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みなさん、こんにちは!Chanです。
「山本由伸、今年は本調子じゃないのでは?」そんな声をSNSでよく見かけます。
確かにERAは3.32と、昨年の2.49から上昇しています。
でも、データを深く掘り下げると、まったく違う景色が見えてきます。
xFIP 3.23 。
この数字こそが、2026年の山本由伸の「本当の実力」を示しています。ERAより低く、守備や運の影響を除いた純粋な投球力では、今なおエースクラスの働きをしているのです。
※本記事のデータはBaseball Savant・FanGraphs掲載の2026年5月23日時点の数値です。
- 2026年の山本由伸の成績(ERA/FIP/xFIP/Pitching+)を完全解説
- なぜERAより実力が高いのか?セイバーメトリクスで読み解く
- スプリット・Whiff率40.6%が示す「最強の決め球」の現在地
- BB/9が3.06→1.89に激減!コントロール進化の秘密
- HR/FB率15.8%という唯一の課題と今後の展望
- NPB時代〜MLB3年目、ドジャース投手陣での位置づけ
山本由伸の2026年成績サマリー
まずは現時点(2026年5月23日、9先発57イニング)の主要スタッツを確認しましょう。
| 年度 | ERA | FIP | xFIP | WAR | K/9 | BB/9 | HR/9 | WHIP |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024(MLB初年度) | 3.00 | 2.61 | 2.86 | 2.9 | 10.50 | 2.20 | 0.70 | 1.11 |
| 2025 | 2.49 | 2.94 | 3.05 | 5.0 | 10.42 | 3.06 | 0.73 | 0.99 |
| 2026(〜5/23) | 3.32 | 3.87 | 3.23 | 0.9 | 8.84 | 1.89 | 1.42 | 0.96 |
一見するとERAが上昇しており「不調」に見えます。
しかし注目すべきは xFIP 3.23 という数字です。
xFIP(Fielding Independent Pitching の期待値版)は本塁打の影響も補正した「守備と運を除いた投球力」を示す指標で、FIP(3.87)よりも大幅に低い。
これは何を意味するか。
HR/FBの上昇(本塁打になりやすいフライ比率)という「不運な傾向」がなければ、実力はもっと高く評価されるということです。
ERA vs FIP vs xFIP — どれが本当の実力か
この3指標の関係を整理しましょう。
xFIPがERAよりも低いということは、「HR/FBの高さ(15.8%)が解消されれば、防御率は3点台前半どころかそれを下回る水準に戻る可能性がある」ことを示唆しています。
この点は後ほど詳しく分析します。
BB/9が3.06→1.89に激減!
2026年の山本由伸で最も評価すべき変化は、BB/9(9イニングあたり四球数)が3.06から1.89へ減少したことです。
Baseball SavantのBB%(四球率)は5.4%(リーグ91パーセンタイル)。
これは全投手の上位9%に入るコントロールの良さです。
2025年は四球数がやや多く課題視されていましたが、2026年はその問題をほぼ解消しています。
四球を減らしながらもWHIPを0.96に抑えている点は特筆すべきで、「ストライクゾーンへの出し入れの精度」が格段に上がったと考えられます。
PitchingBotのLocation+ 107という数値(100がリーグ平均)がその裏付けです。
球種別データで見る山本由伸の武器
スプリットが圧倒的——Whiff率40.6%の決め球
山本由伸の代名詞といえばスプリットフィンガー(スプリット)です。
2026年の投球割合は29%とほぼ3球に1球の頻度で投じており、そのWhiff率(空振り率)は40.6%という数値を記録しています。
スプリットの平均的なWhiff率がリーグで20〜25%程度であることを考えると、山本のスプリットは「平均の約1.7倍の空振りを奪う」超一流の決め球と言えます。
Baseball Savantのデータでも、この球種は右打者・左打者ともに有効で、特に低めに落ちるコースへの精度が高いことが読み取れます。
4シーム・カッター・カーブの多彩な組み合わせ
2026年の球種構成は以下の通りです。
PitchingBotのStuff+(球質評価)を見ると、カーブとシンカーがともに119という高評価。
これは「動き・回転数・速度の観点で、それぞれリーグ平均より19%優れた球質を持つ」ことを意味します。
4シームも113と高く、全球種が平均以上という質の高さです。
K/9が昨年の10.42から8.84へ低下している点については、「奪三振を狙うより、コントロールと打球管理を優先する投球スタイルへの移行」と解釈することもできます。
実際、BB/9の大幅改善はそれと表裏一体の関係です。
NPB時代〜MLB移籍、ドジャース3年目の現在地
オリックス時代の圧倒的な支配(2018〜2023)
山本由伸はNPBオリックス・バファローズで2018年にプロ入りし、わずか数年でリーグを代表する投手へと成長しました。
特に2023年シーズンはERA 1.21・FIP 1.38・xFIP 2.01という数字でNPBを席巻。沢村賞を3年連続で受賞(2021〜2023年)し、”日本最強投手”の地位を不動のものにしました。
2023年の数字をMLBの基準で見ると、xFIP 2.01はMLBのサイ・ヤング賞争いに絡むレベルです。
これほどの実績を持つ投手がMLBに挑戦するとなれば、その注目度の高さは当然と言えます。
同じ日本球界から渡米した佐々木朗希の2026年成績も、あわせてご覧ください。

MLB初年度(2024)〜2025年の飛躍
2023年オフ、山本はロサンゼルス・ドジャースと12年総額3億2500万ドル(約500億円)の大型契約を締結。
締結当時の投手最高額でした。
初年度2024年はシーズン途中の故障もありましたが、18先発でFIP 2.61・xFIP 2.86・WAR 2.9という優秀な数字を残しました。
2025年は30先発173.2イニングをフルに投げ、ERA 2.49・FIP 2.94・WAR 5.0とエース級の活躍。ドジャースのポストシーズン進出にも大きく貢献しています。
2026年の課題と今後の展望
HR/FB率15.8%上昇の正体
2026年最大の懸念点はHR/FB率(フライ打球が本塁打になる割合)が15.8%と、昨年の10.8%から大幅に上昇していることです。
HR/9も0.73から1.42と倍増しています。
ただし、ここで重要なのはサンプルサイズの問題です。
9先発・57イニングという時点では、HR/FBは特に変動しやすい指標です。2024年は9.3%、2025年は10.8%と安定していたことを踏まえると、「2026年の15.8%は継続的なトレンドではなく、序盤の偏りである可能性が高い」と考えられます。
実際、xFIPがFIP(3.87)に比べてはるかに低い3.23であることが、この主張を裏付けています。
xFIPはHR/FBをリーグ平均値に補正して計算するため、「HR/FBが平均に戻れば実力はxFIP水準(3.23)になる」というわけです。
一方、GB%(ゴロ率)が52.8%(2025年)から44.0%(2026年)へ低下している点は注目すべきです。
ゴロを打たせる割合が減ってフライが増えれば、必然的にHR/FBの影響を受けやすくなります。シンカー(GB%を高める球種)の使い方が変化した可能性もあり、この点は今後も注目したいところです。
Pitching+ 111が示す「平均以上」の価値
PitchingBotが算出する総合評価Pitching+ 111は「リーグ平均より11%優れた投球内容」を意味します。
Stuff+(球質)103、Location+(制球)107という内訳からは、現状でも十分なパフォーマンスを発揮していることが読み取れます。
ERA 3.32だけを見て「不調」と判断するのは早計です。
xFIP 3.23・Pitching+ 111という数字は、「実力は依然としてリーグ上位クラス」であることを示しています。HR/FBが平均値に収束すれば、ERAも3点台前半〜2点台後半に戻る可能性は十分にあります。
ドジャースエース陣における山本由伸の位置づけ
2026年のドジャースは故障者が続出しており、山本由伸の存在はローテーションの柱として一層重要性を増しています。
ドジャースの2026年ローテーションを見渡すと、先発投手の故障離脱が複数発生しているなか(詳細は下記リンク参照)、山本が9先発を消化してイニングを積み重ねていることは単純に大きな貢献です。

同じドジャースのエース・大谷翔平の投手成績も注目です。二人の日本人投手がローテーションを支える姿は、ドジャースファンにとって最大の見どころのひとつです。

シーズン後半、山本自身のHR/FBが平均に戻り、昨年並みのゴロ率を取り戻せれば、WAR 4〜5クラスの成績が視野に入ります。長いシーズンで「本物の実力」を発揮する後半戦に注目です。

まとめ
山本由伸の2026年を一言で表すなら、「数字以上の実力を持ちながら、HR/FBというノイズに評価を歪められているシーズン序盤」です。
- ERA 3.32よりもxFIP 3.23が実力の正確な指標——HR/FBの補正後は依然エースクラス
- BB/9が3.06→1.89に激減。コントロールは過去最高水準(リーグ91パーセンタイル)
- スプリットのWhiff率40.6%は健在——決め球の威力は衰えていない
- Pitching+ 111はリーグ平均+11%。総合的な投球品質は維持
- 唯一の課題はHR/FB率15.8%とGB%低下——シーズン後半の修正に注目
- ドジャース故障者続出のなか、ローテの柱として57イニング消化中
山本由伸が本当に「不調」かどうかは、HR/FBという不安定な指標だけで判断すべきではありません。
xFIPやPitching+が示す「実質的な投球力」はリーグ上位水準をキープしており、後半戦での復調を示す材料はデータの中にしっかり揃っています。
日本人投手として世界最高峰のリーグで奮闘する山本由伸の2026年を、引き続き一緒にデータで追っていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事が参考になれば幸いです。
よくある質問(FAQ)
参考・データ出典
・Baseball Savant — Yoshinobu Yamamoto
・FanGraphs — Yoshinobu Yamamoto
・Baseball Reference
※記事内の成績データは2026年5月23日時点のものです。


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