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みなさん、こんにちは!Chanです。
「山本由伸、今年は本調子じゃないのでは?」そんな声をSNSでよく見かけます。
ERAは2.78と、2年連続の2点台をキープ。後半戦最初の登板では、無四球で今季初の9回完投を披露して10勝目を挙げました。
そして数字を深く掘り下げると、むしろ進化した姿が見えてきます。
xFIP 3.34 。
この数字は、守備や運、本塁打の偏りを除いた「本当の実力」を表します。xFIP 3.34は先発投手として十分に優秀な水準で、ERA 2.78という結果も文句なしの好成績です。一時SNSでささやかれた『不調』とは異なり、むしろ制球面では進化している、というのがデータの答えです。
※本記事のデータはBaseball Savant・FanGraphs掲載の2026年7月19日時点の数値です。
- 2026年の山本由伸の成績(ERA/FIP/xFIP/Pitching+)を完全解説
- なぜERAより実力が高いのか?セイバーメトリクスで読み解く
- スプリット・Whiff率32.2%が示す「最強の決め球」の現在地
- BB/9が3.06→1.88に激減!コントロール進化の秘密
- HR/FB率の高騰は収束へ——課題と今後の展望
- NPB時代〜MLB3年目、ドジャース投手陣での位置づけ
🎉 【速報】山本由伸が2026年オールスターゲームに選出されました(日本時間7月5日発表・2年連続2回目)。ドジャースからは大谷翔平・フリーマン・マンシー・パヘスと合わせて球団最多の5人が選出されており、選出時点のERA 2.49・BB/9 1.81という安定感がしっかり評価された形です。両リーグの全ロースターはオールスター完全ガイドで確認できます。
山本由伸の2026年成績サマリー
まずは現時点(2026年7月19日、18先発119.2イニング)の主要スタッツを確認しましょう。
| 年度 | ERA | FIP | xFIP | WAR | K/9 | BB/9 | HR/9 | WHIP |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024(MLB初年度) | 3.00 | 2.61 | 2.86 | 2.9 | 10.50 | 2.20 | 0.70 | 1.11 |
| 2025 | 2.49 | 2.94 | 3.05 | 5.0 | 10.42 | 3.06 | 0.73 | 0.99 |
| 2026(〜7/19) | 2.78 | 3.33 | 3.34 | 3.0 | 8.50 | 1.88 | 0.98 | 0.88 |
ERAは2.78と、前年(2.49)からはやや上がったものの、2年連続の2点台を維持しています。
さらに注目したいのが xFIP 3.34 という数字です。
xFIP(Fielding Independent Pitching の期待値版)は本塁打の影響も補正した「守備と運を除いた投球力」を示す指標で、FIP(3.33)とほぼ同じ水準まで収束してきました。
これは何を意味するか。
本塁打になりやすいフライ(HR/FB)の比率が一時的に高かった影響がFIPに表れており、その傾向が和らげば指標面の数字もさらに良くなる余地があります。
ERA vs FIP vs xFIP — どれが本当の実力か
この3指標の関係を整理しましょう。
FIP(3.33)とxFIP(3.34)はほぼ同じ水準に収束しました。序盤に12%台まで上がっていたHR/FB率が11.8%と平均圏に落ち着いてきたためで、本記事が指摘してきた「序盤の偏り」が実際に解消へ向かっている形です。
この点は後ほど詳しく分析します。
BB/9が3.06→1.88に激減!
2026年の山本由伸で最も評価すべき変化は、BB/9(9イニングあたり四球数)が3.06から1.88へ減少したことです。
Baseball SavantのBB%(四球率)は5.5%(規定投手58人中9番目に低い数値)。
これは規定投手の上位15%前後に入るコントロールの良さです。
2025年は四球数がやや多く課題視されていましたが、2026年はその問題をほぼ解消しています。
四球を減らしながらもWHIPを0.88に抑えている点は特筆すべきで、「ストライクゾーンへの出し入れの精度」が格段に上がったと考えられます。
PitchingBotのLocation+ 108という数値(100がリーグ平均)がその裏付けです。
球種別データで見る山本由伸の武器
スプリットが圧倒的——Whiff率32.2%の決め球
山本由伸の代名詞といえばスプリットフィンガー(スプリット)です。
2026年の投球割合は27%とほぼ3球に1球の頻度で投じており、そのWhiff率(空振り率)は32.2%という数値を記録しています。
スプリットの平均的なWhiff率がリーグで20〜25%程度であることを考えると、山本のスプリットは「平均の約1.4倍の空振りを奪う」超一流の決め球と言えます。
Baseball Savantのデータでも、この球種は右打者・左打者ともに有効で、特に低めに落ちるコースへの精度が高いことが読み取れます。
4シーム・カッター・カーブの多彩な組み合わせ
2026年の球種構成は以下の通りです。
PitchingBotのStuff+(球質評価)を見ると、最も高いのは4シームの106で、シンカー・スプリット(ともに104)が続きます。
総合的なStuff+は102で、球質はリーグ平均(100)をやや上回る水準です。
一方でカッター(94)は平均をわずかに下回りますが、制球を含めたPitching+は111と高く、総合的な投球の質は保たれています。
K/9が昨年の10.42から8.50へ低下している点については、「奪三振を狙うより、コントロールと打球管理を優先する投球スタイルへの移行」と解釈することもできます。
実際、BB/9の大幅改善はそれと表裏一体の関係です。
NPB時代〜MLB移籍、ドジャース3年目の現在地
オリックス時代の圧倒的な支配(2018〜2023)
山本由伸はNPBオリックス・バファローズで2018年にプロ入りし、わずか数年でリーグを代表する投手へと成長しました。
特に2023年シーズンはERA 1.21・FIP 1.38・xFIP 2.01という数字でNPBを席巻。沢村賞を3年連続で受賞(2021〜2023年)し、”日本最強投手”の地位を不動のものにしました。
2023年の数字をMLBの基準で見ると、xFIP 2.01はMLBのサイ・ヤング賞争いに絡むレベルです。
これほどの実績を持つ投手がMLBに挑戦するとなれば、その注目度の高さは当然と言えます。
ドジャース日本人先発ローテーショントリオの1人、佐々木朗希の2026年成績も、あわせてご覧ください。

MLB初年度(2024)〜2025年の飛躍
2023年オフ、山本はロサンゼルス・ドジャースと12年総額3億2500万ドル(約500億円)の大型契約を締結。
締結当時の投手最高額でした。
初年度2024年はシーズン途中の故障もありましたが、18先発でFIP 2.61・xFIP 2.86・WAR 2.9という優秀な数字を残しました。
2025年は30先発173.2イニングをフルに投げ、ERA 2.49・FIP 2.94・WAR 5.0とエース級の活躍。ドジャースのポストシーズン進出にも大きく貢献しています。
2026年の課題と今後の展望
HR/FB率上昇の正体と、その後の収束
2026年で気になる点はHR/FB率(フライ打球が本塁打になる割合)が11.8%と、昨年の10.8%よりやや高い水準にあることです。
HR/9も0.73から0.98へ増加しています。
ただし、ここで重要なのはサンプルサイズの問題です。
もっとも、7月上旬に12.1%あったHR/FBは、18先発・119.2イニング時点で11.8%まで低下してきました。2024年9.3%・2025年10.8%という実績を踏まえると、「序盤の偏りが平均へ収束しつつある」と見てよさそうです。
実際、FIP(3.33)とxFIP(3.34)がほぼ一致してきたことが、その収束を裏付けています。
xFIPはHR/FBをリーグ平均値に補正して計算するため、「HR/FBが平均に戻れば実力はxFIP水準(3.34)になる」というわけです。
一方、GB%(ゴロ率)が52.8%(2025年)から47.4%(2026年)へ低下している点は注目すべきです。
ゴロを打たせる割合が減ってフライが増えれば、必然的にHR/FBの影響を受けやすくなります。シンカー(GB%を高める球種)の使い方が変化した可能性もあり、この点は今後も注目したいところです。
Pitching+ 111が示す「平均以上」の価値
PitchingBotが算出する総合評価Pitching+ 111は「リーグ平均より11%優れた投球内容」を意味します。
Stuff+(球質)102、Location+(制球)108という内訳からは、現状でも十分なパフォーマンスを発揮していることが読み取れます。
ERA 2.78は2年連続の2点台となる好成績であり、序盤に高かったHR/FB率も実際に低下してきました。
xFIP 3.34・Pitching+ 111という数字は、「実力は依然としてリーグ上位クラス」であることを示しています。HR/FBが平均値に収束していけば、FIPやxFIPもERAに近い水準へさらに改善していく可能性があります。
ドジャースエース陣における山本由伸の位置づけ
2026年のドジャースは故障者が続出しており、山本由伸の存在はローテーションの柱として一層重要性を増しています。
ドジャースの2026年ローテーションを見渡すと、先発投手の故障離脱が複数発生しているなか(詳細は下記リンク参照)、山本が18先発を消化してイニングを積み重ねていることは単純に大きな貢献です。
そして後半戦最初の登板となった7月19日・敵地ヤンキース戦では、無四球・102球で今季初の9回完投(4安打2失点)を披露して10勝目をマーク。オールスター明けも状態は良好です。

同じドジャースの大谷翔平の投手成績も注目です。二人の日本人投手がローテーションを支える姿は、ドジャースファンにとって最大の見どころのひとつです。

シーズン後半、山本自身のHR/FBが平均に戻り、昨年並みのゴロ率を取り戻せれば、WAR 4〜5クラスの成績が視野に入ります。長いシーズンで「本物の実力」を発揮する後半戦に注目です。

日本人選手の最新のケガ・離脱状況と復帰の見込みは、こちらの記事で毎週まとめています。

まとめ
山本由伸の2026年を一言で表すなら、「2年連続の2点台となるERA 2.78を維持しつつ、序盤に高かったHR/FB率が実際に平均水準へ戻ってきたシーズン」です。
- FIP(3.33)とxFIP(3.34)が収束——HR/FBの偏りが解消へ向かい、指標面も安定
- BB/9が3.06→1.88に激減。コントロールは過去最高水準(規定投手の上位15%前後)
- スプリットのWhiff率32.2%は健在——決め球の威力は衰えていない
- Pitching+ 111はリーグ平均+11%。総合的な投球品質は維持
- 課題だったHR/FB率は11.8%まで低下——残る注目はGB%(47.4%)の回復
- ドジャース故障者続出のなか、ローテの柱として119.2イニング消化中
山本由伸が本当に「不調」かどうかは、HR/FBという不安定な指標だけで判断すべきではありません。
xFIPやPitching+が示す「実質的な投球力」はリーグ上位水準をキープしており、後半戦での更なる安定を示す材料はデータの中にしっかり揃っています。
日本人投手として世界最高峰のリーグで奮闘する山本由伸の2026年を、引き続き一緒にデータで追っていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事が参考になれば幸いです。
よくある質問(FAQ)
参考・データ出典
・Baseball Savant — Yoshinobu Yamamoto
・FanGraphs — Yoshinobu Yamamoto
・Baseball Reference
※記事内の成績データは2026年7月19日時点のものです。



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