みなさん、こんにちは!Chanです。
2026年のMLBで、いま最も価値のある選手は誰か——。この問いにデータで答えるなら、名前は一つに絞られます。カブスの中堅手、ピート・クロウ=アームストロング(Pete Crow-Armstrong)です。
2026年9月4日時点で、fWAR 9.3・rWAR 8.4はいずれもMLB全体1位。打っては38本塁打・OPS.943、走っては32盗塁で2年連続の30-30を達成、守ってはOAA(Outs Above Average)24でこちらもMLB全体1位。走攻守すべてで頂点に立つシーズンを送っており、史上7人目の「40-40」も射程に入ってきました。
この記事では、ピート・クロウ=アームストロングの2026年成績を、FanGraphsとBaseball SavantのデータでMVPレースの現在地まで徹底解剖します。「なぜWARがこれほど突出するのか」が、数字を追うほどはっきり見えてきます。
📊 この記事でわかること
- ✅ ピート・クロウ=アームストロングの2026年成績(9月4日時点)
- ✅ fWAR 9.3がMLB1位になる理由——打撃・走塁・守備の内訳
- ✅ Baseball Savantで見る走攻守のパーセンタイルと、唯一の弱点
- ✅ OAA 24でMLB全体1位の中堅守備がどれほど傑出しているか
- ✅ 30-30達成後に見えてきた「40-40」到達の可能性
- ✅ ナ・リーグMVPレースでの現在地と大谷翔平との比較
ピート・クロウ=アームストロングとは?基本プロフィール
まずは選手としての基本情報を押さえておきます。
| 氏名 | ピート・クロウ=アームストロング(Pete Crow-Armstrong) |
|---|---|
| 所属 | シカゴ・カブス |
| ポジション | 中堅手(センター) |
| 生年月日 | 2002年3月25日(24歳) |
| 出身 | アメリカ・カリフォルニア州シャーマンオークス |
| 身長・体重 | 183cm・84kg |
| 投打 | 左投左打 |
| MLBデビュー | 2023年9月11日 |
2020年のドラフトでメッツに1巡目指名を受けた後、2021年にハビアー・バエズらとのトレードでカブスへ移籍しました。マイナー時代から「守備は即MLBトップクラス、打撃が課題」と評価されてきた選手です。その打撃は2025年に31本塁打で一段目の飛躍を見せ、2026年はそこからさらに確実性を積み上げました。2年をかけて課題を克服し、リーグを代表する選手へと駆け上がっています。
ピート・クロウ=アームストロングの2026年成績【9月4日時点】
| 項目 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 試合 | 140 | ほぼフル出場 |
| 打席 | 627 | — |
| 打率 | .280 | 前年.247から大幅改善 |
| 本塁打 | 38 | 自己最多を更新中 |
| 盗塁 | 32 | 2年連続の30盗塁超え |
| 出塁率 | .375 | 四球率11.6%まで改善 |
| 長打率 | .568 | — |
| OPS | .943 | 規定到達者でMLB2位 |
| wRC+ | 157 | リーグ平均の1.57倍 |
| fWAR | 9.3 | MLB全体1位 |
| rWAR | 8.4 | MLB全体1位 |
※2026年9月4日時点(現地9月3日終了時点)/出典:FanGraphs・Baseball Reference
fWAR 9.3はMLB全体1位——2位に2.5の大差
WAR(Wins Above Replacement/代替選手と比べて何勝分上積みしたか)で見ると、クロウ=アームストロングの傑出ぶりが際立ちます。
fWAR 9.3は、2位の大谷翔平(6.8)に2.5もの差をつけた単独トップ。計算方式の違うrWARでも8.4で1位ですから、両指標そろって1位という状態です。シーズンMVPを語るうえで、これ以上に強い材料はなかなかありません。
WARの意味や2つの計算方式の違いは、こちらの記事で詳しく解説しています。

30-30は達成済み——射程に入った「40-40」
本塁打と盗塁をともに30以上記録する「30-30」は、パワーとスピードを兼ね備えた証明とされます。クロウ=アームストロングは2025年に31本塁打・35盗塁で達成し、2026年も38本塁打・32盗塁で2年連続となりました。
特筆すべきは本塁打の伸びです。2024年は10本でしたから、2年で約4倍まで増やした計算になります。中堅守備の負担を背負いながらこの打撃を両立している点が、WARを押し上げる最大の要因です。
そして今季は、その先の「40本塁打40盗塁(40-40)」が視野に入ってきました。残り21試合の時点で、40本塁打まであと1〜2本、40盗塁まであと8個という位置にいます。
| 年 | 選手 | チーム | 本塁打 | 盗塁 |
|---|---|---|---|---|
| 1988 | ホセ・カンセコ | アスレチックス | 42 | 40 |
| 1996 | バリー・ボンズ | ジャイアンツ | 42 | 40 |
| 1998 | アレックス・ロドリゲス | マリナーズ | 42 | 46 |
| 2006 | アルフォンソ・ソリアーノ | ナショナルズ | 46 | 41 |
| 2023 | ロナルド・アクーニャJr. | ブレーブス | 41 | 73 |
| 2024 | 大谷翔平 | ドジャース | 54 | 59 |
※MLB史上の40-40達成者/出典:Baseball Reference(2026年9月4日時点)
40-40はMLB史上まだ6人しか到達していない領域で、直近では2024年の大谷翔平が54本塁打59盗塁で達成しています。
正直に見立てを書くと、本塁打は40に届く可能性が高い一方、盗塁はやや高いハードルです。現在のペース(162試合換算で約37個)だと残り21試合で8個が必要になり、意識的に走らないと届きません。
ただスプリントスピードは96パーセンタイルと走力そのものは十分にあります。チームがプレーオフ争いのなかでどこまで走らせる判断をするか次第で、史上7人目も狙える位置にいるのは確かです。シーズン最終盤の大きな見どころになりそうです。
Baseball Savantで見る走攻守——3部門すべてが98パーセンタイル以上
ここからはBaseball Savant(MLB公式のトラッキングデータサイト)のパーセンタイル(=MLB全体で上位何%かを示す数値。100に近いほど優秀)を見ていきます。
| 区分 | 指標 | 数値 | パーセンタイル |
|---|---|---|---|
| 総合 | Batting Run Value(打撃) | +41 | 100 |
| Fielding Run Value(守備) | +26 | 100 | |
| Baserunning Run Value(走塁) | +6 | 98 | |
| 打撃 | xwOBA(期待wOBA) | .367 | 93 |
| xSLG(期待長打率) | .493 | 93 | |
| Barrel%(理想的な打球の割合) | 13.0% | 87 | |
| Hard-Hit%(95mph以上の打球) | 48.7% | 89 | |
| Bat Speed(スイング速度) | 74.9mph | 83 | |
| 守備 | Range(OAA) | +24 | 100 |
| Arm Strength(送球速度) | 91.4mph | 89 | |
| 走塁 | Sprint Speed(走力) | 29.5ft/s | 96 |
※2026年9月4日時点/出典:Baseball Savant
注目すべきは最上段の3行です。打撃・守備・走塁の3部門すべてで98パーセンタイル以上、うち打撃と守備は最高値の100。「打てるが守れない」「守れるが打てない」という選手が大半のなかで、3方向すべてで頂点近くに立つ選手はほとんど存在しません。
これがWARで独走している理由です。WARは打撃・走塁・守備を1つの数値に合算する指標なので、3部門すべてで加点できる選手が構造的に有利になります。
唯一の弱点はスイング判断——Chase 33.8%・三振率26.3%
| 指標 | 数値 | パーセンタイル | 意味 |
|---|---|---|---|
| K%(三振率) | 26.3% | 19 | 下位2割の水準 |
| Squared-Up%(芯で捉えた割合) | 21.1% | 20 | ミート面は平均以下 |
| Chase%(ボール球を振る割合) | 33.8% | 24 | 早打ちの傾向 |
| Whiff%(空振り率) | 26.9% | 34 | 平均よりやや多い |
| BB%(四球率) | 11.6% | 79 | ここは大きく改善 |
※2026年9月4日時点/出典:Baseball Savant
ボール球に手を出す割合(Chase%)は33.8%で下位4分の1、三振率も26.3%と多めです。芯で捉える精度を示すSquared-Up%も20パーセンタイルにとどまっています。
それでもwRC+157という打撃成績を残せているのは、捉えたときの打球が非常に強い(Barrel% 87パーセンタイル、Hard-Hit% 89パーセンタイル)ことと、四球率を11.6%まで伸ばしたことの2点によるものだと思います。裏を返せば、スイング判断が改善すればさらに上積みの余地があるということでもあります。24歳という年齢を考えると、ここは今後の伸びしろと見てよいのではないでしょうか。

守備——OAA +24はMLB全体で1位
OAA(Outs Above Average/平均的な野手より何アウト多く奪ったか)は+24で、ポジションを問わずMLB全体1位。守備で防いだ失点を示すFielding Runs Preventedも+22に達しています。
| 順位 | 選手 | ポジション | OAA |
|---|---|---|---|
| 1位 | ピート・クロウ=アームストロング | 中堅手 | +24 |
| 2位 | セダン・ラファエラ | 中堅手 | +15 |
※2026年9月4日時点・規定到達267人が対象/出典:Baseball Savant
2位のセダン・ラファエラ(レッドソックス)に9つの差をつけており、守備部門では独走といってよい状態です。中堅手だけで見ても40人中1位でした。
内訳を見ると、三塁側への横の動きで+11、一塁側への横の動きで+10と、左右どちらへの守備範囲も突出しています。スプリントスピード29.5ft/s(96パーセンタイル)という脚力が、そのまま守備範囲の広さに直結している形です。

年度別成績の推移——3年でここまで伸びた
| 年度 | 試合 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 13 | 0 | 2 | .000 | .176 |
| 2024 | 123 | 10 | 27 | .237 | .670 |
| 2025 | 157 | 31 | 35 | .247 | .768 |
| 2026 | 140 | 38 | 32 | .280 | .943 |
| 通算 | 434 | 80 | 96 | .254 | .803 |
※2026年9月4日時点/出典:MLB公式スタッツ
2024年のOPS.670は、リーグ平均を下回る水準でした。それが2025年に.768、2026年には.943まで一気に跳ね上がっています。守備と走塁は当初から一級品でしたから、打撃がリーグ上位まで来たことで総合評価が跳ね上がった、という構図です。
打率も.237→.247→.280と着実に上げてきました。「守備の人」という当初の評価は、もはや当てはまらないと思います。
ナ・リーグMVPレースの現在地
| 選手 | チーム | fWAR | rWAR |
|---|---|---|---|
| ピート・クロウ=アームストロング | カブス | 9.3 | 8.4 |
| 大谷翔平 | ドジャース | 6.8 | 6.5 |
※2026年9月4日時点/出典:FanGraphs・Baseball Reference
大谷翔平は投打合算でfWAR 6.8ですが、7月3日以降は左膝の影響で登板がなく、投手としての上積みが止まっています。WARの差は2.5と小さくありません。所属するカブスもナ・リーグ中地区2位・ワイルドカード1位につけており、チーム成績という面でも減点材料は見当たりません。
ただ、MVPは記者投票で決まるため、WARだけで決着するわけではありません。本塁打や打点といった伝統的な数字で目立つ選手が最終盤に伸びてくる可能性は残ります。残り約20試合の戦いぶり次第、というのが正直なところです。

まとめ
✅ この記事のまとめ
- fWAR 9.3・rWAR 8.4でともにMLB全体1位——2位の大谷翔平に2.5差をつける独走
- 38本塁打・32盗塁で2年連続の30-30を達成——さらに史上7人目の「40-40」も射程に入っている
- 打撃・守備・走塁の3部門すべてが98パーセンタイル以上——WARが突出する構造的な理由
- OAA +24はMLB全体1位——2位に9つの差をつける中堅守備
- 課題はスイング判断——Chase 33.8%・三振率26.3%は下位水準で、伸びしろでもある
24歳でこの完成度ですから、今後数年はナ・リーグを代表する選手であり続ける可能性が高いと思います。シーズン最終盤のMVPレースも含めて、追いかける価値のある選手ではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事が参考になれば幸いです。
よくある質問(FAQ)
Q1. ピート・クロウ=アームストロングの2026年成績は?
A. 2026年9月4日時点で140試合に出場し、打率.280・38本塁打・32盗塁・OPS.943です。fWAR 9.3・rWAR 8.4はいずれもMLB全体1位で、走攻守すべてでリーグ最高水準の成績を残しています。
Q2. なぜクロウ=アームストロングのWARはこれほど高いのですか?
A. 打撃・守備・走塁の3部門すべてで加点しているためです。Baseball Savantのパーセンタイルでは打撃100・守備100・走塁98と、3方向すべてが最上位。WARはこの3つを合算する指標なので、1部門だけ突出した選手より数値が伸びやすくなります。
Q3. 守備はどのくらいすごいのですか?
A. OAA(平均的な野手より何アウト多く奪ったか)が+24で、ポジションを問わずMLB全体1位です。2位のセダン・ラファエラ(+15)に9つの差をつけています。スプリントスピード29.5ft/sという脚力が広い守備範囲を支えています。
Q4. 弱点はありますか?
A. スイング判断です。ボール球を振る割合(Chase%)33.8%は24パーセンタイル、三振率26.3%は19パーセンタイルと、いずれもリーグ下位の水準にあります。ただし四球率は11.6%(79パーセンタイル)まで改善しており、修正が進んでいる部分もあります。
Q5. 40-40は達成できそうですか?
A. 本塁打は40に届く可能性が高い一方、盗塁は残り21試合で8個が必要でやや厳しい情勢です。40-40はMLB史上6人しか達成しておらず、直近は2024年の大谷翔平(54本59盗塁)。スプリントスピードは96パーセンタイルと走力はあるので、チームの起用方針次第で史上7人目も狙える位置にいます。
Q6. ナ・リーグMVPは獲れそうですか?
A. WARでは2位の大谷翔平に2.5差をつけており、データ上は最有力です。ただしMVPは記者投票で決まるため、本塁打や打点といった伝統的な指標で終盤に伸びる選手が出てくれば情勢は動きます。現時点では「有力だが確定ではない」という見方が妥当だと思います。
参考・データ出典
・FanGraphs(成績・WAR)
・Baseball Savant(Statcast・OAA・スプリントスピード)
・Baseball Reference(rWAR)
・MLB公式スタッツ
※記事内の成績データは2026年9月4日(日本時間)時点のものです。


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