事を回避することができます。
2025年のルール5ドラフトの指名対象となる選手は?
2021年に契約した18歳以下のインターナショナルFA選手やドラフト指名された高校生で、契約から5シーズン経過した選手、または2022年のドラフトで指名された大学生などで4シーズンを経過した選手がルール5ドラフトの指名対象選手となります。
2025年のトッププロスペクトはどうなる?
MLB Pipelineのトップ100プロスペクトにはルール5ドラフトの対象年度を迎えた選手が6人いました。
プロスペクト一覧
| 名前 (年齢) | ポジション | チーム | プロスペクトランク |
| アンドリュー・ペインター(22) | 投手 | フィリーズ | 16 |
| エンジェル・ジェナオ(21) | 遊撃手 | ガーディアンズ | 59 |
| ジョー・マック(22) | 捕手 | マーリンズ | 70 |
| レオナルド・ベルナル(21) | 捕手 | カージナルス | 92 |
| エルマー・ロドリゲス・クルス(22) | 投手 | ヤンキース | 97 |
| スペンサー・ジョーンズ(24) | 外野手 | ヤンキース | 99 |
トッププロスペクト6人全員が所属球団の40人枠に入り、指名対象からプロテクトされています。
毎年、球団のトッププロスペクトは必ず40人枠に登録され、プロテクトされます。
他球団に取られたくない選手は期限までに40人枠へ入れる
→ ルール5ドラフトとは“球団の本気度”が見える制度
NPBの現役ドラフトとの違い

NPBでは2022年からルール5ドラフトを参考にした現役ドラフトが始まりました。
どちらの制度も他球団で埋もれている若い選手を発掘する制度である点は同じですが、どのような違いがあるのでしょうか。
指名した球団の義務
メジャーリーグでは、ルール5ドラフトで獲得した選手は、翌年1シーズンは26人枠のアクティブ・ロスターに入れなければなりません。(故障者リスト入りの場合を除く)
獲得した球団は該当選手をメジャーで起用する前提で獲得しているため、選手にとっては新天地で出場機会を得られるというメリットがあります。
一方でNPBの現役ドラフトで指名した選手の出場登録に関する規定は特にありません。
現役ドラフトで指名された選手が1軍で出場機会がないこともあります。
ドラフト参加強制の有無
MLBではルール5ドラフトへの参加は強制されていません。
参加するためには40人枠のロスターに空きをつくる必要があり、ロスターが埋まっている球団は選手を指名することはできません。
一方の現役ドラフトは各球団1人以上を放出し、1人以上を他球団から獲得しなければならず、各球団毎年、選手の移籍が発生します。
指名にかかるコスト
ルール5ドラフトでは指名した選手の前所属球団へ10万ドルを支払わなければなりません。
移籍先球団が指名選手をアクティブ・ロスターから外した場合、ウェイバー公示をし、他球団からの獲得の申し出がなければ、指名選手は前所属球団へ返還され、半額の5万ドルが払い戻されます。
ルール5ドラフトと現役ドラフトの比較まとめ
| 項目 | MLB:ルール5ドラフト | NPB:現役ドラフト |
|---|---|---|
| 指名された選手の扱い | 翌シーズンはアクティブ・ロスター入りが必須(故障除く) | 特になし |
| 参加の強制 | 強制なし(指名には40人枠の空きが必要) | 毎年必ず参加(放出1名+獲得1名) |
| 指名コスト | 指名選手の前所属球団へ10万ドル支払う | 特になし |
| 対象選手 | ロスター外のマイナー選手 | 球団がリスト化した現役選手 |
ルール5ドラフト出身選手の成功例5選

ルール5ドラフト出身選手で、成功を収めた選手を歴代選手から5人紹介します。
現在の表彰名の一つにもなっている伝説の選手から現役選手まで5人をピックアップしました。
ロベルト・クレメンテ
ヒスパニック系選手の先駆者であり、積極的な慈善活動を行っていたことで知られています。1954年、ドジャースとマイナー契約。
同年11月に現在のルール5ドラフトにあたる制度でパイレーツから指名を受けます。
移籍後の1955年にメジャーデビューを果たし、事故で亡くなった1972年まで18年間パイレーツ一筋でプレイし、輝かしい功績を残しました。
- 首位打者4回
- ナ・リーグMVP1回
- ゴールドグラブ賞12回
- オールスター選出12回
- ワールドシリーズMVP1回
通算成績
| rWAR | 試合 | 安打 | HR | 打率 | OPS |
| 95 | 2433 | 3000 | 240 | .317 | .834 |
ホセ・バティスタ
2000年のアマチュアドラフトでパイレーツから指名されプロ入り。
2003年にオリオールズからルール5ドラフトで指名され移籍。
その後、複数球団を渡り歩き、2008年にブルージェイズへ移籍。
ブルージェイズでは移籍3年目の2010年に54本塁打を放ち、ホームラン王を獲得するなどの活躍を見せ、9年間在籍しました。
- ホームラン王2回
- シルバースラッガー賞3回
- ハンク・アーロン賞2回
- オールスター選出6回
通算成績
| rWAR | 試合 | 安打 | HR | 打率 | OPS |
| 36.8 | 1798 | 1496 | 344 | .247 | .836 |
R.A.ディッキー
ナックルボーラーとして名を馳せた右投手です。
1996年にレンジャーズから指名を受けプロ入り。2001年にメジャーデビューを果たしますが、成績は伸びず、2006年からマイナー暮らしが続きます。
2007年11月にツインズとマイナー契約を結ぶも、12月のルール5ドラフトにてマリナーズに指名され移籍します。
翌2008年3月に40人枠から外れたため、ツインズに復帰しますが、同日にトレードによりマリナーズに再復帰するというエピソードがあります。
2010年に移籍したメッツで飛躍し、2012年にはサイ・ヤング賞を受賞しました。
- 獲得タイトルと表彰
- 最多奪三振1回
- サイ・ヤング賞1回
- ゴールドグラブ賞1回
- オールスター選出1回
通算成績
| rWAR | 試合 | 投球回 | 勝利 | 敗 | 防御率 | 奪三振 |
| 23.1 | 400 | 2073.2 | 120 | 118 | 4.04 | 1477 |
ネスター・コルテス
2013年にヤンキースから指名を受けプロ入り、2017年にオリオールズからルール5ドラフトで指名され、移籍します。
2018年は開幕をメジャーで迎えますが、登板4試合でDFAとなり、ヤンキースに復帰します。
2019年にヤンキースを一度DFAとなりますが、マリナーズを経て2021年に再びヤンキースとマイナー契約を結び復帰。
2022年には自身初のオールスターにも選出されるなど活躍。
その後ブルワーズへのトレード移籍を経て、現在はパドレスに在籍しています。
- オールスター選出1回
通算成績
| rWAR | 試合 | 投球回 | 勝利 | 敗 | 防御率 | 奪三振 |
| 8.9 | 143 | 602.1 | 35 | 25 | 3.94 | 604 |
アンソニー・サンタンデール
2011年、インディアンスと契約しプロ入り。
2016年にオリオールズからルール5ドラフトで指名され、移籍します。
順調に成績を伸ばし、2024年にはオールスターに選出され、キャリアハイとなる44本塁打を放つなどの活躍を見せました。
2024年シーズン終了後にFAとなり、ブルージェイズと5年総額9,250万ドルで契約しています。
- シルバースラッガー賞1回
- オールスター選出1回
通算成績
| rWAR | 試合 | 安打 | HR | 打率 | OPS |
| 10.3 | 800 | 729 | 161 | .241 | .762 |
まとめ
ルール5ドラフトは「埋もれている才能を救う」MLBならではの制度であり、戦力均衡と若手育成の両面に大きな役割を果たしています。
NPBの現役ドラフトとの違いを知ることで、両リーグがどのように人材を活かそうとしているかもより深く理解できます。
FAやトレードだけでなく、ルール5ドラフトにも注目するとMLBのオフシーズンの見方が広がり、より楽しむことができるでしょう。
FA制度はこちらの記事で詳しく解説しています。
2025-2026年のFA選手ランキング野手編はこちら。
2025-2026年のFA選手ランキング投手編はこちら。
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