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みなさん、こんにちは!Chanです。
「今年の今永昇太、なんか調子いいな」と感じている方も多いのではないでしょうか。
2026年の今永昇太は、シーズン序盤に防御率2.28という快投で「復活」と評されました。そこから4か月、8月10日時点では8勝9敗・防御率3.60。序盤の勢いは落ち着きましたが、投球内容そのものは2025年から確実に変わっています。
Chase%(打者がゾーン外の球を振る割合)に至ってはMLB全体で99パーセンタイルという圧倒的な数字。
しかし昨年2025年の後半を覚えていますか?怪我からの復帰後、最後の12登板でERAは5.17に跳ね上がり、69.2回で被本塁打20本という衝撃的な数字を残しました。「今永はもう限界なのか」という声すら上がったほどです。
今回の記事では、2025年後半に何が起きたのか、そして2026年にどうやって復活を遂げたのかをStatcastとFanGraphsのデータを使って徹底解析します。
※本記事のデータは2026年8月10日時点のものです。
📊 この記事でわかること
- 今永昇太の2026年シーズン最新成績(FanGraphs・Baseball Savant)
- 2025年後半に不振に陥った本当の理由(怪我・メカニクス崩れ・フォーシーム失速)
- 2026年復活の3つの鍵をデータで解説
- xERAとERAの乖離から見える「今後の懸念点」
今永昇太 2026年シーズン成績まとめ(8月10日時点)
| 年度 | W-L | ERA | FIP | xERA | IP | K/9 | HR/9 | WAR |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 15-3 | 2.91 | 3.72 | 3.34 | 173.1 | 9.03 | 1.40 | 3.1 |
| 2025 | 9-8 | 3.73 | 4.86 | 4.07 | 144.2 | 7.28 | 1.93 | 0.9 |
| 2026 | 8-9 | 3.60 | 4.38 | 3.71 | 132.2 | 8.48 | 1.70 | 1.5 |
出典: FanGraphs / Baseball Savant ※2026年は8月10日時点(23先発)
シーズン序盤は防御率2.28と際立っていましたが、登板を重ねた8月10日時点では防御率3.60・8勝9敗に落ち着きました。デビュー年の2024年(防御率2.91・15勝3敗)にはまだ届いていません。
ただし不振だった2025年(防御率3.73・FIP4.86)と比べれば、投球内容は明確に改善しています。何が本物で何がそうでなかったのかは、この記事の後半で答え合わせしています。
今永のWAR(fWAR)値の見方や、他の日本人投手との比較はこちらの記事で詳しく解説しています。

なぜ2025年後半は崩れたのか──不振の3つの原因
① ハムストリング怪我とアームアングルの崩れ
2025年5月、ブルワーズ戦での打球処理中に左太もも裏(ハムストリング)の肉離れを発症し、約2ヶ月の離脱を余儀なくされました。
復帰直後は持ち直し、7月19日時点では防御率2.40を維持していましたが、そこからの最後の12登板で異変が起きます。
⚠️ 2025年後半12登板の衝撃的な数字
- ERA:5.17
- 被本塁打:20本(69.2回)
- HR/9:約2.59(前半比で3倍以上)
身体の違和感が投球フォームに影響し、アームアングルが3〜4度低下したと報告されています。
腕が下がることでボールに縦の回転がかかりにくくなり、スプリットの「縦割れ」が機能しなくなりました。
今永自身も「ファンを失望させて申し訳なかった」とオフに語っています。
② フォーシームの失速が──Run Value -10
実は2025年の不振、スプリットだけが問題ではありませんでした。Baseball SavantのRun Values by Pitch Typeを見ると、最大の失点源はフォーシームのRun Value -10という深刻な数字でした。スプリットは2025年も+6と機能していた一方、フォーシームが足を引っ張っていたのです。
| 球種 | 2025 Run Value | 2026 Run Value | 2026 Whiff% | 2026 HardHit% |
|---|---|---|---|---|
| フォーシーム | -10(失点源) | +2(改善) | 17.9% | 61.2% |
| スプリット | +6 | +7 | 45.0% | 23.9% |
| スウィーパー | +8 | +2 | 42.9% | 25.0% |
出典: Baseball Savant Run Values by Pitch Type
Percentile Rankingsでも2025年のフォーシームはわずか10パーセンタイル(リーグ最下位クラス)。これが2025年不振の「真犯人」であり、2026年に86パーセンタイルまで復活したことが数字全体の改善に直結しています。
③ K%の大幅低下と被弾の連鎖
フォーシームとスプリットが同時に機能しなくなった結果、三振が取れなくなりました。
K%は2024年の25.1%から2025年は20.6%へ約5ポイント低下。
追い込んでからの決め球がなければ、カウントを悪化させた末に甘い球を痛打される悪循環に。]
バレル率も8.6%→11.6%と悪化し、xERAは4.07と表面上の防御率3.73よりさらに悪い実力を示していました。
2026年復活の3つの鍵──データが示す「本当に何が変わったか」
① フォーシームの復活──Percentile 86へ上昇
2026年最大の変化はフォーシームの劇的復活です。
Percentile Rankingsで10パーセンタイル(2025年)から86パーセンタイル(2026年)へ。
Run Valueも-10から+2へ反転しました。
球速は91.9 mphと依然としてリーグ平均以下(12パーセンタイル)。なのになぜ「効く」のか。
答えはスプリットとのコンビネーションです。
アームアングルが元に戻りスプリットが本来の縦の変化を取り戻したことで、打者がフォーシームとスプリットを見分けられなくなりました。
同じ軌道で来てスプリットだけが鋭く沈む。打者の判断を鈍らせることに成功。
Fastball Run Value 86パーセンタイル・Offspeed Run Value 99パーセンタイルという二枚看板が2026年の今永を支えています。
② ゾーン戦略の大転換──意図的に「外す」ことで打者を崩す
2026年の今永はゾーン内投球率(Zone%)を43.0%まで絞っています。
2025年の54.0%から11ポイントの大幅削減。一見すると制球難に見えますが、実態は正反対の「意図的な戦略転換」です。
| 年度 | Zone% | Chase% | Chase Contact% | Whiff% |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | 51.6% | 34.7% | 52.4% | 28.3% |
| 2025 | 54.0% | 31.5% | 60.8% | 24.6% |
| 2026 | 43.0% | 39.9% | 55.0% | 32.8% |
| MLB平均 | 48.7% | 28.5% | 58.0% | 25.0% |
出典: Baseball Savant Plate Discipline
2025年は「ゾーンに多く投げる(54%)→打者に振ってもらえない(Chase% 31.5%)→振られても当てられる(Chase Contact% 60.8%)」という悪循環でした。
2026年は「ゾーン外に多く投げる(43%)→打者が追いかけてくる(Chase% 39.9%)→追っても空振り(Chase Contact% 55%)」という理想のサイクルが完成。
スプリットへの信頼が戦略そのものを変えたのです。
③ 被本塁打の激減と三振の爆増
2025年後半に20本を被弾したHRが、2026年は47.1回でわずか4本(HR/9=0.76)。
スプリットが低めに決まると打球は自然とゴロや弱い当たりになります。
バレル率も11.6%(2025)→9.9%(2026)と改善。
K/9は2024年の9.03から大幅アップして10.08のキャリアハイ。
Statcast Pitching Run Valueでも2026年(8先発)でAll +12と、2025年フルシーズンの+6をすでに上回っています。
【8月10日更新】「復活の3つの鍵」は本物だったのか
ここまでの3つの鍵を、シーズンが4か月進んだ8月10日時点のデータで検証します。
| 復活の鍵 | 当時の見立て | 8月10日時点の実際 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ① フォーシームの復活 | Run Value -10(2025)→ プラス転換 | 被打率.227→.249、長打率.567→.467。空振り率も15.9%→19.8%へ上昇し、長打を浴びる球ではなくなりました | ✅ 奏功 |
| ② ゾーン戦略の大転換 | 意図的に「外す」ことで打者を崩す | Location+が108→110へ。四球率も4.6%→5.4%と大きく崩さず、制球の再現性は保てています | ✅ 奏功 |
| ③ 被本塁打の激減と三振の爆増 | HR/9 0.76・K/9 10.08(5月時点) | K/9は8.48まで低下したものの、K%は20.6%→23.5%で2025年超え。ただしHR/9は1.70まで戻り、被弾は25本 | ⚠️ 道半ば |
※ 数値はFanGraphsおよびBaseball Savant(2026年8月10日時点)。2025年との比較です。
2つは本物、1つは道半ばという結果でした。
最大の成果はゴロ率が29.2%から36.7%へ7.5ポイント上昇したこと。フライボール投手の宿命だった被本塁打を、打球そのものを変えることで抑えにいった形です。実際にHR/9は2025年の1.93から1.70へ下がりました。
ただし1.70という数字は依然としてリーグ平均を大きく上回ります。被本塁打25本が防御率3.60の主因であり、「激減」と呼べる水準にはまだ届いていません。
総合すると、実力を示すxFIPは4.51から3.84へ大幅に改善。序盤の防御率2.28ほどではないにせよ、2025年の不振からの立て直しは確実に進んでいます。あとは被弾をどこまで減らせるかが、2024年の水準に戻れるかの分かれ目になります。
それでも残る懸念点──xERAとERAの乖離をどう見る
序盤は防御率2.28に対しxERA(期待防御率)が3.03と、「少し運が味方している」状態でした。8月10日時点では防御率3.60・xERA3.71とほぼ一致しており、当時の懸念どおり数字はxERAの水準に近づきました。
同様に指摘していたHR/9も、0.76から1.70へ上昇。被本塁打はすでに25本を数え、これが防御率を押し上げる最大の要因になっています。
一方でBB%は5.4%まで改善し、こちらの懸念は解消しました。
当時書いた「ERA 2.28は少し良すぎる」という見立てはそのとおりでした。防御率は3.60まで戻り、xERA3.71とほぼ一致しています。
ただし実力を示すxFIPは4.51→3.84と大幅に改善しており、投球内容そのものは2025年から確実に良くなっています。「MLBトップクラスに戻った」と言い切るのは早いものの、立て直しは進んでいるというのが正直な見立てです。
今永昇太がいるカブスの現状──ワイルドカード首位
シカゴ・カブスは8月10日時点で68勝50敗。ナ・リーグ中地区ではブルワーズ(73勝44敗)に5.5ゲーム差の2位ですが、ワイルドカード争いでは6.0ゲーム差をつけて首位に立ち、プレーオフ進出をほぼ手中にしています。
今永は23先発でローテーションを守り続けており、規定投球回ペースでシーズンを完走できる見込みです。カブスにとっては、この安定した稼働そのものが大きな価値になっています。
同じカブスには鈴木誠也も在籍。日本人2人がNL首位チームの中核を担っています。


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⚾ 2026年MLBオールスターゲームの日程・投票・ホームランダービーはこちらの記事で詳しく解説しています。

まとめ
✅ 2025年不振の主な原因
- ハムストリング怪我(約2ヶ月離脱)によるアームアングルの低下
- フォーシームのRun Value -10(Percentile 10位)が真犯人
- 後半12登板ERA 5.17・被HR20本の連鎖崩壊
🔥 2026年復活の3つの鍵
- フォーシームがPercentile 86位に劇的復活(Run Value +2)
- Zone%を43%に下げChase%99パーセンタイルの「外す戦略」を確立
- HR/9が0.76に激減・K/9 10.08のキャリアハイ
「球速が遅くても打者を抑えられる」という今永モデルは、MLBで通用することが証明されました。
2025年の挫折を経て、むしろ精度が磨かれた投球スタイルは、シーズン終盤に向けてさらに完成度を高めていく可能性を秘めています。
WARや投球指標の読み方についてはこちらの記事も参考にしてください。

バレル率やハードヒット率など打球品質の指標解説はこちらもあわせてどうぞ。

今永昇太の投球哲学をさらに深掘りしたい方には、本人監修の書籍もあわせてどうぞ。
スプリットやフォーシームの組み立て方がわかりやすく解説されています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事が参考になれば幸いです。

よくある質問(FAQ)
Q. 今永昇太は2026年もフル先発できますか?
現時点(5月12日)で8先発をすべてこなしています。
2025年のハムストリング怪我から完全に回復したとみられ、FanGraphsのプロジェクションでは26先発・149.0 IPを想定。
今季はローテの柱として機能する公算が高いです。
Q. 今永昇太のスプリットはなぜそんなに打者が打てないのですか?
フォーシームとほぼ同じ軌道から手前で急激に沈む「縦の変化」が特徴です。
打者は直球と判断してスイングしたところでボールが消えるため、対応が非常に難しい球種です。
2026年のWhiff%(空振り率)は45.0%とMLBトップクラス。
さらに今永のフォーシームはスプリットとの「見分けにくさ」で威力を発揮しており、単体ではなくコンビネーションとして機能しています。
Q. FIP・xERAとは?ERAと何が違うのですか?
ERA(防御率)は実際に取られた点数をもとに算出するため、守備のミスや運の影響を受けます。
FIPは「三振・四球・被本塁打」だけで算出した守備非依存の実力指標、xERAはStatcastの打球データ(初速・角度)から算出した期待防御率です。
今永の2026年はERA 3.60に対してFIP 4.38・xERA 3.71。ERAとxERAはほぼ一致しており、防御率3.60前後が現在の実力どおりの水準といえます。
参考・データ出典
※記事内の成績データは2026年8月10日時点のものです。



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