みなさん、こんにちは!Chanです。
2026年のMLBで、いま最も価値のある選手は誰か——。この問いにデータで答えるなら、名前は一つに絞られます。カブスの中堅手、ピート・クロウ=アームストロング(Pete Crow-Armstrong)です。
2026年9月13日時点で、fWAR 10.0・rWAR 9.2はいずれもMLB全体1位。打っては41本塁打・OPS.946、走っては36盗塁、守ってはOAA(Outs Above Average)25でこちらもMLB全体1位。走攻守すべてで頂点に立つシーズンを送っており、史上7人目の「40-40」まで盗塁あと4個に迫っています。
この記事では、ピート・クロウ=アームストロングの2026年成績を、FanGraphsとBaseball SavantのデータでMVPレースの現在地まで徹底解剖します。「なぜWARがこれほど突出するのか」が、数字を追うほどはっきり見えてきます。
📊 この記事でわかること
- ✅ ピート・クロウ=アームストロングの2026年成績(9月13日時点)
- ✅ fWAR 10.0がMLB1位になる理由——打撃・走塁・守備の内訳
- ✅ Baseball Savantで見る走攻守のパーセンタイルと、唯一の弱点
- ✅ OAA 25でMLB全体1位の中堅守備がどれほど傑出しているか
- ✅ 40本塁打に到達——「40-40」達成まで盗塁あと4個
- ✅ ナ・リーグMVPレースでの現在地と大谷翔平との比較
ピート・クロウ=アームストロングとは?基本プロフィール
まずは選手としての基本情報を押さえておきます。
| 氏名 | ピート・クロウ=アームストロング(Pete Crow-Armstrong) |
|---|---|
| 所属 | シカゴ・カブス |
| ポジション | 中堅手(センター) |
| 生年月日 | 2002年3月25日(24歳) |
| 出身 | アメリカ・カリフォルニア州シャーマンオークス |
| 身長・体重 | 183cm・84kg |
| 投打 | 左投左打 |
| MLBデビュー | 2023年9月11日 |
2020年のドラフトでメッツに1巡目指名を受けた後、2021年にハビアー・バエズらとのトレードでカブスへ移籍しました。マイナー時代から「守備は即MLBトップクラス、打撃が課題」と評価されてきた選手です。その打撃は2025年に31本塁打で一段目の飛躍を見せ、2026年はそこからさらに確実性を積み上げました。2年をかけて課題を克服し、リーグを代表する選手へと駆け上がっています。
ピート・クロウ=アームストロングの2026年成績【9月13日時点】
| 項目 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 試合 | 148 | ほぼフル出場 |
| 打席 | 664 | — |
| 打率 | .281 | 前年.247から大幅改善 |
| 本塁打 | 41 | 自己最多を更新中 |
| 盗塁 | 36 | 3年連続の30盗塁超え |
| 出塁率 | .376 | 四球率11.6%まで改善 |
| 長打率 | .570 | — |
| OPS | .946 | 規定到達者でMLB2位 |
| wRC+ | 157 | リーグ平均の1.57倍 |
| fWAR | 10.0 | MLB全体1位 |
| rWAR | 9.2 | MLB全体1位 |
※2026年9月13日時点(現地9月12日終了時点)/出典:FanGraphs・Baseball Reference
fWAR 10.0はMLB全体1位——2位に3.2の大差
WAR(Wins Above Replacement/代替選手と比べて何勝分上積みしたか)で見ると、クロウ=アームストロングの傑出ぶりが際立ちます。
fWAR 10.0は、2位の大谷翔平(6.8)に3.2もの差をつけた単独トップ。計算方式の違うrWARでも9.2で1位ですから、両指標そろって1位という状態です。1シーズンでfWAR 10.0に到達するのは、近年でもほとんど例がない水準です。シーズンMVPを語るうえで、これ以上に強い材料はなかなかありません。
WARの意味や2つの計算方式の違いは、こちらの記事で詳しく解説しています。

40本塁打に到達——「40-40」まで盗塁あと4個
本塁打と盗塁をともに30以上記録する「30-30」は、パワーとスピードを兼ね備えた証明とされます。クロウ=アームストロングは2025年に31本塁打・35盗塁で達成し、2026年も41本塁打・36盗塁で2年連続となりました。
特筆すべきは本塁打の伸びです。2024年は10本でしたから、2年で4倍以上に増やした計算になります。中堅守備の負担を背負いながらこの打撃を両立している点が、WARを押し上げる最大の要因です。
そして今季は、その先の「40本塁打40盗塁(40-40)」が現実味を帯びてきました。本塁打はすでに41本で40の大台に到達。残るは盗塁で、36個からあと4個という位置です。カブスの残り試合は13試合あります。
| 年 | 選手 | チーム | 本塁打 | 盗塁 |
|---|---|---|---|---|
| 1988 | ホセ・カンセコ | アスレチックス | 42 | 40 |
| 1996 | バリー・ボンズ | ジャイアンツ | 42 | 40 |
| 1998 | アレックス・ロドリゲス | マリナーズ | 42 | 46 |
| 2006 | アルフォンソ・ソリアーノ | ナショナルズ | 46 | 41 |
| 2023 | ロナルド・アクーニャJr. | ブレーブス | 41 | 73 |
| 2024 | 大谷翔平 | ドジャース | 54 | 59 |
※MLB史上の40-40達成者/出典:Baseball Reference(2026年9月13日時点)
40-40はMLB史上まだ6人しか到達していない領域で、直近では2024年の大谷翔平が54本塁打59盗塁で達成しています。
9月に入ってからの盗塁ペースが上がっており、約9日間で4個を積み増しました。このペースが続けば、残り13試合で4個は十分に届く範囲です。
スプリントスピードは96パーセンタイルと走力も十分です。ただしカブスはポストシーズン進出を争っている最中なので、怪我のリスクを避けて盗塁を控える判断もあり得ます。そこがどう転ぶか次第ですが、史上7人目が見える位置にいるのは確かで、シーズン最終盤の大きな見どころになりそうです。
Baseball Savantで見る走攻守——3部門すべてが98パーセンタイル以上
ここからはBaseball Savant(MLB公式のトラッキングデータサイト)のパーセンタイル(=MLB全体で上位何%かを示す数値。100に近いほど優秀)を見ていきます。
| 区分 | 指標 | 数値 | パーセンタイル |
|---|---|---|---|
| 総合 | Batting Run Value(打撃) | +47 | 100 |
| Fielding Run Value(守備) | +27 | 100 | |
| Baserunning Run Value(走塁) | +6 | 98 | |
| 打撃 | xwOBA(期待wOBA) | .373 | 93 |
| xSLG(期待長打率) | .502 | 94 | |
| Barrel%(理想的な打球の割合) | 13.2% | 88 | |
| Hard-Hit%(95mph以上の打球) | 49.0% | 90 | |
| Bat Speed(スイング速度) | 75.0mph | 84 | |
| 守備 | Range(OAA) | +25 | 100 |
| Arm Strength(送球速度) | 91.2mph | 89 | |
| 走塁 | Sprint Speed(走力) | 29.5ft/s | 96 |
※2026年9月13日時点/出典:Baseball Savant
注目すべきは最上段の3行です。打撃・守備・走塁の3部門すべてで98パーセンタイル以上、うち打撃と守備は最高値の100。「打てるが守れない」「守れるが打てない」という選手が大半のなかで、3方向すべてで頂点近くに立つ選手はほとんど存在しません。
これがWARで独走している理由です。WARは打撃・走塁・守備を1つの数値に合算する指標なので、3部門すべてで加点できる選手が構造的に有利になります。
唯一の弱点はスイング判断——Chase 33.9%・三振率26.1%
| 指標 | 数値 | パーセンタイル | 意味 |
|---|---|---|---|
| K%(三振率) | 26.1% | 20 | 下位2割の水準 |
| Squared-Up%(芯で捉えた割合) | 21.1% | 18 | ミート面は平均以下 |
| Chase%(ボール球を振る割合) | 33.9% | 23 | 早打ちの傾向 |
| Whiff%(空振り率) | 26.6% | 36 | 平均よりやや多い |
| BB%(四球率) | 11.6% | 81 | ここは大きく改善 |
※2026年9月13日時点/出典:Baseball Savant
ボール球に手を出す割合(Chase%)は33.9%で下位4分の1、三振率も26.1%と多めです。芯で捉える精度を示すSquared-Up%も18パーセンタイルにとどまっています。
それでもwRC+157という打撃成績を残せているのは、捉えたときの打球が非常に強い(Barrel% 88パーセンタイル、Hard-Hit% 90パーセンタイル)ことと、四球率を11.6%まで伸ばしたことの2点によるものだと思います。裏を返せば、スイング判断が改善すればさらに上積みの余地があるということでもあります。24歳という年齢を考えると、ここは今後の伸びしろと見てよいのではないでしょうか。

守備——OAA +25はMLB全体で1位
OAA(Outs Above Average/平均的な野手より何アウト多く奪ったか)は+25で、ポジションを問わずMLB全体1位。守備で防いだ失点を示すFielding Runs Preventedも+23に達しています。
| 順位 | 選手 | ポジション | OAA |
|---|---|---|---|
| 1位 | ピート・クロウ=アームストロング | 中堅手 | +25 |
| 2位 | JJ・ウェザーホルト | 内野手 | +22 |
※2026年9月13日時点・規定到達267人が対象/出典:Baseball Savant
2位のJJ・ウェザーホルト(カージナルス)に3つの差をつけてリーグ全体の首位を守っています。中堅手だけで見れば独走といってよい状態です。
内訳を見ると、三塁側への横の動きで+11、一塁側への横の動きでも+11と、左右どちらへの守備範囲も突出しています。スプリントスピード29.5ft/s(96パーセンタイル)という脚力が、そのまま守備範囲の広さに直結している形です。

年度別成績の推移——3年でここまで伸びた
| 年度 | 試合 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 13 | 0 | 2 | .000 | .176 |
| 2024 | 123 | 10 | 27 | .237 | .670 |
| 2025 | 157 | 31 | 35 | .247 | .768 |
| 2026 | 148 | 41 | 36 | .281 | .946 |
| 通算 | 441 | 82 | 100 | .256 | .809 |
※2026年9月13日時点/出典:MLB公式スタッツ
2024年のOPS.670は、リーグ平均を下回る水準でした。それが2025年に.768、2026年に.946と、2年かけて段階的に積み上がっています。とくに2025年は31本塁打を放ってパワーが開花した年で、2026年はそこに打率.281という確実性が加わりました。
打率も.237→.247→.281と着実に上げてきました。守備と走塁は当初から一級品でしたから、打撃が2段階で伸びたことで総合評価が跳ね上がった、という構図です。「守備の人」という当初の評価は、もはや当てはまらないと思います。
ナ・リーグMVPレースの現在地
| 選手 | チーム | fWAR | rWAR |
|---|---|---|---|
| ピート・クロウ=アームストロング | カブス | 10.0 | 9.2 |
| 大谷翔平 | ドジャース | 6.8 | 6.6 |
※2026年9月13日時点/出典:FanGraphs・Baseball Reference
大谷翔平は投打合算でfWAR 6.8ですが、7月3日以降は左膝の影響で登板がなく、投手としての上積みが止まっています。WARの差は3.2と小さくありません。所属するカブスもナ・リーグ中地区2位・ワイルドカード1位につけており、チーム成績という面でも減点材料は見当たりません。
ただ、MVPは記者投票で決まるため、WARだけで決着するわけではありません。本塁打や打点といった伝統的な数字で目立つ選手が最終盤に伸びてくる可能性は残ります。残り13試合の戦いぶり次第、というのが正直なところです。

まとめ
✅ この記事のまとめ
- fWAR 10.0・rWAR 9.2でともにMLB全体1位——2位の大谷翔平に3.2差をつける独走
- 41本塁打・36盗塁で2年連続の30-30を達成——40本塁打に到達し、史上7人目の「40-40」まで盗塁あと4個
- 打撃・守備・走塁の3部門すべてが98パーセンタイル以上——WARが突出する構造的な理由
- OAA +25はMLB全体1位——リーグ全体の首位を守る中堅守備
- 課題はスイング判断——Chase 33.9%・三振率26.1%は下位水準で、伸びしろでもある
24歳でこの完成度ですから、今後数年はナ・リーグを代表する選手であり続ける可能性が高いと思います。シーズン最終盤のMVPレースも含めて、追いかける価値のある選手ではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事が参考になれば幸いです。
よくある質問(FAQ)
Q1. ピート・クロウ=アームストロングの2026年成績は?
A. 2026年9月13日時点で148試合に出場し、打率.281・41本塁打・36盗塁・OPS.946です。fWAR 10.0・rWAR 9.2はいずれもMLB全体1位で、走攻守すべてでリーグ最高水準の成績を残しています。
Q2. なぜクロウ=アームストロングのWARはこれほど高いのですか?
A. 打撃・守備・走塁の3部門すべてで加点しているためです。Baseball Savantのパーセンタイルでは打撃100・守備100・走塁98と、3方向すべてが最上位。WARはこの3つを合算する指標なので、1部門だけ突出した選手より数値が伸びやすくなります。
Q3. 守備はどのくらいすごいのですか?
A. OAA(平均的な野手より何アウト多く奪ったか)が+25で、ポジションを問わずMLB全体1位です。2位のJJ・ウェザーホルト(+22)を上回っています。スプリントスピード29.5ft/sという脚力が広い守備範囲を支えています。
Q4. 弱点はありますか?
A. スイング判断です。ボール球を振る割合(Chase%)33.9%は23パーセンタイル、三振率26.1%は20パーセンタイルと、いずれもリーグ下位の水準にあります。ただし四球率は11.6%(81パーセンタイル)まで改善しており、修正が進んでいる部分もあります。
Q5. 40-40は達成できそうですか?
A. 本塁打は41本ですでに40の大台に到達しており、残るは盗塁のみです。36個からあと4個で、カブスの残り試合は13試合。9月に入って盗塁ペースが上がっているため十分に届く範囲ですが、ポストシーズン争いの最中で怪我を避けて盗塁を控える可能性もあります。40-40はMLB史上6人だけで、直近は2024年の大谷翔平(54本59盗塁)です。
Q6. ナ・リーグMVPは獲れそうですか?
A. WARでは2位の大谷翔平に3.2差をつけており、データ上は最有力です。ただしMVPは記者投票で決まるため、本塁打や打点といった伝統的な指標で終盤に伸びる選手が出てくれば情勢は動きます。現時点では「有力だが確定ではない」という見方が妥当だと思います。
参考・データ出典
・FanGraphs(成績・WAR)
・Baseball Savant(Statcast・OAA・スプリントスピード)
・Baseball Reference(rWAR)
・MLB公式スタッツ
※記事内の成績データは2026年9月13日(日本時間)時点のものです。


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