【MLB】FA制度をわかりやすく解説!仕組み、取得条件、クオリファイング・オファー、ノンテンダー、NPBとの違い、2025-2026年のFAランキングまで完全ガイド

MLB
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MLBのFA制度は、「6年以上メジャーでプレーした選手が、どの球団とも自由に契約できる権利」です。

FAはオフシーズン最大の話題となり、チームの戦力バランスを大きく左右します。

FA権を取得すると、選手は複数の球団から提示される契約条件を比較し、自分に最も合ったチームを選ぶことができます。

そのため大型契約が生まれやすく、クオリファイング・オファーなど、MLBならではの複雑な制度も存在します。

本記事では

  • FA制度の仕組み
  • 取得条件
  • 種類(UFA、クオリファイング・オファー対象FA、ノンテンダーFA、インターナショナルFA)
  • MLBとNPBのFA制度の違い
  • FA選手ランキング

以上を徹底解説します。

この記事を最後までお読みいただき、MLBのオフシーズンの最大のテーマである、FA市場の動向をより楽しんでください!

本記事はMLBのFA制度の仕組みと2024-2025年のFA選手ランキングにノンテンダーFAの解説を追加し、2025-2026年度版としてアップデートしました。

2024-2025年のFA選手ランキング記事はこちら

MLBのFA制度とは?

フリーエージェント(以下FA)とは、所属球団との契約が終了した選手が他球団と自由に交渉できる仕組みです。

MLBでは選手の権利が強く保護されており、一定期間球団に所属した選手が、FA権を取得できるように制度化されています。

選手はFA市場が解禁されると、複数球団と交渉し、契約を比較します。

つまりFAは、選手のキャリアと球団の戦力補強をつなぐ重要な制度です。

FA取得の条件:6年のサービスタイム

MLBのFA権は「172日×6年=約6年のメジャー在籍」6年間のサービスタイムで取得できます。

サービスタイムとは?

サービスタイムと呼ばれる在籍日数は、選手がメジャー登録されている日数で管理されています。

選手はマイナーにオプションで落ちるとサービスタイムは増えません。(故障者リスト入りなどを除く)

また登録日数が「171日」では1年にカウントされないため、球団が日数を調整するケースもあります。

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MLBのFAの種類

MLBには4つのパターンのFAが存在します。

選手の契約終了の理由や球団の判断によって、FAの扱いが細かく分類されます。

  1. 完全FA(Unrestricted FA)
  2. クオリファイング・オファー(QO)対象FA
  3. ノンテンダーFA(契約非提示)
  4. インターナショナルFA(国際FA)

FAと一括りにしても背景が違うため、プロ野球(NPB)の自由契約よりも複雑に見えるのが特徴です。

完全FA(Unrestricted FA)とは?

サービスタイム6年を経過した選手、または契約期間が終了してFAとなった選手を指します。

後述するクオリファイング・オファー対象FAやノンテンダーFAには該当しない純粋なFA選手がこのカテゴリーに入ります。

  クオリファイング・オファー(QO)対象FAとは?

クオリファイング・オファー(以下QO)とは、球団がFA選手にMLBの年俸上位125人の平均額を提示する制度です。

また、QOは優秀な選手がFAで流出したときの補償制度でもあります。

選手は期限までに受諾か拒否かを選択。QOを拒否してFAとなり、他球団と契約すると前所属球団はドラフト指名権を獲得することが補償されています。

QOが提示された選手を獲得すると、ドラフト指名権を喪失したり、※インターナショナルボーナスプールが減額されるなどのペナルティが課される場合があります。

特に贅沢税課税対象球団はペナルティが重くなり、ドラフト指名権の喪失を回避するために選手獲得に慎重になる球団もあるため、FA市場の動向に大きな影響を与える注目の制度となっています。

※インターナショナルボーナスプールとはインターナショナルFA選手を獲得するための予算のことで、将来を見据えた選手補強の貴重な財源です。 

インターナショナルFAはこちらの記事で解説しています

贅沢税はこちらの記事で解説しています。

QO対象外となる事例と期限

過去にQOを提示されたことがある選手や、シーズン中にトレードなどで移籍して、1シーズンに複数球団在籍した選手は対象外となります。

QOで提示される金額は毎年変動し、2025年の提示額は2,202.5万ドルとなっており、契約年数は1年で固定されています。

球団はワールドシリーズ終了5日後までにQOを提示するか決定する必要があり、提示された選手は10日以内に受諾か拒否しなければなりません。

QOを受諾した場合は1年契約で残留となり、拒否すればFAとなります。

QOは2012年に開始され、2024年までに144件が提示されましたが、受諾されたのははわずかに14件と10%程度に過ぎません。

これはFA選手が1年契約にとどまらず、より好条件の契約を求める傾向にあり、QOは拒否されることが前提のオファーと言えます。

しかし今オフは4件のQOが受諾されるという例年にない受諾の多いオフシーズンとなりました。

2025年QOを受諾した選手
  • トレント・グリシャム
  • 今永昇太
  • グレイバー・トーレス
  • ブランドン・ウッドラフ
QOのまとめ
  • QOは契約満了となった選手にMLB選手の年俸上位125位の平均額を提示する1年契約のオファー。
  • 球団はワールドシリーズ終了後5日以内に提示するかを決定。
  • 選手はオファー提示から10に以内に受諾・拒否を選択。
  • QOを拒否すればFAとなり全球団と交渉可能になる。
  • QO対象選手を獲得するとドラフト指名権が選手の前所属球団に与えられる補償制度である。
  • 過去にQO提示された or 1シーズンに複数球団に所属した選手は対象外。

 ノンテンダーFAとは?

ノンテンダーFAは、球団がメジャー40人枠に入っている年俸調停権を所有する選手翌シーズンの契約を提示せず、FAになるケースを言います。

「テンダー(Tender)」とは英語で「提示・申し出」を意味します。

つまり「ノンテンダー(Non-tender)」とは契約提示をしないことを意味します。

  • テンダー(Tender)=契約提示
  • ノンテンダー(Non-tender)=契約提示なし → FA

ノンテンダーの対象となる選手は?

主な対象選手はメジャー在籍3年以上6年未満の年俸調停権(サラリー・アービトレーション)のある選手です。(在籍2年の例外あり)

調停資格のある選手は球団が期限までに契約を提示(テンダー)すれば、球団に留まったまま、年俸交渉や調停を行います。

球団がテンダーをしない場合(ノンテンダー)はFAとなります。

ノンテンダーとなった選手は全球団と交渉することが可能ですが、年俸を下げて前所属球団と再契約するケースもごく稀にあります。

どんな選手がノンテンダーとなるのか?

年俸調停制度では前年度実績で年俸が上がりやすくなります。対象選手が成績に対して年俸が割高と判断されると、球団は契約提示をせず、ノンテンダーとします

有望選手でも怪我後や成績が大きく落ちた選手はノンテンダーになることがあり、毎年意外な名前が市場に出ます。

FA市場で掘り出し物が生まれるポイントでもあります。

サービスタイムが浅い段階で活躍し、年俸調停によって契約額が高額となった選手が負傷などによる成績低下によってノンテンダーになることが多い。

なぜ球団は大幅減俸をしないのか?

「年俸が割高なら減俸したらいいのでは?」と思う方も多いはずです。

現実的にはMLBでは大幅減俸で翌年の契約を提示するケースはほとんどありません。

前提として、2022年に締結された労使協定によって、減額制限の取り決めがあるからです。

減額制限の内容
  • 前年度年俸の20%を超える減額となる金額の提示
  • 前々年度の年俸の30%を超える減額となる金額の提示

ノンテンダーが提示される選手は年俸調停権保有選手です。

年俸調停制度では1月の期限までに契約交渉がまとまらないと、選手と球団の双方で希望年俸額を提示した上で2月に行われる公聴会に進み、中立の裁定人によりどちらか一方の希望年俸が完全採用されます。

球団が大幅な減額を提示し、「選手の年俸が必要以上に低く提示された」と見なされた場合、選手側の希望額が採用される可能性が高くなります

また、調停の長期化や選手との関係悪化などデメリットが多く、大幅減棒を提示することは現実的ではないのです。

球団が選手に減俸提示をしない理由
  • 減俸制限がある。
  • 年俸調停制度では球団の減俸提示に対して不当に年俸が低いと判断された場合、選手の希望額が採用される可能性がある。
  • 調停までの時間の長期化や選手との関係悪化など球団側のデメリットが多い。

ノンテンダーとDFAの違い

DFA(Designated For Assignment)とはメジャー40人枠の登録を外す措置を意味し、日本では「事実上の戦力外」と表現されます。

ノンテンダーは契約提示期限で球団が権利を手放す制度で、調停資格や契約更新をしないため、対象選手は契約提示期限日に一斉にFAとなります。

一方、DFAはメジャー40人枠の選手の登録を外す措置のため、シーズン中にも発生します。FAやトレードで移籍した選手が契約期間中にDFAとなり、放出となることもあります。

ノンテンダーとFAの違い比較

制度意味
ノンテンダーオフシーズンの契約提示期限で選手に契約を提示せず、保有権利を手放すこと。
DFAメジャー40人枠の選手の登録を外す措置(シーズン中にも発生する)

インターナショナルFA(国際FA)とは

現在、MLBドラフトの指名対象となるのはアメリカ、カナダ、プエルトリコに居住していて、高校、短大、コミュニティ・カレッジ、大学、独立リーグに在籍する選手となっています。

インターナショナルFAとはMLBのドラフト対象外となる国の選手を対象に、各球団が自由に交渉して有望選手と契約できるというものです。

16歳以上のプロチームと契約していない選手はインターナショナルFA選手(国際アマチュアFA選手)として扱われます。

インターナショナルFAはこちらの記事で詳しく解説しています。

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MLBとNPBのFA制度の違い

MLBとNPBのFA制度にはどのような違いがあるのでしょうか。

取得条件、補償制度の違いを見てみましょう。

取得条件の違い

MLBはアクティブロスターに登録されていた日数によりサービスタイムが決まり、サービスタイム6年経過でFA権取得となります。

一方、NPBは高卒選手が1軍登録期間145日×8年大卒・社会人選手が一軍登録期間145日×7年経過で国内FA権を取得

一軍登録期間145日×9年を経過した全選手が海外FA権を取得できます。

また、一度FA宣言をして移籍した選手の海外FA権取得は4年後となります。

MLBとNPBのFA取得条件比較

リーグFA取得条件
MLBサービスタイム6年経過 or 契約期間満了など。
NPB国内FA取得までに高卒で一軍登録8年、大卒・社会人で一軍登録7年。海外FA権は一軍登録9年。FA宣言をして移籍した選手の海外FA権取得は4年後。

補償制度の違い

MLBのFAによる補償制度は前述した通り、QO対象FA選手を他球団が獲得した場合、前所属球団にドラフト指名権が補償されます

一方のNPBではFA権を行使して他球団へ移籍した場合、FA選手が前チームの年俸順(外国人選手は除く)で10位以内だと人的補償や金銭補償が発生します。

FA選手は前所属球団での年俸額に応じてA〜Cでランク付けされ、AランクとBランクが選手の移籍すると、移籍先の球団より人的補償選手がFA選手の前所属球団に移籍します。

MLBとNPBの補償制度比較

リーグ補償制度
MLBQO対象選手の移籍でドラフト権が補償される。
NPB選手のランクによって人的補償や金額補償が発生する。

2025-2026年FA選手ランキングトップ10

MLB Trade Rumorsが現地時間11月6日に公開したFAランキングトップ10選手をまとめました。

筆者が独断と偏見でまとめたFAランキング野手編とFAランキング投手編は以下の記事をご覧ください。

※11月上旬に公開した記事のため、すでに契約合意が発表された選手もいます。

FAランキング野手編

FAランキング投手編

今回紹介するランキングは野手・投手別ではなくFA選手全体のランキングです。

FA市場の動向により、ランキングや契約予想額は変動していることがあります。

※ランキングはTrade Rumorsをもとに行なっていますが、契約内容と移籍先は筆者の予想です。

1位:カイル・タッカー(29)ー RF

走攻守揃った今オフのFAナンバー1選手。外野手の需要は高く争奪戦は必至です。

契約予想:10年4億ドル

移籍先予想:ドジャース

2025年シーズン成績

試合HR盗塁打率OPSwRC+fWARrWAR
1362225.266.8421364.54.6

2位:ボー・ビシェット(28)ー SS

高い打撃能力を持つショートストップ。来シーズン28歳と若さも魅力。

契約予想:8年2億ドル

移籍先予想:ブルージェイズ

2025年シーズン成績

試合HR盗塁打率OPSwRC+fWARrWAR
139184.311.8401343.43.5

3位:ディラン・シース(30)ー RHP

高い奪三振能力で支配的なピッチングを見せる右腕。

2021年以降は毎シーズン160イニング超えという耐久力の高さが魅力。

契約予想:7年1億8,900万ドル

移籍先予想:レッドソックス

2025年シーズン成績

試合投球回K%防御率FIPfWARrWAR
32168.081229.84.553.563.41.1

※日本時間11月27日、ディラン・シースはトロント・ブルージェイズと7年2億1,000万ドル(後払い含む)で契約合意したと発表されました。

4位:村上宗隆(26)ー 3B/1B

日本球界が誇るスラッガーがメジャー挑戦。メジャーでも高いパフォーマンスに期待。

契約予想:8年1億7,000万ドル

移籍先予想:エンゼルス

2025年シーズン成績(NPB)

試合HR盗塁打率OPSwRC+
56224.2731.043211

5位:アレックス・ブレグマン(32)ー 3B

空振りや三振が少なく、四球率の高いゾーン管理能力に優れた選手です。守備範囲の広さも健在で、攻守に高い安定感があります。

契約予想:6年1億6,000万ドル

移籍先予想:タイガース

2025年シーズン成績

試合HR盗塁打率OPSwRC+fWARrWAR
114181.273.8211253.53.5

6位:フランバー・バルデス(32)ー LHP

長いイニングを投げることができる耐久性の高さと、高いゴロ率で安定した投球を見せる今オフFAでトップクラスの左腕です。

契約予想:5年1億7,500万ドル

移籍先予想:ジャイアンツ

2025年シーズン成績

試合投球回K%防御率FIPfWARrWAR
31192.0131123.33.663.374.03.8

7位:今井達也(27)ー RHP

日本球界を代表する右腕がメジャーに挑戦します。年々K%(奪三振率)が上昇し、BB%(与四球率)は低下傾向にあり、支配力のある投球を見せています。

低いリリースポイントからの高めの4シームで空振りを多く奪う投球スタイルがメジャーでも期待されています。

契約予想:7年1億7,000万ドル

移籍先予想:メッツ

2025年シーズン成績(NPB)

試合投球回K%防御率FIP
24163.210527.81.922.01

8位:コディ・ベリンジャー(30)ー OF/1B

パワーは健在ながら三振を減らし、コンタクトを安定させた2019年のナ・リーグMVP。外野・一塁と複数ポジションを安定した守備力でこなすこともできます。

契約予想:5年1億6,500万ドル

移籍先予想:メッツ

2025年シーズン成績

試合HR盗塁打率OPSwRC+fWARrWAR
1522913.272.8131254.95.1

9位:カイル・シュワーバー(33)ーDH/LF

2025年はキャリア最多の56本塁打を放ち、大谷翔平を抑えてナ・リーグ本塁打王に輝きました。

本塁打・三振・四球が多いロマンあふれる長距離砲です。

契約予想:4年1億ドル

移籍先予想:フィリーズ

2025年シーズン成績

試合HR盗塁打率OPSwRC+fWARrWAR
1625610.240.9281524.94.7

10位:レンジャー・スアレス(30)ー LHP

安定感抜群のグラウンドボーラー。バルデスとともに今オフのFA左腕トップクラス。

契約予想:6年1億6,000万ドル

移籍先予想:オリオールズ

2025年シーズン成績

試合投球回K%防御率FIPfWARrWAR
26157.112822.23.203.214.04.7

ランキングの参考:MLB Trade Rumors “2025-26 Top 50 MLB Free Agents With Predictions”

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まとめ

FA制度は選手のキャリアを左右する重要な制度です。

MLBではFAにも様々な種類が存在し、NPBのFA制度との違いがあります。FAの仕組みやそれぞれの制度の違いを理解することでオフの楽しみ方がグッと増します。

毎年FA市場には多くのスター選手が登場し、契約の動向が注目されます。

あなたもMLBのFA選手の動向に注目し、MLBのオフシーズンを楽しんでみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が参考になれば幸いです。

今後もMLBの情報を配信しますので、SNSのフォロー、記事の更新をお楽しみに!

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